JPH0221652Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は直線摺動シール装置に関するもの
で、特に絶縁ガスを封入したガス絶縁開閉装置の
接地金属容器内に収容された電流開閉部と接地金
属容器外の操作装置とを連結する操作ロツドの接
地金属容器を貫通する部分に有効な直線摺動シー
ル装置に関するものである。

この考案はこれに限るものではないが上記した
ような操作ロツド（通常絶縁操作ロツド）に特に
有効であるから、以下に、このような直線摺動シ
ール装置について説明する。

〔従来の技術〕

ガス絶縁開閉装置に、従来第２図に示すような
タンク形遮断器がある。図において１は接地金属
容器で、内部に電流開閉器２を収容し、絶縁性ガ
ス３を満たし、このガスで電流開閉部２を容器か
ら絶縁している。電流開閉器を操作するための絶
縁操作ロツド４は接地金属容器１の下部に設けら
れた取付台５を貫通して容器外に延長し、貫通部
分に直線摺動シール６があつて、このシールは保
持部材を兼ねたフランジ７で取付台に固着され
て、直線摺動シール装置を構成し、絶縁操作ロツ
ド４を直線摺動可能にし、かつ絶縁ガスを容器内
に密封する作用をしている。

フランジ７の下方に操作装置８が設けられ、絶
縁操作ロツド４の下端部４ａは操作装置８内に駆
動源で駆動される回転軸９に結合された回動レバ
ー１０に連結されていて、絶縁操作ロツド４は操
作装置８によつて図で上下方向に直線運動され
る。１２は接地金属容器１を支持する架台、１３
は接地金属容器の上部に設けられたマンホール、
１４はマンホールのめくら蓋である。

以上のガス絶縁開閉装置で、架台１２の高さ
は、可能な限り低い方が耐震性に優れており、ま
た接地金属容器の設置スペースの面からも好まし
い。そのため、ガス絶縁開閉装置の解体時に、絶
縁操作ロツド４を接地金属容器の下方へ抜き去る
スペースを確保しようとすることはガス絶縁開閉
装置の高さを高くして、上記の理由によつて好ま
しくない。従つて接地金属容器１の上部のマンホ
ール１３を通して絶縁操作ロツド４を容器から抜
き去るのが一般的である。絶縁操作ロツドをこの
ように上方へ抜き去るために、絶縁操作ロツド４
のピン１１によつて回動レバー１０に結合される
下端部４ａの直径は直線摺動シール６の内径と等
しく構成されていなければならない。

〔考案が解決しようとする問題点〕

近年ガス絶縁開閉装置は大容量化しつつあり、
従つて大形化した電流開閉部を操作するためには
大出力の操作装置が必要である。操作装置が大出
力の場合、回動レバー１０によつて絶縁操作ロツ
ド４に加わる応力も増大するため、絶縁操作ロツ
ドの端部４ａも、これに係合するピン１１もその
直径を第３図に示すように、大きくする必要があ
る。第３図は径を増大させたピン１１と絶縁操作
ロツドの端部４ａを示し、上方へ抜くため太さ一
様の太い絶縁操作ロツド４は、径の大きい直線摺
動シールを必要とするが、これは絶縁操作ロツド
４と直線摺動シールとの接触面積の増大による摩
擦の増大という問題点を生じる。また直線摺動シ
ールの径の増大はシール価格の増加を伴い、増加
率も極めて大きく不利であるという問題点があつ
た。

この考案は以上の問題点にかんがみてなされた
もので、絶縁操作ロツドを直線摺動シールから抜
く必要がない直線摺動シール装置を提供すること
を目的としている。

〔問題点を解決する手段〕

以上の目的で、この考案の直線摺動シール装置
は、絶縁操作ロツドと係合する直線摺動シールの
保持部材を接地金属容器に取付けるためのフラン
ジと別体とし、保持部材を取付けるフランジの保
持部材取付中心孔の径が絶縁操作ロツドの端部の
径より大きいことを特徴としている。

〔作用〕 このようにフランジの保持部材取付中心孔の径
が絶縁操作ロツドの下端部の径より大きいので、
フランジと保持部材との締付装置例えば固着のた
めのボルトを外せば、フランジは容器に取付けた
ままで絶縁操作ロツドを直線摺動シールの保持部
材と一緒に上方へ取出すことができ、絶縁操作ロ
ツドを直線摺動シールから抜き去る必要がなく、
直線摺動シールを絶縁操作ロツドの端部に合せて
大きくする必要がない。

〔実施例〕

以下、図示する実施例について、この考案を詳
細に説明する。

第１図に示すように、絶縁操作ロツド４は操作
ロツド端部金具１５を上端のねじ部１５ａにより
絶縁部４ｂに結合して構成され、端部金具は直線
摺動シール１６を貫通し、下端部１５ｂがピン１
１によつて回動レバー１０に連結されている。直
線摺動シール１６の保持部材１６ａはフランジ１
７と別体になつていて、フランジ１７の保持部材
取付中心孔１７ａに一部が嵌合し、ボルト１８で
フランジ１７に固着され、フランジ１７を介して
接地金属容器の取付台５に取付けられている。こ
のような構成において、フランジ１７の保持部材
取付中心孔１７ａの直径Ｄは端部金具１５のピン
１１を保持する下端部１５ｂの最大寸法ｄより大
きいことを特徴としている。

この考案の直線摺動シール装置はこのように構
成されているので、解体時には、ボルト１８を取
外すことによつて、直線摺動シール１６の保持部
材１６ａを絶縁操作ロツド４と一緒に取付台５か
ら上方へ取外し、接地金属容器１の上部のマンホ
ール１３（共に第２図に示す）から取出すことが
できる。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案によれば、直線摺動シ
ールの保持部材を接地金属容器へ固定するための
フランジと別体にし、接地金属容器の内部方向へ
取外せるようにし、フランジの保持部材取付中心
孔を操作ロツド下端部の最大寸法より大きく構成
したので、直線摺動シール保持部材を絶縁操作ロ
ツドと一体で例えば接地金属容器の上部マンホー
ルから取出すことができ、その結果、直線摺動シ
ールの寸法を絶縁操作ロツドの下端部の最大寸法
ｄより小さい寸法d₁の部分に合せることができ、
直線摺動シールの寸法を小さく保つことのできる
効果がある。さらに、絶縁操作ロツドを上方へ取
出しうるので、架台の高さを低くでき、耐震性能
の向上を図ることができる効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による直線摺動シール装置の
一実施例を示す断面図、第２図は従来の直線摺動
シール装置を備えたガス絶縁開閉装置を略示する
一部断面正面図、第３図は第２図の直線摺動シー
ル装置部分を示す拡大部分断面図である。 １……接地金属容器、２……電流開閉部、４…
…絶縁操作ロツド、６，１６……直線摺動シー
ル、９……回転軸、１０……回動レバー、１６ａ
……直線摺動シールの保持部材、１７……フラン
ジ、１７ａ……保持部材取付中心孔。なお、各図
中、同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 駆動源で回転駆動される回転軸に結合された回
   動レバーと接地金属容器内に収納された電流開閉
   部とを連結する絶縁操作ロツドが直線摺動シール
   によつて上記容器内外部の密封を保ちながら上記
   容器を貫通している直線摺動シール装置におい
   て、上記接地金属容器に連設されたフランジと、
   このフランジにボルトを介して取り付けられ上記
   直線摺動シールを保持するための保持部材とを備
   え、上記フランジには、上記回動レバーが連結さ
   れた上記絶縁操作ロツドの下端部の最大寸法より
   も径が大の保持部材取付中心孔が形成され、上記
   保持部材は上記絶縁操作ロツドの下端部と係止し
   絶縁操作ロツドと一体に上記接地金属容器の内部
   方向に取外しできるようになつていることを特徴
   とする直線摺動シール装置。