JPH0221597Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は低温圧縮機の試験設備に係り、特に窒
素ガスに液体窒素を混合して所望低温度の窒素ガ
スを製造しつつこれを低温圧縮機の被圧縮ガスと
して用いる低温圧縮機の試験設備に関する。

［従来の技術］ 極低温ガスを取扱う低温圧縮機の実ガス運転時
における性能及び機械的特性を予想し、現象を把
握するために、低温窒素ガスを用いる安全で比較
的簡単な試験設備が一般に用いられている。

そして、従来では液体窒素から試験に必要な所
望低温度の窒素ガスを得るために、第２図に示す
如くタンクａから蒸発器ｂに液体窒素を導いて気
化させた後、この窒素ガスを混合器ｃ内でフラツ
シユされる液体窒素と接触させて所望低温度に冷
却していた。

［考案が解決しようとする問題点］ ところで、上記試験設備では圧縮機ｄに供給さ
れた窒素ガスを全て吐出ラインｅから大気に放出
していたので、液体窒素の消費量が非常に多く不
経済であつた。

［考案の目的］ 本考案は上記従来技術の問題点を解決すべくな
されたものであり、その目的は液体窒素の消費量
を削減することができる経済的な低温圧縮機の試
験設備を提供することにある。

［考案の概要］ 本考案は上記目的を達成するために、性能試験
をすべき低温圧縮機の吸入口に接続され、窒素ガ
スに液体窒素を混合して所望低温度の窒素ガスを
製造する混合器と、上記低温圧縮機の吐出ライン
に接続され、吐出窒素ガスの一部を上記混合器に
導入する導入ラインとを備えたことを特徴として
いる。

［実施例］ 以下に本考案の一実施例を添付図面に基づいて
詳述する。

第１図において、１は液体窒素を収容したタン
クであり、このタンク１には混合器２の液体窒素
導入口３が液体窒素供給ライン４を介して接続さ
れ、混合器２の低温窒素ガス排出口５には性能試
験をすべき低温圧縮機６の吸入口７が低温窒素ガ
ス供給ライン８を介して接続されている。

上記圧縮機６の吐出口９には大気に連通する吐
出ライン１０が接続され、吐出ライン１０には吐
出ガスの一部を上記混合器２に導入する導入ライ
ン１１が分岐接続され、この導入ライン１１の端
部は上記混合器の窒素ガス導入口１２に接続され
ている。

上記液体窒素供給ライン４には制御弁１３が介
設され、液体窒素のフラツシユ液量を調節して窒
素ガスの冷却温度を調節するようになつている。

窒素ガスの冷却温度を検知するために、低温窒
素ガス供給ラインには温度計Ｔが介設されてい
る。

圧縮機６の近傍の吐出ライン１０には圧力計
Ｐ、流量測定用オリフイス１４及び絞り弁１５が
順に介設され、吐出ライン１０の吐出口近傍には
大気への放出量を調節して混合器への循環量を調
節する循環量調節弁１６が介設されている。

次に上記試験設備を用いて低温圧縮機の性能試
験を行う場合について説明する。

尚、始動に際して直ちに多量の窒素ガスを必要
とする場合には、従来と同様に蒸発器を介して混
合器２の窒素ガス導入口１２に窒素ガスを導入す
るが、通常は混合器２内においてフラツシユ液を
徐々に気化させて行くようにする。

圧縮機６の吐出口９から吐出ライン１０に吐出
された窒素ガスの一部は循環量調節弁１６を介し
て大気へ放出され、残りの窒素ガスは窒素ガス導
入ライン１１を介して混合器２に導入される。こ
の導入量は循環量調節弁１６により適宜調節され
る。

一方、混合器２にはタンク１から液体窒素が直
接フラツシユ液として導入されており、このフラ
ツシユ液が上記窒素ガスを冷却することになる。
混合器２から圧縮器６へ供給される窒素ガスの温
度を温度計Ｔで検出しつつ制御弁１３によりフラ
ツシユ液量を調節することにより、窒素ガスを所
望の低温度（−127℃）に制御する。

所望の低温度に制御された窒素ガスは圧縮機６
にその性能試験用として供給されることになる。
具体的には圧縮機６の動力と吐出圧、吐出流量と
の関係などの測定試験が行われる。

かかる試験設備によれば、圧縮機６から吐出さ
れた窒素ガスを循環使用するので、窒素ガスの大
気放出量を減少することができ、経済的である。
尚、従来の試験設備では、5.46Kg／秒の窒素ガス
を大気に放出していたのに対し、本考案に係る試
験設備では、2.36Kg／秒の窒素ガスを大気に放出
すればよく、液体窒素の消費量を約42％削減でき
た。

［考案の効果］ 以上要するに本考案によれば次の如き優れた効
果を発揮する。

(1) 低温圧縮機から吐出される窒素ガスの一部を
循環使用するようにしたので、液体窒素の消費
量を削減することができ、経済的である。

(2) 圧縮機を経て過熱された窒素ガスを混合器に
導入するようにしたので、液体窒素を気化する
蒸発器が不要となり、構造を簡素化できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る低温圧縮機の試験設備の
一実施例を示す系統図、第２図は従来設備を示す
系統図である。 図中、２は混合器、６は圧縮機、１０は吐出ラ
イン、１１は窒素ガス導入ラインである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 性能試験をすべき低温圧縮機の吸入口に接続さ
   れ、窒素ガスに液体窒素を混合して所望低温度の
   窒素ガスを製造する混合器と、上記低温圧縮機の
   吐出ラインに接続され、吐出窒素ガスの一部を上
   記混合器に導入する窒素ガス導入ラインとを備え
   たことを特徴とする低温圧縮機の試験設備。