JPH0221390Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案はインスタントコーヒ等の飲用原料と
水や湯とを予じめ分離しておき飲用時に手早く前
記二者を混合して飲用に供したり、塗料等におけ
る顔料やアルミニウム微粉末等の塗装原料と溶剤
液とを予じめ分離しておき、使用時に前記二者を
手早く混合して塗装に供することなどが可能な二
重密閉容器に関する。

［従来の技術］ インスタントコーヒ等のインスタント原料と湯
とを予じめ分離しておき飲用時に前記二者を混合
するものとしては従来から別個の容器にそれぞれ
原料と湯や水を入れて密閉した後、これら各容器
を合体し、飲用時１つの容器から原料を取出した
後、他の容器に入れて水や湯と混合するものであ
るため取扱いが面倒で嵩張るという欠点がある。

また、塗料等における顔料やアルミニウム微粉
末等の塗装原料と溶剤液とを予じめ分離しておき
使用時に前記二者を混合するものとして溶剤液の
容器の蓋体に凹所を形成してこの凹所を顔料等の
容器と兼用しさらにこの凹所に蓋を取付けるもの
が提案されているが、このものは二重蓋構造とな
るため製造コストが高くなり使用時取扱いが面倒
で原料取出しに当り外部にこぼし易い等の欠点が
ある。

［考案が解決しようとする問題点］ 前述した従来の容器は二個の容器や二重蓋構造
の容器で構成されているため取扱いが面倒な上使
用時に原料を外部にこぼし易く、構造が複雑であ
るため材料費や加工費等も高くつくという欠点が
ある。

［考案の目的］ この考案は上述した欠点を除去することを目的
とする。

［考案の概要］ この考案の二重密閉容器は上記の目的を達成す
るために、一端が開口した容器の下部内周面に段
部を形成し、前記容器の内部に防水性の隔板を水
密的にかつ前記段部の上面に沿つて取付けて底板
との間に原料を封入する原料封止室を形成し、前
記容器の開口縁に端縁を〓形に曲げた係止縁を係
合せしめ、前記隔板の凹所内に届く長さの切刃を
設けた隔板開け部材を取付け、前記容器の隔板よ
りも上方に湯や溶剤液等の液体を入れる貯液室を
設け、前記係止縁と容器の上部外周面とをシール
で封止したものである。

［考案の実施例］ この考案の二重密閉容器Ａは第１図ａ〜ｃに示
すように、アルミあるいは合製紙葉をもつて形成
したアルミ箔あるいは合成樹脂フイルムの如き非
通気非滲水性部材で作られた隔板６を、容器１内
に例えば原料であるインスタントコーヒ、砂糖、
粉末ミルクを入れたあと、原料の酸化を防止する
ため窒素ガスと共に封止するように容器１の下部
内周面に設けた段部Ａの上面に沿つて取付け、こ
の隔板６と底板２との間に原料封止室５を構成
し、容器１の外周に接する大きさの蓋兼用の隔板
開け部材７の周縁を外側に〓形に曲げて係止縁８
を形成し、下面に前記係止縁８を開口縁３に係止
した際、隔板６の開口縁より隔板の凹所６ｂの底
部に達しない長さの三角形状の切刃９を形成した
前記隔板開け部材７を前記係止縁８に開口縁３を
挿入する形で取付けるのであるが、前記隔板６か
ら開口縁３までの間の貯液室４に水ｂを入れ、第
１図ａおよび第２図ａに示すように隔板開け部材
７の係止縁８の外周面と容器１の上部外周面１１
との間に剥離片１２付きの水漏れ防止シール１０
を加熱圧着したものである。尚、第２図ａに示す
ように容器１の外周面に発泡樹脂の如き断熱材１
３を取付けてもよい。

［考案の作用］ この考案の二重密閉容器Ａは以上の如く構成さ
れており、容器自体を熱蔵庫内に入れて加熱し、
貯液室４内の水ｂを70〜90゜に保つようにして販
売する。

購入者は、第１図ａおよび第２図ａに示す状態
から第２図ｂに示すように剥離片１２をもつて水
漏れ防止シール１０を剥し、次に第２図ｂ〜ｄお
よび第３図ａ〜ｃに示すように係止縁８を持つて
容器１を回すことにより切刃９が回動して凹所６
ｂ内から隔板６の周囲を切断しながら360゜回転さ
せる間に第２図ｂ，ｃおよび第３図ｂ，ｃの過程
を経て前記凹所６ｂの部分を残して切断される。
この最初の凹所内からの脱出による切断開始で貯
液室４内の熱湯が原料封止室５内に流入し、原料
を溶解し始めるが、その後第２図ｄに示すように
容器１を上下に振つて撹拌すれば、容器１に隔板
６の一部が取付いた状態で同図に実線および仮想
線で示すように動き内容物を効率よく撹拌するこ
とができる。

このあと、隔板開け部材７を持つて切刃９を容
器１より抜脱させれば内部のコーヒを飲むことが
出来る。

なお、前記実施例ではインスタントコーヒ容器
として使用した場合につき説明したが、この考案
の二重密閉容器を塗料等における顔料や粉末等の
塗装原料と溶剤液の混合容器として使用する場合
には原料封止室５に顔料やアルミニユム微粉末等
の塗装原料ａを入れ貯液室４内に溶剤液を入れる
ことで隔板６により塗装原料と溶剤液とを予じめ
分離して置くことができ、使用時に前記と同様に
隔板開け部材７を回動操作して隔板６を切断後、
前記と同様にすれば前記二者を手早く混合でき、
塗装に供することができる。

［考案の効果］ 以上述べたようにこの考案の二重密閉容器は一
端が開口した容器１の下部内周面に段部１Ａを形
成し、前記容器１の内部に防水性の隔板６を水密
的にかつ前記段部１Ａの上面に沿つて取付けて底
板２との間に原料ａを封入する原料封止室５を形
成し、前記容器１の開口縁３に端縁を〓形に曲げ
た係止縁８を係合せしめ、前記隔板６の凹所６ｂ
内に届く長さの切刃９を設けた隔板開け部材７を
取付け、前記容器１の隔板６よりも上方に湯や溶
剤液等の液体を入れる貯液室４を設け、前記係止
縁８と容器１の上部外周面１１とをシール１０で
封止したので、全体としては１個の容器で構成さ
れているため取扱い易く、使用時に原料を外部に
こぼすことがなく、構造が簡単であるため材料費
や加工費等が少なくて済み、コスト安に実施する
ことができる。したがつてこの考案をコーヒ容器
として使用すれば市販の缶入りコーヒに比しより
味や風味のよいコーヒが飲め、ランニングやオペ
レーシヨンコストも安く、甘さを押え目にしてお
き、甘いのがよい人は加糖することもできるの
で、万人向きの市販缶入りコーヒに対し自分の好
みの甘さや味に甘料やミルクを付加できる。さら
に塗料等における顔料やアルミニウム微粉末と溶
剤液とを予じめ分離して置く二重密閉容器として
の使用時には隔板開け部材を回動操作し、前記二
者を手早く混合して塗装に供することが容易にで
きる等の効果のほかに、特にこの考案では隔板開
け部材７の切刃９がマドラーの役目を果すからマ
ドラーを付属させなくてもよく、この分だけコス
トを低減できると共に、隔板開け部材７の上縁を
〓形に形成した係止縁８を容器１の開口縁３に係
合したので、部材７の回転操作に当り、上記係止
縁８が回転のガイド役を果すから切刃９による隔
板６の切断が美しく楽にできるというような多く
の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図はいずれもこの考案の一実施例を示すもの
で、第１図ａは二重密閉容器の外観図、第１図ｂ
は隔板開け部材の外観図、第１図ｃは容器の一部
を裁除した外観図、第２図ａ〜ｄおよび第３図ａ
〜ｃはいずれも隔板の切断状態を示す断面図と使
用状態を示す断面図および要部の斜視図である。 １……容器、１Ａ……段部、２……底部、３…
…開口縁、４……貯液室、５……原料封止室、６
……隔板、６ｂ……凹所、７……隔板開け部材、
８……係止縁、９……切刃、１０……シール、１
１……上部外周面、ａ……原料、Ａ……二重密閉
容器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端が開口した容器１の下部内周面に段部１Ａ
   を形成し、前記容器１の内部に防水性の隔板６を
   水密的にかつ前記段部１Ａの上面に沿つて取付け
   て底板２との間に原料ａを封入する原料封止室５
   を形成し、前記容器１の開口縁３に端縁を〓形に
   曲げた係止縁８を係合せしめ、前記隔板６の凹所
   ６ｂ内に届く長さの切刃９を設けた隔板開け部材
   ７を取付け、前記容器１の隔板６よりも上方に湯
   や溶剤液等の液体を入れる貯液室４を設け、前記
   係止縁８と容器１の上部外周面１１とをシール１
   ０で封止したことを特徴とする二重密閉容器。