JPH0221254Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、書類整理に好適な綴に関し、特にス
プリングフアイルをビス式フアイルに組込んだ背
厚を調節しうる綴じ機構の改善された極めて実用
的綴に関する。

〔従来の技術〕

従来、書類を綴じるためのフアイルには、多く
のタイプのものが知られ、それぞれの特長を活か
して適切に選択使用されている。一般に、綴じ込
まれる紙葉が比較的少ない単位綴の場合には、不
都合はほとんどないが、綴じ込み厚が厚くなると
その重量のために整理棚において倒れかかつたり
変形する不都合を生ずるので、厚綴じが避けられ
ない書類綴には、通常、充分な強度を有する板体
で、表裏板及び所定幅の背厚板を一体に形成させ
たものが広く用いられ、また、その背厚に対応す
る頑強な紙葉綴じ金具が組合せて取り付け使用さ
れる。しかしこのようなフアイルは、綴じ込み紙
葉量に関係なく、背厚幅を占有するから整理上極
めて不利である。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案は、上記のような書類整理用フアイルの
実状において、綴じ込み整理さるべき紙葉の量に
応じて背厚が調節でき、大量の紙葉が綴じ込まれ
た場合にも安定な製本状態が保たれ、しかも整理
棚において綴じ板紙などが傷んだり、綴じられた
紙が綴じ板紙内でたれ下つたりすることのないし
つかりした取扱いが容易な綴を提供せんとするも
のである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、ビス式フアイルにおいて、表板紙と
裏板紙の内側のビス綴じ部にそれぞれスプリング
綴じ金具取付部材及びその両取付部材間に背厚調
節用スペーサーが配置され、更に背側にポケツト
タイプの背見出し部材が配置されて成る綴であつ
て、上記裏板紙側の取付部材には２本の書類綴じ
込み用スプリングを有する金具本体が強固に一体
化され、またスプリング固定用部材が上側から当
てがわれる表板紙側の取付部材には、その取付部
材辺縁から切り込まれたスプリング誘導孔と連通
状のスプリング挿通孔が形成され、上記スペーサ
ーは基本スペーサーのほかに所望の背厚調節のた
めの１又は複数の追加スペーサー及びそれらの厚
さに対応する各対のつなぎビスが準備され、上記
背見出し部材の両側には、それぞれの背厚に対応
しうる間隔のビス綴じ用対孔が形成されて成る背
厚調節式綴を提供する。

一般にビス式フアイルは、表板紙と裏板紙の綴
じ側に空けられた貫通孔に綴じ込み用のビスがそ
れぞれの外側から適用される形式のものである。
このビスは書類を綴じ込みはじめる初期において
は基本スペーサーのみが用いられ、あるいは場合
によつてはそれも省略できるが、綴じ込み量の増
大に伴つてつなぎビスが追加使用される。そのつ
なぎビスを使用する場合には、そのビスの長さに
対応する追加スペーサーが基本スペーサーに重合
適用される。この追加スペーサーは、整理対象に
よつては、１つでもよいが、好ましくは複数、通
常２〜３種が対応する各対のつなぎビスと共に準
備される。また、書類等が綴じ込まれるスプリン
グ綴じ金具の２本のスプリングが取り付けられた
金具本体は、その基板が金具取付部材のフラツプ
部に一体に取付けられて、裏板紙の内側に配置さ
れ、また、金具本体と組合わせ使用されるスプリ
ングを曲げ押さえるための固定部材は、表板紙側
の取付部材に一体に取り付けられることなく、そ
の上側に密接適用される。この取付部材は、ビス
挿通孔をビス綴じ部に有し、折り目を介してスプ
リング綴じ金具用の張出し状フラツプが一体に形
成された板状物で、該フラツプ部には、金具本体
に付属する上方に直立する２本のスプリングをそ
れぞれ受け入れる孔が形成され、それぞれの孔は
フラツプの辺縁から切込まれたスプリング誘導孔
と連通状に形成されているから、スプリングはそ
の弾性を利用してその切り込みから容易に誘導さ
れる。従つて、この切り込みは、スプリングの径
と同程度ないし僅かに大きい幅で形成され、また
そのスプリング誘導切り込みはフラツプ辺縁から
直交状の最短線に沿うよりも斜行ないしう回状に
形成させることがよい。また、そのう回方向は、
固定部材により曲げ押さえられるスプリングの曲
げ方向、例えば相互離反方向の場合には、それぞ
れ内側から外側へう回するように切り込まれるこ
とが好ましい。この表板紙側の取付部材はその上
に厚みのあるスプリング固定部材が適用されるの
で、その部材の厚さに対応するスペーサーがビス
綴じ部に当てがわれることが好ましく、従つて、
その取付部材は、そのスペーサーの下側に綴じ込
まれる。

また、本考案の綴には、従来ビス式フアイルに
実質的に取付けられることのない背見出しが取付
けられるが、最大背厚に対応させうる充分な幅を
もつたポケツト状の背見出し部材が用いられる。
この部材は背見出しのため、またスペーサーの選
択による背厚の変化に対応させうるように、２枚
のシート（フイルム）を上辺を開いてポケツト状
に形成されると共に綴の表板紙と裏板紙に接して
取り付けられビス固定される右側辺部と左側辺部
には、各種の背厚に対応する各対のビス挿通用孔
が形成され、そのポケツトに、綴じ込み書類の内
容を表示した見出し紙が挿入される。ビス挿通用
孔は、背見出し部材の中央縦線を動かさないで所
定の各種背厚に対応させてそれぞれ形成させても
よいし、例えば右側の孔を固定使用し、左側の孔
を背厚に対応させた位置にそれぞれ形成させても
よく、その場合には個別でなく連続した線状孔に
形成させることも実用的である。

〔作用〕

本考案の綴はスプリングフアイルの綴じ込み
で、ビス綴じと同様に大量の書類を安定に整理で
きる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を添付図面により説明す
る。

第１図は、本考案の綴の一例の斜視図、第２図
は、表板紙、裏板紙及び背見出し部材を取除いた
ビス綴じとスプリング綴じの組合せ状態を示す斜
視図である。また、第３図のａ図はスペーサーの
部分斜視図、ｂとb′図は綴どめ用基本ビス及びつ
なぎビスの各斜視図、ｃ図は背見出し部材の部分
平面図である。

図において、表板紙１と裏板紙２の綴じ部に
は、２本の組合せビス３，３がそれぞれ両板紙の
外側から螺合されて綴じ込まれ、両板紙間には、
これに接して配置される背見出し部材４の両辺部
の内側に、基本スペーサー５、追加スペーサー
６、スプリング綴じ金具本体の取付部材７、同ス
プリング固定部材（図示せず）用取付部材８及び
そのスプリング固定部材の厚さに対応するスペー
サー１０がそれぞれ配置されビス綴じされる。こ
れらには、両ビス挿通用の２個の貫通孔１１がそ
れぞれ形成され、追加スペーサー６、の使用に
は、基本ビス３のほかに、対応するつなぎビス
３′が用いられる。

スプリング綴じ金具本体９は、取付部分７に一
体に結合され、その直立状の２本のスプリング１
２，１２は、取付部材８の辺縁から切り込まれた
スプリング誘導孔１３，１３から、それぞれ挿通
孔１４，１４に導かれる。書類の整理は、紙葉を
スプリングに綴じ込んだのち、スプリングを取付
部材８の孔１４に通し、その取付部材８の上面に
スプリング固定部材を当てがつて、通常のスプリ
ングフアイル綴じ込み方法でセツトされる。

また、本考案において用いられる背見出し部材
４は、背厚の変更にも容易にビス綴じできるよう
に、片側のビス挿通用孔１１に対し他の側には各
背厚に対応する間隔位置を含む細長い孔１５が形
成されている。該部材４は、書類の内容を表示す
る見出し１６を収納するために袋状にされ、上辺
は開放されるが、他の辺は例えば熱溶封される。
背見出し１６は、それぞれの背厚に適合する大き
さのものを準備することが望ましい。

〔考案の効果〕

本考案の綴は、書類を綴じ込んで整理する初期
においては、基本スペーサーによる背厚で充分で
あり、異常に幅を独占することがないから整理上
極めて有利であり、書類の綴じ込み量の増大に応
じて、適宜追加スペーサーとつなぎビスを用いて
好適な背厚に調整整理できる利点を有する。ま
た、書類を綴じるためのスプリング綴じ金具は、
それ自体高い綴じ強度を有し、その金具の本体と
スプリング固定部材は、ビスによつて強固に固定
された取付部材と共に書類を保持するので、大量
の書類を綴じ込んだ場合にも、実質的にビス綴じ
にしつかり把持されて形くずれすることがなく、
実用上極めて望ましい。

要するに、本考案の綴は、同一綴において、書
類の量が少ないときには、背厚を薄くしておき、
綴る書類の量が多くなるごとに背厚を厚くしてい
くことができるので、当所から固定保管スペース
をとらず、スペースの有効活用ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る綴の斜視図、第２図は
表、裏板紙及び背見出し部材を取除いたビス綴じ
とスプリング綴じの組合せ状態を示す斜視図及
び、第３図−ａはスペーサーの部分斜視図、ｂ，
b′はそれぞれ基本ビスとつなぎビスの各斜視図、
ｃは背見出し部材の部分平面図である。 図中の符号：、１…表板紙、２…裏板紙、３…
ビス、４…背見出し部材、５，６，１０…スペー
サー、７，８…スプリング綴じ金具取付部材、１
３…スプリング誘導孔、１４…挿通孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ビス式フアイルにおいて、表板紙と裏板紙の内
   側のビス綴じ部にそれぞれスプリング綴じ金具取
   付部材及びその両取付部材間に背厚調節用スペー
   サーが配置され、更に背側にポケツトタイプの背
   見出し部材が配置されて成る綴であつて、上記裏
   板紙側の取付部材には２本の書類綴じ込み用スプ
   リングを有する金具本体が強固に一体化され、ま
   たスプリング固定用部材が上側から当てがわれる
   表板紙側の取付部材には、その取付部材辺縁から
   切り込まれたスプリング誘導孔と連通状のスプリ
   ング挿通孔が形成され、上記スペーサーは基本ス
   ペーサーのほかに所望の背厚調節のための１又は
   複数の追加スペーサー及びそれらの厚さに対応す
   る各対のつなぎビスが準備され、上記背見出し部
   材の両側には、それぞれの背厚に対応しうる間隔
   のビス綴じ対孔が形成されて成る背厚調節式綴。