JPH0221077Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、供血者に穿刺された一本の針より採
取した血液をセパレータに与えて血漿を分離し、
このセパレータを経由した血球を含む成分を血液
バツグに一時貯留し前記供血者に戻す単針式採漿
装置に関するものである。

（従来の技術） このような単針式採漿装置では、供血者に穿刺
した一本の針より採取した血液に抗凝固剤（以
下、ACD液という）を添加した後、セパレータ
に与え、血漿を血球成分と分離し採取すると共
に、前記セパレータを経由した血球を含む成分を
血液バツグに導き、この血球成分を前記供血者か
ら新たに採取した血液に混ぜて前記セパレータに
循還させ分離を行い、前記血液バツグにおける貯
留量が上限値に達したとき供血者へ返血し、前記
血液バツグの貯留量が下限値に達したとき採血を
再開し、このような採血・返血動作を前記セパレ
ータで分離される血漿が所定量に達するまで行う
ようにしている。

一般に、このような採漿装置においては、返血
回路の最終端部近くに気泡検出器が配置されてお
り、供血者に気泡が返血されるのを防ぐようにな
つている。気泡検出器が気泡を検出した場合に
は、装置は、直ちに動作を停止し、警報表示等を
用いて告知し、オペレータは、この告知にもとず
いて気泡を取り除く操作を行う。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、このような警報表示等による告
知は、オペレータに気泡検出の事実を知らしめ、
気泡を取り除く作業を行うために必要ではある
が、供血者に不安感を与えると共に、供血者の血
管の収縮などを引き起す。

本考案は、この問題点に着目したものである。

本考案の目的は、返血回路に取付けられた気泡
検出器が気泡を検出した場合に、供血者に不安感
を与えることなく、効率よく、自動的に気泡を取
り除くことができる採漿装置を提供するにある。

（問題点を解決するための手段） この目的を違成するために、本考案は、供血者
に穿刺された１本の針より採取した血液をセパレ
ータに与えて血漿を分離し、該セパレータを経由
した血漿を含む成分を血漿バツグに一時貯留し前
記供血者に戻す単針式採漿装置において、前記供
血者に戻す返血回路に設けられた気泡検出器と、
該気泡検出器の上流側に設けられたチヤンバー
と、返血動作中に前記気泡検出器の気泡検出信号
に基づき気泡検出器で検出された気泡を前記チヤ
ンバーに返送して取除くまで返血動作を中止して
採血動作をなした後更び返血動作をなす返血ポン
プとを具備したことを特徴とする単針式採漿装置
を構成したものである。

（作用） 以上の構成において、通常状態においては、供
血者に穿刺された一本の針より採取した血液をセ
パレータに与えて血漿を分離し、このセパレータ
を経由した血球を含む成分を血液バツグに一時貯
留し、供血者に戻す。

返血動作中に、気泡検出器が気泡を検出する
と、気泡検出信号を発し、この検出信号に基づ
き、返血ポンプが返血動作を中止し、気泡検出器
で検出された気泡をチヤンバーに返却して取除く
まで採血動作をなす。チヤンバーで気泡が取除か
れた後、再び、返血動作をなす。

以下、実施例について詳細に説明する。

（実施例） 図は本考案の一実施例の構成説明図である。

図において、１は供血者の腕、２はACD液を
貯留してなるACD液バツグ、３ａ，３ｂは生理
食塩水を貯留してなる生食バツグ、４は採取され
た血液を貯留する血液バツグ、４′は血液バツグ
４の重量を検出する重量検出器、５は採取された
血液から分離された血漿を貯留する血漿バツグ、
６は排液を貯留する排液バツグ、７ａ〜７ｆは各
流体（ACD液や生理食塩水等）を検出する第１
〜第６の検出器、８ａ〜８ｅは第１〜第５のポン
プ（この中で第２ポンプ８ｂと第４ポンプ８ｄは
正逆両方向に流体を送ることのできるポンプであ
る）、９ａ〜９ｇは上記各流体が流れる夫々の流
路の開閉を行なう第１〜第７のクランプ、１０ａ
〜１０ｄは第１〜第４の圧力計、１１ａ〜１１ｃ
は第１〜第３のチヤンバー、１２ａ，１２ｂは
夫々血液検出器および溶血検出器、１３は血漿を
通し血球成分を通さない中空糸（膜）１３ａによ
つて内部が内室１３ｂと外室１３ｃに区分されて
なる中空糸分離機、１４は供血者の腕１に穿刺さ
れる針である。尚、中空糸分離機１３には上記中
空糸が数干本収容されているのが通常の状態であ
るが、理解を容易にするため図では１本の中空糸
１３ａで模式的に表現している。

このような構成からなる本発明実施例の動作
は、血液回路を生理食塩水を用いて洗浄するプラ
イミング動作、供血者から採取した血液を血液バ
ツグに貯留させてのち前記血液回路に導いて前記
分離器１３で血漿を採取するオペレート動作、お
よび前記血液回路内を流れる血液を回収する血液
回収動作からなつている。

オペレート動作中、血液バツグ４の重量が一定
値以上になると、第１ポンプ８ａを停止し第２ポ
ンプ８ｂが反転し、返血を始める。この返血時
に、気泡検出器７ｂが回路内に気泡を検出する
と、第２ポンプ８ｂが一時停止し、回転方向を反
転し、第１ポンプ８ａを駆動する。つまり、一時
的に返血から採血にかわるわけである。これによ
り、気泡検出器７ｂで検出された気泡は上流の第
１チヤンバー１１ａへ送られて取り除かれる。一
定量の採血が終了すると、元通りの返血を繰り返
す。

この結果、従来の如く、返血動作において、気
泡検出器によつて返血に気泡が検出された場合、
装置を停止して、手動によつて、気泡が取除く作
業が必要でなくなり、自動的に効率よく行うこと
ができる。また、気泡検出の警報表示等により、
供血者に不安感を与え、血管の収縮等を引き起す
ことがない。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案は、供血者に穿刺
された１本の針より採取した血液をセパレータに
与えて血漿を分離し、該セパレータを経由した血
漿を含む成分を血漿バツグに一時貯留し前記供血
者に戻す単針式採漿装置において、前記供血者に
戻す返血回路に設けられた気泡検出器と、該気泡
検出器の上流側に設けられたチヤンバーと、返血
動作中に前記気泡検出器の気泡検出信号に基づき
気泡検出器で検出された気泡を前記チヤンバーに
返送して取除くまで返血動作を中止して採血動作
をなした後更び返血動作をなす返血ポンプとを具
備したことを特徴とする単針式採漿装置を構成し
たので、従来の如く、返血動作中に気泡を検出し
た場合に、装置を停止して手動操作によつて気泡
を取り除く必要がなく、自動的に効率よく気泡除
去が行える。更に、供血者に不安感等を与え、血
管の収縮等をひき起すおそれのない装置が得られ
る。

したがつて、本考案によれば、返血動作中に、
返血回路に取付けられた気泡検出器が気泡を検出
した場合に、供血者に不安感を与えることなく、
効率よく、自動的に気泡を取り除くことができる
採漿装置を実現することができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例の構成説明図である。 １……供血者の腕、２……ACD液バツグ、３
ａ，３ｂ……生食バツグ、４……血液バツグ、
４′……重量検出器、５……血漿バツグ、６……
排液バツグ、７ａ〜７ｆ……検出器、８ａ〜８ｅ
……ポンプ、９ａ〜９ｇ……クランプ、１０ａ〜
１０ｄ……圧力計、１１ａ〜１１ｃ……チヤンバ
ー、１２ａ……血液検出器、１２ｂ……溶血検出
器、１３……中空糸分離機、１３ａ……中空糸
（膜）、１３ｂ……内室、１３ｃ……外室。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 供血者に穿刺された１本の針より採取した血液
   をセパレータに与えて血漿を分離し、該セパレー
   タを経由した血漿を含む成分を血漿バツグに一時
   貯留し前記供血者に戻す単針式採漿装置におい
   て、前記供血者に戻す返血回路に設けられた気泡
   検出器と、該気泡検出器の上流側に設けられたチ
   ヤンバーと、返血動作中に前記気泡検出器の気泡
   検出信号に基づき気泡検出器で検出された気泡を
   前記チヤンバーに返送して取除くまで返血動作を
   中止して採血動作をなした後更び返血動作をなす
   返血ポンプとを具備したことを特徴とする単針式
   採漿装置。