JPH02208398A - 香料物質処理剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は生理学的、香粧品学的に極めて特異な作用を有
する二価三価複合鉄塩（以下、複合鉄塩と称する）を含
有する硫酸ナトリウムよりなり、化粧品、食品あるいは
各種芳香剤に配合する非水性の香料、精油などの香料物
質を処理することを目的とした香料物質処理剤に関する
。

〔従来の技術〕

社会環境の複雑化から、心理的な安堵感を得るためある
いは悪臭など生活環境での有臭物質のマスキング、更に
は商品の付加価値を高める目的で、香料物質の使用範囲
が拡大されつつある。直接人体に使用する香水、オーデ
コロン、化粧品、石けん、浴用剤などの他に、家庭用洗
剤、室内芳香剤消臭剤、ペット用品、更には食品、嗜好
品にいたるまで、生理的、心理的な効果を含めた賦香商
品群が多数販売されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

賦香商品群の普及とともに新しいニーズや問題点も注目
されてきている。例えば、香料物質の揮発性を利用し、
吸入による鎮静効果や興奮効果を加味したアロマテラピ
ーへの利用、また酸、アルカリ、紫外線、分解酵素、熱
および酸化など各種過酷な使用条件での優れた安定性を
もった香料物質の開発が要求されている。また一方では
香粧品のように比較的長時間皮膚や粘膜に直接接触させ
たり、吸入などによる粘膜組織への直接的な作用から、
香料物質の感作性など、人体に対する障害も軽視するこ
とができなくなってきている。特に植物、動物の一部組
織から抽出される天然香料物質や、合成香料類は、大部
分が複雑な構造をもった、油性物質であって、構造や物
性の類似した不純物質の混在はさけられない。これら微
量の混在物質による一次刺激や感作性などによる障害の
発症例が非常に多い。そのため、国際フレグランス協会
（ＩＦＲＡ）などの検討、指示により障害発生のおそれ
のある香料物質の使用禁止や使用量の制限がなされてい
るが、一応安全と見做されている香料物質でも、生産地
、採集時期、抽出方法による内容成分の違い、あるいは
合成過程、精製過程での微量の不純物質の混入は避げら
れす、これらに対し、過敏化体質者は常に障害の可能性
をかかえているのが現状である。

従って、賦香商品の製造には、一応安全性の確認された
既知の香料物質を適宜組合わせ、また配合量を加減する
などの方法で、多様化するニーズに対応せざるを得ない
状況である。

〔問題を解決するための手段〕

上記実態からみて多様化する賦香商品群のニズを満たし
、酸、アルカリ、紫外線、熱あるいは酸化など厳しい使
用条件下での安定性、特に有害物質の作用を抑制して幼
児、老人や過敏体質者にも安心して使用でき、しかも生
理学的、香粧品学的に優れた効果を発揮することのでき
る香料物質に関して鋭意研究を重ねた結果、特定の二価
三価複合鉄塩を含有する硫酸ナトリウムで香料物質を処
理することのみが、上記目的を満たすべきものであると
の結論を得て本発明を完成した。

すなわち、本発明は二価三価複合鉄塩を含有する硫酸ナ
トリウムよりなる香料物質処理剤である。

以下、本発明に係る香料物質処理剤について具体的に説
明する。

本発明に使用する複合鉄塩は二価鉄塩と三価鉄塩の中間
の性質を示す塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩あるいはクエン
酸塩等二価鉄と三価鉄の錯塩などがあげられる。本発明
に最も好ましい複合塩としては、無水物あるいは酸化物
が二価と三価の鉄イオンによるスピネル型構造を構成す
るようなアクア錯体があげられる。

上記の複合塩は次のような方法で製造することができる
。硫酸第一鉄のような水溶性二価鉄塩を多量の水酸化ナ
トリウム水溶液に投入し、二価鉄イオンの一部を酸化し
て三価鉄イオンとしたあと、過剰の鉄水酸化物または水
和した酸化物を濾別する。この溶液を硫酸で中和したあ
と、水分を蒸発乾固して粗製塩を得、これを適当な方法
で精製処理することにより、本発明の香料物質を処理す
る二価三価複合鉄塩含有の処理剤が得られる。　また別
法として、磁鉄鉱粉末（ＦｅｒＬ−Ｆｅｒ！−０４）を
強酸にとかしたものを多量の水酸化ナトリウムの希薄溶
液に加えた後、過剰の鉄塩の沈澱を濾別してから硫酸で
中和し、蒸発乾固することによっても本発明の香料物質
処理剤を得ることができる。

本発明に係る香料物質処理剤中の二価三価複合鉄塩の含
有比率は、通常１０−９〜１０４重量％であり、好まし
くは１０−６〜１０−４重量％である。

複合鉄塩の含有比率が１０−９重量％より少なくなると
処理剤の効果は減少し一方１０−２重量％より多くなる
と香料物質の着色、変臭などの変化を生ずることがある
。

本発明の処理剤で処理できる香料物質としては、通常の
賦香商品に使用される、植物および動物の特定の組織器
官から抽出され精製された天然の香料物質、および化学
的に合成された合成香料、更には目的とする商品に配合
し得るよう種々混合された調合香ｔ＋ｉがあげられる。

これらをそのままあるいは香油、香水のようにアルコー
ル、炭化水素、油脂類など非水性の溶剤に溶解したもの
に本発明の処理剤を加えて撹拌放置後、濾過などの方法
で処理剤を除去すれば、本発明の効果を持った香料物質
および賦香商品が得られる。また流動性のある香料物質
および非水性液体商品は、適当な方法で固定した本発明
の処理剤の層を通過させることによっても所期の目的を
達することができる。

本発明の処理剤の使用量は、香料物質および非水性賦香
品に対し、重量％で０．０１〜１０．０％であり、好ま
しくは０．１〜１．０％の範囲であり、配合量がこの範
囲より多くても少なくても本発明の効果は滅弱されるこ
とがある。

〔作用〕

本発明の処理剤を使用することにより、香料物質による
個々の効果に加えて複合鉄塩の作用による生体組織の機
能増進、再生能力の促進効果が得６〜 られる。また刺激物質に対する抵抗力の強化、微生物に
よる汚染防止、有害イオン反応の阻止など、皮膚本来の
正常な生理機能を保持回復させる驚（べき効果が得られ
る。

〔発明の効果］ 本発明の処理剤により処理された香料物質は、生体系の
持つ非イオン反応システムを増強回復させて生体の機能
を正常化させる作用があるので、次にあげるような効果
が得られる。このような効果は、通常の二価或いは三価
鉄塩を単独、または混合して使用しても得られず、本発
明の処理剤に含有される複合塩によってのみ得られるも
のである。

（１）皮膚の再生機能および生理機能の強化本発明の処
理剤により処理された香料物質は、それを適宜商品に配
合することにより、生体の本来所有している代謝機能を
速やかに強化回復させることができる。

例えば、本発明の処理剤で処理した調合香料を、ボディ
シャンプー、オーデコロン、化粧水、クリーム等のスキ
ンケア用化粧品に使用すると皮脂分泌不足、水分保持機
能の低下による角化異常亢進を正常化し、色素沈着によ
るシミの除去など、衰えた生理機能を正常化させて、各
種皮膚障害を回復させ、防止させることができる。

（２）環境変化に対する適応能力の増強外部からの刺激
物質、寒冷、熱暑および紫外線曝露に対する生体組織器
官の適応力を強化して、本来の機能を保持することがで
きる。例えば、花粉症など感作性物質の侵入による障害
の発症を防止でき、また環境に合わせて組織器官の機能
をコントロールして健全な状態を保持することができる
。

（３）微生物の異常増殖の阻止 外部からの微生物および皮膚常在菌の局部的な異常増殖
による炎症、更には化膿菌などによる二次汚染を防止で
きる。また本発明の処理剤の作用により、通常賦香商品
に配合される防腐剤も不要になり、防腐剤成分に起因す
る障害も防止できる。

（４）有害イオン反応の阻止 本発明の微量の複合鉄塩の作用により、外部からの化学
物質に起因する刺激反応や、紫外線による過酸化脂質の
形成など、有害イオン反応や遊離基反応を抑制できるの
で、非代謝物質の体内への蓄積による老化を防止できる
。

更に複合鉄塩の作用により、香料物質の酸化変質を防止
できるので、皮膚障害の原因となりやすい酸化防止剤の
使用も不要となる。

また香料物質の溶剤への分散が複合鉄塩の効果により、
容易に均一分散されるので、賦香商品の熟成期間を短縮
でき匂いの変化も少なくなる等安定化できる。

本発明にかかる香料物質処理剤は、上記４項目のような
賦香商品に不可欠な著しい効果が見込める点において、
従来の賦香商品群には見られない非常に優れた効果を発
揮させることができる。

〔実施例〕

次に実施例をあげて具体的に本発明について説明するが
、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

なお実施例中の％は特に付記することがなければすべて
重量基準である。

災巖汎上。

価三価複合鉄塩含有硫酸ナトリウムの製造方法■ 硫酸第一鉄＜Ｆｅ　ＳＯ４−７Ｈ２０）の１．０％水溶
液１００　ｍｆｌを、２．０％水酸化ナトリウム溶液１
１中に加え、攪拌しながら空気を吹き込んで二価鉄イオ
ンの一部を酸化させる。終了後過剰の鉄水酸化物または
水和した酸化物を濾別した後、硫酸で中和してから、蒸
発乾固させて本発明の処理剤を得た。

ミューゲ系調合香料の処理 ミューゲ系調合香料の組成： 成　分　名　　　　　配合量（Ｗ／Ｗ％）ベンジルアセ
テート　　　　　　　　　　　２．５リナロール　　　
　　　　　　　　　　　　３．０ジメチルヘンシルカル
ビノール　　　　　５．０ベルガモツト　　　　　　　
　　　　　　　２．０シトロネリルフオーメート　　　
　　　　　２．０ロシノール　　　　　　　　　　　　
　　１５．０へリオトロビン　　　　　　　　　　　　
４．０イランイラン油　　　　　　　　　　　　１．０
シンナミツクアルコール　　　　　　　１５．０ヒドロ
キシシトロネラール　　　　　　５０．０シクラメンア
ルデヒド　　　　　　　　　　０．５計　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　１００．０上記調合香
料１００ｇに対し、上記製造方法より得られた本発明の
処理剤１．０ｇを加えて攪拌静置した後濾過して、本発
明の処理剤により処理された調合香料を得た。

この調合香料をそれぞれ０．０１％〜０．２％配合して
、通常の方法で化粧水、クリームなどの化粧品を作って
３力月間の保存テスト、使用テストを行った結果、商品
の変色、変臭は認められず使用中の皮膚刺激などは全く
なかった。

フローラル系調合香料の処理 フローラル系調合香料の組成： 成　　分　　　　　　　　配合量（Ｗ／Ｗ％）リナロー
ル リナリルアセテート ヘンジルアセテート シトロネロール ヒドロキシシトロ不う−ル ゲラニオール メチルヨノン フェネチルアルコール アルデヒドＣ１０ ナルシサスアブソリュート サンダルウツド油 ベルガモツト油 ジャスミンアブソリュート ムスクアンプレット クマリン ペンジルベンジェ−１− 計　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　１００
．０上記調合香料１００ｇに対し、上記製造方法により
得られた本発明の処理剤０．５ｇを加えて攪拌静置した
後濾過して、本発明の処理剤により処理された調合香料
を得た。

この処理された調合香料を０．５％配合して通常の方法
でシャンプーを作り、６ケ月間の保存テストおよび使用
テストを行った結果、商品の変色、変臭は認められず、
使用中のフケ、カユミなど頭皮の異常は全く認められな
かった。

■ 実施例１により得られた本発明の処理剤を８０％エチル
アルコールに浸漬し、浸出液を蒸発乾固させることによ
り複合鉄塩高濃度含有処理剤を得た。

本実施例で得られた処理剤を１００００倍の精製水に溶
解した液と、対照として０．０１％の硫酸ナトリウム液
とを各１０ｍｇづつ比色管にとり、電解銅粉末０，１ｇ
を添加してよく振りまぜた後１０％硝酸試液５雁を添加
する。対照の硫酸ナトリウム液は直ちに反応がおこり、
水素ガスを発生して液は銅イオンの青色を呈するが、本
実施例の試験液は常温で２４時間放置後も反応は進行せ
ず、本発明品がイオン化反応を阻止する能力があること
が認められた。

ラベンダー油の処理 ラベンダー油の１０％（Ｗ／Ｖ）エタノール溶液をつく
り、この液１００ｄに対し、上記製造方法により得られ
た本発明の香料物質処理剤０．１ｇを加えて攪拌し、１
時間放置した後濾過して、本発明品処理のラベンダー油
を得た。

本実施例のラベンダー油のアルコールを蒸発させた残分
を精製水で抽出し、抽出液について上記と同様に銅−硝
酸添加によるイオン化反応テストを行った結果では、未
処理のラベンダー油抽出液では直ちに反応が進行するが
、本発明品処理のラベンダー油では完全にイオン化反応
を阻止することが確認された。

本実施例のラベンダー油および未処理の対照品を用いて
、過敏体質の成人女子を１０名パネラ−として上腕内側
でのパッチテストを行った結果では、未処理の対照品で
は４名に刺激性反応が認められたが、本発明の処理品で
は、刺激性反応は０であった。

■ 磁鉄鉱粉末（Ｆｅ”　・ＦＪ　・Ｏａ　）１．０　ｇを
試薬１級塩酸８　ｍｆｌに溶解した液を、２．０％水酸
化ナトリウム溶液１リツトル中に加え、攪拌静置後、沈
澱物を濾別し、硫酸で中和した後減圧下で蒸発乾固させ
る。残留物を８０％イソプロピルアルコールに浸漬し、
浸出液を蒸発乾固させた。このアルコール精製処理を繰
り返すことにより、約０゜１ｇの硫酸ナトリウムに担持
された本発明の複合鉄塩の粉末をえた。この粉末を少量
の精製水に溶解したものについて、フェリシアン化カリ
ウムおよびオルトフェナントロリンによる呈色反応によ
り、二価および三価鉄塩の存在が確認された。

以上の実施例の結果からも、本発明の香料物質処理剤は
優れた効果が得られることが明確である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 二価三価複合鉄塩を含有する硫酸ナトリウムよりなるこ
   とを特徴とする香料物質処理剤。