JPH0220555Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、管内を流れる気流によつて粉粒体を
輸送する空気輸送管における当該輸送管の接続構
造に関する。

（従来の技術） 一般に空気輸送管同士の接続は、各輸送管の先
端に固着したフランジをボルトナツトで締め付け
る方法により行われている。そのため、輸送管同
士は接合部で大なり小なり食い違つてその突合せ
個所の内面に段差が生じ、両輸送管のうち下流側
の輸送管における段差部が被輸送物によつて削ら
れて、その下流側輸送管が早期に摩耗し孔が明く
問題があつた。この問題の解決策として特開昭57
−22495号公開公報に開示されているように、耐
摩耗性ライニングを施した両輸送管の接続部分
に、直径が両輸送管の内径より小さくかつストレ
ートである孔を有するリング体を設けるようにし
た輸送管接続構造がある。

（考案が解決しようとする課題） しかし、このように構成された輸送管接続構造
では、上流側の輸送管を通つた粉粒体がリング体
の垂直面状の段差部分に衝突した後はね返つて上
流側の輸送管に当り、当該輸送管におけるリング
体取り付け付近を早期に損傷・摩耗させる上に、
粉粒体がリング体の垂直面に当るため圧力損失が
非常に大きいなどの新たな問題が生じている。

本考案は、上記のような新たな問題を解消する
ことを目的としてなされたものである。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために本考案の輸送管接続
構造は、両輸送管の接続部分に、直径が輸送管の
内径より若干大きい寸法から輸送管の内径より若
干小さい寸法に変化するテーパー孔を有するスペ
ーサーを、テーパー孔の細まる方向へ向つて気流
が流れるようにテーパー孔を指向させて取り付け
た構造にしたものである。

（作用） 上記のように構成された輸送管接続構造におい
ては、上流側輸送管の内面に沿つて移動された粉
粒体がテーパー孔の壁面に衝突したあと、テーパ
ー孔の内面に沿つて移動されて若干収束されなが
ら、下流側輸送管内に進入することになる。

（実施例） 実施例についての図面に基づき詳細に説明す
る。１は輸送管であり、該輸送管１の右端にはフ
ランジ２が輸送管１の端部より若干右方へ突出し
て環装固着され、該輸送管１のフランジ２には、
シール部材３、ドーナツ盤状のスペーサ４および
シール部材５が、輸送管６のフランジ７とでボル
ト・ナツト８，９により共締めされて挟持つされ
ており。フランジ７は、輸送管６の左端を若干左
方へ突出させて輸送管６に環装固着されている。
そして、前記スペーサ４は熱処理されて表面硬度
が高められ、さらにその中央部には、上流側（左
側）が輸送管１の内径より若干大径であるととも
に下流側（右側）が輸送管６の内径より若干小径
の内径であるテーパー孔１０が形成されている。
また、スペーサ４の左面にはフランジ２内径部に
嵌入可能な環状の凸部分１１が、また右面には輸
送管６の突出左端を嵌入可能にした環状の凹部分
１２がそれぞれ形成されている。

次にこのように構成されたものの作用について
説明する。矢印方向に気流を流して粉粒体を輸送
すると、輸送管１の内面に沿つて移動される粉粒
体はスペーサ４のテーパー孔１０の壁面に衝突し
た後、テーパー孔１０の内面に沿つて移動し、輸
送管６内に進入する。これに伴い、輸送管１の内
面付近を移動する粉粒体は、輸送管６の中央に向
けて若干収束されながら後輸送管６に進入するこ
とになるため、仮に輸送管１，６の突合せ個所の
内面に段差が生じていても、粉粒体はその段差部
分に直接衝突することはない。而して、粉粒体は
輸送管１から輸送管６へ空気輸送される。

（考案の効果） 以上の説明からも明らかなように本考案は、輸
送管の内面より若干大径の内径から輸送管の内径
より若干小径の内径に直径が変化するテーパー孔
１０を有するスペーサ４を輸送管１，６のフラン
ジ２，７間に取り付けたから、テーパー孔１０が
細まる方向へ向けて粉粒を空気輸送することによ
り粉粒体が輸送管６の段差部分に直接衝突するこ
とを防止でき、輸送管６の寿命を大幅に長くでき
るなどの優れた実用的効果を奏する。さらに、粉
粒体との衝突作用を受ける部分はスペーサ４を交
換するだけでよく、しかもスペーサ４は輸送管と
は別個に製作するため、熱処理をしたり、特別の
材料で製作することができ、摩耗対策をさらに簡
単に成し得る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示す要部断面図であ
る。 １，６……輸送管、２，７……フランジ、４…
…スペーサ、１０……テーパー孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 管内を流れる気流によつて粉粒体を輸送する空
   気輸送管における輸送管接続構造であつて、輸送
   管の内径より若干大径の内径から輸送管の内径よ
   り若干小径の内径に直径が変化するテーパー孔１
   ０を有するスペーサ４を輸送管１，６のフランジ
   ２，７間に、前記テーパー孔１０の細まる方向へ
   向けて気流が流れるように前記テーパー孔１０を
   指向されるとともに、前記テーパー孔１０を輸送
   管１，６に同心させて取り付けたことを特徴とす
   る空気輸送管における輸送管接続構造。