JPH02200348A - 精密鋳造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、ターボチャージャーのタービンホイール等の
複雑な形状の肉厚差の大きな製品を鋳造する精密鋳造方
法に関する。

（従来の技術） 従来、例えば、ターボチャージャーのタービンホイール
の鋳造に用いる鋳型は、鋳型本体の上部の湯口部に連な
る上下方向の湯溜り部の周囲に製品キャビティを設けた
タイプのもの、或いは、鋳型本体の略中夫の湯口部の下
方に連なる水平方向にのびる湯道の下方に製品キャビテ
ィを設けたタイプのものが知られている。しかし、これ
らの構造の鋳型によると、鋳型材との反応により凝固核
を多数含んだ初湯が製品キャビティに流入する不都合が
あった。

そこで本出願人は、先に特公昭６３−５７１３８号公報
によって、鋳型本体に、該本体上部の湯口部に連なる底
部の湯道と、該湯道に連なるその上方位置の製品キャビ
ティとを前記湯口部の周囲に形成すると共に、該製品キ
ャビティの上部略中央位置から上方にのびて前記湯口部
に連なる湯溜り部を形成して成る鋳型を提供した。該鋳
型は、初湯が製品キャビティの上方の湯溜り部に押′し
出され、該製品キャビティを清浄な溶湯で満たすことに
より前記の不都合を解消した。

一方、鋳型を用いた精密鋳造方法として、従来、注湯後
の湯回りを促すと共に優れた鋳肌の製品を得るために、
鋳型全体を予め加熱炉内で高温に加熱した後に注湯を行
うことが知られている。しかし、鋳型の温度は、加熱炉
から取り出してから注湯するまでの時間に急速に低下し
はじめる。そのため、溶湯が急激に冷やされて湯回り不
良となることがあった。

そこで、通常、鋳型を耐熱容器内に収納して該容器内と
鋳型との空間に中空のアルミナボール等の保温材を充填
した状態で加熱炉内で加熱することが行われる。これに
よって、加熱した鋳型が注湯するまで保温されて、湯回
り不良となることが解消された。ところが、保温材によ
って保温された鋳型は、注湯後も保温状態となっており
、溶湯の凝固が遅くなる。そのため、溶湯の凝固の際の
引は巣或いはマイクロポロシティ等の発生や製品の肉薄
部の割れ等により鋳造欠陥となることがある。

これらの鋳造欠陥を防止するために、特開昭６３１０４
７４９号公報にみられるように、前記耐熱容器内に収納
した鋳型の湯口に接する保温材を、製品キャビティに接
する保温材に比して熱伝導率の小さいものにし、湯口内
に溜まった溶湯の凝固速度を、製品キャビティ内の溶湯
の凝固速度より遅くして鋳造する方法が知られている。

これにより、製品キャビティ内の溶湯が先行して凝固す
る指向性凝固を行わせることによって、製品キャビティ
内の溶湯が凝固する際の収縮を鋳型内の他の部分の溶湯
で補償し、特に引けを無くして、鋳造欠陥を防止した製
品を造ることができる。しかし、鋳型を収めた耐熱容器
内部の保温材は、複数の層に構成されて、その各層の熱
伝導率の異なった保温材が夫々湯口部や製品キャビティ
の保温を受は持つように設けられているため、それらの
保温材を所定位置に配置する作業が必要であると共に、
鋳型を保温材が充填された耐熱容器から取り出す作業に
手間がかかり、作業性が悪い不都合がある。

更に、鋳型とその周囲に保温材が充填された耐熱容器は
重量が重く、該耐熱容器の搬送が困難となる不都合があ
った。

（発明の解決すべき課題） かかる不都合を解消して、本発明は、作業性が向上する
だけでなく、鋳造欠陥を防止して、精度の高い製品を鋳
造することができる精密鋳造方法を提供することを目的
とする。

（課題を解決する手段） かかる目的を達成するために、本発明は、鋳型本体に、
該本体上部の湯口部に連なる底部の湯道と、該湯道に連
なるその上方位置の製品キャビティとを前記湯口部の周
囲に形成すると共に、該製品キャビティの上部略中央位
置から上方にのびて前記湯口部に連なる湯溜り部を形成
して成る鋳型を、内部に保温材を備えた耐熱容器内に埋
設して鋳込みを行う精密鋳造方法において、前記湯道を
前記耐熱容器内の保温材に埋設し、前記製品キャビティ
及び湯溜り部を露出して鋳込みを行うことを特徴とする
。

（作用） かかる手段によって、前記耐熱容器内に収めた鋳型の前
記湯道のみが保温材に埋設し、前記製品キャビティ及び
湯溜り部は露出した状態となる。

これにより、保温材は一種類のもので製品キャビティと
湯道との冷却する時間が異なる。更に、該容器内には、
保温材を充填しないので、その重量は軽い。

この状態で、鋳型を加熱した後、湯口部がら溶湯を注湯
する。

鋳型に注湯された溶湯は、先ず、湯口部がら湯道に流れ
込む。該溶湯が保温したン易道内に充満すると、該溶湯
は前記製品キャビティに向がって押上げられる。続いて
溶湯は、該製品キャビティがら湯溜り部へと導かれる。

そしてこの際、初湯は、湯溜り部に押しやられて製品キ
ャビティ内には清浄な溶湯のみで満たされる。

該製品キャビティの周囲は露出されていて早く冷却し、
前記湯道の周囲には保温材が設けられて冷却時間が遅れ
るので、該製品キャビティ内の溶湯は、湯道内の溶湯よ
りも早く凝固する。製品キャビティ内で凝固しはじめて
溶湯が収縮したときには、湯道内から未だ凝固していな
い溶湯を補給して引は等を防止する。

（実施例） 本発明の一実施例を第１図に従って説明する。

図面で１は鋳型本体を、２は耐熱容器を、３はセラミッ
クボール等の保温材を示す。

前記鋳型本体１は、その上部の湯口部４と、該湯口部４
の下方に向かってのびる連通部５を介して連なる底部の
横方向にのびる湯道６とを備え、該湯道６の端部上方に
は、ターボチャージャーのタービンホイールの製品キャ
ビティ７が該湯道６に連通して形成され、更に該製品キ
ャビティ７の上部に上方にのびて湯口部４に連通ずる湯
溜り部８が形成されている。

前記耐熱容器２には、先ず、保温材３を収め、続いて、
前記鋳型本体１の製品キャビティ７の下方から湯道６を
該保温材３に埋設する。製品キャビティ７からその上部
の湯溜り部８及び湯口部４は露出している。この状態で
、鋳型本体ｌは図示しない加熱炉へ移動されて加熱され
る。

このように、保温材３に埋設するのが鋳型本体１のうち
湯道６のみであるので、鋳型本体ｌを耐熱容器２内に埋
設する作業が容易に行うことができ、また、耐熱容器２
内から鋳型本体１を取り出す作業も容易に行うことがで
きる。更に、このとき使用する保温材３は一種類であり
、しかもその使用量が少なくてよいので重量が比較的軽
量となり、移動や搬送が容易である。

次に、充分に加熱された鋳型本体１を、耐熱容器２内に
収めたまま、加熱炉から取り出す。そして、湯口４から
溶湯を注湯する。連通部５及び湯道６を通過した初湯は
、製品キャビティ７内を湯道６側から流入する溶湯によ
り押し上げられて湯溜り部８に導かれ、製品キャビティ
７内は清浄な溶湯で満たされる。

そしてこの際、露出している製品キャビティ７に対して
、湯道６が保温材３によって保温されていることから、
製品キャビティ７内の溶湯は、湯道６内の溶湯に先行し
て凝固しはじめて所謂指向性凝固が行われ、薄肉の部分
の割れが防止できる。

更にこの時の凝固に際して、製品キャビティ７内で凝固
しはじめた溶湯が収縮した場合には、湯道６内から未だ
凝固していない溶湯を補給する。これにより、引は巣や
マイクロポロシティ等の鋳造欠陥の無い製品が得られる
。

（考案の効果） 以上のことから明らかなように、本発明の精密鋳造方法
によれば、前記耐熱容器内に収めた鋳型は、製品キャビ
ティの下部の湯道のみを保温するので、該湯道を保温す
るために使用する保温材は一種類でしかも少量でよい。

従って、該保温材及び前記鋳型を耐熱容器に収める作業
が容易であり、耐熱容器内から鋳型を取り出す作業が容
易であるので、作業性が向上し、また、保温材及び鋳型
を収めた後の耐熱容器は軽量であるので、搬送等の作業
を容易に行うことができる。

更に、鋳型に注湯した溶湯は、その初湯が製品キャビテ
ィの上方の湯溜り部に押し出されて、該製品キ中ビティ
内は清浄な溶湯で満たされ、且つ溶湯の凝固収縮は該製
品キャビティ内の溶湯が湯道内の溶湯に先行して起こる
ため、湯道からの溶湯の補給が充分に行われ、引き巣或
いはマイクロポロシティ等の発生や製品の肉薄部の割れ
等を防止して精度の高い製品を鋳造することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の裁断側面図である。 ■・・・鋳型本体、　２・・・耐熱容器、３・・・保温
材、　　４・・・湯口部、６・・・湯道、　　　　７・
・・製品キャビティ、８・・・湯溜り部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １、鋳型本体に、該本体上部の湯口部に連なる底部の湯
   道と、該湯道に連なるその上方位置の製品キャビティと
   を前記湯口部の周囲に形成すると共に、該製品キャビテ
   ィの上部略中央位置から上方にのびて前記湯口部に連な
   る湯溜り部を形成して成る鋳型を、内部に保温材を備え
   た耐熱容器内に埋設して鋳込みを行う精密鋳造方法にお
   いて、前記湯道を前記耐熱容器内の保温材に埋設し、前
   記製品キャビティ及び湯溜り部を露出して鋳込みを行う
   ことを特徴とする精密鋳造方法