JPH0219316B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は冷蔵庫、冷凍庫、空気清浄器などの如
き冷凍装置における冷媒を圧縮するための密閉ロ
ータリコンプレツサに関し、特に本発明はロータ
リコンプレツサのスライドベーンを潤滑する手段
に関する。

〔発明の背景〕 一般に、従来のロータリ密封コンプレツサはモ
ーターを内蔵するハウジングとコンプレツサシリ
ンダーよりなる。電動機はコンプレツサシリンダ
の中央部に設けた孔の内側で回転する偏心部を持
つクランクシヤフトを駆動させる。この偏心部は
クランクシヤフトの回転につれて孔の内側で回転
する様に回転自在に設けられたローラーを有して
いる。シリンダ壁に設けたスロツトに摺動可能に
取付けられた１個以上のスライドベーンはシリン
ダ孔内で冷媒を圧縮するポンプ運動をローラーと
ともに行なう。

ロータリ密閉コンプレツサの作動部分は極めて
密接した許容範囲で機械仕上げされており、それ
らの部分の表面はコンプレツサにリークが生じな
いようにまた非常に効率的なコンプレツサを提供
するため高度に仕上げされている。これは表面仕
上げを維持するため作動部分を適度に潤滑するこ
とは重要なことである。また動摩擦を少なくする
と共に摩擦損を最小限にするためコンプレツサの
可動部に適当な潤滑を与えることも重要である。
最後に、適当な潤滑を与えることにより摩擦損に
よる熱量を最小限に保ち、熱伝導を少なくし、コ
ンプレツサの効率を改善している。

潤滑手段の多くの型は従来のロータリ密閉コン
プレツサに提供されてきた。一般に、従来の潤滑
手段では或るタイプのポンプ機構がコンプレツサ
の下部に設けられたオイルパンから油を上方に押
し上げ潤滑を必要とする部分に油を供給する。こ
の潤滑油は一般に遠心力によつてコンプレツサの
上部に外部から勢いよく供給され、コンプレツサ
の所望の部分を潤滑するため重力により下方に滴
下される。その時過度の潤滑油は重力によつてオ
イルパンに戻る。遠心力及び重力撤布を用いる潤
滑手段の先行技術の例としては、米国特許番号
3804202、2623365、2883101、2246276及び
3802937がある。

従来の密閉コンプレツサ潤滑手段に見られる問
題点の１つにはコンプレツサの臨界領域に達する
オイルが十分でないということがある。潤滑剤の
撤布を重力又は遠心力に依存するため、コンプレ
ツサの臨界領域において可動部に十分潤滑油を供
給することができず、そのため満足な潤滑を行な
うことができない。特に、コンプレツサシリンダ
ーのベーンスロツトのクリヤランスにおける給油
時間を最小にする連続的なベーン荷重のため、コ
ンプレツサのスライドベーン表面の潤滑をよくす
べきである。さらに一層容易な給油手段が潤滑を
促進しベーンにかかる摩擦を最小にする。さらに
加えてスライドベーンの両側をよく潤滑すること
が必要であるので、スライドベーンの両側に十分
な潤滑油が供給できる潤滑手段を提供することが
望まれる。

従来のコンプレツサに見られる別の問題はベー
ンの高圧側から低圧側までの冷媒の洩れである。
ロータリコンプレツサのスライドベーンはコンプ
レツサの孔における高圧領域からコンプレツサ孔
における低圧領域を分割し、そのため冷媒が高圧
側から低圧側へとベーンの両側、頂上、底部の周
りで洩れる傾向がある。圧縮冷媒の洩れは仕事の
損失を意味するので洩れはコンプレツサの効率を
低下させる。かくしてベーンの両側に適当な潤滑
を与え、これによりシリンダ壁のベーンスロツト
におけるスライドベーンにオイルシールを形成す
るコンプレツサベーンの両側にオイル膜をつくる
ことが望ましい。このオイルシールはベーン周囲
の冷媒の漏れを防ぐ。従来のロータリーコンプレ
ツサの更に別の問題は潤滑油が正圧のもとで潤滑
されるべき領域に供給されないため、これらの領
域に油を供給するオイル通路が潤滑油で常に満た
されていない。この欠陥のため適度に潤滑するた
めの潤滑油の量が不足することになる。それゆえ
に正圧のもとで潤滑すべき領域に油を供給しこれ
により常に油の十分な供給が得られることが望ま
しい。また潤滑油がベーンのあらゆる部分にゆき
とどくようにするために正圧のもとで供給するこ
とが望まれる。

〔本発明の概要とその目的〕

本発明は上記従来のロータリ密閉コンプレツサ
潤滑手段の欠点を克服しロータリコンプレツサの
改良された潤滑手段を克服しようとするものであ
る。

本発明によればロータリ密閉コンプレツサ用潤
滑手段の１つの形態ではスライドベーンの両側に
正圧のもとで潤滑油をオイルポンプによつて補給
させ、また過剰な潤滑油を重力でオイルパンに押
し戻される。

さらに本発明ロータリ密閉コンプレツサ用潤滑
手段においてはクランクシヤフトの下部に設けら
れたオイルポンプがコンプレツサのオイルパンに
延びている。このオイルポンプは上方に向つて外
側に放射方向に斜めに曲つているクランクシヤフ
トの下部に軸方向の溝を含む。潤滑油はクランク
シヤフトの周囲を取りまく円形チヤンバにこの溝
を通つてポンプ給油される。コンプレツサの外側
ベアリングにおける通路はこの円形状チヤンバと
連通し潤滑油は上記環から放射状に外側に供給さ
れ、ついでベーンに隣接して設けられかつベーン
の両側に開放された一対の垂直なオイルチヤンネ
ルに正圧下で重力に抗して上方に供給される。オ
イルポンプにより与えられる正圧により常にオイ
ルチヤンネルが油で満される。過剰な油は主ベア
リングのレリーフからベーンの上部端から排出
し、シリンダ壁を伝わり重力によつて流下しオイ
ルパンに戻る。

本発明の潤滑システムの利点の１つは適当な量
の潤滑油をロータリコンプレツサのベーンに常に
補給することができることである。

本発明の別の利点としてはオイルパンの油量に
かかわらずベーンの潤滑がよく行なわれるように
するため、正圧のもとでコンプレツサのスライド
ベーンに潤滑油を供給することである。

さらに別の本発明の利点として、コンプレツサ
のベーンに油が油圧シールを形成するロータリ密
閉コンプレツサのスライドベーンのための潤滑手
段を提供することである。

また本発明の別の利点としては、常に最も重い
負荷が加えられた時にベーンの潤滑のため十分な
量の油が利用できるようにコンプレツサのスライ
ドベーンに隣接して満たされる潤滑通路を提供す
ることである。

さらに本発明の構成の利点としては効率を良く
し適度の潤滑によりコンプレツサの摩擦損を最小
限に抑えるようにしたことがある。

また本発明の構成の利点としては、摩擦損によ
つて生じる熱を最小にし、熱転送を最小にし、コ
ンプレツサの効率を改善するようにしたことがあ
る。

さらにまた本発明の構成の利点としては、コン
プレツサのベーンの適度の潤滑のためにベーンの
摩耗が最小になるようにしたことである。

本発明はその一つの形態によればベアリングに
回転可能に軸受けされたクランシヤフトと、少な
くとも２つのスライド表面を有するスライドベー
ンとを含むロータリコンプレツサよりなる。潤滑
手段はベーンに潤滑油を補給するためのものであ
りハウジングの下方部に備えたオイルパンと、こ
のオイルパンから潤滑油を上方にポンプ供給する
オイルパンと連通している油供給手段とから成
る。正圧のもとでオイルのポンプ補給手段からベ
ーンのスライド両面の潤滑のためベーンに隣接し
て設けた潤滑油通路に油を供給する手段。

さらに本発明の構成はベアリングに回転可能に
軸受されたシヤフトとこのベアリングと同軸のコ
ンプレツサシリンダとを含むローターを有するロ
ータリコンプレツサよりなる。このシリンダはシ
リンダ壁にベインスロツトを取付け、そのベーン
は少なくとも２つのスライド面より成り、スロツ
トに摺動自在に取付けられる。ベーンに油を補給
するための潤滑手段はハウジングの底部に配置し
たオイルパンと、油を上方にポンプするためのク
ランクシヤフト内のオイルポンプ手段とベアリン
グ内のオイル通路とから成る。このオイル通路は
正圧のもとでクランク軸のポンプ手段からベーン
の両摺動面を潤滑するためシリンダに設けたベー
ン潤滑手段に油を放射状に外側に送る。

さらに本発明はハウジング、コンプレツサを駆
動させる電動機及びモーターにより駆動されるク
ランクシヤフトを含む冷媒圧縮用密閉ロータリー
コンプレツサを提供する。

クランクシヤフトは第１及び第２のベアリング
に枢軸されシリンダーはベアリングの中間に置か
れこれらと同軸である。ベーンスロツトがシリン
ダーの壁内に設けられベーンがスロツトに摺動自
在に置かれている。ベーンを潤滑するための油潤
滑手段はハウジング内に配置されたオイルパンと
オイルパンから上方に油をポンプ輸送するクラン
クシヤフト内のオイルポンプ手段とからなる。ポ
ンプ手段はクランクシヤフト内の軸方向の開口よ
りなり該開口は軸方向に上方に向いクランクシヤ
フト軸から対角線状に外側に延びている。

軸方向の開口の上部はクランクシヤフトを包囲
する環状チエンバーに油を導入するためクランク
シヤフト内の放射状通路と連通する。第１ベアリ
ング内の通路は環状チエンバーからベーンへ油を
正圧下で運ぶ。少なくとも１つのオイルチヤンネ
ルがシリンダーより延じておりそのチヤンネルの
軸はクランクシヤフト軸に平行であり、スロツト
と第１ベアリング通路の両方と連通している。

本発明の目的はロータリー密閉コンプレツサの
摺動ベーンを潤滑するための潤滑機構を提供する
ことである。

別の目的は油が潤滑を必要とするコンプレツサ
領域に正圧下で供給されかつ油が重力下でオイル
パンに戻されるロータリー密閉コンプレツサ用油
潤滑機構を提供することである。

更に別の目的はオイルチヤンネルをベーンとベ
ーンスロツトに隣接し連通する如く設けることに
より、油がオイルパンからポンプされ正圧下でベ
ーンを潤滑するためオイルチヤンネルに運ばれ
る、ロータリー密閉コンプレツサ内の油潤滑機構
を提供することにある。

更に別の目的はベーン潤滑油がベーンのため油
圧シールを形成することにより冷媒の洩れが減少
させられる、密閉ロータリーコンプレツサ用油潤
滑機構を提供することにある。

〔実施例〕

本発明の具体的な実施例を添付図面に基づいて
詳細に説明する。特に第１図を参照して説明する
と、コンプレツサは一般に１０で示すハウジング
を有している。このハウジングは上部１２、下部
１６及び中央部１４から構成される。この３つの
ハウジング部分は溶接あるいはろう接によつて互
いに完全に密封されている。フランジ１８はコン
プレツサを据えつけるためハウジング１０の底部
に溶接される。密接されたハウジングの内側には
ステータ２２とロータ２４から形成されるモータ
ー２０が配置される。ステータにはコイル２３が
巻かれる。ステータは収縮締め付けの如き締めし
ろによりハウジング１０に固定する。ロータ２４
の中央部には孔２５を設け、この孔に締めしろに
よつてクランクシヤフト２６を固定する。ターミ
ナルクラスター２８は電源とコンプレツサを接続
するためコンプレツサの上部１２に設けられてい
る。

冷媒排出管３０はハウジングの上部１２に延び
ており図示されているようにコンプレツサの内部
に延びている端部３２を有している。この管は溶
接により３１のところでハウジング１０に連結す
る。同様に吸引管３４がコンプレツサハウジング
１０の内部に延びており以下述べるとおりそれに
シールされている。吸引管３４の外側端部３６は
アキユムレータ３８と接続され、このアキユムレ
ータにはメツシユフイルタ４２を支持する支持板
４０が配置される。

第１図、第５図及び第６図をとくに参照すれ
ば、クランクシヤフト２６は偏心部４４を備えて
おりこの偏心部はクランクシヤフト２６がロータ
２４によつて回転自在に駆動するにつれてクラン
クシヤフト軸のまわりを回転する。カウンターウ
エイト２７は偏心部４４とバランスする様に設け
られており、リベツトによつてロータ２４のエン
ドリング４７に固定される。クランクシヤフト２
６は円筒状の軸受部４８と一般に平坦な据え付け
部５０を有するメインベアリング４６に枢軸され
る。平坦部５０は第２図に最もよく図示されてい
るようにハウジングにフランジ５４を溶接するこ
とによりスリーポイント５２でハウジング１０に
固定する。

第２のベアリング即ちジヤーナル５６はしばし
ばアウトボードベアリングとして言及されている
もので、ハウジング１０の下部に取付られる。第
３図と第４図によく示されているように下部ベア
リング５６は開口５９を有する軸受部５８と平坦
部６０とを備えている。クランクシヤフト２６は
第１図に示すようにアウトボードベアリング５６
の軸受部５８に枢軸される下部６２を有してい
る。

中央部のメーンベアリング４６とアウトボード
ベアリング５６の中間に配置されているのがコン
プレツサシリンダ６６である。コンプレツサシリ
ンダ６６、アウトボードベアリング５６とメイン
ベアリング４６は６つのボルト６８を挿入するこ
とによつてお互いを固定する。第１図に示すもの
がその一例である。第２図を参照すると６つの孔
７０がベアリング４６，５６とシリンダ６６を互
いに固定するためにシリンダ６６に設けられてい
る。ボルト６８はメインベアリング４６の孔７０
及びシリンダ６６の孔７２及び下ベアリング５６
の貫通孔７４に通される。シリンダ軸の寸法が十
分大きくとれるならば、６つのボルト６８を12個
のボルトに増やすことができ、その中の６つがア
ウトボードベアリング５６をシリンダ６６に固定
しシリンダ６６に通される。また残り６つのボル
トはシリンダ６６にメインベアリング４６を固定
しシリンダ６６に通される。排出マフラー７６は
また第１図に示されるようなボルト６８によつて
メインベアリング４６に固定される。圧縮された
冷媒ガスはレリーフ６４を通つて排出スペース７
８に排出されるが、この排出スペース７８は排出
マフラー７６と平坦なベアリング部５０の上面に
よつて形成される。このスペース７８より冷媒は
マフラー７６の３つの開口部８０を通りハウジン
グ１０の外に排出される。第１図に示すものはそ
の一例である。

第１図と第２図によればシリンダ６６はベーン
スロツト８２をその円筒状壁内に備えておりベー
ンスロツト８２にはスライドベーン８４が取付け
られる。ローラ８６がクランクシヤフト２６の偏
心部４４の周囲に形成されていて、クランクシヤ
フト２６の軸の周りに回転し偏心部４４により駆
動される。スライドベーン８４の端部８８はロー
ラ８６と常時接触する様に設けられ、ベーン８４
はスプリングポケツト９０に配置されたスプリン
グ８９によりローラに対抗して作動される。第２
図によれば操作中、孔９２の回わりをローラ８６
が回転するにつれてローラ８６、孔９２及びスラ
イドベーン８４により囲まれた圧縮容積は孔９２
のまわりをローラ８６が時計方向に回転するとき
減少する。かくてこの容積に含まれる冷媒は圧縮
され、その後上記説明をしたようにシリンダのレ
リーフ６４から外に排出される。メインベアリン
グ４６に取付けた排出バルブ（図示せず）は冷媒
を、排出マフラー７６とメインベアリング４６の
平坦部５０によつて形成される排出容積７８に排
出する。圧縮された冷媒はコンプレツサの密閉さ
れたハウジングにマフラー７６の３つの排出開口
部を通つて排出マフラー７６の外に排出される。
冷媒がモータのコイル２３に直接排出され、これ
によりコイルが冷やされる。

第２図に示すように管９４と９６はコンプレツ
サハウジングから出て周知のように過熱低減器
（図示せず）に接続される。吸引管３４はハウジ
ングに延びており第１図によく示しているように
そこでシールされる吸引管３４にはシリンダ６６
の壁内の孔１０２に延びている部分１００を有す
る。この孔部１０２はシリンダ壁を完全に貫通
し、第２図に示されているように孔９２と連通す
る。管３４はシリンダ６６のシリンダ壁の環状凹
部１０６に設けたＯリング１０４により孔部１０
２にシールされる。円柱のはんだ付けフランジ１
０８はハウジング１０に管３４を固定し、ハウジ
ングにはんだ付けされている管３４から熱を排出
する。管３４から部分１１０が延びており、管３
４と部分１１０との間に延びているスペース１１
２によつて管３４から間隔がおかれている。部分
１１０は管３４から出た熱をハウジング１０内に
通す部分である。

第５図と第６図に示されているように、クラン
クシヤフト２６は軸方向の孔を設けており、これ
は図示されているようにクランクシヤフトの上部
の中まで完全に延びている。孔１１６は図示のよ
うにクランクシヤフト２６の下部１１７の全長に
亘つて延びており、孔１１４と連通する。クラン
クシヤフト２６の最下端部６２はハウジングの下
部１６に配置されるオイルパン１２０に延びてい
るアウトボードベアリング５６に枢軸される。孔
１１６はクランク軸の外側に上方に放射状に分岐
しているのでそれは上方に対角線状に角度をもつ
ておりその上部はその下部よりもクランクシヤフ
トの中心軸から径方向に外側に離隔していること
に留意する必要がある。油がクランクシヤフト２
６の回転運動によつて孔１１６に引きあげられ、
その油は孔１１６の対角線方向に働らく遠心力に
よつて外方向にスピンされる。正圧のもとで油は
ローラ８６を潤滑するためクランクシヤフト２６
の開口部１１９に孔１１６により供給される。放
射状通路１２２はクランクシヤフト２６をとりま
く環状スペース１２６に延びている外側開孔１２
４を含む。クランクシヤフト２６をとりまく環状
スペース１２６はポンプ開孔１１６より正圧の下
で油を流すためアウトボードベアリング５６内に
レリーフ１２７と一緒にチエンバーを形成する。
油は正圧下で環状スペース１２６から第４図に示
されているように通路１２８を通つて外側に流れ
る。通路１２８はアウトボードベアリング５６の
外側放射方向にのびており上方の通路１３０に油
を導びく。通路１３０はレリーフ１３２を形成し
ており、それはシリンダ６６と隣接する。

第１図に最もよく示されているように通路１３
０はシリンダ６６の壁に取付けたベーンスロツト
８２の各側に形成した一対の溝即ちチヤンネル１
３４の中を通り油を上方に導びく。通路１３４は
シリンダ６６の外壁１３５に対するよりも孔９２
に対して一層近くに配置される。

油は正圧でオイル通路１３４に供給され、この
通路を完全に油で満すので、ベーン８４の潤滑が
良好に行なわれる。オイル通路１３４はスロツト
８２に近接して完全に開放された一側面を有して
いる。ベーンをとりまく通路１３４における油の
カラムはベーンスロツト８２を通つてシールハウ
ジングから冷媒が排出圧力下で逸散するのを防
ぐ。というのは、通路１３４の油がベーン８４と
一諸になつて油圧シールを形成するからである。

第２図の７−７方向から切断したオイル通路の
一部切断拡大図が第７図に示す断面図である。シ
リンダ６６のシリンダ壁に設けたオイル通路１３
４の断面は第２図と第７図に示すとおり半円形で
ある。溝即ち通路１３４はスロツト８２に接して
設けられ、その軸方向にそつて一側面がスロツト
に開放されている。そのため油をベーン８４の両
側に接触させることができる。第７図はスプリン
グポケツト９０と下ベアリング５６の平坦部６０
を示すもので、この部分は油が上方に延びている
通路１３０に流れこむ通路１２８を有する。油は
オイル通路１３４に直接レリーフ１３２の通路１
３０から上方に流れ、そこから油１３６がメイン
ベアリング４６のレリーフ部１３８に示されるよ
うにシリンダ６６の上部に送られることがわか
る。通路１３４をシリンダの外壁に対するよりも
孔９２に対して一層近く配置することにより、油
が孔に隣接するベーン部分を潤滑し、最も大きい
負荷の点で油を供給する。冷媒はハウジングの高
圧側からシリンダ孔の低圧側へと洩れる傾向があ
るので、孔に接して通路を設けることが洩れのク
リヤランスにおける適当なオイルシールを維持す
るのに望ましい。オイル通路１３４は実質的にベ
ーン８２の動く方向に対し垂直に設けられる。レ
リーフ１３８から潤滑油は外側に流れ油滴となつ
てシリンダと下部ベアリング５６の周りを落下
し、再びオイルパン１２０に落ちる。

これまで説明してきたものは、油がオイルパン
からポンプにより吸い上げられ、正圧でアウトボ
ードベアリング中の放射状通路を通りベーンスロ
ツトに隣接せる一対のオイル通路に軸方向に上方
に送られるロータリ密閉コンプレツサについての
ものである。オイル通路はポンプ機構によつて正
圧のもとで常に油に満たされており、これにより
ベーンの好適な潤滑を提供する他に冷媒ガスがベ
ーンから洩れるのを防ぐ油圧シーリングを提供す
る。ベーンの潤滑を円滑に行なうことによつてそ
の表面の温度が最小になる。正圧下での適切な潤
滑と油圧シーリングとの組合せがコンプレツサの
効率を向上させる、というのは油の洩れが減少し
またコンプレツサにおこる熱交換が減少するため
である。

本発明は好ましい態様を有するものとして述べ
られたが、更に変更できることが理解されるであ
ろう。本発明にはそれゆえに変形されたものや本
発明の一般原則に従つて成されたものも、また現
在開示されている発明や公知技術として知られて
いる技術から出発する発明で従属クレームの範囲
内となるものも含まれるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はコンプレツサの側断面図、第２図は第
１図の２−２線にそつて切断したコンプレツサの
断面図、第３図は下ベアリングの平面図、第４図
は第３図の４−４線にそつて切断した下ベアリン
グの側断面図、第５図はクランクシヤフトの側面
図、第６図は第５図の６−６線にそつて切断した
クランクシヤフトの断面図、第７図は第２図の７
−７線にそつて切断した断面図である。 符号の説明、１０……ハウジング、１２０……
オイルパン、１６……ハウジングの下部、２６…
…クランクシヤフト、４６……ベアリング、８４
……スライドベーン、９２……孔、１１６……オ
イルポンプ手段、１２８……潤滑油補給手段、１
３４……潤滑油通過手段。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ハウジングとベアリングに回転自在に枢軸さ
   れたクランクシヤフトとスライドベーンとを含む
   ロータリコンプレツサにおいて、 該スライドベーンは少なくとも２つのスライド
   面を有しており、該スライドベーンの潤滑手段が
   前記ハウジングの下部に設けられたオイルパンと
   該オイルパンから上方に油をポンプ移送するため
   該オイルパンと連通するオイルポンプ手段とを有
   しており、前記スライドベーンのスライド面を潤
   滑するため該スライドベーンに隣接して設けられ
   た潤滑通路手段を通つて重力に逆らい正圧のもと
   で前記オイルポンプ手段から油を供給する手段を
   備えている、 ことを特徴とする、ロータリコンプレツサ。 ２ 前記スライドベーンがシリンダの壁内のベー
   ンスロツトに摺動可能に設けられており、前記潤
   滑通路手段が該シリンダ壁において前記ベーンス
   ロツトの対向面に配置された一対の凹部を有して
   おり、該凹部がその一方の側において前記ベーン
   スロツトに開放されている、特許請求の範囲第１
   項に記載のロータリコンプレツサ。 ３ 前記凹部が半円形の断面を有する通路よりな
   り、該通路はそれぞれ実質的にその全長に沿つて
   前記ベーンスロツトに開放されている、特許請求
   の範囲第２項に記載のロータリコンプレツサ。 ４ 前記シリンダが孔を含み、前記ベーンスロツ
   トが該孔が連通しており、前記凹部が前記孔と前
   記シリンダの外壁との間において該外壁よりも前
   記孔の方に一層近く配置されている、特許請求の
   範囲第２項に記載のロータリコンプレツサ。 ５ 前記オイルポンプ手段が前記クランクシヤフ
   トにある軸方向通路を有しており、該通路が前記
   オイルパンと連通している、特許請求の範囲第１
   項に記載のロータリコンプレツサ。 ６ 前記油を供給する手段が前記オイルポンプ手
   段から前記潤滑通路手段へと油を送るために前記
   ベアリングに設けられた放射方向の通路手段より
   なる、特許請求の範囲第１項に記載のロータリコ
   ンプレツサ。