JPH0219209B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は紡績工場における混打綿機に対する原
綿の自動供給装置に関する。

従来の技術 一般に混打綿機に対する原綿の供給は、予め計
画された各種の原綿（以下開俵原綿という）を作
業員が手で剥ぎ取り、これをクリーパラチス上に
所定割合で積み重ねて混打綿機のホツパーベール
ブレーカに供給する手段が採られている。

しかしこの方法は、作業員の経験と勘に頼る作
業であり、剥ぎ取られる原綿の量のばらつきが大
きく、混合割合いが不均一となり、人手を要し、
かつ風綿や綿塵の飛散が多く労働衛生の点からも
問題がある。

このため本発明者らは２種以上の開俵原綿を回
転テーブル上に載置し、該テーブルを回転せしめ
つゝ上面から掻取り混打綿機に空気流により送り
込む供給装置を提案した（特開昭59―43122号）。
また上記回転テーブル上に開俵原綿を供給するた
めには相当の時間を要するため、対をなす回転テ
ーブルを備え、掻取機構を往復させる供給装置を
提案した（実開昭59―100867号）。これによると
きは混打綿機に対し連続して長時間供給すること
ができる。

発明が解決しようとする問題点 しかし掻取機構をレールに沿つて往復走行させ
ることは時間を要する。かつレールの敷設等構造
が複雑かつ大型となる。

本発明はかかる点に鑑み、複数の回転テーブル
を円周上に配置することにより各回転テーブルに
対する掻取機構移行の迅速を計ると共に、移行操
作の簡易化と、所定の掻取位置への定位を確実な
らしめることを目的とする。

問題点を解決するための手段 上記目的を達成するための本発明を第１実施例
に対応する第１図乃至第５図について説明する。

原綿自動供給装置１は、同一円周上に配備され
る複数の例えば２個の回転テーブル２ａ，２ｂと
１個の掻取機構３とよりなり、回転テーブル２
ａ，２ｂ上には開俵原綿が載置されている。

掻取機構３は掻取部材５と、この掻取部材５を
支持する支持部材６とを備える。支持部材６は掻
取部材５の昇降手段２１と、各回転テーブル２
ａ，２ｂに対し掻取部材５を所定の掻取位置に定
位する固定手段２０とを設ける。更に支持部材６
は、前記回転テーブル２ａ，２ｂが配備される円
周の中心点を中心として回動可能に支持される。
そしてこの支持部材６を回動し、両回転テーブル
に指向させるための回動部材１５を設ける。

作 用 支持部材６は回動部材１５により回動され、所
要の回転テーブル２ａ（または２ｂ）に対向した
とき、固定手段２０により所定の掻取位置に固定
される。次いで昇降手段により掻取部材５を降下
し、回転テーブル２ａ（または２ｂ）上の開俵原
綿の上面より掻取りを行う。他の回転テーブル２
ｂ（または２ａ）への移行に際しては固定手段２
０を解放し、回動部材１５により支持部材６を回
動する。

第１実施例 本実施例を第１図乃至第５図に示す。図におい
て原綿自動供給装置１は、複数例えば２個の回転
テーブル２ａ，２ｂと１個の掻取機構３とよりな
る。回転テーブル２ａ，２ｂは第５図に示す如く
円周Ｒ１上に配置される。掻取機構３は、円周Ｒ
１の中心点CP１を中心として回動し、回転テー
ブル２ａまたは２ｂ上に載置される開俵原綿を上
面から掻取り、輸送ダクト４を介して混打綿機Ｓ
１またはＳ２に供給する。Ｄは切替ダンパであ
る。

この掻取機構３は掻取部材５と、この掻取部材
５を支持する支持部材６とよりなる。掻取部材５
は、回転テーブル２の半径方向に所要の掻取り長
さを有するほゞ矩形状のフード１０と、このフー
ド１０の下方開口部に取付けられる原綿掻取り用
のスパイク又は歯形の掻取ローラ１１とを備え
る。フード１０の上端は可撓管１２に接続され、
この可撓管１２の先端は好ましくは後述する支持
部材６の回転中心位置まで延長され、前記輸送ダ
クト４に連結される。Ｍ１はスパイクローラ駆動
モータである。

支持部材６は回転筒１３と、この回転筒１３に
一端が取付けられるアーム１４及び回転筒１３の
回動部材１５とよりなる。回転筒１３は、各回転
テーブル２ａ，２ｂが配備される円周Ｒ１の中心
点CP１に位置して回動可能に取付けられ、アー
ム１４は回転テーブル２ａ（または２ｂ）の中心
位置に固定された中心軸１６に達する長さを有す
る。１７は中心軸１６の上端に設けられたアーム
１４の支承ローラである。

またこの支持部材６には掻取部材５を所定掻取
位置に維持するための固定手段２０と、掻取部材
５の昇降手段２１とを備える。固定手段２０とし
て本例はアーム１４の先端を前記中心軸１６に係
合止着する構造を示す。即ち固着手段２０は、中
心軸１６に設けられる係合板２２と、アーム１４
の先端に上記係合板２２に嵌挿されるピン２３
と、このピン２３を前後進させるための操作レバ
ー２４とよりなり、操作レバー２４はアーム１４
とは反対側に位置して回転筒１３の適所に取付け
られ、ピン２３はワイヤ２５により操作レバー２
４に連結されている。

ピン２３は１本でもよいが、後述する如く掻取
部材５の掻取ローラ１１の回転トルクがアーム１
４に加えられるもので、従つてピン２３は水平方
向に間隔を存して２本設けることが好ましい。

その詳細を第３図及び第４図に示す。図中２６
は常時ピン２３を係合板２２側に押圧するばねで
ある。

操作レバー２４は回動によりワイヤ２５を牽引
弛緩するようにしたもので、レバー２７の回動に
より掛け金２８はレバー２７の回動中心点（死
点）を越えて上下することにより開放位置と引張
り位置とに定位される。但しこの操作レバー２４
は手動操作に限るものではなく、ソレノイド等電
気的手段を利用することもできる。

昇降手段２１は、基端をフード１０に取付けた
対をなすねじ桿３０，３０と、回転筒１３に取付
けられる対をなす昇降桿３１，３１及び昇降用モ
ータＭ２を備える。ねじ桿３０及び昇降桿３１に
はそれぞれスプロケツトホイル３２，３３が取付
けられ、昇降用モータＭ２によりチエン３４を介
して駆動され、フード１０には昇降桿３１に螺合
するブラケツト３５が取付けられる。３６はエア
シリンダ等を以てするバランスウエイトであり、
ワイヤ３７によりフード１０に連結されている。

回転筒１３は回動自在に手持される台盤４０を
備え、該台盤４０にはチエン等を以てする従動歯
輪４１が取付けられる。

前記回動部材１５は、この従動歯輪４１に噛合
する駆動歯輪４２と操作ハンドル４３及びこの両
者を連結する連結部材４４とよりなる。連結部材
４４はチエン４５、中間歯車機構４６，４７、中
間軸４８及び減速歯車機構４９等よりなる。但し
操作ハンドル４３を駆動モータに代えることがで
きるのは勿論である。

尚、前記回転テーブル２ａ，２ｂはそれぞれ別
個の駆動モータにより駆動するようにしてもよい
が（特開昭59―100867号参照）、本例は回転筒１
３に回転テーブル駆動モータＭ３を取付けた例を
示す。但し駆動モータＭ３は減速機付モータと
し、台盤４０の回転中心線上に取付けられ、上記
アーム１４の下方に位置して駆動歯車５０を設
け、アーム１４を回転テーブル２ａ（または２ｂ）
の中心軸１６に固定したとき、駆動歯車５０は回
転テーブル２ａ（または２ｂ）に設けられる従動
歯輪５１に噛合する如くなす。５２は駆動モータ
Ｍ３と駆動歯車５０とを連結するチエンである。

上記構成により操作ハンドル４３を操作して回
転筒１３を回動しアーム１４の先端を回転テーブ
ル２ａ（または２ｂ）の中心軸１６に対向し、操
作レバー２４の操作によりピン２３を係合板２２
に係合させ定位する。このとき回転テーブル駆動
用の駆動歯車５０は従動歯輪５１に噛合し、回転
テーブルを回動する。次いで掻取部材５を順次下
降し、掻取ローラ１１により開俵原綿をその上面
より掻取り、掻取られた原綿は吸引気流により可
撓管１２並びに輸送ダクト４を介して混打綿機Ｓ
１またはＳ２に供給される。

他方の回転テーブル２ｂ（または２ａ）上の開
俵原綿の掻取りに際しては、固定手段２０のピン
２３を係合板２２から外し、回動部材１５の操作
ハンドル４３を操作して回転筒１３を回動し上記
要領にて掻取部材５を該回転テーブル２ｂ（また
は２ａ）に対する掻取位置に定位し掻取りを行
う。

第２実施例 本実施例は第６図に示す。本実施例の原綿自動
供給装置６０は、３個の回転テーブル６１ａ，６
１ｂ，６１ｃと１個の掻取機構３ａとよりなり、
各回転テーブル６１ａ，６１ｂ，６１ｃは同一円
周Ｒ２上に配備される。掻取機構３ａは前例と同
様に円周Ｒ２の中心点CP２を中心として回動さ
れる。掻取機構３ａは前例と同一機造であり説明
を省略する。但し本例の場合には固定手段２０ａ
は手動操作によるよりも電気的に遠隔操作する方
が便利である。６２は固定手段操作用押釦であ
る。

本例においても掻取機構３ａを回動することに
より各回転テーブルに対向させることができ、構
造簡単かつ操作容易である。しかも輸送ダクト４
の取付部はほゞ回転中心附近に位置しており、該
輸送ダクトとの取付け容易である。

発明の効果 以上の如く本発明は掻取部材を支持する支持部
材は、同一円周上に配備される回転テーブルに対
し、回動することにより所要の回転テーブルに対
向して位置させることができ、移行は迅速に且つ
確実に行うことができる。また回動操作は回動部
材を用い操作するようにしたから遠隔操作を行う
ことができ便利であると共に安全である。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第５図は第１実施例に関し、第１図
は要部を縦断した全体正面図、第２図はその一部
平面図、第３図及び第４図は固定手段に関し、第
３図は一部を縦断した正面図、第４図はその平面
図、第５図は全体説明図、第６図は第２実施例の
説明図である。 １，６０は原綿自動供給装置、２ａ，２ｂ，６
１ａ，６１ｂ，６１ｃは回転テーブル、３，３ａ
は掻取機構、５は掻取部材、６は支持部材、１５
は回動部材、２０，２０ａは固定手段、２１は昇
降手段、Ｒ１，Ｒ２は円周、CP１，CP２はその
中心点である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 同一円周上に配備され、かつ開俵原綿を載置
   する複数の回転テーブルと、各回転テーブル上の
   開俵原綿を掻取る掻取機構とよりなり、掻取機構
   は掻取部材と、この掻取部材を支持する支持部材
   とを備え支持部材は掻取部材の昇降手段と、各回
   転テーブルに対し掻取部材を所定の掻取位置に維
   持する固定手段とを設けると共に、該支持部材は
   上記円周の中心点を中心として回動可能に支持
   し、かつこれを回動する回動部材を備えたことを
   特徴とする原綿の自動供給装置。