JPH02186130A - 高容量用ディスクブレーキ - Google Patents

高容量用ディスクブレーキ

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JPH02186130A
JPH02186130A JP1002288A JP228889A JPH02186130A JP H02186130 A JPH02186130 A JP H02186130A JP 1002288 A JP1002288 A JP 1002288A JP 228889 A JP228889 A JP 228889A JP H02186130 A JPH02186130 A JP H02186130A
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Japan
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stator
disc
rotor
brake
disk
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JP1002288A
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Inventor
Kiyoshi Sakuma
清 佐久間
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Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
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Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、大型あるいは高速自動車、飛行機あるいは新
幹線のような高速鉄道等の高速輸送手段(以下単に大型
車両)において、機械的制動時に生じる熱を吸収する能
力が高い高容量用ディスクブレーキに関する。
(従来の技術) ブレーキシステムに対する要求は、交通、運輸手段の高
速化、大型化に伴い、その安全性を確保するためにます
ます厳しいものになっているが、最近では、1)制動力
の安定性、2)徐々に制動がかかる点、3)ブレーキ配
分の安定性、4)耐熱性、5)軽量なこと、6)ジャダ
、鳴き等の騒音が少ないこと等からディスクブレーキが
多用されるようになっている。
ディスクブレーキにより大型車両を停止させるには、車
両の有する大きな運動エネルギーを、短時間に熱エネル
ギーに変換して大気中に放散しなければならない。その
ときのエネルギー変換速度は非常に大きく、ブレーキ操
作時の摩擦面での発熱速度は電力にして数百キロワット
の大きさに達する。このような急激な摩擦熱の発生はブ
レーキの摩擦面で起きるから、ブレーキ用摩擦材料は優
れた摩擦摩耗特性の他に、その急激な熱発生に耐える特
性をも持たなければならない。さらに、このようにして
発生した熱エネルギーは、−旦ブレーキ内に蓄えられ、
その後ゆっくりとブレーキ外に放散されることになるが
、陸上車両用ブレーキのように、操作頻度の大きいもの
にあっては、大気中への熱の放散能力も問題になる。
従来、陸上用車両に用いられているディスクブレーキは
、ロータディスクの一部をパッドにより加圧するディス
クパッド型のものと、ロータディスクを全周にわたりス
テータにより加圧するクラッチ型のものとがある。
これらは、いずれも次のような問題点がある。
A)ディスクブレーキの一般的な問題点一般に、ディス
クブレーキは、ロータディスクに鋳鉄、鋳鋼等の金属材
料が使用され、ライニングの材料としては、有機系摩擦
材またはセミメタリック系摩擦材のような、摩擦特性の
優れたものが使用されている。
つまり、このディスクブレーキは、ブレーキ操作時に発
生する熱エネルギーは、主としてロータディスクに吸収
させ、ライニング材は、摩擦特性の優れたものであれば
よいとするものである。
しかし、今日のように、ブレーキが吸収しなければなら
ない熱エネルギー量が著しく増大している状況下では、
このような設計思想では、高負荷高容量用ディスクブレ
ーキに対する要求を満足するものを得ることはきわめて
困難である。
なお、本明細書において、高負荷用ディスクブレーキと
はブレーキにかかる負荷の大きなディスクブレーキをい
い、高容量ディスクブレーキとは高負荷であって特にブ
レーキにかかる熱量の大きいディスクブレーキをいう。
つまり、この種ブレーキにおいて、車両の持っている運
動エネルギーを短時間の間に熱エネルギーに変換し、そ
れを外部に放出する場合に、熱エネルギーの吸収を鋳鉄
等のロータディスクに負わせると、高負荷になるほど、
ディスクの肉厚を大きくし、熱容量を大きくしなければ
ならないことになり、これではブレーキ装置のmff1
が高み、自動車等の燃費は悪くなる。特に車両の省エネ
ルギーという観点からすれば、ローターディスクの重量
増は、実重量の増加のみでなく、慣性重量の増加として
も効いて来るので二重の負担になる。
ローターディスクの厚さを大きくしたときのもう一つの
問題は、ブレーキ操作時に発生する大きな熱歪みである
。前述したようにブレーキ操作時の熱発生速度はきわめ
て大きい。摩擦面でこのように急激に発生する熱をディ
スク内に急激に拡散させることにより摩擦面での異常な
温度上昇を避けるには、ローターディスクとして大きな
熱伝導度の材料を用いる必要がある。しかしブレーキの
負荷容量が大きくなり、ディスクの厚さが大きくなると
、鋳鉄や鋳鋼のような金属材料を用いたとしても、この
熱歪みによる材料の割れや、永久歪みの発生が問題にな
って来る。そのためにこの方法で採用できるディスクの
厚さには限界があり、従ってブレーキの吸収できる熱エ
ネルギーの大きさにも限度がある。
B)ディスクブレーキの個別的問題点 a)ディスクパッド型 ディスクパッド型のブレーキでは、ロータディスクを熱
吸収材料として機能させるようになっていても、そのロ
ータディスクは大部分が大気中に露出しており、ディス
ク内に一時的に蓄えられた熱エネルギーはその表面から
直接大気中に放散させられる。従って摩擦面そのものが
、熱放散面として用いられることになり、冷却構造とし
ては優れている。
ところが、負荷容量が増大するとそれに応じて、冷却面
積を増大させる必要があることから、この形式のブレー
キでは、ロータディスクの径や厚さを大きくして、冷却
面積を増大することは、その構造上非常に困難になる。
その対策として高負荷用ブレーキではローターディスク
に通気用の穴を開け、空気との接触面積を増やすととも
に、ローターディスクの回転による遠心力効果で通気空
気量を増やす工夫が取られているが、このような方法に
より増加できる冷却面積には限界がある。また車両が1
100k/h程度で走ったとしても車輪の回転に伴う遠
心効果はそれほど大きくなく、満足の行くものとはなっ
ていない。
b)クラッチ型 クラッチタイプのデスクブレーキは、摩擦材の接触面積
が大きいために、高頻度の制動に対しても優れた制動力
を発揮する。
しかし、構造が複雑なことからコストが高く、広く用い
られるには至っておらず、また、摺動部が密閉された箱
の中に収納されているので、冷却能力には限度があり、
高負荷用のブレーキに適した構造とは言えない。
そこで、本発明者らは、高負荷用ディスクブレーキにお
ける熱エネルギの吸収を、最近注目されている炭素質材
料を用いて行なうようにしたものを既に提案した。この
炭素質材料は、工業的に使用できる材料の中で耐熱温度
が最も高く、しかもその比熱が耐熱性材料の内で最も大
きいものに属することから、熱容量の大きいことが強く
要求される高負荷用ブレーキ材料としては理想的な特性
を持っており、このような炭素質材料を用いてロータラ
イニング及びステータライニングを構成すれば、優れた
ブレーキ特性を有する高負荷用ディスクブレーキが得ら
れる。
しかも、この材料を用いた高負荷用ディスクブレーキは
、熱エネルギの吸収をロータ側のみでなくステータ側に
おいても行なうことができることから、熱エネルギの吸
収に関し、優れた特性を示す。
(発明が解決しようとする課題) しかし、熱エネルギの吸収特性の優れた炭素質材料を用
いたディスクブレーキも、ブレーキの負荷容量が極めて
大きい車両では、ディスクの吸収した大量の熱が種々の
経路を通ってシャフトあるいはホイールを通じて大気中
に放散される場合に、この経路の途中に存在する熱的影
響に弱い部分、例えば、軸受部分等に対しては悪影響を
及ぼす虞れがある。
特に、新幹線のような高速鉄道車両では、ブレーキ時に
発生する熱が極めて大きく、このような高い熱がシャフ
トに加えられると、シャフト自体が材質変化を起す虞れ
もある。
また、このような材質変化を防止するために、ロータ側
の熱容量を大きくすると、当然ロータライニングの重量
を大きくする必要が生じることになる。しかし、ロータ
側の重量を増すと慣性重量も大きくなり、既述したよう
に車両の走行時の経済性が低下することになる。
そこで、本発明者等は、上述した炭素質材料を用いたデ
ィスクブレーキについても、その吸収した熱の処理も考
慮して改良しなければ、現在のように車両が高速化、大
型化し、ブレーキの吸収エネルギ量が大きくなっている
状況の下では、所望のブレーキを得ることができないと
考え、鋭意研究した結果、ロータディスクに負わしめて
いる熱エネルギの放散を、熱伝達経路中に熱的影響を受
ける部分が少ないステータ側に負わしめることにより、
熱的問題を一掃することができることに着目し、本発明
を完成させるに至ったのである。
本発明の目的は、」二連した従来技術に伴う欠点、問題
点を解決し、熱吸収能力が高く、ブレーキ摩重量も少な
く、軽量で、放熱性が高く熱的影響の極めて少ない高容
聞用ディスクブレーキを提供することにある。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するための本発明は、1枚の円盤状のロ
ータディスクと、このロータディスクの少なくとも一面
全周にわたり接離するステータライニング及びこのステ
ータライニングが取付けられたステータプレートからな
るステータとを備えたディスクブレーキにおいて、前シ
己ロータディスクと前記ステータライニングとの間に中
間ディスクを設け、この中間ディスクを、ブレーキ操作
時には前記ステータと前記ロータディスクとにより挟圧
し、ブレーキ開放時には前記ステータ側と接する位置を
とるように保持手段により保持し、該中間ディスクのロ
ータ側面の摩擦力がステータ側面より大きくなるように
したことを特徴とする高容量用ディスクブレーキである
また、本発明は、ステータライニング及び中間ディスク
を炭素質材料により構成することによって上記目的を達
成したものである。
本発明は、中間ディスクのロータ側面とステータ側面の
摩擦係数を変えることによって上記目的を達成したもの
である。
さらに、本発明は、中間ディスクのロータ側面とステー
タ側面に作用する摩擦力の作用半径を変えることによっ
て上記目的を達成したものである。
さらに、本発明は、中間ディスクのロータ側面とステー
タ側面の接触面積を変えることにより摩擦力を異ならし
め、上記目的を達成したものである。
また、本発明は、ステータライニング及び中間ディスク
を構成するに当り、炭素繊維の配向性を変えることによ
り、上記目的を達成したものである。
(作用) 本発明は、上述のように、ロータ側面の摩擦力をステー
タ側面より大きくした中間ディスクを、ブレーキ操作時
にはステータライニングと中間ディスクとの間でブレー
キ作用を行ない、ロータ側とは一体的に回転するように
し、また車両が停止あるいは通常走行しているようなブ
レーキ開放時には、この中間ディスクをステータ側と接
するようにしたので、ブレーキ操作中に生じる熱エネル
ギは、中間ディスクとステータライニングの両者に速や
かに吸収され、ブレーキ開放時には、前記中間ディスク
に吸収された熱エネルギが回転していないステータ側に
伝わり、ステータライニング及びステータプレートを介
して大気中に放出することになる。
しかも、車両が通常走行している間の中間ディスクは、
回転するロータ側から離れ、ステータ側と接しているの
で、ロータディスクの慣性重量が増大することはない。
また、ステータライニング及び中間ディスクを炭素質材
料により構成すれば、摩擦面の上昇許容限界温度、つま
り、ブレーキ時の許容負荷容量を高めることができ、ま
た、ブレーキ操作時の異常な温度上昇からも構造材料と
して使用している金属製ロータディスクを保護し、この
金属製ロータディスクの実質的使用限界をも高めること
ができる。
さらに、このディスクブレーキは、全周加圧式のクラッ
チタイプのディスクブレーキであることから、摩擦面積
が大きく、高頻度の制動にも耐え得る、信頼性のある高
容量用ディスクブレーキとなる。
(実施例) 以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明する。
第1図は本発明の一実施例の要部を概略的に示す正面図
、第2図は第1図の■−■線に沿う断面図である。
図示実施例のディスクブレーキ1は、いわゆるフローテ
ィング式のものであり、端部にホイールディスク2が設
けられた車軸3の中間部に、ボス部4がスプライン嵌合
されたロー9タデイスク5を有している。
このロータディスク5は、円盤状をしたもので、その外
周部位の両側面には炭素質材料よりなる補助パッド5a
、5aが取付けられている。そして、このロータディス
ク5の両側にはそれぞれ中間ディスク6.6及びステー
タ7.7が前記補助バッド5a、5aと所定の間隔をも
って対設されている。
前記中間ディスク6は、炭素質材料からなるディスク本
体8の外周側に外方支持板9を、内周側に内方支持板1
0を埋設固着したもので、この内方支持板10は、ブレ
ーキ開放時にはこの中間ディスク6をステータ側と接す
るようにする保持手段Hにより保持されている。
この保持手段Hは、この中間ディスク6と前記ロータデ
ィスク5との間に設けられ、前記中間ディスク6をステ
ータ側に向って弾撥するリターンスプリング11と、前
記内方支持板10を半径方向内端であって前記ボス部4
の周面に当接して設けられた炭素質材料からなる内方ブ
ラシ部12とを存している。この内方ブラシ部12及び
前記外方支持板9は高速回転時に前記ボス部4又は後述
のキャリパ15の内周面と摺接することから、炭素質材
料のチップからなる内方ブラシ12を内方支持板10に
取付けているが、この内方支持板10の全体を炭素質材
料により構成してもよい。
また、前記各中間ディスク6は、ブレーキ操作時にはロ
ータディスク5と一体的に回転するように、両側面にお
いて摩擦力を異ならしめている。
つまり、この中間ディスク6は、通常走行中あるいは停
止時のようにブレーキを開放している時には、中間ディ
スク6をステータ7側と接するようにしているが、−旦
ブレーキ操作を行なうと、ロータ側の端面(以下、単に
ロータ側面)8aは、ロータディスク5との間に滑りが
起らないようにクラッチのように連結され、これと一体
的に回転し、ステータ側の端面(以下、単にステータ側
面)8bがステータライニング14と摺接し、ここでブ
レーキ作用を行なうようにしている。この中間ディスク
6のステータ側面8aでブレーキングを行なうようにす
るには、このステータ側面8bに作用する摩擦力にJ、
るモーメントがロータ側面8aのものより大きくなるよ
うにすれば足りるが、本実施例では、簡便のため前述の
ように中間ディスク6の両側面で摩擦抵抗を異ならしめ
、ロータ側面8aの摩擦力がステータ側面8bより大き
くなるようにしている。
具体的には、第3図に示すように、摩擦係数の5異なる
炭素質板材c、c2を2枚張り合せることにより形成し
ている。
実験によれば、異質の2枚の炭素質材料を貼り合せて一
体化することは、比較的容易なことが判明している。例
えば、熱処理温度、つまり黒鉛化度の異なる2枚の炭素
質材料の間に、ピッチその他のマトリックス材料を挾ん
で加圧下に炭化すれば、超音波探傷法では欠陥は発見で
きない、略完全に一体化した1枚の炭素質材料を得るこ
とができる。
しかも、本実施例では、この中間ディスク8のステータ
側面8bの炭素質材料の硬度を前記ステータライニング
14の炭素質材料の硬度より高くすることが望ましい。
実験によれば、炭素質材料の場合、同一材料を組合わせ
て使用する場合よりも低硬度材料と高硬度材料とを組合
わせて使用すれば、低硬度材料の摩耗量のみでなく高硬
度材料の摩耗量も遥かに低く押えることができることが
判明した。
例えば、熱処理温度を変えることにより硬度を異ならし
めた試料A、B、Cを適宜組合わせて、100回当りの
摩耗量を調べた結果、第4図に示すような測定値を得た
。これによれば、同一材料を組合わせて使用する場合よ
りも低硬度材料と高硬度材料とを組合わせて使用する方
が、摩耗量が遥かに少ないことが分る。
従って、高硬度材料を中間ディスク5として使用すれば
、同一特性の炭素質材料を用いる場合に比し、中間ディ
スク5及びステータライニング14の寿命を大幅に伸ば
すことができる。
このため、本実施例では、中間ディスク5を構成する炭
素質材料の硬度を前記ステータライニング14の炭素質
材料の硬度より高くし、両者の摩耗量の低減を図ってい
る。
このような硬度差のある炭素質材料を形成するには、炭
素質材料の黒鉛化度を調節すればよい。
つまり、一般に炭素質材料は、熱処理温度によって黒鉛
化度が変り、その物性が広い範囲で調整され得ることも
知られており、その黒鉛化度が進むに従って硬度が低く
なり、同時に熱伝導度が高くなる。したがって、黒鉛化
度の低い、つまり硬度が高く熱伝導度の低い材料を中間
ディスク5に使用し、これより硬度の低い材料をステー
タライニング14に用いる。
特に、本実施例では、中間ディスク6及びステータライ
ニング14の両者を熱吸収材料として使用している。炭
素質材料を熱吸収材料として用いるとき、材料が有する
比熱と使用可能温度とが重要な問題であるが、これらに
も増して重要な特性が熱伝導度である。前記炭素質材料
は、一般金属材料に比べて熱伝導度も優れている。
ブレーキ操作時に材料内部に発生する、急激なしかも非
定常の温度分布を正確に−U定することは事実上不可能
なため、これをシュミレーションにより明らかにすれば
、第5.6図のようになる。
第5図は、ブレーキ操作時にディスクパッド型ブレーキ
のロータディスク4の厚さ方向に生じる温度分布をシュ
ミレートした結果を示すもので、−時的に極めて大きな
温度分布の生じる様子が分る。また、第6図は同ブレー
キ操作時にロータディスク5の摩擦面における最高到達
温度に対する材料の熱伝導度及び厚さの影響を見たもの
である。
ディスク外径一定とすれば、負荷容量即ち材料の厚さの
増加に伴なって、摩擦面の最高到達温度が急激に大きく
なる点が分る。
これらの図から明らかなように、ブレーキ操作時に材料
内部に発生ずる温度分布は、材料の熱伝導度並びに厚さ
によって極めて大きく変化する。
したがって、ロータディスク5とステータライニング1
4とを高熱伝導度の材料である炭素質材料により構成す
れば、ブレーキ操作時にブレーキ材料内に発生する温度
勾配を小さくすることができ、さらに、ステータプレー
ト13の外表面(摩擦面の反対側)から大気中に熱を効
果的に放散させることができることになる。
次に、前記ステータ7は、第2図に示すように、ステー
タプレート13とステータライニング14とからなり、
キャリパ15内に抱持された状態となっているが、この
キャリパ15の端部にはビン16(第1図参照)が設け
られ、このビン16によりキャリパ15は可動に支持さ
れている。このキャリパ15の一側には、ブーツ17を
介して加圧手段18が設けられている。この加圧手段1
8は、前記キャリパ15内に設けられたピストン19を
、プラグ20を介して供給された油圧により前記キャリ
パ15内で進退させ、該ピストン19が前記ステータプ
レート13の一方を加圧するようにしたものである。こ
こに、前記ピストン19は、内部に前記ピストン19よ
り細径のロッド21が固着され、このロッド21と断熱
部材22を介してステータプレート13とが連結されて
いる。
このようにすれば、ピストン19とステータプレート1
3との当接面積が少くなり、ステータプレート13が吸
収した熱が加圧手段18に伝わり、この熱による加圧手
段18への影響が小さくなる。
また、ステータプレート13の放熱性を高めるには、図
示のように放熱フィン23を取付けてもよい。
このディスクブレーキ1は、フローティング式であるの
で、前記ピストン19が作動することにより加えられた
加圧力の反力が前記キャリパ15を介して他のステータ
プレート13に伝達され、一対のステータライニング1
4.14が協同して中間ディスク6を挟圧するようにな
っている。ただし、この挟圧力をさらに高める必要があ
れば、前記加圧手段18の設置個数をふやせばよい。
一方、ステータライニング14等についてであるが、摩
擦材料の摩耗量は単位面積当りの負荷(エナジーローデ
イング)によって大きく支配され、それがある大きさを
越えると急激に増加することが判明している。全周加圧
式のクラッチ型ディスクブレーキにあっては、当然その
エナジーローディングが従来のパッド型のブレーキに比
べて小さくなるから、材料の摩耗量についても非常に有
利になる。
また、ステータライニング14等の厚さにも余裕を持た
せることは比較的容易であるから、仮にステータライニ
ング14の摩耗量が従来の有機系、セミメタリック系の
材料に比べて、若干大きい場合であってもメンテナンス
頻度は少ないものとなる。
次に、作用を説明する。
車両走行中にブレーキ操作を行なうとピストン19及び
ロッド21が油圧により押されて第2図において左方に
移動する。
これにより、まず、ステータライニング14と雨中間デ
ィスク6が接する。次に、雨中間ディスク6はリターン
スプリング11の弾撥力に抗して相互に近接し、ロータ
ディスク5の補助パッド5a、5aに当接することにな
る。この場合の中間ディスク6は前記リターンスプリン
グ11により常時ステータライニング14に当接されて
おり、しかも、内方支持板10は内方ブラシ部12とボ
ス部4との当接により、また外方支持板9はキャリパ1
5の内周面との当接によりそれぞれ支持されているので
、傾斜することなく円滑にロータディスク5と当接する
この場合、中間ディスク6のロータ側面8aの方がステ
ータ側面8bよりも摩擦抵抗が大きいので、中間ディス
ク6のステータ側面8bはいわゆるクラッチ面となり、
中間ディスク6はロータディスク5と一体となって回転
する。この場合、の中間ディスク6の回転は内方ブラシ
部12により保障される。
これにより中間ディスク6のステータ側面8bとステー
タライニング14との間で摩擦が起り、車両に制動がか
けられることになるが、この摩擦熱は、中間ディスク6
及びステータライニング14が炭素質材料により構成さ
れているので、この両者により吸収されることになる。
つまり、この摩擦熱は、中血ディスク6とステータライ
ニング14の両者に分配されることになるので、摩擦面
における温度上昇を低く抑えることができ、負荷容量が
大きくなっても、十分使用に耐えるものとなる。
ここに、炭素質材料は、(1)高温下での耐摩耗性に優
れ、(2)高温下でも摩擦係数の低下が殆んどなく、摩
擦係数が安定し、(3)熱伝導性が高く、(4)熱吸収
能力が大きい、という特性を有している。
したがって、車両にブレーキをかけ、大きな運動エネル
ギが短時間の内に熱エネルギに変換される場合、この熱
エネルギは、中間ディスク6及びステータライニング1
4に素早く吸収されることになる。
特に、炭素質材料は、所定重量あたり熱吸収能力が金属
材料の数倍に達し、その耐熱温度も非常に高いことから
、ブレーキシステム全体としての使用可能温度、つまり
熱吸収能力を、さらに高くすることが可能になる。
ここに、ブレーキ操作によって異常な温度上昇をするの
は摩擦面であり、その反対側、すなわちロータディスク
5あるいはステータプレート13側の温度はブレーキ操
作の初期温度から緩やかに上昇して材料の平均到達温度
に達するものであり、その間に温度のピークを示すこと
がないという事実から明らかである(第5図参照)。こ
の第5図では、ブレーキ操作時に摩擦側のグラフはピー
クを示すものの、冷却側はなだらかな曲線で推移してい
る。
さらに言えば、中間ディスク6の炭素質材料を、ステー
タライニング用炭素質材料に比し硬度の高い炭素質材料
(硬度が高いということは、黒鉛化度が比較的低く、熱
伝導率が比較的小さいことを意味する)を使用すれば、
摩擦面で発生する急激、かつ異状に大きい温度上昇は炭
素質材料に分担させ、ブレーキ操作時のごく短時間に生
じる異常な温度上昇から金属製のロータディスク5及び
ステータプレート13を保護し、当該金属材料の実質的
な使用限界温度を高めることにもなる。
したがって、ロータディスク5及びステータプレート1
3の温度上昇限界を低く押えることができ、ブレーキト
ルクを車軸3に伝えるというロータプレート本来の役割
を果すに必要な強度を確保するが簡単にできることにな
り、構造材料として一般に用いられている普通の金属材
料によってこれを構成することも可能となる。
このようにして摩擦熱は吸収されるが、ブレーキ操作後
、前記中間ディスク6はステータライニング14に接触
した状態となる。したがって、中間ディスク6に吸収さ
れた熱はすべてこのステータライニング14を介して放
出されることになり、ロータディスク5には伝わらない
。このため、ロータディスク側の放熱経路にある軸受G
及び車軸3には熱は伝わらず、これらが熱により悪影響
を受けることはない。
また車両が通常走行している間も中間ディスク6はロー
タディスク5とはリターンスプリング11により非当接
状態にあるので、ロータディスク5の慣性重量が増すこ
ともない。
上述した実施例は、中間ディスク6の両面の摩擦係数を
異ならしめたものであるが、本発明は、これに限定され
るものではなく、例えば、第7図に示すように中間ディ
スク6の両面に作用する摩擦力の作用半径rl、r2を
変え、両面に作用する摩擦力のモーメントを異ならしめ
てもよい。
また、本発明者等の研究によれば、炭素質材料の摩擦係
数は、押し付は圧力によっても変化し、この押し付は圧
力が高くなるほど摩擦抵抗が低下することも判明した。
すなわち、ある一定の条件で押し付は圧力を2. 5)
cg/cjとしたとき、摩擦係数が0.5であった場合
、この圧力を10kg/cl#にすると、摩擦係数は、
約0.3となることが認められた。
したがって、第8図のように中間ディスク6のロータ側
面8aとステータ側面8bの接触面積を変えると、中間
ディスク6のロータ側面8aとステータ側面8bの摩擦
係数が変化し、一方をクラッチ面として、他方を摩擦面
とすることができる。
さらに、炭素質材料では、第9図に示すように、その炭
素繊維の向きによって摩擦係数が変化する。
特に、略35度と115度の点で高い摩擦係数となる。
この点を利用して中間ディスク6とステータライニング
14の炭素繊維の配向性を変えることにより摩擦係数を
変えてもよい。
[発明の効果] 以上述べたように、本発明によれば、ブレーキ操作中に
生じる熱エネルギは、中間ディスクとステータライニン
グの両者に速やかに吸収され、ブレーキ開放時には、前
記中間ディスクに吸収された熱エネルギをステータ側よ
り大気中に放出するので、軸受、車軸等熱的影響を受は
易いものが存在しない熱経路を経て放熱できる。
しかも、車両が通常走行中は、ロータディスクの慣性重
量の増大もなく、また、ステータライニング及び中間デ
ィスクを炭素質材料により構成すれば、摩擦面の上昇許
容限界温度、つまり、ブレーキ時の許容負荷容量を高め
ることができ、また、ブレーキ操作時の異常な温度上昇
からも構造材料として使用している金属製ロータディス
クあるいはステータプレート等を保護し、この金属製ロ
ータプレートの実質的使用限界をも高めることができる
さらに、このディスクブレーキは、全周加圧式のクラッ
チタイプのディスクブレーキであることから、摩擦面積
が大きく、高頻度の制動にも耐え得る、信頼性のある高
容量用ディスクブレーキとなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例の要部を概略的に示す正面
図、第2図は、第1図の■−■線に沿う断面図、第3図
は、第2図の要部を概略的に示す断面図、第4図は、摩
擦試験結果を示す表、第5゜6図は、ブレーキ操作時に
おける温度特性を示す説明図、第7図は、本発明の他の
実施例を示す要部断面図、第8図は、本発明のさらに他
の実施例を示す要部断面図、第9図は、炭素質材料の炭
素繊維の配向性により摩擦係数が変化する状態を示すグ
ラフである。 5・・・ロータディスク、 14・・・ステータライニング、 13・・・ステータプレート、 7・・・ステータ、 6・・・中間ディスク、 8a・・・ロータ側面、 8b・・・ステータ側面、 H・・・保持手段。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1)1枚の円盤状のロータディスクと、 このロータディスクの少なくとも一面全周にわたり接離
    するステータライニング及びこのステータライニングが
    取付けられたステータプレートからなるステータと、 を備えたディスクブレーキにおいて、 前記ロータディスクと前記ステータライニングとの間に
    中間ディスクを設け、この中間ディスクを、ブレーキ操
    作時には前記ステータと前記ロータディスクとにより挟
    圧し、ブレーキ開放時には前記ステータ側と接する位置
    をとるように保持手段により保持し、該中間ディスクの
    ロータ側面の摩擦力がステータ側面より大きくなるよう
    にしたことを特徴とする高容量用ディスクブレーキ。 2)前記ステータライニング及び前記中間ディスクは、
    炭素質材料により構成したことを特徴とする請求項1に
    記載の高容量用ディスクブレーキ3)前記中間ディスク
    は、ロータ側面とステータ側面の摩擦係数を変えたこと
    を特徴とする請求項1又は2に記載の高容量用ディスク
    ブレーキ。 4)前記中間ディスクは、ロータ側面とステータ側面に
    作用する摩擦力の作用半径を変えることにより摩擦力を
    異ならしめたことを特徴とする請求項1又は2に記載の
    高容量用ディスクブレーキ。 5)前記中間ディスクは、ロータ側面とステータ側面の
    接触面積を変えることにより摩擦力を異ならしめたこと
    を特徴とする請求項1又は2に記載の高容量用ディスク
    ブレーキ。 6)前記ステータライニング及び前記中間ディスクは、
    炭素繊維の配向性を変えることにより摩擦力を異ならし
    めたことを特徴とする請求項2に記載の高容量用ディス
    クブレーキ。
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