JPH0218538Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ICチツプ等の多数のピン端子を有
する電子部品を低挿入力で挿抜するスライド型ソ
ケツトのスライド機構に関する。

（従来技術） プリント配線板等にICチツプ等を取り付ける
ことはごく普通に行なわれるが、ICチツプ等の
交換の容易化を図るため等から、ICチツプ等を
脱着自在にに取り付けることができるようにする
ことも多い、この場合には、プリント配線板等の
上にICチツプ等の複数のピン端子を受け入れる
ソケツトを取り付け、このソケツトに対しICチ
ツプ等を脱着自在に取り付けるようにする。

しかし、ICチツプ等のピン端子の数はかなり
多いものも多く、これをそのままソケツトに差し
込むようにしたのでは、ピン端子の電気接続を確
保するため端子に一定の接触圧を必要とすること
から、ICチツプ等の挿入力が非常に大きくなり、
取り付けが難しいという問題がある。

そこで、ソケツト内部におけるICチツプ等の
ピン端子を受容する受容部をICチツプ等の挿入
方向と直角な方向に延びたテーパ状になし、IC
チツプ等を挿入するときはそのピン端子を、受容
部のテーパの広がつた部分に受容部と接触しない
ようにして挿入し、その後このピン端子を受容部
のテーパに沿つてテーパの狭くなる方へ挿入方向
と直角方向に移動させて、受容部の所定位置へ圧
入して受容部と各ピン端子とを接触させるように
したものが種々提案されている（例えば、特開昭
59−3881号、実開昭58−155784号、実開昭56−
101657号、実開昭49−125844号等）。

このようにすれば、ピン端子の数が多い場合で
もその挿入力はほとんど零となり、挿入が難しい
という問題は生じなくなるのであるが、ピン端子
をソケツトに挿入した後、これをスライドさせる
ための機構が必要となり、この機構のためのスペ
ースが必要になるという問題がある。この種のス
ライド機構としては、レバーを約90゜程度回動さ
せることによりレバーを梃として用いてスライド
を行なわせるものや、カム機構によりスライドを
行なわせるものがあるが、いずれの場合もレバー
もしくはカム機構の収容スペースが必要であると
いう問題がある。特にプリント配線板等への部品
の取り付けが高密度化している今日では、各部品
の必要スペースはできる限り小さくするのが望ま
しく、上記収容スペースも小さくするのが望まし
い。

（考案の目的） 本考案は上記の事情に鑑み、スライドタイプの
ソケツトにおいてそのスライド操作のために必要
なスペースを小さくできるような機構を提供する
ことを目的とする。

（考案の構成） 本考案のソケツトスライド機構は、ピン端子を
一方向に移動するとき電気的に接続される複数の
コンタクトを有するハウジング本体と、該ハウジ
ング本体の上面に重ねて摺動自在に取付けられ、
上記コンタクトの端子挾持片に対応する多数の端
子保持片を有する可動ハウジングカバーと、該可
動ハウジングカバーを上記方向に移動する移動手
段とを有するソケツトにおいて、 上記ハウジング本体および上記可動ハウジング
カバーの上記方向の一端縁部に沿つて夫々少なく
とも１個の細長い支点溝およびスライド用孔を形
成し、 上記支点溝およびスライド用孔を位置合せした
状態で挿脱可能な上記スライド用孔の数に対応す
る指状下端および共通操作部を有する略板状操作
レバーを用い、上記ハウジング本体の上記支点溝
を支点として上記板状操作レバーを回動して上記
可動ハウジングカバーを上記一方向へ移動させ、
移動後上記板状操作レバーを抜き去るようにした
ことを特徴とする。

（実施例） 以下、図面により本考案の実施例について説明
する。

第１Ａ図から第１Ｃ図は、本考案に係るスライ
ド操作機構を備えたソケツトを示す平面図、側面
図、正面図であり、第２図はこのソケツト１を第
１Ａ図の矢印Ａ−Ａに沿つて切断して示す断面図
である。このソケツト１は方形の平板状のハウジ
ング本体２０と、このハウジング本体２０に対し
て図中矢印Ｘ方向に摺動自在に取り付けられたハ
ウジングカバー１０とからなり、カバー１０上に
はICチツプ等の複数のピン端子が挿入される複
数の端子保持孔１５，１５，…１５がマトリクス
状に形成されている。また、ハウジング本体２０
のカバー１０と対向する面上には各端子保持孔１
５，１５，…１５に対応して複数のコンタクト取
付孔２５，２５，…２５が形成されており、各コ
ンタクト取付孔２５，２５，…２５内には、第３
図に示す形状のコンタクト３０，３０，…３０
が、そのコンタクトの脚３１を下方へ突出させて
取り付けられている。なお、この脚３１はプリン
ト配線板等に接続される。

また、カバー１０の図中右側端部には側端と並
行に伸びた３本のスライド用孔１１，１１，１１
が形成され、ハウジング本体２０の右側端部には
上記スライド用孔１１，１１，１１とほぼ対向す
る３本の支点溝２１，２１，２１が形成されてい
る。このスライド用孔１１および支点溝２１はハ
ウジング本体２０に対してカバー１０を第１Ａ図
の矢印Ｘ方向に摺動させるためのもので、具体的
には第７図に示すように下端４１が三股状になつ
た操作レバー４０の下端４１がスライド用孔１１
を通つて支点溝２１内に挿入され、この操作レバ
ー４０を支点溝２１内の下端４１を中心として回
動させてカバー１０を摺動させる。

以上のように構成したソケツトのスライド操作
機構の作動を以下に説明する。

まず、第４Ａ図に示すように、スライド用孔１
１を通つて支点溝２１内に下端が挿入された操作
レバー４０により、カバー１０をハウジング本体
２０に対して図中右動させた状態に保持する。次
いで、この状態で、ICチツプ２の複数のピン端
子３を夫々カバー１０の複数の端子保持孔１５を
介して本体２０のコンタクト取付孔２５に取り付
けられたコンタクト３０の方へ挿入する。この状
態では、カバー１０は本体２０に対し右動してい
るので、端子保持孔１５もコンタクト取付孔２５
の右側部と対向しており、第４Ａ図の矢印Ｂ−Ｂ
に沿つた断面図である第４Ｂ図に示すように、コ
ンタクト３０のテーパのついた端子挾持片３２
ａ，３２ｂの幅広となつた空間内にピン端子３が
挿入される。このため、ピン端子３はコンタクト
３０と非接触であり、その挿入力をほぼ零とする
ことができる。

次いで、操作レバー４０を、支点２１内の下端
４１を中心として摺動方向（矢印Ｙ方向）に回動
させ、第５Ａ図に示すようにカバー１０を本体２
０に対して左動させる。このようにすると、カバ
ー１０の端子保持孔１５に挿入されたピン端子３
も左動し、矢印Ｃ−Ｃに沿つた断面を示す第５Ｂ
図に示すように、ピン端子３は端子挾持片３２
ａ，３２ｂの幅の狭くなつた部分に圧入されて端
子挾持片３２ａ，３２ｂにより弾性的に挾持さ
れ、ピン端子３とコンタクト３０の電気的接続が
確保される。

以上の操作が終了すると、操作レバー４０は引
き抜かれるが、多数のピン端子３が端子挾持片３
２ａ，３２ｂの間に挾持されるので、ハウジング
カバー１０はそのままの状態にとどまる。しか
し、振動衝撃の大きい用途の場合には、必要に応
じて、この操作レバー４０に代えてスライド用孔
１１と支点溝２１内にリテンシヨンプラグ５１が
挿入され、さらにこのプラグ５１が抜け出ないよ
うにプラグカバー５２が取り付けられ、プラグ５
１によりカバー１０が動かないように保持され
る。

なお、ICチツプ２を取り外すには上記と逆の
操作を行なう。すなわち、プラグカバー５２およ
びプラグ５１を取り外し第５Ａ図の如くスライド
用孔１１を介して支点溝２１に操作レバー４０を
差し込み、この操作レバー４０によつてカバー１
０を右動させた後、ICチツプ２を取り外す。

以上の実施例においてはICチツプのピン端子
を取り付ける例を示したが、本考案のスライド操
作機構は高密度化を目的とする他の電気的接続
（例えば、基板と基板のせつぞく、基板とケーブ
ルの接続等）にも用いることができる。

（考案の効果） 以上の説明から明らかな如く、本考案のソケツ
トスライド機構によると、ハウジング本体および
ハウジングカバーの一端縁に沿つて夫々少なくと
も１個の細長い支点溝およびスライド用孔が形成
され、これに対応する個数の指状下端および共通
操作部を有する挿抜可能な略板状操作レバーが使
用される。従つて、スライド機構が簡単で占有面
積が極めて少ない。また、板状操作レバーの使用
によりハウジングカバーの略全体を一様に押圧で
きると共に梃作用により大きな駆動力が得られ
る。更に、板状操作レバーはハウジングカバーを
正常位置にスライドしない限り引き抜けないので
誤操作が回避できる。しかも、操作レバーを引き
抜いた後にリテンシヨンプラグを取付けると一層
動作を確実にすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１Ａ図から第１Ｃ図はそれぞれ本考案のスラ
イド操作機構を有するソケツトの１例を示す平面
図、側面図、正面図、第２図は上記ソケツトを第
１Ａ図の矢印Ａ−Ａに沿つて切断して示す断面
図、第３図は上記ソケツトのハウジング本体内に
取り付けられるコンタクトを示す斜視図、第４Ａ
図、第５Ａ図および第６図は上記ソケツトにおけ
るスライド操作機構を拡大して示す断面図、第４
Ｂ図および第５Ｂ図は、第４Ａ図および第５Ａ図
の矢印Ｂ−Ｂ，Ｃ−Ｃに沿つた断面図、第７図は
本考案のスライド操作機構に用いる操作レバーを
示す斜視図である。 １０……可動ハウジングカバー、１１……スラ
イド用孔、２０……ハウジング本体、２１……支
点溝、３０……コンタクト、３２ａ，３２ｂ……
端子挾持片、４０……板状操作レバー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ピン端子を一方向に移動するとき電気的に接続
   される複数のコンタクトを有するハウジング本体
   と、該ハウジング本体の上面に重ねて摺動自在に
   取付けられ、上記コンタクトの端子挾持片に対応
   する多数の端子保持片を有する可動ハウジングカ
   バーと、該可動ハウジングカバーを上記方向に移
   動する移動手段とを有するソケツトにおいて、 上記ハウジング本体および上記可動ハウジング
   カバーの上記方向の一端縁部に沿つて夫々少なく
   とも１個の細長い支点溝およびスライド用孔を形
   成し、 上記支点溝およびスライド用孔を位置合せした
   状態で挿脱可能な上記スライド用孔の数に対応す
   る指状下端および共通操作部を有する略板状操作
   レバーを用い、上記ハウジング本体の上記支点溝
   を支点として上記板状操作レバーを回動して上記
   可動ハウジングカバーを上記一方向へ移動させ、
   移動後上記板状操作レバーを抜き去ることを特徴
   とするソケツトスライド機構。