JPH0217770Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野： 本考案は、クランク軸、クランク腕、クランク
ピンからなるクランク構造の、クランクピン相当
部を回転刃とし、これと摺接係合するほぼ鉛直の
固定刃との間に被処理シートを供給して帯状被処
理シートを断截するロータリーカツタに係るもの
である。

先行技術と問題点： ロータリーカツタは、長尺帯状のシートを短尺
に断截するために使用する、被処理シートの供
給、排出、断截間の同期化、スピード化が容易
で、生産性の高い機械である。

第１図に示す在来装置の１例において、駆動源
により回転するロータ１に固着した回転刃２と、
回転刃２の刃先と摺接係合する固定刃３とが装備
され、これらの刃の係合位置を中心に、供給コン
ベヤ４、排出コンベア５並びに集積リフト６が配
設されている。コンベヤ４で給送される被処理シ
ート７は、固定刃・回転刃係合部で、供給速度と
ロータの回転速度との同期設定により定尺に断截
されて、ロータ１の下方の排出コンベヤ５上に落
ち、集積リフト６へ移行する。

しかしながら、この種在来装置では、断截され
た処理済シートの進行経路や、ロータ１により阻
まれるので、被処理シートが弾性をもち、ロータ
１の外周面に沿つて彎曲可能でなければ、操業不
可能である。

また、特公昭53−11104号公報で開示されてい
る揺動カツタの概略を第２，第３図に示す。この
発明では固定装置１０１上の固定位置に支持され
た固定刃１０２の切断縁と同一平面内に可動刃１
０４が設置されており、可動刃１０４はＵ字形部
材１０３に取付けられ、部材１０３は軸AB（１
点鎖線で示す。）に軸着している。第３図の１点
鎖線PPは水平線を示し、固定刃１０２は図の左
方から右方に下向き傾斜し、可動刃１０４は同方
向に上向き傾斜している。

この種揺動カツタで、被処理シートを断截する
場合、被処理シートは第２図において左方向に進
み、abcd（cdは部材１０３にかくれて見えない。）
位置のように、軸ABに衝突することなく、平面
を維持して取出すことが可能である。

しかしながら、可動刃１０４を上下に往復運動
（一次元振動）させるためには、その最上・最下
位置で運動量を０とした後、逆符号の運動量を与
える必要があり、エネルギー損失が大きい欠点が
ある。また、消費動力の経時変化が大きいため頑
丈な装置としなければならず、さらに固定刃１０
２と係合した可動刃１０４が再び上向きに運動を
起し、可動刃１０４が固定刃１０２と離反するま
では可動刃１０４が被処理シートの前進を阻むの
で円滑な作業を進め難い。

問題点を解決する手段： 本考案は、適宜距離をおき軸心を共有する２本
の水平軸の各対向部から直角方向に伸びる２本の
腕材の各先端を連結して架設した回転梁に固定さ
れ、上記水平軸とほぼ平行で、水平軸のまわりを
回転する回転刃と、該回転刃の回転軌跡筒面に相
接する鉛直平面との接触線をほぼ刃先とする鉛直
固定刃とを、該軌跡筒面の周方向の面で摺接係合
させ、被処理シートをせん断断截する断截部を形
成するとともに、同じく架台には、架台上に設け
られた上記水平軸を連続的に一定方向に回転駆動
する駆動源を有している。水平軸をクランク軸、
腕材をクランク腕、回転刃（又は回転梁）をクラ
ンクピンと置き換えると、周知のクランク機構と
実質的に同じになり、簡単のため以後はクランク
構造という。上記回転軌跡筒面の外部から、該断
截部へ被処理シートをほぼ水平に給送し、断截処
理済シートの断截端を、回転刃の進行方向端縁で
押圧落下させ、被処理シートを彎曲させることな
く取出すロータリーカツタとしたのである。

この際、回転刃の位置を断截部、０度、直径的
反対位置を180度などで示し、図面上、右回転と
し、被処理シートが右方から左方へ移動する場合
を仮定すると、回転刃が約180度付近を上昇移動
するとき、該位置にシートが存在すると衝突を起
こして運転不可能になる（衝突現象を起こすとい
う。）。

この衝突現象が生起しないようにすると、断截
処理前のシートを、前記回転軌跡筒面を突抜け
て、断截部と直径的反対方向に突出させることが
可能で、断截シートの断截長を増すことができる
（断截された処理済シートの長さが小さく、回転
軌跡筒面内に納まるときは衝現象を考慮する必要
はない。）。

作用： 断截部における断截は、固定刃と回転刃との摺
接係合により断断截され断截処理済シートは、回
転刃の進行方向（回転軌跡の径方向かつ回転方
向。）の面で押されて下方に移動する。処理済シ
ートは重力により加速されるので、短時間で回転
刃から外れる。処理済シートの他端（図では左
端）は断截時は静止状態であるが、重力により時
間の経過につれて加速落下する。回転刃は円運動
をしながら、空間に浮遊した状態の処理済シート
を、接触部を回転方向に若干移動しつつ押下げ
る。従つて、処理済シートはやや回転方向よりに
落下する。

被処理シート及び断截された処理済シートは、
それぞれ周知手段、たとえばコンベヤによりロー
タリーカツタへ給送し、又排出することが可能で
ある。

この処理により断截された処理済シートは平面
を保つたまま、強制彎曲を被ることなく落下す
る。

実施例： 以下、図面に基づき本考案装置の実施の１例を
説明する。第４図に示すように、回転刃１２を取
付けるロータをクランク型ロータ１１となすので
ある。すなわち、このクランク型ロータ１１は架
台１８上に適宜距離をおき軸心を共有する２本の
水平軸１４が設けられ、これらの水平軸１４の各
対向部から直角方向に伸びる２本の腕材１５の各
先端が連結して架設した回転梁１６に回転刃１２
が着脱自在に固定されている。そして、上記水平
軸１４は、同じく架台１８に設けられた、たとえ
ば減速機付き直流モータのような駆動源１７によ
り連続的に一定方向に回転駆動される。

一方、上記回転刃１２と係合会接する鉛直固定
刃１３は第５図に示すように、原則的に水平軸１
４のまわりを回転する回転刃１２の回転軌跡筒面
と、上記水平軸１４を含む水平面とが相接する位
置において架台１８に固着してある。また、被処
理シート７の材質によつては、或いは厚物板状体
９であるときには固定刃１３と摺接係合する回転
刃１２の形状若しくは取付状態を、第６図に示さ
れるような斜交状態、第７図に示されるような中
央部が先に固定刃１３に接する形の回転刃１２′、
第８図に示されるような両端部が固定刃１３に接
する形の回転刃１２″とすることができる。

さらに、固定刃１３と同じレベルに給送コンベ
ヤ４をほぼ水平に装架し、又、回転刃１２の回転
軌跡の下方には排出コンベヤ５を装架する。この
場合、排出コンベヤ５の設置高さは、上記回転軌
跡の最下位から、断截処理せんとする厚物板状体
９の厚さに見合う間隔より若干低いレベルにその
上面が占位することが望ましい。

考案の効果： 本考案のロータリーカツタは、被処理シート
が、断截処理後、たわむことなく、平面を保つて
排出し得る点で、前記特公昭53−11104号公報に
記載の揺動カツタ（第３図）と同様であるが、こ
の後者のカツタは１次元揺動運動をするので、可
動刃は断截を終つた後次の断截を行なうために、
断截部を通つて復原しなければならない。この断
截部通過時は、被処理シートの給送を停止しなけ
ればならず（完全な間欠給送となり。）処理能力
の低下は否めない。上述のとおち、本考案のロー
タリーカツタは、可動刃の直径的反対位置通過時
を避ける構成をとることで、被処理シートの給送
を連続的に行なうことができる。

本考案装置によれば、30〜50mm程度の厚さのも
のはもとより、100mmを超す厚さのものでも容易
に断截作業をコンスタントに進めることができ、
その断截面はいわゆるクロスセクシヨンに近く、
美麗である。

本考案のロータリーカツタは、その構成により
特に厚物板状体の断截処理を円滑に効果的に行な
い得るもので産業上の利用性は著大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は在来のロータリーカツタの要部説明
図、第２図は特公昭53−11104号公報に記載の揺
動カツタの斜視図、第３図は第２図の揺動カツタ
の各刃の傾斜関係を示す図、第４図は本考案の１
実施例の平面説明図、第５図は第４図の−視
方向における構造及び機能の説明図、第６図〜第
８図は回転刃の形状若しくは取付状態を示す図で
ある。 １……ロータ、２……回転刃、３……固定刃、
４……給送（供給）コンベヤ、５……排出コンベ
ヤ、６……集積リフト、７……被処理シート、９
……厚物板状体、１１……クランク型ロータ、１
２……回転刃、１３……固定刃、１４……水平
軸、１５……腕材、１６……回転梁、１７……駆
動源、１８……架台。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 架台上に設けられた適宜距離をおき軸心を共
   有する２本の水平軸の各対向部から直角方向に
   伸びる２本の腕材の各先端を連結して架設した
   回転梁に固定され、上記水平軸とほぼ平行で、
   水平軸のまわりを回転する回転刃と該回転刃の
   回転軌跡筒面に相接する鉛直固定刃とを、該軌
   跡筒面の周方向の面で摺接係合させて被処理シ
   ートをせん断・断截する断截部を形成するとと
   もに、同じく架台には、架台上に設けられた上
   記水平軸を連続的に一定方向に回転駆動する駆
   動源を有し；該回転刃の回転軌跡円筒外から、
   被処理シートをほぼ水平に断截部に給送し、断
   截処理済シートの断截端を、回転刃の進行方向
   端縁で押圧落下させ、さらに回転刃の回転に伴
   つて処理済シートの進行方向後半部を下方に押
   圧して落下を促進させ、落下した処理済シート
   を直下に設置した排出手段により排出する構造
   のロータリーカツタ。 ２ 回転刃の回転速度と被処理シートの給送速度
   とを、回転刃が、断截部と約直径的反対位置
   （約180度の位置）を通過した後、断截部に達す
   る間に被処理シートの先端が該回転刃の回転軌
   跡円筒から、該被処理シート給送方向外側に突
   出するように関係づけた実用新案登録請求の範
   囲第１項記載のロータリーカツタ。 ３ 回転刃が、回転梁に着脱可能である実用新案
   登録請求の範囲第１項又は第２項に記載のロー
   タリーカツタ。