JPH0217706B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） 本発明は、熱力学機械の燃焼用空気を予熱する
ための空気予熱器に関する。

（従来の技術） 従来、この種の空気予熱器として特開昭57−
102541号公報に示されるものがあつた。

このものは、第１の円筒と、該第１の円筒内に
挿入配設された第２の円筒と、該第２の円筒の外
周面と第１の円筒の内周面間の間隙内に挿入配設
され間隙を仕切る波形の円筒状の熱交換フインと
を設け、熱交換フインの両端に夫々流出孔を有し
た予熱器フランジを溶接等により固定・シール
し、熱交換フインにより仕切られた一方の通路に
燃焼排気ガスを他方の通路に空気の一部または全
部を通し、空気を燃焼排気ガスで予熱するように
している。

（発明が解決しようとする課題） 上記した従来の空気予熱器においては、予熱器
フランジに設けられた流出孔により、空気及び燃
焼排気ガスの流れの屈曲回数を少なくできて、圧
力損失が小さくできると共に、熱交換フインの全
面を有効に利用できて、当該空気予熱器の小型化
を図ることができるものの、予熱器フランジの内
周形状及び外周形状を熱交換フインの外周形状及
び内周形状に沿うように形成し、予熱器フランジ
の内周及び外周を熱交換フインの外周及び内周に
溶接等により固定・シールさせているため、生産
性が悪いという問題がある。つまり、この種の空
気予熱器においては、溶接で固定・シールすると
熱歪が生じるため、一般的にはろう付け（Ni真
空ろう付け等）を行つているが、上記した従来の
空気予熱器においては、ろう付けの際にろうがこ
ぼれ易く、生産性が悪化すると共に、ろうのこぼ
れによりろうの量が不足して、熱交換フインと予
熱器フランジ間に隙間が生じてシール不能となる
という問題がある。更に、このシール不能を防止
しようとするには、熱交換フインと予熱器フラン
ジ間の隙間を小さくする必要があり、熱交換フイ
ン及び予熱器フランジの製作精度を高くしなけら
ばならず、その結果、当該空気予熱器の製造コス
トが嵩むという問題がある。

そこで本発明は、この種の空気予熱器におい
て、高い製作精度を必要とすることなく、その生
産性を向上させると共に、確実に２つの熱交換媒
体間のシールを行わせることを、その技術的課題
とする。

〔発明の構成〕

（課題を解決するための手段） 上記した技術的課題を解決するために講じた手
段は、当該熱力学機械の空気予熱器において、本
体の外周に同心状となつた円筒形の内壁と外壁を
設け、該内外壁間に熱交換媒体の流路を形成し、
前記熱交換媒体の通路となる様な貫通孔を有した
円環状部材が両端に固着された波板状の仕切壁
が、前記熱交換媒体の流路を気密的に略二分割す
る様に前記内外壁間に配置されてなる熱力学機械
の空気予熱器において、前記円環状部材の前記貫
通孔の周囲に軸方向に突出した突起を設けると共
に前記円環状部材の内外周に軸方向に屈曲した返
し部を設け、前記仕切壁の軸方向端部を前記突起
に嵌合し且つ前記仕切壁の半径方向端部を前記内
外の返し部間にて案内させたことである。

（作用及び発明の効果） 上記した構成によれば、円環状部材に設けられ
た貫通孔により、熱交換媒体である空気及び燃焼
排気ガスの流れの屈曲回数を少なくすることがで
きて、圧力損失が小さくでき、外部ブロワの小型
化及び動力損失の低減を図ることができると共
に、仕切壁の全面を有効に利用できて、伝熱量が
同じでより小型の仕切壁にでき、当該空気予熱器
の小型化を図ることができる。

また、円環状部材の突起と内外の返し部に囲ま
れて形成される窪み部分が、円環状部材と仕切壁
のろう付け時のろう溜まりになることから、ろう
のこぼれが抑制できて、その生産性の向上できる
と共に、ろうの量が不足することがなく、それに
より仕切壁及び円環状部材の製作精度を高めるこ
となく、良好なシール性を得ることができる。更
に、仕切壁と円環状部材のろう付けの際、突起と
内外周の返し部をガイドにして、波板状の仕切壁
の位置決めが容易にできるため、更に一層その生
産性を向上するこができる。

（実施例） 以下、本発明に従つた熱力学機械の空気予熱器
の一実施例を図面に基づき説明する。

第１図において、１は断熱材料でできた本体、
２は熱焼器で、熱焼器２の上部には熱焼空気の通
る通路３を、また下部には燃焼空間４を形成して
いる。該燃焼空間４には、多気筒の膨張シリンダ
５と蓄熱器６とが突出し、ヒータパイプ７によつ
て連結されている。８は本体１の上部に設けられ
たバーナである。

９，１０は本体１に固着された円筒形の外壁及
び内壁で、その間に燃焼用空気バツフア空間１１
と燃焼用空気通路３を連通せしめ、且つ排気ガス
バツフア空間１２と燃焼空間４を連通せしめる熱
交換媒体の流路１３が形成される。１４，１５は
本体１に設けられた燃焼用空気の入口と排出口で
あり、いずれもバツフア空間１１，１２に連通し
ている。

１６は帯状の板材を第２図に示すようにジグザ
グ折り曲げて規則正しい波状を呈した仕切壁で、
該仕切壁１６は熱交換媒体流路１３内に配設さ
れ、該流路１３を略２分割している。即ち、仕切
壁１６の外周側の面と外壁９との間に形成される
外周側流路１３ａと、仕切壁１６の内周側の面と
内壁１０との間に形成される内周側流路１３ｂが
形成される。

仕切壁１６の両端には、円環状部材１７，１８
が後述するようにろう剤等の耐熱シール材１９に
よつて付けにより固着されており、外周側流路１
３ａと内周側流路１３ｂは、仕切壁１６の軸方向
端部において、シールされている。

円環状部材１７には、外周流路１３ａの断面に
内包される様な断面形状の貫通孔２０が外周側流
路１３ａの数と同数設けられており、貫通孔２０
は外周側流路１３ａと通路３とを連通せしめてい
る。また、円環状部材１８には、内周側流路１３
ｂの断面に内包されるような貫通孔２１が内周側
流路１３ｂと同数設けられており、貫通孔２１は
内周側流路１３ｂとバツフア空間１２とを連通せ
しめている。

また、円環状部材１７，１８には、第５図に示
すように、貫通孔２０，２１の周囲にバーリング
加工により軸方向に突出した突起ａが形成されて
いると共にその内外周に軸方向に屈曲した返し部
ｂを設け、仕切壁１６の軸方向端部を突起ａに嵌
合し且つ仕切壁１６の半径方向端部を内外の返し
部ｂ間にて案内させて、耐熱シール材１９によつ
てろう付けにより固着・シールされている。尚、
第５図中、２点鎖線は仕切壁１６の軸方向端部が
当たる部分の軌跡である。

以上の構成から成る本実施例の作用を説明す
る。

新鮮な燃焼用空気は、第１図及び第３図におい
て、入口１４からバツフア空間１１を経て、更に
外周側流路１３ａを経て、通路３を通り、バーナ
ー８の入口に達し、また燃焼排気ガスは、第１図
及び第３図において、燃焼空間４から内周側流路
１３ｂを経て、バツフア空間１２に入り、排出口
１５から放出され、この間に、両熱交換媒体（燃
焼用空気、燃焼排気ガス）は、仕切壁１６を介し
て熱の受け渡しを行う。尚、第１図において、燃
焼用空気の流れは実線矢印で、また燃焼排気ガス
の流れは一点鎖線矢印で示す。

しかして本実施例においては、燃焼用空気は、
入口１４からバツフア空間１１を経て、外周側流
路１３ａに供給された後、貫通孔２０を通つて上
部の空気通路３に流れる間、略直線的に流れ、又
燃焼排気ガスは、燃焼空間４から内周側流路１３
ｂを通り、更に貫通孔２１を通つて下部のバツフ
ア空間１２に流れる間、略直線的に流れるため、
両熱交換媒体は仕切壁１６内の夫々の流路１３
ａ，１３ｂ内をまんべんんなく流れ、仕切壁１６
の全面を有効に利用でき充分な熱交換を行うこと
ができる。故に、伝熱量が同じでより小型の仕切
壁１６にすることが可能であり、空気予熱器の小
型化、低コスト化を図ることができる。更に、両
熱交換媒体の流れの屈曲回数を少なくすることが
でき、圧力損失が小さくなるので、外部ブロワの
小型化及び動力損失の低減を図ることができる。

また、本実施例においては、第５図に示すよう
に、円環状部材１７，１８に貫通孔２０，２１の
周囲にバーリング加工により軸方向に突出した突
起ａが形成されていると共にその内外周に軸方向
に屈曲した返し部ｂを設け、仕切壁１６の軸方向
端部を突起ａに嵌合し且つ仕切壁１６の半径方向
端部を内外の返し部ｂ間にて案内させて、耐熱シ
ール材１９によつてろう付けにより固着・シール
されている。それ故、円環状部材１７，１８の突
起ａと内外の返し部ｂに囲まれて形成される窪み
部分が、円環状部材１７，１８と仕切壁１６のろ
う付け時のろう溜まりになることから、ろうのこ
ぼれが抑制できて、その生産性の向上できると共
に、ろうの量が不足することがなく、それにより
仕切壁１６及び円環状部材１７，１８の製作精度
を高める（両者の隙間を小さくする）ことなく、
良好なシール性を確実に得ることができる。更
に、仕切壁１６と円環状部材１７，１８のろう付
けの際、突起ａと内外周の返し部ｂをガイドにし
て、波板状の仕切壁１６の位置決めが容易にでき
るため、更に一層その生産性を向上することがで
きると共に、仕切壁１６の製作誤差を多少矯正す
ることが可能であるため、高い製作精度が不要
で、製造コストの低減を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に従つた熱力学機械の空気予熱
器の一実施例を示す概略縦断面図、第２図は本発
明の流路を示す部分概略拡大斜視図、第３図は第
２図を図示左方より見た斜視図、第４図は第２図
を図示右方より見た斜視図、第５図は本発明の要
部である円環状部材の部分拡大斜視図である。 １……本体、９……内壁、１０……外壁、１３
……熱交換媒体の流路、１３ａ……外周側流路、
１３ｂ……内周側流路、１６……仕切板、１７，
１８……円環状部材、２０，２１……貫通孔、ａ
……突起、ｂ……返し部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 本体の外周に同心状となつた円筒形の内壁と
   外壁を設け、該内外壁間に熱交換媒体の流路を形
   成し、前記熱交換媒体の通路となる様な貫通孔を
   有した円環状部材が両端に固着された波板状の仕
   切壁が、前記熱交換媒体の流路を気密的に略二分
   割する様に前記内外壁間に配置されてなる熱力学
   機械の空気予熱器において、前記円環状部材の前
   記貫通孔の周囲に軸方向に突出した突起を設ける
   と共に前記円環状部材の内外周に軸方向に屈曲し
   た返し部を設け、前記仕切壁の軸方向端部を前記
   突起に嵌合し且つ前記仕切壁の半径方向端部を前
   記内外の返し部間にて案内させたことを特徴とす
   る熱力学機械の空気予熱器。