JPH0217297Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ 本考案は羽根車式流量計に関し、更に詳しくは
計測レンジを拡大できるようにした流量計に関す
る。

［従来の技術］ 羽根車式流量計は、流体の流速に応じた羽根車
の回転数により流量を検出するものであり、膜式
の流量計に比べて、構造が簡単で、測定精度も極
めて高い。

しかしながら、羽根車式流量計では幅広い流量
変化に対応できず、特に最適計測流量域を越えて
通過する流体の流量が大きくなると、流量計の出
口での圧力損失が大となり、計測精度が低下す
る。したがつて計量法では羽根車式流量計の出入
口間の差圧の上限値を15mmH₂Oに規制し、圧力
損失が一定値以下に保たれるようにしている。

またこのため、羽根車式の流量計の測定可能範
囲は膜式流量計らに比べて1/3〜1/4と評価され、
大レンジの計測には不向きとされていた。

［考案の目的］ 本考案は、羽根車式流量計における計測レンジ
の拡大を図り、実用面での障害を克服することを
目的とし、また、過流量域における流量計自体の
オーバロードからの保護を他の目的とするもので
ある。

［考案の構成］ 以上の目的を達成するため、本考案では、羽根
式流量計において、羽根車の回転数の上限および
下限を検出する手段と、該検出手段からの出力に
応じてケースの流通ポートの流通径を切替える手
段とを設けた点を要旨とするものである。

［実施例の説明］ 以下、本考案の一実施例を図面を参照して詳細
に説明する。

図は実施例による羽根車式流量計のシステム構
成を示す説明図である。

図において、１はプロパンガスなどのガス流通
路内に介在された流量計本体、２は流量計本体１
により計測された測定値を電気的信号に変換して
出力する計測回路部である。

流量計本体１は一端にガス流入ポート３を備
え、他端にガス流出ポート４を突設したケース５
と、ケース５内に回転可能に配置された羽根車６
と、ガス流入ポート３とケース５間を接続する大
径のメインノズル７および小径のサブノズル８
と、ガス流入ポート３を貫通して弁体９ａをメイ
ンノズル７の開口部に対向させた電磁弁９とから
構成されている。

計測回路部２は、前記羽根車６の回転周波数を
検出して流量に換算する検出部１０と、検出部１
０からの出力を表示する流量表示部１１を備えて
いる。

また、この計測回路部２内において、羽根車６
の回転周波数はＦ／Ｖ変換器１２により電圧に変
換され、この出力値は低出力側のコンパレータ１
３および高出力側のコンパレータ１４に入力され
る。

各コンパレータ１３，１４は夫々羽根車６の回
転数の低速域での下限および高速域での上限を設
定するもので、コンパレータ１３はフリツプフロ
ツプ回路１５のセツト端子Ｓに接続され、またコ
ンパレータ１４はインバータ１６およびナンド回
路１７を介してフリツプフロツプ回路１５のクリ
ア端子CLに接続されている。

そして、フリツプフロツプ回路１５の出力端子
Ｑは前記ナンド回路１７の他方側入力端に接続さ
れ、また出力端子は電磁弁９の駆動用の信号ラ
インに接続されている。

したがつて、ガス流量が大となり高出力側コン
パレータ１４の入力が設定上限値を越えると、コ
ンパレータ１４よりクリア端子CLに信号が送出
される結果、出力端子から作動信号が出力し、
電磁弁９が作動してメインノズル７を閉じ、サブ
ノズル８のみにより流量計本体１に内にガスが供
給され、羽根車６は回転数を減ずることになる。

また、ガス流量が小となりコンパレータ１４側
の出力が０となり、低速域での下限設定値を下廻
るとコンパレータ１３の出力信号により、電磁バ
ルブ９は開き、再びメインノズル７側からガス供
給がなされる。

また、切替時におけるメインノズル７とサブノ
ズル８の合計流量による計測値と、サブノズ８の
みによる計測値との相違を調整するため、前記検
出部１０には高出力側弁別器１８および低出力側
弁別器１９が付設され、これらを前記出力端子
Ｑ，側からの信号により交互に作動させて、こ
れに基づき検出部１０では実測値に対するゲイン
調整を行い、低流速域でも高流速域でも結果とし
て同一の流量を表示部１１に表示されている。

なお、前記実施例ではメインノズルとサブノズ
ルに２分割し、過流量域ではメインノズルを閉じ
るようにしたが、更に複数に細分割し、流量に応
じて個々に作動するようにすれば更に測定レンジ
を広げることができる。またノズルを１個とし、
可変絞り式とすることも可能であることは勿論で
ある。

［考案の効果］ 以上説明したように、この考案では、上述の構
成により、常時適正な流量域で流体の計測が行え
るので、羽根車式流量計の利点である計測精度の
高さを享有しつつ測定レンジを拡大できる。

また、これと同時に過流量域における流量計の
オーバロードを防止できる。

なお、例えばプロパンガスなどの流量計に適用
した場合に、ガス漏れを警報システムなどと連動
させ過流量時に警報を発生させるようにもでき
る。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施例による羽根車式流量計の
システム構成を示す説明図である。 １……流量計本体、２……計測回路部、３……
ガス流入ポート、４……ガス流出ポート、５……
ケース、６……羽根車、７……メインノズル、８
……サブノズル、９……電磁弁（切替手段）、１
０……検出部、１１……表示部、１３……低出力
側コンパレータ（回転数の下限設定手段）、１４
……高出力側コンパレータ（回転数の上限設定手
段）、１５……フリツプフロツプ回路（切替手
段）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 流体通路内に介挿されるケースと、該ケース内
   に配置され、流体の流速に応じて回転する羽根車
   と、羽根車の回転数を検出する流量検出手段を備
   えた羽根車式流量計において、前記羽根車の回転
   数の上限および下限を検出する手段と、該検出手
   段からの出力に応じてケースの流通ポートの流通
   径を切替える手段とを設けたことを特徴とする羽
   根車式流量計。