JPH02172731A - 長尺複合成形体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、熱伸縮や剛性及び耐衝撃性が改善され、耐久
性に優れた長尺複合成形体に関する。

（従来の技術） 雨樋などの建材は、塩化ビニル樹脂などの熱可塑性樹脂
で長尺に成形され、広く使用されている。しかし、かか
る熱可塑性樹脂の成形体は熱伸縮が大きく剛性が小さい
ため、四季や昼夜の気温変化により変形し、またひび割
れが発生し易いという欠点がある。

このような欠点を改良した成形体として、強化繊維が不
飽和ポリエステル樹脂のような合成樹脂で固定された芯
材層に、塩化ビニル樹脂のような熱可塑性樹脂の外皮層
を被覆してなる雨樋などの長尺複合成形体が提案されて
いる（特開昭５８−２０９５６０号公報、実開昭５９−
１４７８２３号公報参照）。

（発明が解決しようとする課題） ところが、このような長尺複合成形体にあっては、熱伸
縮の改善は良好になされるが、剛性及び耐衝撃性の改善
が不充分である。本発明は、かかる問題を解決するもの
であり、その目的とするところは、熱伸縮による変形や
剛性及び耐衝撃性が改善され、耐久性の優れた長尺複合
成形体を提供することにある。

（課題を解決するための手段） 本発明の長尺複合成形体は、強化繊維が合成樹脂で固定
された芯材層に熱可塑性樹脂の外皮層が被覆されてなる
長尺複合成形体において、上記芯材層は少なくとも二層
の芯材層からなり、各々の芯材層の間に合成樹脂層が接
着されていることを特徴とし、そのことより上記の目的
が達成される。

本発明において強化繊維としては、ガラス繊維、カーボ
ン繊維、アルミナ繊維、アラミド繊維などのロービング
、不織布、マット、織布、ネットなどが用いられる。長
尺体においては長手方向の熱伸縮が主として問題となり
、特に、強化繊維としてロービングを使用しこれを長手
方向に多数条配設すると、得られる成形体の線膨張係数
が理論値と良く一致するので、本発明ではロービングを
長手方向に配設するのが好ましい。

そして、かかる強化繊維を固定する芯材層の合成樹脂と
しては、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート
樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂が用いられる。

この熱硬化性樹脂には、通常、有ａ過酸化物のような熱
硬化剤やヘンジイン誘導体のような光硬化剤、その他促
進剤が添加される。また、上記芯材層の合成樹脂として
は、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、オレフィン樹脂など
の熱可塑性樹脂も用いることができる。

上記の強化繊維は上記の合成樹脂に対して、一般に、６
０容量％以下の範囲で使用するのが好ましい。強化繊維
を合成樹脂に対して６０容量％以上使用すると、衝撃で
芯材層の割れや層間剥離が発生し易くなる。

本発明においては、上記の芯材層を少なくとも二層使用
する。そして、各々の芯材層の間には合成樹脂層が熱又
は接着剤などの手段により接着されている。かかる合成
樹脂としては、合成ゴム、エチレン−プロピレンラバー
、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、軟質塩化ビニル樹脂などの軟質の合
成樹脂が好適に用いられるが、硬質の合成樹脂も使用可
能である。

また、外皮層の熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル樹脂
、アクリル樹脂、ポリエチレンやポリプロピレンなどの
オレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサル
ファイドやポリエーテルスルフォンなどのエンジニアリ
ング樹脂等が用いられる。なお、このような外皮層には
、炭酸カルシウムなどの無機塩、アルミニウムなどの金
属粉、ガラス短繊維、木粉等の線膨張係数の小さい充填
剤を含有させるのが好ましい。

前記複合の芯材層と外皮層とは直接接着されていてもよ
いが、合成樹脂の接着剤を介して接着されるのが好まし
い。かかる接着剤としては、エポキシ系、ウレタン系、
アクリル系などの硬化型接着剤やエチレン−酢酸ビニル
系、ポリエステル系、ポリアミド系などのホットメルト
型接着剤等が用いられる。なお、接着剤には上記のよう
な線膨張係数の小さい充填剤を含有させるのが好ましい
。

本発明の長尺複合成形体は、例えば、次の、ような方法
により製造される。先ず、強化繊維に合成樹脂液を含浸
させた後乾燥して複数のシート状プリプレグを形成し、
この複数のシート状プリプレグの間に軟質の合成樹脂シ
ートを熱圧着し、これを雨樋、波板、デツキ材など所望
の形状に賦形し硬化又は固化させて複合の芯材層を形成
する。

次いで、接着剤を使用する場合はアプリケ−クーを用い
て、複合の芯材層の表面に合成樹脂の接着剤を塗布する
。しかる後、クロスへンド金型を備えた押出機を用いて
、熱可塑性樹脂を熔融押出して被覆し固化させて外皮層
を形成する。このようにして、本発明の長尺複合成形体
が得られる。

（作用） 本発明の長尺複合成形体は、少なくとも二層の芯材層が
強化繊維により補強され、剛性が高く線膨張係数が小さ
くなる。しかも、各々の芯材層の間には合成樹脂層が接
着されているので、この樹脂層が衝撃を吸収し耐衝撃性
が一層向上する。また、各々の芯材層は上記の樹脂層に
対して外側に存在することとなり、そのため剛性が−層
高くなる。

（実施例） 以下、本発明の実施例及び比較例を示す。

丈崖■↓ 不飽和ポリエステル樹脂（ｌＩ７５１０：日本ユピカ製
）（線膨張係数：６．０ＸｌＯ−５／　’Ｃ）１００重
景部に硬化剤として過酸化ベンゾイル（パーキュア０：
日本油脂製）２重量部を混合して樹脂液を調製した。こ
の樹脂液を長手方向に多数条配列させたガラスロービン
グ（＃４４００：日東紡製）（線膨張係数：０．５Ｘ１
０−’／　”Ｃ）に含浸させて厚さ０．３ｍｍ、幅３０
０ｍｍ　、ガラスロービング含有量６０容量％のシート
状プリプレグを二枚作成した。

上記二枚のシート状プリプレグの間に、厚さ０．３ｍｎ
＋のエチレン−アクリル酸メチル共重合体シート（ＨＭ
ＡシートＸＧ５００Ｓ：三菱油化製）を熱圧着して厚さ
０．９ｍｍの複合の芯材層となし、これをロールフォー
ミング装置により６０〜８０°Ｃで加熱軟化させ角型の
軒樋状に賦形し硬化させ、引続き熱硬化ゾーンで完全に
硬化させて、図示のように複合の芯材層ＩＯを形成した
。この複合の芯材層１０は、ガラスロービング１１が不
飽和ポリエステル樹脂１２によって固定された二枚の芯
材層１０°、１０’　の間にエチレン−アクリル酸メチ
ル共重合体シー）１３が接着されている。

次いで、複合の芯材層１０の外面に、塗布金型を備えた
ホットメルト塗布装置により、図示のようにエチレン−
酢酸ビニル系のホントノル１〜型接着剤（タケメルトＸ
？１２２３：武田薬品製）３０を１７０°Ｃで５０μｍ
の厚さに塗布した。

しかる後、押出機のクロスヘツド金型に導き、この表面
に安定剤などを配合した塩化ビニル樹脂（線膨張係数ニ
ア、０Ｘ１０−５／　’Ｃ）を、１８０　”Ｃで０　、
５ｍｍの厚さに溶融押出して被覆して、図示のように外
皮層２０を形成した。

その後、サイジング装置により表面仕上げを行い、冷却
して引張機で引き取り、厚さ約１．５ｍｍ０長尺の軒樋
複合成形体を製造した。この時のライン速度は３ｍ／分
であった。この’Ｉ！ｆ　４ｉ！！！？ｊｆ合成形体に
ついて、次の方法で熱伸縮性、耐ｆＪｉ撃性及び剛性を
評価した。その結果を第１表に示す。

（１）熱伸縮性 軒Ｖ成形体を４ｍの長さに裁断して試験片とし、これを
恒温恒温室に入れ、２０°Ｃでの長さＬｚｏを測定し、
次に６０°Ｃに温度を上昇させて６０°Ｃでの長さ１６
０を測定し、次式で線膨張係数αを算出した。α＝（Ｌ
ａｏ　　Ｌ２０）／（４０°（：ＸＬｚｏ）。

（２）耐衝撃性 軒樋成形体から２０ｍｍ　Ｘ　２０ｍｍに切断して試験
片を作成し、この試験片にデュポン衝撃試験機で１．５
ｋｇの錘を落下させ、試験片が破■員する落下距離から
衝撃強度を測定した。

（３）剛性 軒樋成形体から長手方向へ１５０ｍｍ　、幅方向へ２０
ｍｍに切断して試験片を作成し、ＪＩＳ　Ｋ　６９１１
に準して、試験片の長手方向の曲げ弾性率を測定した。

夫施側上 実施例１において、二枚の芯材層の間のエチレン−アク
リル酸メチル共重合体シートを、接着性ポリオレフィン
（出光ポリタックＭ−３００：出光石油化学製）からな
る厚さ０．３ｍｍのシートに変えたこと以外は、実施例
１と同様に行った。

その結果を第１表に示す。

犬施桝す ガラスロービングに塩化ビニル樹脂を含浸させて、厚さ
０．３ｍｍ　、幅３００ｍｍ　、ガラスｏ−ピング含有
量３０容量％のシート状プリプレグを二枚作成し、この
二枚のシート状プリプレグの間に、厚さ０．２ｍ＋ｎの
軟質塩化ビニルシートを１７０“Ｃで熱圧着して厚さ０
　、８ｍｍの複合の芯材層を作成したこと以外は、実施
例１と同様に行った。その結果を第１表に示す。

ル較１１− ガラスロービングに不飽和ポリエステル樹脂を含浸させ
て、厚さ０．９ｍｍ　、幅３００ｍｍ　、ガラスロービ
ング含有量６０容量％の一枚の芯材層を作成し、中間の
合成樹脂層（［ＥＭＡシート）を用いなかったこと以外
は、実施例１と同様に行った。

その結果を第１表に示す。

第１表 ので、耐ｆＪｉ隼性及び剛性が一層改善され、〆晶度変
化の厳しい環境で長１１Ｊｌに亘って使用しても、変形
やひび別れが起こらず、耐久性が良好である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の長尺複合成形体の一例を示す一部切欠
斜視図、第２図は第１図の（イ）部分の拡大図である。 １０・・・複合の芯材層、１０″・・・芯材層、１１・
・・強化繊維、１２・・・合成樹脂、１３・・・合成樹
脂層、２０・・・外皮層、３０・・・接着剤。 （発明の効果） 一ヒ述の通り、本発明の長尺複合成形体は、少なくとも
二層の芯材層が強化繊維で補強されているので、全体と
して熱伸縮が小さく温度変化による変形や剛性が改善さ
れる。しかも、各々の芯材層の間には合成樹脂層が接着
されている特許出廓人 積水化学工業株式会社 代表者　廣１）馨

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １、強化繊維が合成樹脂で固定された芯材層に熱可塑性
   樹脂の外皮層が被覆されてなる長尺複合成形体において
   、上記芯材層は少なくとも二層の芯材層からなり、各々
   の芯材層の間に合成樹脂層が接着されていることを特徴
   とする長尺複合成形体。