JPH0216786B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は水分を吸収しその結果湿つている身体
の表面に長時間にわたつて接着する能力を有する
感圧性接着剤に関するものである。より特に、本
発明はそのような接着剤に高い可塑性及び“湿潤
粘着”接着力の組み合わせ性能を許容できる水分
吸収基準において長時間にわたつて与え、その結
果接着剤を例えば小口接合接着剤の如き用途用に
特に適するようにさせる改良に関するものであ
る。本発明はまた、主要表面の一方が本発明の感
圧性接着剤のコーテイングと接着している柔軟性
の裏打ち物質からなる、例えば接着テープの如き
外科用シート物質並びに瘻造設術処置と関連させ
て使用するため及び切り口の被覆のために特に適
している硬膏、剥離剤などを含有している絆創膏
及び包装にも関するものである。 絆創膏、接着性テープなどの中の接着剤成分と
しては種々の型の感圧性接着剤が提唱されそして
使用されている。アクリレート重合体、ポリオレ
フイン系重合体及び天然又は合成ゴム重合体を基
にした配合系は全て感圧性接着剤として試され又
は使用されており、種々の成功度を収めている。 感圧性接着剤はある種の有用な特徴を有してい
なければならない。それは接着しようとする表面
に急速に接着するのに充分なほど粘着性でなけれ
ばならず、すなわち充分な“つかみ力”又は“急
速粘着力”を有さなければならない。また、それ
は該表面に長期間にわたつて接着し続けなければ
ならない。感圧性接着剤組成物は、接着剤でコー
テイングされた製品が接着している表面上に該製
品を除去したときに接着剤の粒子が分離して残る
のを防ぐのに充分な内部強度も有していなければ
ならない。感圧性接着剤を皮膚に適用するために
デザインする場合にはこの接着性問題は実質的に
増大する。最初の粘着性が良好であつても、多く
の感圧性接着剤の長時間にわたる接着性に関して
は、その下にある皮膚の動きに耐えるような比較
的高い剪断接着力が要求される。また、発汗及び
他の表面変化が生じる可能性があるため、接着剤
はその下にある皮膚表面に順応するようにしなけ
ればならない。この問題は、皮膚に適用するため
にデザインされた感圧性接着剤は皮膚に損傷を与
えることなく充分容易に皮膚から除去できなくて
はならないという事柄によりさらに複雑にされて
いる。接着剤が皮膚にあまり強く接着されており
しかも相当な内部強度を有するから、皮膚の上部
層の小粒子が接着剤と共に除かれ、皮膚に炎症が
生じる。従つて、多くの感圧性接着剤が種々の商
業的用途用に入手できるが、皮膚用途に適してい
るものは比較的わずかしか見出されておらず、特
に望ましい高い剪断接着力を有するものの多くは
望ましくない高い除去抵抗性又は剥離接着力を有
する。この問題は、体液と接しながら長時間にわ
たつて接着力を維持しそして同時に体液がその中
を通つてもれるのを防ぐことが要求されるような
例えば瘻造設術処置を含むもののような用途に接
着剤を用いるときには、さらに複雑となる。 結腸造瘻術は身体の表面に結腸用の新たな口を
外科的に作る方法であり、一方回腸瘻孔設置術は
回腸用の口を外科的に作る方法である。回腸瘻孔
設置術では、結腸全体、直腸及び時には回腸の少
部分が除かれる。結腸造瘻術では、直腸及び時に
は結腸の一部分が除かれる。 回腸瘻孔設置術及び結腸造瘻術の両方の手術は
腹部中の人工口（小口）の創作を含んでおり、そ
れには健全な腸の末端部が結合されている。一般
に、小口は腹部の下部にそして片側に設けられ
る。本発明の小口接合接着剤を使用できる関連あ
る腸瘻造設術は尿転換術（urinary diversion）
である。それは尿管がその内容物をその中に放出
できるような永久的瘻管の形成を包含している。 瘻設置術工程の結果として、生成した小口から
の人間の廃棄物質を簡便にしかも衛生的に集める
ための手段を提供しなければならない。多くのそ
のような瘻設置術処置はあるが、前記の如くそれ
らには共通の問題経験は、廃棄物質が患者の皮膚
と接触するのを防止するための良好な皮膚接着力
及び適当な接合力の両者の確立及び維持である。
このためには特に、乾燥及び湿潤の両方の皮膚に
対する良好な接着力及び適当な水分吸収性を有
し、しかも湿潤皮膚からの偶然の離脱又は装置を
意図的に除去するときの過度の困難もしくは苦痛
を防止するのに充分な弾性モジユラス又は可塑性
を有する接着剤物質が要求される。 1967年９月５日に発行されたチエン（Chen）
の米国特許は水不溶性の粘着性のゴム状エラスト
マー結合剤と混合されている水溶性もしくは水膨
潤性のヒドロコロイドの配合物である接着剤組成
物を開示しており、それは瘻設置術用に有用であ
ることが見出されている。 1975年12月９日に発行されたバリンス
（Balinth）の米国特許3925271は、未硬化エラス
トマー、粘着剤及び少なくとも14重量％のシリカ
からなる水分吸収性を有していない未硬化の感圧
性接着剤を開示している。シリカは、特に金属表
面と接触したときに、適度な高温における改良さ
れた粘着及び保持力を有する接着剤組成物を与え
ると開示されている。この接着剤は金属通気管部
分及び断片的馬力（fractional horsepower）電
気モーターの電気絶縁を一緒に結合させ接合させ
るためのテープ上で使用するために特に適してい
ると記されている。この特許には、米国特許
2909278が感圧性接着テープの老化特性を改良す
るためにエラストマー及び粘着剤からなる感圧性
接着剤組成物中に少量のシリカを含むことも開示
しているということも参照として記されている。 1978年11月20日に出願番号7845281として出願
されそして1980年７月30日に公告された、“外科
用接合剤組成物”という題の英国特許出願公告
GB2038661Aは、外科的に創作された小口のまわ
りを接合するための物質の提供に関するものであ
る。この英国特許出願中に記されそして特許請求
されている発明の接着剤接合組成物は、100重量
部の生物的に変性しない粘着性重合体結合剤、例
えばポリイソプレン、ポリウレタン、シリコーン
又はポリイソブチレン−好適にはポリイソブチレ
ン、特に好適にはエツソケミカルスのVistanex
LM／MS；12〜25重量部の不活性強化用充填材
−適当な物質の唯一の開示例は発煙（fume）シ
リカであり特に好適な例はデグツサにより販売さ
れている発煙シリカの一形態であるAerosil
200Vである；及び５〜150重量部の水で活性化さ
れた接着剤シツクナー−唯一の開示されている適
当な例はポリアクリルアミド、好適にはシアナミ
ドにより“Cyanomer P250”として販売されて
いるもの、である、からなつている。 瘻造設術方法のための適当な接合を与える問題
を提起しそして２欄及び３欄に先行技術の論議も
含んでいる別の最近の特許は、1980年11月４日に
発行されたソレンセン（Sorensen）他の米国特
許4231369である。その特許は、選択された交叉
結合されたエラストマー、その中に分散されてい
るヒドロコロイド及び炭化水素粘着剤からなる成
形されたゲル状組成物の、瘻造設術接合手段とし
ての使用に関するものである。 我々は、約30〜約80重量部のゴム状物質である
感圧性接着剤成分及び約30〜約80重量部の水溶性
もしくは水膨潤性の合成炭化水素又は天然ヒドロ
コロイドである水分吸収性成分の配合物に接着剤
組成物の総重量を基にして約２〜約20重量％のシ
リカを加えると、良好な“湿潤粘着性”及び“乾
燥粘着性”を維持しながら生成した接着剤組成物
に相当改良された可塑性を与え、それにより小口
接合及び同様な用途用の非常に望ましい接着力を
与えるということを、全く予期せぬことだが発見
した。 一般に、本発明の感圧性接着剤組成物は、天然
及び合成エラストマーを包含している天然及び合
成のゴム状物質から選択された感圧性接着剤成
分、合成炭水化物及び天然の水膨潤性及び水溶性
のヒドロコロイドから選択された水分吸収成分、
並びにシリカからなつている。感圧性接着剤成分
及び水分吸収性成分のそれぞれは本発明の組成物
中で約30〜約80重量部の、好適には約40〜約60重
量部の、量で存在しており、一方シリカは接着剤
組成物の総重量を基にして約２〜約20重量％、好
適には約５〜約12重量％、の量で存在している。 一般に、シリカは少なくとも130m²／ｇの表面
積を与えるのに充分なほどの小さい粒子寸法を有
してなければならない。0.03ミクロン以下の最終
的粒子寸法を有する粒子が望ましいが、0.020〜
0.030ミクロンの範囲内の最終的粒子寸法を有す
るものが好適である。 ここで使用されているシリカという語は、主成
分として普通は80％より多いSiO₂を含んでいる
組成を有する物質を記すことを意味している。し
かしながら発煙シリカ、沈殿シリカ又は天然採鉱
シリカから得られたシリカは種々の量の例えば酸
化マグネシウムの如き他の金属酸化物を幾らかの
結晶水と一緒に含有しており、種々の量のそれら
は燃焼時に追い出すことができるということは当
技術では認識されている。これらの不純物の存在
は接着剤組成物に付与されている性質を観察でき
る程度に変化させることはない。しかしながら、
生成物の均一性を確実にするためには、ペンシル
バニア州ピツツバーグのPPGにより製造された
市販の入手可能なシリカHi−Sil223が好適であ
る。 本発明の接着剤組成物中の感圧性接着剤成分と
して単独で又は混合して使用できる適当な天然及
び合成のゴム状物質には、天然ゴム、シリコーン
ゴム、アクリロニトリルゴム、ポリウレタンゴ
ム、ポリイソブチレン、アクリル系重合体及び他
の同様な物質が含まれる。特に好適なものは、ポ
リイソブチレン（例えばエキソンにより
Vistanex L100及びVistanex LM−MHとして
商業的に供給されているもの）及びアクリル系重
合体（例えばロームアンドハースからの
Acrylate OR667）である。ゴム状物質はヒドロ
コロイド粒子用の結合剤として作用し、そしてさ
らに最終的結合用組成物に弾性及び柔軟性を与え
る。 水分吸収性成分として単独で又は混合して使用
するために適する合成炭水化物及び天然の水膨潤
性又は水溶性のヒドロコロイドには、カラヤゴ
ム、イナゴマメゴム、ナトリウムアクリレート、
ポリビニルアルコール、粉末状ペクチン、ゼラチ
ン、カルボキシメチルセルロース、高分子量カル
ボワツクス、カルボキシポリメチレン及び他の同
様な物質が含まれる。 希望により、本発明の感圧性接着剤組成物は、
０〜約10重量％の一般的改質剤、充填剤、増量
剤、粘着剤、酸化防止剤、安定剤、可塑剤及び当
技術において該組成物中に含むための公知の他の
成分を含有できる。従つて、例えば接着性を改良
し及び／又は希望する軟度を与えるために可塑剤
又は溶媒、例えば鉱油又はペトロラクタムを加え
ることができる。特にゴム状物質がポリイソブチ
レンからなるときには、低分子量ポリブテン（例
えばExxonからのVistac 300）を粘着剤として
含有できる。増量剤には微細分割状粘土、ベント
ナイト、炭酸塩、例えば炭酸カルシウム、けいそ
う土、でんぷん又は接着剤組成物中で普通使用さ
れている他の不活性成分が含まれる。酸化防止剤
及び安定剤を、全組成物の約0.2〜約３重量％の
水準で使用できる。適当な酸化防止剤及び安定剤
には、ブチルジメート（butyl zimate）；シエル
ケミカルカンパニイによりIonolの商標で販売さ
れている２，６−ジタ−シヤリー−ブチル−４−
メチルフエノール；モンサント−ケミカル・カン
パニイによりSantowar Ａの商標で販売されてい
る２，５−ジ（タータミル）ヒドロキノン）；バ
ンデルビルトケミカルカンパニイによりAgerite
Staliteの商標で販売されているアルキル化ジフ
エニルアミンの混合物などが含まれる。これらの
安定剤及び酸化防止剤は本発明の感圧性接着剤組
成物の改良された貯蔵寿命特性を与えそして変性
を予防する。 希望する性質を有する感圧性接着剤組成物を得
るためには、該組成物が約２mm〜約４mmの、好適
には約2.3mm〜約2.7mmの、ウイリアムス可塑性測
定値を有することが必要である。ウイリアム可塑
性が２mm以下であるなら、接着剤組成物はやわら
かすぎそして望ましくない流動を示し、しかも除
去時に皮膚に接着している接着剤の粒子を残すと
いう望ましくない高い傾向を有する。ウイリアム
ス可塑性が４mmより大きいと、接着剤組成物は硬
くなりすぎ、そして劣悪な粘着性を示すであろ
う。 本発明の接着剤組成物自身の用途の他に、薄い
柔軟性基質の一面に本発明の接着剤結合性組成物
をコーテイングするときには非常に満足のいく外
科用シート物質が得られる。本発明の実施の際に
使用できる適当な基質には、種々の紙；例えば酢
酸セルロース布の如き織物及び非織織物；例えば
ポリエチレン重合体、ポリプロピレン、塩化ビニ
リデン共重合体、フルオロ炭化水素フイルム、エ
チレングリコールとテレフタル酸の縮合生成物、
ポリアミドフイルム及び他の同様な柔軟性シート
物質の如き物質から製造された重合体フイルムが
包含される。 皮膚に適用するための感圧性外科用シート物
質、例えば感圧性接着テープ、絆創膏、外科用ド
レープなど、の製造においては、本発明の感圧性
接着剤組成物を柔軟性の裏打ち物質に公知の技
術、例えばカレンダーがけ、押し出し、有機媒体
を用いる沈着など、に従つてコーテイングさせ
る。 本発明の実施において使用できるフイルム又は
他の基質は0.0005インチ〜0.05インチの、より好
適には0.0005〜0.002インチの、厚さを有するこ
とができる。接着剤組成物はフイルムの表面に使
用時に適当な接着力を与えるのに充分な量で適用
される。 実施例 本発明の特定態様を下記の実施例により説明す
る。しかしながら、本発明は個々の実施例中に示
されている特定の条件に制限されるものでなく、
むしろ特許請求の範囲により制限されるというこ
とは理解されよう。 実施例 １ 感圧性接着剤組成物を２ロール研究室用ミル上
で約240〓の温度において下記の如くして製造し
た。510ｇのポリイソブチレンを10分間混合した。
次に、300ｇのカルボキシメチルセルロース、200
ｇのカラヤゴム及び100ｇのシリカを乾燥粉末状
で配合し、そしてミル上に約10分間にわたつてゆ
つくりと噴霧し、さらに15分間混合を続けた。次
に90ｇの液体ポリブテンを接着剤にゆつくり注
ぎ、そして外観が均一になるまで粉砕した。 接着剤組成物を次に、60ミルの厚さの４平方イ
ンチのウエフアー状に圧縮し、そして湿潤粘着
性、水分吸収性及び接着性と試験した。 実施例 ２〜８ 実施例１の工程に従つて、下表に示されている
組成を有する本発明の感圧性接着剤組成物例を製
造した。

【表】 当技術の専門家には自明の如くそして前記の如
く、上記の詳細な記述の改変は本発明の精神及び
範囲内では可能である。我々の発明を記してきた
が、特許権を得たいと望んでいる事柄は特許請求
の範囲中に規定されている。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ (a) 30〜80重量部の、天然ゴム、シリコーン
   ゴム、アクリロニトリルゴム、ポリウレタンゴ
   ム、ポリイソブチレン及びアクリル系重合体か
   らなる群から選択された感圧性接着剤成分、 (b) 30〜80重量部の、カラヤゴム、イナゴマメゴ
   ム、ナトリウムアクリレート、ポリビニルアル
   コール、粉末ペクチン、ゼラチン、カルボキシ
   メチルセルロース、高分子量カルボワツクス及
   びカルボキシポリメチレンからなる群から選択
   された水分吸収性成分、及び (c) 組成物の総重量を基にして２〜20重量％のシ
   リカ からなる、それ自身の重量の15〜40％の水を吸収
   する能力を有する感圧性接着剤組成物。 ２ シリカが４〜12重量％の量で存在している、
   特許請求の範囲第１項記載の組成物。 ３ 接着剤成分がポリイソブチレン及びアクリル
   系重合体から選択される、特許請求の範囲第１項
   記載の組成物。 ４ 水分吸収性成分のカルボキシメチルセルロー
   ス、カラヤゴム、ペクチン及びゼラチンから選択
   される、特許請求の範囲第１項記載の組成物。 ５ それぞれ40〜60重量部の、該接着剤成分及び
   該水分吸収性成分を含有している特許請求の範囲
   第１項記載の組成物。 ６ 接着剤成分がポリイソブチレンであり、そし
   て水分吸収性成分がカルボキシメチルセルロース
   及びカラヤゴムからなる、特許請求の範囲第５項
   記載の組成物。 ７ 接着剤成分がポリイソブチレン及びアクリレ
   ート共重合体の配合物であり、そして水分吸収性
   成分がカルボキシメチルセルロース、ゼラチン及
   びペクチンからなる、特許請求の範囲第５項記載
   の組成物。 ８ さらにポリブテンも含有している、特許請求
   の範囲第６項記載の組成物。 ９ (a) 30〜80重量部の、天然ゴム、シリコーン
   ゴム、アクリロニトリルゴム、ポリウレタンゴ
   ム、ポリイソブチレン及びアクリル系重合体か
   らなる群から選択された感圧性接着剤成分、 (b) 30〜80重量部の、カラヤゴム、イナゴマメゴ
   ム、ナトリウムアクリレート、ポリビニルアル
   コール、粉末ペクチン、ゼラチン、カルボキシ
   メチルセルロース、高分子量カルボワツクス及
   びカルボキシポリメチレンからなる群から選択
   された水分吸収性成分、及び (c) 組成物の総重量を基にして２〜20重量％のシ
   リカ からなる、それ自身の重量の15〜40％の水を吸収
   する能力を有する感圧性接着剤組成物が、少なく
   とも一表面上に担持されていることを特徴とす
   る、薄い柔軟性の基質からなる感圧性外科用シー
   ト物質。