JPH02163077A - 細胞培養担体 - Google Patents

細胞培養担体

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JPH02163077A
JPH02163077A JP63315518A JP31551888A JPH02163077A JP H02163077 A JPH02163077 A JP H02163077A JP 63315518 A JP63315518 A JP 63315518A JP 31551888 A JP31551888 A JP 31551888A JP H02163077 A JPH02163077 A JP H02163077A
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JP
Japan
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culture
carrier
cell culture
monomer
polymer
Prior art date
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Application number
JP63315518A
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English (en)
Inventor
Hideaki Kiba
木庭 秀明
Hirohisa Kubota
裕久 久保田
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Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
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Publication date
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  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、細胞培養担体に関するものであり、特に細胞
培養を行う際に適した細胞培養担体に関するものである
〔従来の技術〕
細胞培養のための支持体として、例えばシャーレ、ガラ
スビン、ローラー・ボトル、スピンナー・フラスコ等の
容器; (メタ)アクリル酸エステルを構成単位とする
重合体、デキストラン、セルロース、キチン等からなる
マイクロキャリア;アルギン酸、カラギーナン、キチン
、キトサン等からなるマイクロカプセル:ガラスピーズ
、セラミックス等からなる固定床、その他の担体が知ら
れている。
従来、これらの支持体に特殊なプラズマ処理を行なった
り、荷電を有する化合物や蛋白質を直接化学処理したも
のを細胞培養担体として用いてきた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、従来の培養担体は、その表面処理方法の制約に
より、種々の形状のものを製造することが困難であった
。それに伴って実験室段階でのシャーレ培養から大量培
養スケールまでほぼ同一の培養環境で培養することが困
難であった。
従って、培養の規模の変化に拘らず、同様の環境で細胞
を培養できる手段が求められていた。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を行なった結果
、重合性モノマーを支持体に含浸又はコーティングした
後重合することにより、種々の物質の表面を細胞培養担
体とすることができることを知得し、本発明に到達する
に至った。
すなわち、本発明の要旨は、支持体表面の少くなくとも
一部を重合性モノマーを構成単位とする水不溶性高分子
で被覆してなり、かつ該高分子の表面には正に荷電し得
る官能基又は蛋白質が化学結合していることを特徴とす
る細胞培養担体に存する。
以下、本発明の詳細な説明する。
本発明の細胞培養担体において使用される支持体は、後
述する重合性モノマー及び該重合性モノマーの希釈剤の
溶液に対し親和性が良く、しがもこれらの溶液に対し耐
薬品性であることが好ましい。更にオートクレーブ滅菌
(例えば121℃。
30分間)、エチレンオキサイド滅菌、r L’A滅菌
等の滅菌処理に耐えられる素材であることが必要である
また、かかる支持体は細胞等によって分泌された生理活
性蛋白質を吸着しないか又は吸着しにくいような素材で
あると共に、培養期間中に素材の変形や化学的又は生物
学的分解や素材成分の溶出が少ないことが望ましい。
本発明において、かかる支持体に重合性モノマーを均一
に含浸させるためには、支持体は多孔性担体であること
が好ましく、その好ましい細孔の大きさは、0.1μm
〜’l mmであり、がっ連通孔構造であるこが好まし
い。
該細孔径が小さすぎる場合には、重合性モノマーは細孔
内に充分に均一に浸透できず、−様な細胞付着性を付与
することができない。また該細孔径が大き過ぎる場合に
は、充分な機械的強度が得られない場合もある。
更に付着依存性動物細胞を培養する場合、その細胞密度
は一般に単位体積当りの付着表面積の値に比例するため
、高密度培養を達成するためにはできる限り大きい当該
値を有する支持体であることが好ましい。
また、支持体に付着した細胞を観察できるように支持体
は光学的に透明な素材であることが好ましいが、これは
培養のための必要条件ではない。
本発明の細胞培養担体の構造支持体として使用可能なも
のとしては、例えば以下のような担体を挙げることがで
きる。
・シャーレ類、T−フラスコ類、ローラー・ボトル類、
マルチトレイ類(例えば、ポリスチレン製、ポリカーボ
ネート製、ポリエチレン製TPX (ポリメチルペンテ
ン)製、ポリプロピレン製、ガラス製等) ・祇(例えば、セルロース製ろ紙、事務用紙等)・布 ・発泡性ポリウレタン(例えば、ウレタン系、エーテル
系、エステル系等) ・多孔性セラミックス(例えば、シリカ製、アルミナ製
等) ・金属薄、金属担体 ・ガラスピース、発泡性ガラスピーズ ・ シート類 ・木材類 ・繊維類 かかる支持体の形状や大きさは、培養方法や培養規模に
よって大きく異なる。例えば懸濁状態で培養する場合に
は、その支持体の大きさは100μm〜51mであるこ
とが好ましく、比重はゆるやかな攪拌又は上方向への培
養液の環流によって擬似浮遊状態を維持するために1.
00−1.30g/lllであることが好ましい。また
支持体内部に培養液が流通し、かつ細胞が内部まで侵入
し付着するためには、多孔体の細孔の大きさは20〜5
00μmで、かつ連通孔構造であることが好ましい。
かかる担体は細胞毒性のない素材であり、担体に蛋白質
が吸着しないことが必要である。更に担体は堅くないこ
と、光学的に透明であること及びS/■値(#、位体積
当りの表面積)ができるだけ大きいことが好ましい。
一方、担体を固定床として用いる場合、多孔体の細孔の
大きさは20μm〜5Nであることが好ましい。なお固
定床の場合、多孔体は堅くても問題にはならない。
本発明において好適に使用される重合性モノマーとして
は、(メタ)アクリル酸エステル及び(メタ)アクリル
アミドが挙げられる。具体的には、2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート。
ジエチレングリコール(メタ)アクリレート トリエチ
レングリコール(メタ)アクリレート、オクタエチレン
グリコール(メタ)アクリレート。
ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート9メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート 
グリセロール(メタ)アクリレート2.3−ジヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、 (メタ)アクリル
アミド、メチル(メタ)アクリルアミド、エチル(メタ
)アクリルアミド。
グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記の中から適宜選択される重合性モノマー成分に、必
要に応じて架橋性成分を添加することも本発明において
は好ましい態様の一つである。すなわち、支持体表面を
被覆する高分子が水不溶性であれば架橋性成分は必須成
分ではないが、該高分子からの可溶性成分及び支持体の
構成成分等の溶出の防止や、細胞培養担体としての力学
的強度の点から、架橋性成分を添加することが望ましい
かかる架橋性成分としては、前述のモノマー成分と共重
合体を有し、親水性の強い多官能ビニルモノマーが好適
である。
例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート 
ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、グリシジル基(
メタ)アクリレート トリメチロールプロパントリ (
メタ)アクリレート、エチレンビス(メタ)アクリルア
ミド。
トリエチレンビス(メタ)アクリルアミド等が挙げられ
る。
架橋性成分は、支持体の構成成分の漏出等を最小限に抑
えるために使用することが好ましいが、架橋性成分の含
有率が高すぎると血清中の蛋白質及び細胞によって分泌
された生理活性蛋白質が吸着され、効率的に回収できな
いという問題点が生じる。従って、架橋性成分の含有率
は0〜90重量%、更には、1〜50重景%であること
が好ましい。
本発明においては、上記のモノマー成分に対し希釈剤を
添加することが好ましい。これによりモノマーが支持体
に対して内部まで均一に含浸されたり、均一にコーティ
ングされ、生成した高分子に適度の可撓性を持たせ、多
孔性高分子を安価に製造することができる。
モノマー成分に添加される希釈剤としては、モノマーを
溶解j7、モノマー成分の官能基、すなわちメタクリロ
イル基、水酸基、グリシジル基、アミド基等や支持体に
対し不活性、もしくはそれらの機能を失なわないもので
あることが必要である。
しかし一般に好適な希釈剤は、使用されるモノマ一種に
よって大きく異なるが、通常ヘンゼン、トルエン、メチ
ルイソブチルケトン、酢酸エチル。
1M?[ブチル、1−ヘキサノール、シクロへキナノー
ル、ヘプタツール、オクタツール、シクロヘキサノン、
ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン。
1.4−ジオキサン、■、2−ジクロロエタン、クロロ
ホルム、四塩化炭素、ジメチルホルムアミド。
ジメチルスルホキシド、エタノール、2−プロパツール
、メタノール、アセトン、水等が好適である。′更に上
記の有機溶媒中、水と混合し得る溶媒については水と混
合して使用することも可能である。
一般に、水不溶性高分子は、細胞と高分子との接触点を
多くするために光学的に透明な非多孔質であることが好
ましいが、多孔質高分子であっても差しつかえない。そ
して、モノマーに対し、希釈剤として良溶媒を添加した
場合には、被覆する水不溶性高分子は、光学的に透明な
高分子となり、貧溶媒を用いた場合には光学的に不透明
な多孔質高分子となる。また同一溶媒を用いた場合でも
、より親水性のモノマーを使用した場合には、得られる
高分子は、光学的に透明な非多孔質な高分子を生成しや
すい。
本発明において、全モノマー成分に対する希釈剤の添加
量は0〜10倍量であることが好ましく、特に好ましく
は、1.0〜5.0倍量である。希釈剤を過剰に添加し
た場合には機械的強度が維持できなかったり、重合収率
が低下する等の問題が生じる。
本発明において正に荷電し得る官能基が培養液中におい
て、0.50〜2.50Illeq/ gのイオン交換
容量を有し、かつ支持体表面において正に荷電し得る構
成モノマー単位のCLOGP値が、−2,0〜+2.0
の範囲にある細胞担体が細胞を高率で付着させ、良好に
伸展増殖させることができる。なお、CLOGPとは溶
質の水−1−オクタツール系における分配係数を計算に
よって求めるものであり、これにより分子の疎水性を定
量的に表現するものである。
上記の正に荷電し得る官能基のイオン交換容量は、細胞
、官能基種、細胞によって分泌される蛋白質、細胞培養
支持体等により異なる。この値が低いと一般に細胞の付
着性が悪くなり、値が高(なると付着率は良好となるが
、上記の範囲を越えると再び細胞の付着率が悪化したり
、付着しても細胞の伸展性、増殖性が悪くなる傾向が観
察される。
細胞の付着性、増殖性に影響を与えるのは、官能基の量
ばかりではなく、支持体表面において正に荷電し得る構
成モノマー単位のCLOGP値によっても大きく影響さ
れる。
本発明の細胞培養担体上の正に荷電し得る官能基は、培
養液中においてその一部は解離状態にあると考えられる
が、Wei−3hou Huら〔バイオテクノロジー 
アンド バイオエンジニアリング(Biotechno
logy and旧oengineeringL29+
 11551163、1987.図6−図8)は、pH
7,20における増殖速度に及ぼす正味の荷電量の影響
は、少ないか又は全く規則性がないことを報告している
従って、支持体表面において正に荷電し得る構成子ツマ
ー単位の疎水性度は、中性分子における非解離状態のC
LOGP値のみを考慮すれば良い。本発明者らは、相当
する構成モノマー単位のCLOGP値が−2,0より低
い場合、得られる水不溶性高分子に対する細胞の付着性
が悪くなり、逆にこのCLOGP値が+2.0より大き
くなると、疎水性阻害により細胞の伸展性、増殖性が悪
くなるばかりでなく、細胞によって分泌された生理活性
蛋白質を吸着することを見い出した。また、更に該構成
モノマー単位の量と構成モノマー単位のCLOGP値と
の間には規則性が観察され、細胞を培養担体に良好に付
着、増殖させるためには、そのCLOGP値が低い場合
には構成モノマー単位の量を多くし、そのCLOGP値
が高い場合には該構成モノマー単位の量を低くすること
が好ましいことも見い出した。
CLOGP値が−2,0〜+2.0の範囲にあり、正に
荷電し得る官能基を有する構成モノマー単位としては、
例えば表−1及び表−2に示したものを挙げることがで
きるが、本発明の要旨を越えない限り、表中の化合物に
限られるものではない。なお、表中においてMeはメチ
ル基を、Etはエチル基を表わす。
また、本発明における支持体表面上で正に荷電し得る構
成モノマー単位のCLOGP値は、米国、カルフォルニ
ア州のボモナ大学で開発されたCLOGPシステム((
Ver3.33 Mar、 1985. FACOM 
Ver 2.0May 1988) by T、N15
hioka(京都大学)〕により求めた。
支持体表面の少なくとも一部を水不溶性高分子で被覆す
る方法は、以下の方法に従って行うことができる。
例えば、布、紙、ろ紙、セラミック、多孔性担体等の表
面を被覆する場合、まず七ツマー類、架橋剤類及び希釈
剤を混合してなるモノマー?Pj?Flに重合開始剤を
添加する。この溶液を上記担体に含浸し、過剰のモノマ
ー溶液を除去後、窒素雰囲気下で支持体を加温し、モノ
マーを重合させる。プラスティックシャーレ、ガラスシ
ャーレ等の場合は、モノマー溶液を支持体表面に張り、
窒素雰囲気下で加温すると支持体表面を水不溶性高分子
で被覆することができる。ローラー・ボトル等の場合は
、モノマー溶液をローラー・ボトル内に入れ、窒素雰囲
気下にする。1〜20rpmでローラー・ボトルを回転
させながら加温し、モノマーを重合させる。
潅流用培養担体の一つの製造法としては、カラム内に、
例えば多孔性セラミックス等を充填した後に、重合性モ
ノマー溶液を流し、含浸させる。
その後過剰の七ツマー溶液を除去し、窒素雰囲気下でカ
ラムを加温することにより、水不溶性高分子で被覆した
担体を得ることができる。
本発明で使用される重合開始剤としては、例えば以下の
ものを挙げることができる。
すなわち、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸
化アセチル等の過酸化物系重合開始剤;アゾビスイソバ
レロニトリル、2.2’−アゾビス−2,4−ジメチル
バレロニトリル、2.2′−アゾビス−2−シクロプロ
ピルプロピオニトリル等のアブ系重合開始剤、2.2’
−アゾビス[2−(5メチル−2−イミダシリン−2−
イル)プロパン〕ジヒドロクロリド、  2.2’−ア
ゾビス(2−メチル−N−フェニルプロピオンアミジン
)ジヒドロクロリド等の水溶性アゾ系重合開始剤−過酸
化水素水−Fe”塩、過硫酸塩−Na)+50□、過酸
化ヘンシイルージメチルアニリン、過硫酸アンモニウム
、過硫酸カリウム−N、N、N ’ 、N ’−テトラ
メチルエチレンジアミン等のレドックス系重合開始剤;
トリエチルホウ素、ジエチル亜鉛等の極低温川重合間始
剤−更に紫外線照射や、γ線照射により重合を開始させ
ることもできる。
ここで重合開始剤の選択は、モノマー類、架橋剤類、有
機希釈剤等の種類によって大きく異なる。
これらの混合溶液が水溶性である場合は、過硫酸アンモ
ニウム、過硫酸カリウム−N、N、N ’ 、N ’テ
トラメチルエチレンジアミン等のレドックス系重合開始
剤又は水溶性アゾ系重合開始剤が用いられる。またこれ
らの混合溶液が水に難溶性か又は不溶性の場合は、過酸
化物系重合開始剤、アゾ系重合開始剤が好ましく使用さ
れる。
前述の重合開始剤を用いる場合、重合系内は窒素雰囲気
下で重合を行うことが好ましい。重合温度は、用いる重
合開始剤により大きく異なり、−般にレドックス系重合
開始剤では、0°C〜室温又は50℃以下で行うことが
できるが、アゾ系重合開始剤及び過酸化物系重合開始剤
の場合は、50〜100℃で行なわなければならない。
七ツマー単位が正に荷電し得る官能基を有する場合、得
られた高分子は、そのまま用いることができる。しかし
高分子が上記荷電し得る官能基を全く有さないか又は不
十分な量しか有さない場合は、正に荷電し得る官能基又
は蛋白質を当該高分子に化学結合させなければならない
。例えば、高分子中のグリシジル基はアミン化合物との
反応により、アミド基の場合には1級アミンを存するジ
アミンとの反応により、容易に化学修飾することができ
る。水酸基、2,3−ジヒドロキシプロピル基等の場合
には、臭化シアンの反応によりイミドカルボネートを得
た後、ジアミンとの反応により化学修飾することができ
る。又同様にトリクロロトリアジンを反応させ、生成し
たジクロロトリアジル基とジアミンとの反応によっても
化学修飾することができる。
担体に導入された正に荷電し得る量は、支持体によって
は測定することは難しい場合が多い。その場合、別個に
ガラスシャーレ上にモノマーをコーティングした後ポリ
マーを回収し、正に荷電し得る荷電量を滴定によって推
定することはできる。
なお、本発明の実施例に示した正の荷電量は、上記の方
法によって推定により求めた値である。
上述の末端官能基を用いて、蛋白質、ポリペプチド等も
同様に反応させて化学結合させることができる。この反
応様式に関しては、モスハックによるメリソズ・イン・
エンザイモロジー、134136.137巻等に詳細に
記述されている。
例えば、エポキシ基を用いて蛋白質を導入する場合には
、pH9,0〜12.0のリン酸緩衝溶液、ホウ酸緩衝
溶液、炭酸緩衝溶液等の溶液中で、室温ないし37℃で
攪拌することにより容易に化学修飾することができる。
グルタルアルデヒドで化学修飾する場合には、まずl、
ω−アルカンジアミンを用いてエポキシ基に末端アミノ
基を存するスペーサー基を導入した後、グルタルアルデ
ヒドで末端アミノ基と蛋白質表面の塩基性アミノ酸残基
を反応させ、導入することができる。末端アミノ基の他
に、2,3−ジヒドロキシプロピル基とも同様に反応す
ることができる。すなわち、2,3−ジヒドロキシプロ
ピル基と臭化シアンとの反応によって生成するイミドカ
ルボネートを用いて、塩基性緩衝溶液中において蛋白質
との反応により化学修飾することができる。
本発明の細胞培養担体を用いて培養する方法としては、
支持体、培養の目的によっても大きく異なるが、例えば
以下の方法が挙げられる。
シャーレ、T−フラスコの場合は静置培養、スピンナー
・フラスコ、ローラー・ボトルの場合は懸濁培養、固定
床として用いる場合には潅流培養法により培養すること
ができる。
本発明によれば、多くの支持体を細胞培養担体とするこ
とができ、実験室から商業的生産規模まで同一培養環境
下で培養することができる。これによって有用な生理活
性物質、例えば蛋白系医薬品、モノクローナル抗体、ワ
クチン、ウィルス等が効率的に生産することができる。
(発明の効果〕 本発明による培養担体を構成する重合性モノマーは、液
体であるため、種々の物質に含浸させる又はコーティン
グさせる等により、支持体の表面を水不溶性の高分子で
被覆することができる。この被覆は、既に正に荷電し得
る官能基を含有する場合もあれば、被覆後に正に荷電し
得る官能基又は蛋白質を化学修飾することもできる。こ
の方法により、実験室段階でのシャーレ培養、ローラー
・ボトル培養から大量培養スケールまで、はぼ同一培養
環境で培養を達成することができる。
また従来知られていた以外の種々の支持体に含浸コーテ
ィングすることができるので、細胞の代謝、分化、組織
培養を研究する上でも有用である。
〔実施例〕
以下、実施例により、本発明の詳細な説明するが、本発
明はその要旨を越えない限り、以下の実施例によって限
定されるものではない。
〔実施例−1〕 ジエチレングリコールメタクリレート7、OOg。
ジメチルアミノエチルメタクリレート2.50 g(C
LOGP値1.123)、グリセロールジメタクリレー
ト0.50 g、1−ペンタノール22.0 g及び重
合開始剤2,2′−アゾビス(2,4−ジメトキシバレ
ロニトリル)(V−65,和光純薬工業o菊製)20m
gを混合した。室温で窒素ガスを通じ、溶存酸素を除去
してモノマー溶液を得た。
多孔性セラミック担体(ブリデストン社製セラミックフ
オーム#30、平均細孔径500μm)10mj!に上
記モノマー溶液の一部を滴下した。
含浸後過剰のモノマー溶液を除去し、窒素ガスで置換し
たガラス容器内に入れ、70℃に加温した。
窒素ガスを通じながら3時間加温重合させた後に多孔性
セラミック担体を取り出し、1−ペンタノール及び残留
モノマーを除去するため、50%アセトン水溶液で洗浄
した。最後に水で充分水洗し、細胞培養試験に供した。
該ポリマーの担持量は、4.2重量%であった。推定さ
れる官能基量は、約1、3 m eq/gである。
〔実施例−2〕 ノナエチレングリコールメタクリレート7.00g1ジ
エチルアミノプロピルメタクリレート(CLOGP値1
,677) 2.50 g、ノナエチレングリコールジ
メタクリレート0.50g、1−へキサノール20. 
Og及びV−6550mgの混合溶液を調製した。
室温で窒素ガスを通じ、溶存酸素を除去した。
多孔性セラミック担体(ブリデストン社製セラミックフ
オーム#40、平均細孔径300μm)10m/に上記
モノマー溶液の一部を滴下した。
以下、実施例−1と同様の操作を行い、ポリマーの担持
量が3.9重量%である細胞培養担体を得た。推定され
る官能基量は、約1.2 m eq/gである。
〔実施例−3〕 ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド<CLOGP
値−0,611) 2.75 g、メタクリルアミド9
.0g、メチレンビスアクリルアミド1.Og及び20
%メタノール水溶液30gを加え、室温で窒素ガスを通
じ、溶存酸素を除去した。更にこの中へ過硫酸アンモニ
ウム20mgを添加し、溶解した。
セルロース製のろ紙に上記モノマー溶液を含浸し、過剰
のモノマー溶液は除去した。これをガラス管内に入れ、
この中をテトラメチルエチレンジアミンの窒素気流を通
じ、重合を行った。
2時間反応を行った後、セルロース紙を取り出し、残存
モノマーを水洗して除去した。この担体を細胞培養試験
に供した。該ポリマーの担持量は、6.9重量%であっ
た。推定される官能基量は約1、2 m eq/gであ
る。
〔実施例−4〕 実施例−2で用いたモノマー溶液を用いて、−以下に示
すようなコーティングを行った。
ガラス製シャーレ(60■■φ)に上記モノマー溶液1
.5n/!を滴下し、表面に薄く溶液を張った。
窒素雰囲気下で65℃に加温し、ガラス製シャーレをポ
リマーでコーティングした。重合終了後、ポリマーを5
0%エタノール水溶液で洗浄した。
最後に水で充分水洗し、残存モノマーを除去した。
該ポリマーの担持量は、8.2重量%であった。
推定される官能基量は、約1.2 m eq/gである
〔実施例−5〕 テトラエチレングリコールメタクリレート7.0g1グ
リシジルメタクリレート2.5g、テトラエチレングリ
コールジメタクリレート0.50g、1〜ヘキサノール
15.0 g及び塩化メチレン0.1nj!に?8解し
た2、2′−アソ゛ビス(4−メトキシ214−ジメチ
ルバレロニトリル)(V−70,和光純薬工業(It製
)20■を添加し、モノマー溶液を調製した。室温で窒
素ガスを通じ、溶存酸素を除去した。
多孔性セラミック担体(ブリデストン社製セラミックフ
オーム#40)10 mlに上記モノマー溶液の一部を
滴下した。含浸後過剰のモノマー溶液を除去し、窒素ガ
スで置換したガラス容器内に入れ、50℃に加温した。
重合反応中も窒素ガスを通じた。2時間重合反応を行っ
た後、多孔性セラミック担体を取り出し、1−ペンタノ
ール及び残留上ツマ−を除去するため、50%アセトン
水溶液で洗浄した。最後に水で充分水洗した。
上記担体をアミン化するため、セラミック担体を1.4
−ジオキサンで洗浄し置換した。1,4−ジオキサンで
浸した担体10m1にエタノールアミン0.50gを滴
下し、50°Cで4時間アミノ化反応を行った。アミノ
化反応終了後、担体を取り出し、水で充分水洗した。こ
の担体を細胞培養試験に供した。
該ポリマーの担持量は、5.6重量%であった。
かかるアミノ化処理により、正に荷電し得る構成モノマ
ー単位は、メタクリル酸−2−ヒドロキシ−ヒドロキシ
エチルアミノプロピルであり、そのCLOGP値は、−
0,669である。
推定される官能基量は、約1.5 m eq/gである
〔実施例−6〕 ジエチレングリコールメタクリレート6.0g。
グリシジルメタクリレート3.0g、グリセロールジメ
多りリレー)1.Og、1−ヘキサノール18.0g及
び塩化メチレンO,1mgに溶解したV−7020■を
添加し、モノマー溶液を調製した。室温で窒素ガスを通
じ、溶存酸素を除去した。
多孔性ポリウレタンフォーム(ブリデストン社製)10
mfに上記モノマー溶液の一部を滴下した。含浸後過剰
のモノマー溶液を除去し、窒素ガスで置換したガラス容
器内に入れ、50℃に加温した。重合反応中も窒素ガス
を通じた。2時間重合反応を行った後、多孔性ポリウレ
タンフォームを取り出した。残留モノマー、オリゴマー
及び1−ヘキサノールを除去するため50%アセトン水
溶液で洗浄した。最後に水で洗浄した。
上記のコーティングしたポリウレタンフォームをアミノ
化するため、エタノールで洗浄して置換した。この?容
液中に4−アミノ−1−ブタノール0、・50gを滴下
し、60℃で4時間アミノ化反応を行った。反応終了後
、ポリウレタンフォームを50%エタノールで洗浄した
。更に水洗した後、リン酸緩衝溶液pH7,40で洗浄
し、細胞培養に供した。該ポリマーの担持量は、6.3
重量%であった。
かかるアミノ化処理により、正に荷電し得る構成モノマ
ー単位は、メタクリル酸−2−ヒドロキシ−4−ヒドロ
キシブチルアミノプロビルであり、そのCLOGP値は
、−0,596である。推定される官能基量は約1.9
 m eq/gである。
〔実施例−7〕 実施例−5でコーティングした担体を用いて、蛋白質の
修飾反応を行った。まずコーティング担体を50mMリ
ン酸緩衝液(pH9,5)で充分洗浄した。一方で、0
.5%ゼラチン(シグマ社製)のリン酸緩衝溶液pH9
,5を調製した。
次に、上記担体10m7!にゼラチン溶液0.5m#を
滴下し、50℃で5時間振とうし、ゼラチンを化学修飾
した。反応終了後、リン酸緩衝溶液(pH7,4)で洗
浄した。この担体を細胞培養担体に供した。
〔実施例−8〕 ステンレス製カラム(内径20龍×長さ10cm)にセ
ラミックフオーム(ブリデストン社製#40)の切片を
充填した。
2−ヒドロキシアクリレート6、OOg、ジエチルアミ
ノエチルメタクリレート(CLOGP値1.981)3
.20g、トリエチレングリコールメタクリレート0.
80g、酢酸ブチル及び塩化メチレン0.1mlに溶解
したV−7020■を添加し、モノマー溶液を調製した
。室温で窒素ガスを通じ溶存酸素を除去した。
上記のステンレス製カラム内に、窒素雰囲気下でモノマ
ー溶液を流し込んだ。過剰の七ツマ−を除去したのち、
窒素雰囲気下でカラムを50℃の水浴中に2時間浸し、
重合反応を行った。重合終了後、50%アセトン水溶液
で洗浄した。更に水で洗浄した。該ポリマーの担持量は
、3.1重量%であった。推定される官能基量は約1.
7 m eq/gである。
〔細胞培養実験〕
実施例1,2,3,5.6及び7で製造された細胞培養
用担体を用いて細胞培養実験を行った。
それぞれの細胞培養用担体を蒸留水で充分洗浄した?&
p B S (−) ?g液で洗浄し、更にダルベ。
コイ−グル変性培地(高圧茎気滅菌可能)で2回洗浄置
換した。これらの担体を121℃で20分間高圧蒸気滅
菌した。細胞培養は、e−RDF培地(極東製薬11)
 、 MEM又はDM[M+IIamF 12 (1:
1)の混合培地にlO%牛脂児唾清(三菱化成(1製)
を加えて培養を行った。
細胞培養実験に供した細胞は表−3に示す通りである。
12穴プレートを用いて培養実験を行った。各々のウェ
ル内に0.2〜0.3 mlの細胞培養担体切片を入れ
、10%血清含有培養液1.0mβを加えた。37℃に
設定した炭酸インキュベータ内で培養を開始した。
各実施例の細胞培養結果(3日間培養後の増殖性)を、
表−4に示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)支持体表面の少なくとも一部を重合性モノマーを
    構成単位とする水不溶性高分子で被覆してなり、かつ該
    高分子の表面には正に荷電し得る官能基又は蛋白質が化
    学結合していることを特徴とする細胞培養担体。
  2. (2)重合性モノマーが、(メタ)アクリル酸エステル
    又は(メタ)アクリルアミドであることを特徴とする請
    求項1記載の細胞培養担体。
  3. (3)被覆する水不溶性高分子が正に荷電し得る官能基
    を培養液中において、0.50〜2.50meq/gの
    イオン交換容量を有し、かつ支持体表面において正に荷
    電し得る構成モノマー単位のCLOGP値が、−2.0
    〜+2.0の範囲にあることを特徴とする請求項1記載
    の細胞培養担体。
  4. (4)蛋白質が、コラーゲン、ゼラチン、ファイブロネ
    クチン、ラミニン、レクチン、フィブリン、フィブリノ
    ーゲン及びトロンボスポンジンからなる群から選ばれた
    一種又は二種以上からなることを特徴とする請求項1記
    載の細胞培養担体。
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