JPH02158686A - 多孔性イオン交換体を含む土壌又は土壌改良剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は植物育成用、特に装飾植物用に適する人工土壌
又は土壌改良剤に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、装飾植物用の人工土壌には種々のものが開発され
使用されているが、バーミキュライトやパーライト等の
多孔性無機鉱物もこの人工土壌用として利用されている
。

一方、本発明者らは長期間にわたり潅水及び施肥のメイ
ンテナンスの手間を省いた土壌として、無機又は有機多
孔性イオン交換体に、バーミキュライト、パーライト、
ゼオライト等の多孔性無機物の少なくとも一種を物理的
に混合した植物育成用土壌（特開昭６０−７５２０９号
公報）と、無機又は有機多孔状イオン交換体にスラグウ
ールを物理的に混合した土壌改良剤（特開昭６１−９１
２８２号公報）を開発した。これらの土壌及び土壌改良
剤においては、水分はバーミキュライト、パーライト、
ゼオライト、スラグウール等の多孔性無機鉱物に保持さ
れ、一方肥効成分は多孔状イオン交換体に吸着されてい
てこれらは植物に消費されると多孔性無機鉱物あるいは
多孔状イオン交換体から徐々に放出されて補給される。

〔発明が解決しようとする課題〕

このような土壌は水分の大気中への蒸発を阻止するため
に植物を植付けた状態で水分を通さないプラスチックシ
ート等の袋にいれて使用されていた。

一方、植物の根部には一般に菌根菌が生活している。植
物はこの菌根菌によって無機物やビタミン等の栄養物を
受は菌根菌は根から生育源の有機物を受けて両者は共生
関係にある。ところが、前記のプラスチックは酸素の透
過性が低いところから土壌中の酸素が不足して菌根菌が
生育できなくなるという問題を生じた。

本発明はこのような問題点を解決するべくなされたもの
であり、水分の蒸発を最小限にとどめる環境下で酸素を
安定供給して菌根菌を生育せしめる手段を提供すること
を目的としている。

〔課題を解決するための手段］ 上記目的は、前記土壌に、酸素を吸着している活性炭又
は木炭とポリアクリルアミドを配合することによって達
成することができた。かかる本発明は酸素を吸着してい
る活性炭又は木炭を用いることによって菌根菌の生育に
必要な酸素が徐々に長期間にわたり放出されること、活
性炭及び木炭自体が菌根菌の生育を促して植物の生育に
必要な栄養素を放出すること及びポリアクリルアミドが
これらの作用を阻害せずに長期間に渡って水を植物に徐
々に供給しうろことを見出してなされたものである。

すなわち、本発明は、無機又は有機多孔性イオン交換体
と多孔性無機鉱物を含む土壌又は土壌改良剤に、酸素を
吸着している活性炭又は木炭とポリアクリルアミドとを
配合したことを特徴とする植物用土壌又は土壌改良剤に
関するものである。

無機又は有機多孔性イオン交換体は肥効成分をカチオン
及びアニオンの形で吸着保持するものであり、従ってカ
チオン交換体とアニオン交換体の両方が必要である。し
かしながら、多孔性無機鉱物にバーミキュライト、スラ
グウール等のカオチン交換能を有するものを用いた場合
にはアニオン交換体のみでよい。無機多孔性イオン交換
体は例えばバーミキュライト、ゼオライト、スラグウー
ル等の多孔性無機鉱物にイオン交換基を結合したものを
用いることができる。有機多孔性イオン交換体の例とし
てはポリスチレンをジビニルヘンゼンで架橋した母体あ
るいはアクリル系、メタクリル系、エチレンイミン系等
の母体に種々のイオン交換基を導入した市販の種々のイ
オン交換樹脂を挙げることができる。イオン交換樹脂は
よりポーラスなものが好ましい０粒度は０．１ｍ〜５１
１Ｉ１１程度のものが適当である。

イオン交換基としては、カチオン交換体の場合にはカル
ボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、フェノール基、
チオール基等を用いることができ、キレートを形成して
吸着するタイプのものであってもよい。アニオン交換体
の場合には、第１アミン、第２アミン、第３アミン等を
用いることができる。しかしながら、強酸性及び強塩基
のイオン交換基は一旦吸着したイオンを放出しにくいの
で好ましくなく、中、弱酸性のイオン交換基を有するも
のあるいはキレートを形成して吸着するタイプのものが
好ましい。

多孔状イオン交換体はアニオン交換体とカチオン交換体
が別々であってもよく、あるいは両性多孔状イオン交換
体であってもよい。交換容量はアニオンとカチオンでほ
ぼ等しくなるようにするのがよい。

多孔状イオン交換体には予め肥効成分を吸着させてから
使用に供する。吸着方法は公知の方法によればよく、い
ずれの多孔状イオン交換体も活性型あるいは肥効成分を
吸着しうるその他のイオン型にしてから肥効成分の水溶
液と接触せしめればよい。この吸着は一般に多孔状イオ
ン交換体をその他の土壌成分と混合する前に行なわれる
が、混合後であってもさしつかえない。多孔状イオン交
換体は通常物理吸着能力も有しているので非イオン系あ
るいは弱イオン系の肥効成分の吸着も起こる。

多孔性無機鉱物はバーミキュライト、パーライト、天然
又は合成のゼオライト、モンモリロナイトカオリン、ハ
ロサイト、スラグウール等の鉱物を用いることができる
。スラグウールは製鉄、製鋼等の際に副生ずるスラグを
ウール状に加工したものである。多孔性無機鉱物は一種
に限定されるものではなく、２種以上を組合せて使用す
ることもできる。多孔性無機物は吸水状態で使用に供す
る。この吸水状態にするには要は多孔性無機鉱物に給水
すればよく、通常は水和に近い状態にされる。この多孔
性無機鉱物には肥効成分も吸着されていてもよい。

本発明においては、これらを含む土壌又は土壌改良剤に
酸素を吸着している活性炭又は木炭及びポリアクリルア
ミドを組合せたところに特徴がある。

活性炭の種類は問うところではなく、木材、ノコギリ屑
、ヤシガラ、獣骨、亜炭、褐炭、泥炭、石炭等からｊＪ
ｌ製したものなどを挙げることができる。そのほか、地
域環境に応じて排出される有機廃物を適宜炭化し、賦活
処理して利用することができる。木炭もいかなる木材か
ら得られたものでもよい。近年パークの処理が問題にな
っているが、本発明においてはこのパークの炭化物も好
適に利用することができる。活性炭及び木炭は粉末炭で
あってもよいが取扱い上粒状炭のほうが好ましい。

活性炭あるいは木炭あるいは木炭への酸素の吸着は常法
によって行なえばよく、例えば加熱下で必要により減圧
して脱気し、これが冷却してから酸素ガスを通気すれば
よい。この酸素ガスには空気を利用してもよく、従って
、常法により調製された活性炭あるいは木炭をそのまま
利用することができる。酸素を吸着させた活性炭及び木
炭は前記の土壌あるいは土壌改良剤に均一に混合しても
よく、また、植物を植えあるいは種子を蒔いた土壌ある
いは土壌改良剤の周囲に配置してもよい。

ポリアクリルアミドば保水剤として使用され、水溶性で
ある。市販品には粉末伏のほか繊維状のものもあるがそ
のいずれであってもよい。ポリアクリルアミドは土壌あ
るいは土壌改良剤全体に均一に混合してもよ（、また、
植物を植えあるいは種子を蒔いた土壌あるいは土壌改良
剤の周囲に活性炭又は木炭と混合しであるいは別々に配
置してもよい。別々に配置する場合には活性炭又は木炭
を植物側に従ってポリアクリルアミドを外側に配置する
ことが望ましい。ポリアクリルアミドゲルは吸水させて
ゲル化した状態で他の成分と混合してもよいが、作業の
効率の点から乾燥状態で他の成分と混合した後に吸水し
てゲル化することが望ましい。ポリアクリルアミドゲル
は吸水によって相当膨脹するので植物を植付ける際には
本発明の土壌又は土壌改良剤はその膨張量を考慮して袋
、容器等に収容する。

本発明の土壌あるいは土壌改良剤には通常使用されるそ
の他の土壌成分、例えばピートモス等を含むこともでき
る。

組成としては無機又は有機多孔性イオン交換体２〜３０
％程度、通常１０〜２０％程度、多孔性無機鉱物２０〜
５０％程度、通常２０〜３０％程度、活性炭又は木炭５
〜２０％程度、通常５〜１０％程度、ポリアクリルアミ
ド０．２〜５％程度、通常０．５〜２％程度、その他の
土壌成分Ｏ〜５０重景％重量である。本発明の土壌及び
土壌改良剤は合成繊維綿等をこれらの全量に対しさらに
０〜７０％程度混合することができる。

本発明の土壌あるいは土壌改良剤は植物を植付けてから
通常は袋体あるいは成型体バックに入れて使用する。そ
の際、袋体の口部は紐で結えるなどして水分の蒸散が少
なくなるようにする。活性度あるいは木炭とポリアクリ
ルアミドはこの袋のなかに入れてもよく、また、袋にポ
リプロピレン、不織布等の通気性の材質のものを使用し
てその外側に配置することもできる。後者の場合、最外
部は酸素ガスを透過しないプラスチック、例えば塩化ビ
ニリデン等の袋でさらに覆っ′ζ酸素が前記通気性の袋
を通って放出されるようにすることが望ましい。植物が
装飾用の場合には上記の状態でさらに鉢などに入れて使
用する。

〔作用］ 本発明の土壌及び土壌改良剤においては、植物の生育に
必要な地茎部の気相：液相：固相の３条件を満たしてい
る。すなわち、固相に於ける土壌部分を袋状物等にて密
閉することにより液相：固相の流出を防ぎ、菌根菌の生
育に必要な気相は酸素を吸着させた活性炭あるいは木炭
と組合せることにより気相の供給をしている。この状態
に於いて、肥効成分は多孔状イオン交換体より徐々に放
出されて供給され植物が生育し続ける。植物の生育によ
り根より発生ずる根酸は固相の一部に使用された多孔状
イオン交換体が吸着することにより中性化される。Ｉｌ
より発生するガス体は多孔状イオン交換体及び活性炭あ
るいは木炭を固相の一部に使用することにより吸着させ
、液相の供給においては密閉することにより蒸散を最小
限に止め、固相の一部に吸水量の大きなスラグウール、
バーミキュライト等の多孔性無機物及び保水性の大きな
ポリアクリルアミドを併用することにより長期保水を解
決し、長期保水における水腐れは多孔状イオン交換体に
おいて防止する。ポリアクリルアミドはこれらの特殊な
成分からなる土壌あるいは土壌改良剤の作用を阻害しな
いばかりでなく根酸等の酸を吸着除去し、さらに余剰の
カチオン類も吸着して系内を植物の生育に適した環境に
維持する作用をも有する。本発明の土壌がこれらの作用
を有する結果、従来の本物植物装飾に於いて考えられも
しなかった水平装飾、逆さ装飾、空中装飾、風呂場にお
ける装飾等が可能な長期間潅水を必要としない装飾用植
物が可能となった。

〔実施例〕

実施例１ 下記の組成よりなる植物用土壌Ａ材７０％とＢ材３０％
を混合した。

Ａ材 Ｂ材 この混合土壌に酸素を吸着している市販の活性炭６％と
ポリアクリルアミド０．５％（乾燥重量）を添加混合し
、この土壌１００ｇ当り水５０ｃｃを加えた。

こうして得られた植物用土壌にワーネッキーを植え付け
、これをポリプロピレン製の袋に入れて第１図に示すよ
うに口を紐で結えた。

この植物５株を水分、肥料等を一切補給せずに風呂場に
置いておいたところ平均２４０日間枯れないで生育を続
けた。一方、ポリアクリルアミドを添加しなかったほか
は同じ土壌を作成し、やはりワーネッキーを植えて同じ
ポリプロピレン製の袋に入れたもの５株を同じ風呂場に
置いておいたところ、これらのほうは平均で１２０日間
枯れないで生育を続けた。

実施例２ 実施例１と同じＡ材とＢ材の混合土壌１００ｇに水分５
０ｃｃを加え、デイツフエンバキアを植付けた。

これをポリプロピレン製の袋に入れ、この袋を第２図に
示すように酸素を飽和吸着させた活性炭６ｇ及びポリア
クリルアミド２ｇ（乾燥重量）の混合物を入れた塩化ビ
ニリデン製の袋のなかに活性炭及びポリアクリルアミド
が周囲を取巻くように収納した。水２５０ｇを活性炭と
ポリアクリルアミドの混合物に加えてから塩化ビニリデ
ンの袋の外側からは部を紐で結え、これを鉢に入れて水
分、肥料等を一切補給せずに喫茶店に置いておいたとこ
ろディッフエンバキアは２００日間枯れないで生育を続
けた。一方、ポリアクリルアミドを用いなかったほかは
上記と同様にしてディッフエンバキアを栽培したところ
ディッフェンバキアは１２０日間枯れないで生育を続け
た。

実施例３ 実施例１と同じＡ材５０％とＢ材５０の混合土壌に酸素
を吸着しているパーク炭化材ｌＯ％及びポリアクリルア
ミド０．５％（乾燥重量）を添加混合し、この土壌５０
ｇ当り水５０ｃｃを加えた。

こうして得られた植物用土壌にワーネッキーを植付け、
これをポリプロピレン製の袋に入れて第１図に示すよう
に口を紐で結えた。

この植物を水分肥料等を一切補給せずに壁掛用として室
内に置いておいたところ１５０日間枯れないで生育を続
けた。

〔発明の効果〕

本発明の土壌又は土壌改良剤を用いることにより植物を
潅水及び施肥をせずに４力月〜８カ月間という長期間に
渡り生育を続けさせることができる。このような植物は
土壌が固定されているところから水平飾、逆さ飾、空中
飾等の種々の装飾形態をとることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図はいずれも本発明の土壌を用いて植物
を生育させている状態を示す斜視図である。 特許出願人　　日本鋼管株式会社 同　　　　和技研株式会社 代　理　人　　弁理士　国中　政浩

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 無機又は有機多孔性イオン交換体と多孔性無機鉱物を含
   む土壌又は土壌改良剤に、酸素を吸着している活性炭又
   は木炭とポリアクリルアミドとを配合したことを特徴と
   する植物用土壌又は土壌改良剤