JPH0215432Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は、補強とパツフル板を兼ねた形状に
したスピーカキヤビネツトに関する。

〔考案の技術的背景〕

第７図は従来のスピーカキヤビネツトの断面図
である。この第７図において、バツフル板１には
スピーカ２ａ，２ｂが取り付けられており、ま
た、天板３にもスピーカ２ｃが取り付けられてい
る。

４は地板、５は裏板であり、天板３と地板４間
には、第８図に示すように、棧６が取り付けられ
ている。この棧６は接着剤あるいは釘などで取り
付けており、この棧６により、スピーカキヤビネ
ツトを補強するようにしている。

また、スピーカ２ａ〜２ｃの動作によつて与え
られる空気振動による板振動はキヤビネツト内で
分散、吸収される。

〔背景技術の問題点〕

しかしながら、このような棧６によるスピーカ
キヤビネツトの補強は、棧６の大きさ、接着効果
が完全な方法ではなく、板振動を起こし易い欠点
があつた。

〔考案の目的〕

この考案は、上記従来の欠点を除去するために
なされたもので、キヤビネツトの製作工程数の削
減およびキヤビネツトの補強効果の向上を期する
ことができるとともに、音の指向性も向上するス
ピーカキヤビネツトを提供することを目的とす
る。

〔考案の概要〕

この考案のスピーカキヤビネツトは、台板の表
裏両面にフイルムを接着してそのフイルムの厚さ
のみを残して台板の表裏両面に所定間隔をもつて
交互に「Ｖ」字形の溝を形成し、所定の上記溝を
折り曲げかつ接合することにより台板と側板およ
び地板に凹所を形成したものである。

〔考案の実施例〕

以下、この考案のスピーカキヤビネツトの実施
例について図面に基づき説明する。まず、この考
案のキヤビネツトを構成する材料から説明する。
材料は第１図に示すように、台板１１（パーテイ
クルボードなど）の表裏両面にフイルム１２（塩
化ビニールなど）を接着剤にて接着されている。

さらに、この台板１１の表裏両面には、所定の
間隔をもつて、「Ｖ」字形の溝１３が台板１１の
全長に亘つて形成されている。この溝１３の形成
に際し、「Ｖ」字形の底部がフイルム１２の厚さ
のみを残すように加工されている。したがつて、
フイルム１２により、各溝１３間の台板１１が連
結されていることになる。

このように、溝１３を形成することにより、台
板１１は溝１３の部分で屈曲自在になつており、
溝１３の側面は台板１１の材料が露出されること
になる。

第２図はこのような「Ｖ」字形の溝１３を複数
条形成した場合の台板１１の斜視図である。この
第２図の状態から、所定の溝１３を折り曲げるこ
とにより、第３図に示すように、台板１１の表面
を凸状にしたり、凹状にしたりできる。

また、第４図に示すように、溝１３の側面を接
着剤にて接合することにより、直角に折り曲げる
ことができる。

したがつて、このような溝１３を有する台板１
１を用いて、第５図に示すように、溝１３の所定
個所を折り曲げかつ接合することにより、第５図
に示すようなスピーカキヤビネツトを形成するこ
とができる。

この第５図の例では、キヤビネツト２０の天板
２１、左右両側の側板２２、地板２３の各中央部
が凹状（Ｖ字形）になるように凹部３０を形成
し、所定の溝を接合して形成したものであり、第
６図はその断面形状を示している。

この第５図および第６図より明らかなように、
天板２１、側板２２、地板２３に凹部３０を形成
することにより、キヤビネツト２０が機械的に補
強されれることになる。なお、２６はスピーカで
ある。

また、側板２２において、凹部３０を形成した
面に穴２４を形成して、小型のスピーカを取り付
けることもできる。

なお、前面には、通常のキヤビネツトと同様に
して、所定の寸法の穴２５を所定個所に所定数設
けるようにしている。

なお、上記の「Ｖ」字形の溝１３を利用して、
柱を立て、上下または左右に移動できる保持手段
として利用できるばかりか、凹所は数本の異なる
寸法にすることにより、キヤビネツトの内部の音
の反射を拡散することができるとともに、新しい
デザインの表現ができる。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案のスピーカキヤビネツ
トによれば、台板の表裏両面にフイルムを接着し
て、表裏両面に所定間隔ごとに交互にフイルムの
厚さのみを残して「Ｖ」字形の溝を形成し、この
溝のうち所定個所の溝を折り曲げ、かつ接合する
ことにより、天板、地板および側板に「Ｖ」字形
の凹所を有するキヤビネツトを構成するようにし
たので、キヤビネツトの各天板、地板、側板が補
強され、板振動を防止でき、音の指向性をよくす
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のスピーカキヤビネツトに使
用される台板の断面図、第２図は同上台板の斜視
図、第３図は同上台板の溝を折り曲げて一方の面
を突出させ、他方の面に凹所を形成した状態を示
す斜視図、第４図は同上台板により、スピーカキ
ヤビネツトを形成する過程を示す断面図、第５図
はこの考案のスピーカキヤビネツトの一実施例の
斜視図、第６図は同上スピーカキヤビネツトの断
面図、第７図は従来のスピーカキヤビネツトの断
面図、第８図は棧により補強された従来のスピー
カキヤビネツトの断面図である。 １１……台板、１２……フイルム、１３……
溝、２０……スピーカキヤビネツト、２１……天
板、２２……側板、２３……地板、２４，２５…
…穴、２６……スピーカ、３０……凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 台板の表裏両面にフイルムを接着してそのフイ
   ルムの厚さのみを残して台板の表裏両面に所定間
   隔をもつて交互に「Ｖ」字形の溝を形成し、所定
   の上記溝を折り曲げかつ接合することにより天板
   と側板および地板に凹所あるいは凸所を形成して
   なることを特徴とするスピーカキヤビネツト。