JPH02153888A

JPH02153888A - 土壌活性化剤の製造方法

Info

Publication number: JPH02153888A
Application number: JP63304181A
Authority: JP
Inventors: Isao Fujioka; 藤岡　勇夫
Original assignee: Toyo Kagaku Co Ltd
Current assignee: Toyo Kagaku Co Ltd
Priority date: 1988-12-02
Filing date: 1988-12-02
Publication date: 1990-06-13

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、土壌活性化剤の製造方法に関する。

〔従来の技術〕

従来、畜糞を好気性醗酵して有機肥料を製造することは
知られているが、得られたものはあくまでも肥効成分を
含有する有機“肥料゛であり、地力を増し、土壌微生物
を繁殖させ活力を与える、いわゆる土壌活性化剤として
の作用は殆んどない。

〔発明が解決しようとする課題〕

「土は生きている」と言われる。すなわち、土壌の中に
生息している無数のバクテリア、土壌藻菌、原生動物や
ミミズ等非常に沢山の微生物が生息しており、１ｇ中に
１億とも言われる微生物の営みの現われである・生化学
反応を指して、土は生きていると言われるのである。微
生物と言わず、全ゆる生物の生化学反応は全て酵素の介
在によるものであり、生物の組織の生活が旺盛であれば
いろいろな酵素活性を現わす。

一方、人間の生育に欠かすことの出来ない野菜、果物、
米穀類等の植物は、昔のような味のよい品質の物が出来
なくなったと耳にし、また実感されている。これは、ひ
とえに土壌地力の低下によるものである。すなわち、永
年にわたる除華剤、殺菌剤等の散布により土壌中の微生
物が激減しており、現今の土壌の貧困は眼に余るものが
あり、壊滅状態に近いものと言える。

このため、味のよい野菜や果物を求める消費者の要望に
より無農薬野菜の栽培が行なわれているが、−旦低下し
た土壌地力を回復することは極めて困難であり、栽培さ
れた植物は病気に弱いものとなり、歩留りが悪く、その
結果高価なものとなってしまう。また、ハウス栽培でバ
ラなどの花木類を栽培する場合、土壌を天地返しなど耕
すことができないため、年々土壌が疲弊して栽培が困難
になっている。さらに、ゴルフ場の芝生根圏に蓄積され
ているサッチ（植物残渣）は、土壌微生物が少なく有機
物を分解し、肥料化出来ないため残存するものであるが
、病原体の巣となり、根の発育を阻害するため、芝根の
張りが悪く、芝生が枯れ易く軟弱なコースになるという
問題があるが、これも地力低下が要因となっている。

従って、本発明の目的は、このような問題を解決すべく
、従来全く見い出されていなかったような、地力を増し
、土壌微生物を繁殖させ活力を与えることのできる土壌
活性化剤及びその製造方法を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明によれば、前記目的を達成するため、動物の糞を
好気性醗酵した堆肥に好気性菌を混合し、長期間にわた
って撹拌しながら酸素補給を行なう処理を施すことを特
徴とする土壌活性化剤の製造方法が提供される。

〔発明の作用及び態様〕

土壌の地力は、化学的要素、物理的要素、微生物的要素
が整って始めて地力が現われるとされているが、これら
の要素の全ては微生物の活性によって解決されなければ
ならない条件であり、従って、如何にすれば微生物が繁
殖でき、活力が生れ、地力が増大することが出来るかが
重要となる。

本発明者は、土壌中に於いて土壌微生物が繁殖し活力を
得るに必要な要素を如何にして作り出しているかを研究
した結果、動物の糞を好気性醗酵した堆肥に好気性菌を
混合し、長期間にわたって撹拌しながら酸素補給を行な
って得られた粉状物を人為的に多量生産して土壌に散布
すると、忽ち現存している土壌微生物がその要素を摂取
して活力が旺盛になることを見い出した。

すなわち、畜糞醗酵堆肥中での好気性菌の活動により、
畜糞が核酸（ＤＮＡＳＲＮＡ）を始めアミノ酸、ビタミ
ン、ホルモン、ブドウ糖、タンパク質、その他が含有さ
れた物質へと変異し、これを土壌に散布すると、土壌微
生物が上記繁殖要素を摂取することによって繁殖し、化
学的、物理的要素の環境を自から構成し、地力を回復し
、植物の栽培に多大なる成果を与えることを見い出した
。

一方、植物に対しての有効微生物を繁殖させて土壌に散
布しても、忽ち土壌中に現存する微生物に殺されてしま
い、従って、地力を回復することはできない。土壌のメ
カニズムは一部しか解明されていないが、上記のことか
ら見ても、本発明による作用効果は、畜糞醗酵堆肥中で
の好気性菌の活動により、畜糞が微生物繁殖に必要な核
酸、アミノ酸、ビタミン、タンパク質等の要素を含有す
る物質へと変化しているためと推認される。特に核酸は
土壌微生物や植物の生育にとって必要要素である。細胞
の分裂を支配しているのはＤＮＡであり、その細胞が作
り出すタンパク質をコントロールするのはＤＮＡ（デオ
キシリボ核酸）の指令を受けたＲＮＡ（リボ核酸）であ
り、この核酸が生命の誕生から死滅までを支配している
。また、ＤＮＡは生化学反応を起こす基質が近づくと、
直ちにＲＮＡに命じて適応酵素を作り化学反応を起こす
。

従って、ＤＮＡは植物生化学反応を旺盛にするばかりで
なく、土壌中の微生物をも活性化して有用微生物の繁殖
を助け、地力を活性化する。

本発明の土壌活性化剤には核酸が含まれているので、土
壌微生物を活性化してその繁殖を助け、地力を増大し、
作物の生育を助長する。

以上のメカニズムから明らかなように、本発明の方法に
は市販のまた抽出された各種好気性菌を用いることがで
き、例えばバチルス菌、コソネバクテリウム菌、ストレ
プトミセス菌、アスベールギルス菌、アクチノマイセス
菌、シュードモナス菌、シゾサツカロミセス菌、サイゴ
サッカロミセス菌、ブレビバクテリウム菌、ストレブト
マイセス菌、モナスカス菌、セレビシェ菌、サンデイダ
菌、エレモデチウム菌などである。

動物の糞を好気性醗酵した堆肥としては市販品のものが
あり、これがそのまま使用できる。

その製造工程の一例を述べると、集糞、堆積した畜糞を
醗酵槽に入れ、適当に撹拌しながら醗酵させ、水分６０
％以下に水分調整し、数回撹拌し、次いで水分３０％以
下に完熟させ、ショベルカー等により搬出する。

〔実　施　例〕

以下、実施例について説明する。

（イ）メリケン粉、米ぬかにブドウ糖を添加した物質に
、予め微生物をそれぞれ培養して仮死状態にして保存し
て置く。

（ロ）動物の糞（牛、豚、鶏、その他）を１５０〜１８
０日かけて好気性醗酵された堆肥（市販されている良質
堆肥）を大量に購入し、高さ１ｍ×幅４ｍ×長さ５０ｍ
のコンクリート製のコース（処理槽）に入れ、コースの
上に設置された移動撹拌機（株式会社サン芝製、畜糞醗
酵撹拌機）で必要に応じて撹拌しながら水分を５０％に
調整する。水分不足の場合は補水を行なう。

（ハ）予め培養していた微生物を、コースに入れた堆肥
の重量トンの７％を入れて良く撹拌する。

（ニ）毎日撹拌機で撹拌して酸素補給を行なう。

（ネ）低温微生物がすぐに活動して、３〜４日で４０℃
前後の温度となってコース内の物質を変異させながら素
地を作りあげ、次第に温度が裔まり、４０℃〜６０℃と
上がるに従って高温の微生物が活動して高度な物質へ変
化していく（この間のメカニズムは未だ不明である）。

６０日間前後まで長期間にわたって７０〜８０℃の高温
状態が続くが、６０日前後に至ると突然に温度が下がる
。これで処理は完了である。

完了近い状態でコース内の断面を見ると、豚の糞は黒色
物質であるが、コース内の上部２／３以上が全て銀白色
の断層となって、キラキラ揮いた（胞子による）物質状
態に変異している。

これは、６０日間前後のドラマの中で、微生物が生きる
為に又は子孫を残さんが為に作り出す（分泌する）核酸
（ＤＮＡ、ＲＮＡ）を始めアミノ酸、ビタミン、ホルモ
ン、ブドウ糖、タンパク質、その他が含有された物質へ
と変化したものである。

得られた土壌活性化剤は粉状であり、その元素分析の結
果は窒素０．６７％、リン酸１．３６％、カッ１．２１
９６、カルシウム１５．０％、マグネシウム０．６２９
’６、マンガン０．０２％であった。

次に、得られた土壌活性化剤の現象試験の結果を示す。

（１）育苗箱１箱につき５０〜１００ｇの土壌活性化剤
を混入して苗づくりを行なったところ、苗の大きさ、茎
の太さ、根の張り、色艶が均一なしっかりした苗ができ
た。この苗を用いた場合、反収穫は１４俵であり、また
収穫された米はコクがあり、腰、光沢、大きさ、粒揃い
全てに優れていた。

（２）キュウリのビニール栽培で、同室の２列に土壌活
性化剤を混入してテスト中、他の列はベト病に犯され一
夜で全滅したが、上記の２列は全熱異常がなく、収穫が
できた。

（３）屋外で本発明の土壌活性化剤を試験してみたとこ
ろ、土壌活性剤を散布した場所では、真冬零下の野外で
グラジオラス、キンギョ草、その他の花が咲き乱れてい
た。

（４）現在栽培されているナスビの花の色は白色である
が、本発明の土壌活性化剤を使用したところ、本来のナ
スビの花の色素による紫色（俗にナスビ色）の花が咲い
た。

また、従来難問とされていた連作障害、その他種々の問
題も土壌微生物の活性により一気に解決されており、ま
た収穫される果実は味、色艶、天然の香り、大きさ、量
のみならず、人間にとって一番大切な含有要素を具備し
たすばらしい果実を収穫することができる。

〔発明の効果〕

以上のように、本発明の方法によれば、比較的簡単な方
法で、土壌微生物を繁殖させ、活力を与え、地力を増大
することのできる土壌活性化剤が製造できる。また、本
発明の方法により得られる土壌活性化剤は、以下のよう
な特長、利点を有する。

（イ）肥料成分、窒素、リン酸、カッは、菌が繁殖する
エネルギーに使われて含有率は低くなっているが、菌が
生成発展の過程で産みだした核酸（ＤＮＡ、ＲＮＡ）　
、ホルモン、アミノ酸、ビタミン、その他が豊富に作ら
れており、含有されている。

（ロ）植物生命の核であるＤＮＡ、ＲＮＡを主とし、そ
の他の成分が豊富に含有されているので、土壌中の他の
肥料成分と共に植物に適応した成分に組み代えられ、植
物の養分吸収率が良くなって、植物が体中のタンパク質
を合成蓄積するため、暑さ寒さに対して驚く程の抵抗力
がある植物となる（現象試験結果（３）参照）。

（ハ）製品に含有されているＤＮＡの作用によって活発
に新陳代謝を行なうので窒素の吸収を押え、リン酸、カ
ッの吸収をスムーズにするため、葡萄茎数、節間数、生
体重が増加すると共に、病気に対して強い植物ができる
（現象試験結果（２）参照）。

（ニ）製品に含有されている核酸（ＤＮＡ、ＲＮＡ）に
よって、植物の化学反応に絶対的に必要な酵素の全てを
作り出して化学反応を旺盛にするばかりでなく、土壌微
生物に活力を与え、大いに繁殖させ（細胞分裂を行なう
）、その当然の結果として植物が活性化する。特にカビ
などの菌糸の発生により抗生物質を生成するので、土壌
中の病原菌の発生繁殖を阻止する。

（ネ）化学肥料は光合成に支配されるが、本発明による
製品は夜間でも曇りや雨天又は日陰、冬の日照時間が少
ないときでも、植物が順調に成分を吸収し生育する。

（へ）本発明による製品は、腐蝕された高分子化合物と
粘土その他を菌糸によってつなぎ合わせ、雨が降っても
流失しないように養分の貯蔵庫である団粒構造をつくり
、また植物の根が張り品いように土壌を改良する。

（ト）土壌微生物の活性化によって土壌の化学的、物理
的、微生物的要素を満足させるから、土壌の地力が当然
に活性化され増大する。

Claims

【特許請求の範囲】

動物の糞を好気性醗酵した堆肥に好気性菌を混合し、長
期間にわたって撹拌しながら酸素補給を行なう処理を施
すことを特徴とする土壌活性化剤の製造方法。