JPH02150B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、コンベアによつて搬送されるモール
ドに対して注湯機を同調して移送させ、その同調
移送状態で注湯機からモールドに注湯するように
構成した鋳造装置に関する。

従来の上記装置では、モールドに対して注湯機
を同調移送するために、注湯機をチエーンコンベ
アに取付けると共にそのチエーンコンベアを正逆
転駆動自在で変速自在な電動モータにより駆動し
て注湯機をモールドの移送方向に沿わせて駆動往
復移動するように構成し、そして、モールドと注
湯機との相対位置を検出する機構を設け、注湯機
をモールドよりも高速で移送させ、注湯機とモー
ルドが特定相対位置になつたことを検出してモー
タを変速し、注湯機をモールドと同速で移送させ
るようにしている。

ところが、同調のために、注湯機とモールドと
の相対位置を検出する機構を設けるのみならず、
その位置検出に連係してモータを迅速に変速しな
ければならず、同調のための構成が複雑なものと
なつていた。

本発明は、上記の点に鑑み、注湯機の駆動機構
を簡単にできるようにすると共にモールドと注湯
機との同調構成を簡単にできるようにすることを
目的とする。

次に本発明実施の態様を例示図に基いて詳述す
る。

モールド１を載置するパレツト２を所定間隔を
へだてて取付けたコンベア３を設け、そのコンベ
ア３の搬送経路所定箇所の直線径路部分におい
て、モールド１の移送方向に沿わせて往復移動自
在に第１及び第２注湯機４，５を設けると共に、
第１及び第２注湯機４，５夫々に流体圧形式の一
例としての油圧シリンダ６を連動連結して第１及
び第２注湯機４，５夫々を駆動往復移動自在に構
成し、前記第１及び第２注湯機４，５の移送方向
に沿い、ケーブルベヤ７を介して駆動往復移動自
在に台車８を設けると共に、その台車８に、台車
８移動方向に直向する方向にモータ９及び減速機
１０を介して駆動往復移動自在に中間取瓶１１を
設け、かつ、前記台車８の移動方向に沿つて並ぶ
状態で電気式の第１及び第２保持炉１２，１３を
設け、もつて、溶鉱炉等からの溶湯を第１及び第
２保持炉１２，１３に貯留して高温状態に維持さ
せ、中間取瓶１１によつて、第１及び第２保持炉
１２，１３から選択的に溶湯を取出すと共に第１
及び第２注湯機４，５に注湯し、その第１及び第
２注湯機４，５夫々からモールド１…に注湯して
所定の鋳造品を得るように徴造装置を構成してあ
る。

前記第１及び第２保持炉１２，１３は、夫々、
台１４に横軸芯周りで揺動自在に設けられると共
に油圧シリンダ１５，１５を介して駆動揺動する
ように構成され、その傾動に伴つて中間取瓶１１
に注湯するように構成されている。

前記中間取瓶１１は、前記台車８に前記モータ
９及び減速機１０を介して保持炉１２，１３側か
ら注湯機４，５側に駆動往復移動自在に設けられ
た支持台１６に、油圧シリンダ１７，１７を介し
て横軸芯周りで駆動揺動自在に設けられ、その傾
動に伴つて中間取瓶１１から第１及び第２注湯機
４，５に注湯するように構成されている。

前記第１及び第２保持炉１２，１３並びに中間
取瓶１１夫々の油圧シリンダ１５，１５，１５，
１５，１７，１７に対するコントロールバルブ
（図示せず）は夫々電磁式に構成され、制御盤１
８に配設されたボタンに対する押操作により、人
為的に傾動操作し、保持炉１２，１３から中間取
瓶１１、及び、中間取瓶１１から注湯機４，５へ
の大容量の溶湯の注湯を、安全面から人為的な判
断に基いて行わせ、不測にこぼして大事故を招く
ことを確実に回避するように配慮してある。

前記第１及び第２注湯機４，５は、夫々、油圧
シリンダ６に連動連結した機台１９に横軸芯周り
で揺動自在に取瓶２０を設け、前記取瓶２０と機
台１９とにわたつて油圧シリンダ２１，２１を連
動連結して駆動揺動するように構成し、かつ、そ
の油圧シリンダ２１，２１に対するコントロール
バルブＶを、後述の同調機構２２により自動的に
切換え、モールド１…と第１及び第２注湯機４，
５を同調して移動させる状態で取瓶２０，２０か
らモールド１…に注湯するように注湯機構２３を
構成してある。

即ち、同調機構２２を構成するに、第３図に示
すように、第１及び第２注湯機４，５夫々に、ア
ーム２４の先端にローラ２５を遊転自在に軸架し
てなるストツパー２６を付設し、前記アーム２４
に一対のガイドローラ２７，２７を設けて、ロー
ラ２５を、前記パレツト２…の移送経路側に突出
してパレツト２の移送方向後方側端面に接当させ
る作用位置と、パレツト２…の移送経路よりも注
湯機４，５側に引退した非作用位置とにわたつて
出退させるように構成してある。前記アーム２４
に、縦軸芯周りで回動自在に設けたベルクランク
２８の一端側を枢支連結すると共にベルランク２
８に圧縮スプリング２９を付設して、前記ストツ
パー２６を作用位置に突出させるように常時付勢
してある。前記ベルクランク２８の他端側に、前
記スプリング２９の付勢力により、通常時にパレ
ツト２…の移送経路側に突出する状態を維持する
ように、遊転自在にローラ３０を軸架して当り部
材３１を構成し、前記モールド１…に対して注湯
機４，５を相対的に逆方向に移動させた時に、パ
レツト２…の移送方向前方側端面の当り部材３１
への接当に伴い、圧縮スプリング２９の付勢力に
抗してベルクランク２８を揺動し、それによりス
トツパー２６を非作用位置に引退させるように構
成してある。前記シリンダ６，６夫々をクツシヨ
ンシリンダで構成し、夫々の駆動速度をコンベア
３の搬送速度よりも大に構成すると共に、シリン
ダ６，６の推力を、前記コンベア３の移動抵抗よ
りも小に、詳述すれば、シリンダ６の推力によつ
て、例えば、コンベア３を先行移送するとかその
搬送経路に曲がりを生じる等、ストツパー２６が
パレツト２に接当していない場合におけるモール
ド１…搬送状態と変化するといつた事の無い大き
さに構成してあり、シリンダ６，６の作動により
第１及び第２注湯機４，５をモールド１…の移送
方向に移動させる時に、ストツパー２６の接当に
伴い注湯機４，５夫々のモールド１…に対する先
行移動を阻止し、それに伴い前記シリンダ６，６
に対するコントロールバルブV₁，V₁が開かれた
ままで注湯機４，５とモールド１…を同調移動さ
せるように、かつ、その同調移動に伴つて制御器
３２に信号を入力し、その制御器３２からの指令
に基き、前記取瓶２０，２０夫々の油圧シリンダ
２１，２１に対するコントロールバルブＶを設定
時間づつ切換え、取瓶２０，２０の傾動、及び、
取瓶２０，２０の傾動状態からの復帰を自動的に
行わせ、第１及び第２注湯機４，５からモールド
１，１に所定量の溶湯を注湯するように構成して
ある。

尚、前記第１注湯機４においては、ストツパー
２６を、注湯すべきモールド１に作用させてお
り、他方、第２注湯機５におおいては、ストツパ
ー２６を、注湯すべきモールド１よりも搬送方向
において１個前方のモールド１に作用させてい
る。

次に、保持炉１２，１３から中間取瓶１１を介
して注湯機４，５に注湯された溶湯を、前記制御
器３２によるプログラム制御に基いて注湯する形
態について列記する。

○イ 第１及び第２注湯機４，５をモールド１…と
同方向に移動させ、パレツト２，２へのストツ
パー２６の作用に伴い、モールド１…と同調し
て移送させ、その同調走行状態で第１及び第２
注湯機４，５夫々の取瓶２０を傾動して２個お
きのモールド１，１に注湯する。

○ロ 注湯完了後に取瓶２０，２０を復帰させると
共に第１及び第２注湯機４，５の走行を停止す
る。しかる後に、コンベア３を連続駆動したま
まで第１及び第２注湯機４，５をモールド１…
の移動方向と逆方向に移送させ、モールド１…
と第１及び第２注湯機４，５夫々の相対移動に
伴い、パレツト２に当り部材３１が作用してス
トツパー２６を非作用位置に変位させる。

○ハ ２個のモールド１，１が第１及び第２注湯機
４，５を追い越すに足る時間が経過した時点で
第１及び第２注湯機４，５の移送方向を逆転
し、モールド１…と同方向に移送させる。

○ニ しかる後に、上記○イないし○ハ項の工程を順次
繰り返し、連続的に搬送されるモールド１…に
注湯していくのである。

上記実施例では、ストツパー２６及び当り部材
３１をコンベア３に取付けられたパレツト２に接
当させることにより間接的にコンベア３に作用さ
せるようにしているが、コンベア３に直接的に作
用させるとか、あるいは、パレツト２以外の付帯
部材に作用させるようにしても良い。

又、ストツパー２６及び当り部材３１をモール
ド１に作用させるようにしても良く、その場合
は、前記第１及び第２注湯機４，５のシリンダ
６，６夫々の推力において、モールド１…夫々の
パレツト２あるいはコンベア３に対する移動抵抗
よりも小に構成すれば良い。

前記ストツパー２６及び当り部材３１夫々を構
成するに、その接当作用箇所をローラ２５，３０
で構成せずに、例えば、固定部材に摩擦抵抗の小
さい合成樹脂をライニングするようなものでも良
い。

前記コンベア３としては、モータ等により連続
的にモールド１…を駆動移送するものに限らず、
例えば、短周期で往復運動を繰り返すプツシヤー
等のように間歇的ではあるものの実質的にモール
ド１…を連続的に駆動移送するようなものでも良
い。

上記実施例では２個の注湯機４，５からモール
ド１…に注湯するようにしているが、本発明とし
ては１個の注湯機からモールド１…に注湯するも
のにも適用できる。

又、本発明としては、例えば、中間取瓶１１を
設けずに保持炉１２，１３から注湯機４，５に注
湯する等、要するに、注湯機４，５に供給された
溶湯をモールド１…に注湯する鋳造装置に適用で
きる。

以上要するに、本発明による鋳造装置は、モー
ルド１…を駆動搬送するコンベア３を設けると共
に、前記モールド１…に対する注湯機４，５を、
流体圧シリンダ６を介し、前記モールド１…の移
送方向に沿わせて駆動往復移動自在に設け、前記
注湯機４，５に、その前記モールド１…に対する
先行を前記コンベア３あるいは前記モールド１と
の当りによつて阻止するストツパー２６を、作用
位置に突出するように付勢した状態で設けると共
に、前記注湯機４，５の前記コンベア３の移動方
向とは逆方向への移動に伴つて前記コンベア３あ
るいはモールド１との当りによつて前記ストツパ
ー２６を非作用位置に引退させるための当り部材
３１を設け、前記シリンダ６の駆動速度を前記コ
ンベアの搬送速度よりも大に構成すると共に、前
記シリンダ６の推力を前記コンベア３あるいはモ
ールド１の移動抵抗よりも小に構成し、前記スト
ツパー２６の作用状態において、前記注湯機４，
５から前記モールド１に注湯する機構２３を設け
てある事を特徴とする。

つまり、注湯機４，５を、流体圧シリンダ６，
６によつて駆動する事により、その注湯機４，５
の駆動構成を簡単にでき、しかも、ストツパー２
６とそれを非作用位置に引退させるための当り部
材３１を設けると共に、シリンダ６，６の駆動速
度及び推力を合理的に構成するだけでありなが
ら、ストツパー２６が作用状態になるに伴い、モ
ールド１…を所望通り搬送させながらそのモール
ド１…に対して容易確実に注湯機４，５を同調移
動させることができ、同期のためにモールド１…
と注湯機４，５との相対位置を検出する装置と
か、その検出に基いて注湯機４，５を変速する構
成等を不用にでき、モールド１…と注湯機４，５
との同調構成を簡単にできるに至つた。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る鋳造装置の実施の態様を例
示し、第１図は全体概略平面図、第２図は第１図
の−線矢視図、第３図はストツパー及び当り
部材を示す一部切欠平面図、第４図は注湯機構を
示す概略油圧回路図である。 １……モールド、３……コンベア、４，５……
注湯機、６……流体圧シリンダ、２３……注湯機
構、２６……ストツパー、６……流体圧シリン
ダ、２６……ストツパ、３１……当り部材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ モールド１…を駆動搬送するコンベア３を設
   けると共に、前記モールド１…に対する注湯機
   ４，５を、流体圧シリンダ６を介し、前記モール
   ド１…の移送方向に沿わせて駆動往復移動自在に
   設け、前記注湯機４，５に、その前記モールド１
   …に対する先行を前記コンベア３あるいは前記モ
   ールド１との当りによつて阻止するストツパー２
   ６を、作用位置に突出するように付勢した状態で
   設けると共に、前記注湯機４，５の前記コンベア
   ３の移動方向とは逆方向への移動に伴つて前記コ
   ンベア３あるいはモールド１との当りによつて前
   記ストツパー２６を非作用位置に引退させるため
   の当り部材３１を設け、前記シリンダ６の駆動速
   度を前記コンベア３の搬送速度よりも大に構成す
   ると共に前記シリンダ６の推力を前記コンベア３
   あるいはモールド１の移動抵抗よりも小に構成
   し、前記ストツパー２６の作用状態において、前
   記注湯機４，５から前記モールド１に注湯する機
   構２３を設けてある事を特徴とする鋳造装置。