JPH02144080A

JPH02144080A - 合成樹脂ガットおよびその製造方法

Info

Publication number: JPH02144080A
Application number: JP63298620A
Authority: JP
Inventors: Yutaka Takashima; 高島　豊; Katsuo Sugano; 菅野　勝男
Original assignee: Gosen Co Ltd
Current assignee: Gosen Co Ltd
Priority date: 1988-11-26
Filing date: 1988-11-26
Publication date: 1990-06-01

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕この発明は、硬式テニス、軟式テニス、バドミントン、
スカッシュ、ラケットボール等の各種ラケットに用いら
れる合成樹脂ガツトとその製造方法に関する。

〔従来の技術〕

従来、たとえば、テニスにおいては、羊腸や前筒などか
ら作られる天然ガツトが、優れた反発性を有し、使用時
の緩みが少なく、快い、ソフトな打球感を発するため、
最適のガツトとして用いられている。しかしながら、こ
のような天然ガツトは、量産に限りがありコストがかか
る上に湿気に弱く切れやすいという問題点を抱えている
。

そごで、今日では、耐水性、耐久性に優れ、量産性にも
優れた安価な合成樹脂ガツトが、−船釣に用いられるよ
うになっている。たとえば、太い合成尉脂七ノフィラメ
ント単一本からなるか、それより細いモノフィラメント
複数本を撚り合わせてなるガツトがその一例であり、ソ
フト性を高めるため、極めて細い合成樹脂単繊維（単糸
）の多数本を引き揃え甘撚りしてなるマルチフィラメン
トからなるガツトがその別の例である。これらのガツト
は、上記太いモノフィラメント単一本、細いモノフィラ
メント複数本またはマルチフィラメントを芯部として、
その外周部に細い糸（モノフィラメントまたはマルチフ
ィラメント）を巻きつけるか編組みするかして補強する
こともある。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、この合成樹脂ガツトは、天然ガツトが透明感を
有して外観が優れているのに対して、不透明であり、外
観が劣っていた。

他方、近時、ラケットにおいて、その材質が木から繊維
強化プラスチックやアルミニウム、スチールのごとき金
属に移り、その形が剛性に優れ、しなりにくい厚うケに
移りつつあるように、耐久性と機械的強度が強く求めら
れるようになっている。このことから、ガツトにおいて
も、耐久性。

耐摩耗性に一層すぐれていることが求められるようにな
ってきた。ことに、マルチフィラメント・ガツトは、ソ
フト性に優れるものの、耐摩耗性がモノフィラメント・
ガツトの約３分の１程度と劣る欠点があったので、その
改善が一層強く求められていた。

耐摩耗性の向上は、ガツト表面に合成樹脂コーティング
を施すことにより得られる。しかし、マルチフィラメン
ト・ガツトに合成樹脂コーティングを施しても、耐摩耗
性は、モノフィラメント・ガツトの約２分の１程度に向
上するにすぎない。

コーティング層を厚くすることは、打球性、打球音が悪
くなる原因となる。耐摩耗性を向上させるためには、別
に、ガツト表面にシリコーン油等の潤滑油を塗布する方
法がある。しかし、この方法によった場合、表面にヌメ
リが生じて感触が悪くなる欠点が生じるほか、汚れが付
きやすくなる欠点も生じる。

そこで、この発明は、天然ガツトに劣らない外観を備え
た合成樹脂ガツト、さらに、合成樹脂コーティングを施
さなくても、また潤滑油を塗布しなくても、耐摩耗性に
優れた合成樹脂ガツトと、その製造方法を提供すること
を課題とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記の課題を解決するために、請求項１記載の発明にか
かる合成樹脂ガツトは、少なくとも芯部が合成樹脂フィ
ラメントの束からなる細紐状体の全体に合成樹脂接着剤
を含浸させ固めるようにしている。

請求項３記載の発明にかかる合成樹脂ガツトの製造方法
は、上記構成の合成樹脂ガツトを得るに当たり、合成樹
脂接着剤の含浸を真空含浸によって行うようにしている
。

請求項２．４記載の合成樹脂ガツトとその製造方法は、
上記において、合成樹脂接着剤として、マトリックス成
分と相溶性を有する潤滑性成分を含有するものを用いる
ようにしている。

〔作　　　用〕

少なくとも芯部が合成樹脂フィラメントの束からなる細
紐状体の全体に合成樹脂接着剤を含浸させて固めると、
上記細紐状体が天然ガツト同様の透明感を有するように
なる。合成樹脂接着剤の含浸を真空含浸で行うと、合成
樹脂接着剤が細紐状体の内部深く浸透し、透明感が極め
て良くなる。

上記合成樹脂接着剤に、そのマトリックス成分と相溶性
を有する潤滑性成分を含有させると、接着剤に潤滑性が
付与されてガツト表面が滑らかになる。

〔実　施　例〕

この発明にかかる合成樹脂ガツトの本体部分に当たる細
紐状体は、従来の合成樹脂ガツトと同様、極めて細い合
成樹脂単繊維（単糸）の多数本を引き揃えて要すれば甘
撚りしてなるマルチフィラメントのみからなるか、細い
モノフィラメント複数本を単に引き揃えるか要すれば甘
撚りして束ねたもののみからなるほか、これらの外周部
に細い糸（モノフィラメントやマルチフィラメント等）
を巻糸するか鳩組みしてなるものである。そして、この
細紐状体の全体に合成樹脂接着剤を含浸させて細紐状体
を構成するフィラメント同士を互いに結合させて固める
ようにしている。細紐状体に浸透した合成樹脂接着剤が
細紐状体に対し透明感を付与する。

細紐状体を構成するフィラメントの材質は、ナイロン、
ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド（ＰＰＳ）
、ポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）等から選ば
れる。外周部に巻糸するか編組みするモノフィラメント
またはマルチフィラメント等の材質も同様である。合成
樹脂接着剤のマトリックス成分は、通常の合成樹脂接着
剤を構成するもので良い。たとえば、ウレタン樹脂、エ
ポキシ樹脂、塩ビ樹脂など接着性の良い合成樹脂中から
選ばれる。上記細紐状体を構成するフィラメントの材質
と同じものであっても良い。これに含有させる上記オリ
ゴマー、すなわち、マトリックス成分と相溶性を有する
潤滑性成分としては、たとえば、下記一般式（１）で示
されるオリゴマーがある。

（−÷ＣＨｔ　　ＣｔＬＪｙ−÷ＣＨｔ−ＣＨ＋−）−
、（１１上式において、ＲはＣ，Ｈ，、、、、を表し、
ｘ、　　ｙｐ、ｎは正整数を表す。

このオリゴマー〇数平均分子量は、たとえば、ｌＯＯ〜
４０００、望ましくは４００〜１５００程度である。そ
の添加量は、たとえば、マトリックス成分１００重量部
に対し１〜３０重量部、望ましくは５〜２０重量部であ
る。このようなオリゴマーの市販品としては、三井石油
化学工業（掬製のオリゴマー（商品名ルーカント）があ
る。

細紐状体への合成樹脂接着剤の含浸は、常圧下でも良い
が、真空含浸によるのが良い。これによれば、合成樹脂
接着剤が細紐状体の内部深く浸透するからである。真空
含浸の具体的方法は、たとえば、細紐状体を減圧室内で
減圧した後、この室の壁に設けられたノズルから接着剤
タンクの合成樹脂接着剤中に直ちに通す等の方法による
。合成樹脂接着剤の含浸量は、最終的に、細紐状体１０
０重量部に対し１０〜５０重量部程度が望ましく、たと
えば、細紐状体１００重量部に対し３０重量部程度が好
適である。しかし、これも、このように限定される訳で
はない。

以下では、この発明にかかる合成樹脂ガツトとその製造
方法の、具体的な実施例を説明するが、この発明にかか
る合成樹脂ガツトとその製造方法は、上記説明および下
記実施例に限定されるものではない。

一実施例１− ６デニールのナイロン単糸を多数本引き揃えて６５２０
デニールのマルチフィラメントを得た。

これを芯にして、その外周部に、２１０デニールのマル
チフィラメント１６本を編組みすることにより、細紐状
体を得た。このものの外観は、不透明であった。

他方、１，６−ヘキサンジオールとアジピン酸からなる
ポリエステルにトリレンジイソシアネートと２−ヒドロ
キシアクリレートとを反応させて得られたポリウレタン
アクリレートに対し、光重合性モノマーとしてトリメチ
ロールアクリレートとプロパツールアクリレートを、光
硬化開始剤としてベンゾフェノンを、それぞれ配合して
なる紫外線硬化樹脂９０重量部に、数平均分子量４００
、比重０．８３０の前記（１）のオリゴマー１０重量部
を混合して、合成樹脂接着剤を得た。

そして、−旦、１０＋ｕＨｇの減圧雰囲気に曝すことに
より減圧状態にした前記細紐状体に、この合成樹脂接着
剤を真空含浸させた。ついで、この細紐状体を口径１．
３５　ｕ＋のノズルに通して含浸接着剤を絞った後、高
圧水銀灯を用いて紫外線を照射し、合成樹脂接着剤のマ
トリックス成分を硬化させた。合成樹脂接着剤の含浸量
は、絞り切った最終状態で、細紐状体１ｇ当たり０．３
ｇであった。このようにして直径１．３３　ｍｍの合成
樹脂ガツトを得た。

この合成樹脂ガツトは、天然ガツトと同様の透明感を有
していた。このものの引張強力は８６．３ｋｇ、切断伸
度は３１．０％、結節強力は３８９　ｋｇであった。

その耐摩耗性を調べるため、この合成樹脂ガツトを、第
１図に示される切断試験にかけた。すなわち、水平に張
ったガン）ｌに対して直交方向に別のガント２を当てて
、その下端に２．７　ｋｇの重り３を取りつけた状態で
、このガツト２を６０ストロ一ク／１分の早さで矢印方
向に前後動させることにより、両ガツト１．２を互いに
擦り合わせて、切断するまでの動作回数を計数した。測
定３回の平均動作回数は６３７回であった。

この合成樹脂ガツトを実際にラケットに張って試打した
ところ、打球感がソフトで、反発性が良く、快音が得ら
れた。

これに対し、前記細紐状体に前記合成樹脂系接着剤を常
圧で含浸させて得たガツトの外観は、−応透明感を有す
るものの、前記合成樹脂ガツトよりも劣っていた。また
、前記オリゴマーを含まない合成樹脂系接着剤を真空含
浸させた合成樹脂ガツトは、透明感は変わらないものの
、耐摩耗性試験における測定３回の平均動作回数は３５
回であって、天然ガツトの平均２９回に比して僅かに優
れるのみであった。

一実施例２− 直径０．３７龍のナイロン七ノフィラメント７本を引き
揃え、撚数８０ターン／ｍで撚り合わせて、細紐状体を
得た。その外観は不透明であった。

この細紐状体に実施例１の合成樹脂接着剤を真空含浸し
たところ、透明感が良くて耐摩耗性に優れる合成樹脂ガ
ツトが得られた。

〔発明の効果〕請求項１記載の発明にかかる合成樹脂ガツトは、以上の
ように構成されているため、外観上、透明感に優れてい
て、天然ガツトに良く似ている。

請求項２記載の発明にかかる合成樹脂ガツトは、さらに
、樹脂コーティング表面を有さす、潤滑油塗布表面を有
さないけれども、耐摩耗性に優れている。

請求項３記載の発明にかかる合成樹脂ガツトの製造方法
は、真空含浸法を採用しているため、透明感のより優れ
た合成樹脂ガツトを作り易い。

請求項４記載の発明にかかる合成樹脂ガツトの製造方法
は、さらに、耐摩耗性の良い合成樹脂ガツトを得させる
。

【図面の簡単な説明】

第１図は耐摩耗性試験方法を示す説明図である代理人　
弁理士　　松　本　武　彦

Claims

【特許請求の範囲】１　少なくとも芯部が合成樹脂フィラメントの束からな
る細紐状体の全体に合成樹脂接着剤を含浸させ固めてな
る合成樹脂ガット。２　合成樹脂接着剤として、マトリックス成分と相溶性
を有する潤滑性成分を含有するものが用いられている請
求項１記載の合成樹脂ガット。３　少なくとも芯部が合成樹脂フィラメントの束からな
る細紐状体の全体に合成樹脂接着剤を含浸させ固めてな
る合成樹脂ガットを得るに当たり、前記含浸を真空含浸
によって行うことを特徴とする合成樹脂ガットの製造方
法。４　合成樹脂接着剤として、マトリックス成分と相溶性
を有する潤滑性成分を含有するものが用いられている請
求項３記載の合成樹脂ガットの製造方法。