JPH0213450B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明はギヤツプ付リアクトル鉄心脚を構成す
るためのブロツク鉄心に関し、特に前記ブロツク
鉄心を形成するために、長さの異なる珪素鋼板
を、複数枚積層してこれを１ユニツトとして形成
するための方法およびその装置を提供することに
ある。

〔発明の技術的背景と問題点〕

従来リアクトルの鉄心脚として、第２，３図に
示すように長さの異なる珪素鋼板ａ，ｂ，ｃ，ｄ
……ｌを外側端が一致するように備えて扇形に積
層した扇形ユニツト１を、第４図のようにリング
状の治具２内に複数個放射状に配して環状のブロ
ツク鉄心３を組立てる。このブロツク鉄心３は治
具２から取外す前に、ブロツク鉄心３の層間に樹
脂を流し、これを固化させて一体化していた。こ
の後、前記ブロツク鉄心３は、第１図に示すよう
に絶縁物であるギヤツプ材４を介して複数個積み
重ねて円柱状の鉄心脚５を形成し、その上下に平
板状の珪素鋼板を積層した継鉄６と衝合し、これ
らをスタツドボルト７で一体に締付けてリアクト
ル鉄心８を構成していた。尚９はコイルである。
又第４図中、支持台２ａと支持棒２ｂは、ブロツ
ク鉄心３の組立時治具２内の扇形ユニツト１が倒
れないように挾持している。

そして従来扇形ユニツト１を積層するには、第
２図のように、珪素鋼板ａ……ｌを作業台１０上
に扇形ユニツト１が積層できる順番に並べ、これ
を作業者が１枚づつ手で揃えながら扇形ユニツト
１を１群づつ作り、この扇形ユニツトを他の作業
者が治具２内に放射状に配置してブロツク鉄心３
を製作していたので、次の欠点があつた。

(1) 扇形ユニツト１は手作業により珪素鋼板を一
枚づつ積層して製作していたので、手間と時間
がかかると共に、相当の労力を必要としていた
為、作業能率が非常に悪く、しかも単純な作業
であるので、積層の順番を間違える等の問題が
あつた。

(2) 又、ブロツク鉄心３の組立には別の作業者を
必要とする為、扇形ユニツト１の積層と合わせ
ると、都合２人の製作者が必要となり、リアク
トル鉄心の製造コストを高くする問題があつ
た。

(3) 更に、扇形ユニツト１の積層に対しては、長
さの異なる珪素鋼板を手作業で積層する関係
上、珪素鋼板の切断ラインとの直結が難しく、
しかも前記扇形ユニツト１の積層を手作業で行
つていることと相まつて、リアクトル鉄心の製
作に時間がかかり、その生産能の向上を図るこ
とが難しかつた。

〔発明の目的〕

本発明は前記の欠点を除去し、長さの異なる複
数枚の珪素鋼板を迅速確実に積層してブロツク鉄
心を構成する多数群の扇形ユニツトを能率的に製
作するようにしたリアクトル鉄心の積層方法とそ
の積層装置を提供するにある。

〔発明の実施例〕

添付図面に従つて実施例の構成を説明する。

ベルトコンベア１１の両端に、Ｌ形の脚台１
２，１２を互いに相対向して配置し（第６図参
照）、これら脚台１２，１２上には、第１３図Ａ
で示す長さの異なる珪素鋼板ａ……ｌが、コンベ
ア１１の方向に積層順序に従つて交互に積層配置
されている。

脚台１２，１２間にはガイド棒１３，１３が取
付けられ、このガイド棒１３，１３を支持する支
持具１４，１４には移動枠１５が連結されている
（第６図参照）。

前記移動枠１５の下側には、エアシリンダ１６
のピストンロツド１６ａと連結されて、昇降枠７
が昇降可能に取付けられている。昇降枠１７はガ
イドロツド１８に案内されて上下に円滑に作動す
る（第６図、第７図参照）。

又脚台１２，１２内にはガイド棒１３，１３に
沿うラツク１９，１９が配設され、このラツク１
９，１９には平歯車２０，２０を噛合させ、この
平歯車２０，２０を、駆動軸２１、傘歯車２２を
介して駆動モーター２３に駆動連結し、移動枠１
５上に載置固定した前記駆動モーター２３により
ラツク１９，１９上を回転させることにより、移
動枠１５は昇降枠１７と共に、ガイド棒１３，１
３に沿つて、脚台１２，１２間を前後に移動する
（第６図参照）。Ａ，Ｂ，Ｃは、駆動モーター２３
の回転規制スイツチである（第６図、第１０図参
照）尚スイツチＡは移動枠１５の中央に設けた突
起２４、スイツチＢ，Ｃは移動枠１５後端の操作
片２５，２５′により夫々操作される（第６図、
第１０図参照）。昇降枠１７には、第９図のよう
に珪素鋼板ａ……ｌを吸着する吸着パツト２６
が、脚台１２，１２上に載せた珪素鋼板ａ……ｌ
と対応する位置で垂設されており、又昇降枠１７
のほぼ中央には昇降枠１７の降下を規制する近接
スイツチが２７が、更に側方には昇降枠１７の上
昇を規制する上昇停止スイツチ２８が夫々設けら
れている（第７図、第９図参照）。尚昇降枠１７
は第７図のようにエアシリンダ１６とはそのピス
トンロツド１６ａの先端に取付けたジヨイント部
材１６ｂと昇降枠１７に取付けた接続具１７ａと
をピンで連結することにより、昇降枠１７はエア
シリンダによつて上下動する。

移動枠１５上には、第１１図に示すように、取
付板１５ａを介してエアの分配器１５ｂが載置さ
れてホースにて吸着パツト２６に接続され、各分
配器１５ｂは弁１５ｃを介して真空ポンプ２９に
可撓性のパイプにて接続されている。真空ポンプ
２９は積層装置の運転中稼動しており、吸着パツ
ト２６は弁１５ｃのON、OFFによつて吸着、脱
着の動作を行う。

図中３０は脚台１２，１２に植設した珪素鋼板
ａ……ｌの位置決め棒、３１は制御装置である。

上記実施例の作用を説明する。

(イ) 長さの異なる各珪素鋼板ａ……ｌ（全部で12
枚、但しａとｌは同じ長さである）は、第１３
図のように、コンベア１１をはさんでその両側
の脚台１２，１２上に、各鋼板間が、これら鋼
板の積層後、その一方端を揃えた状態で積層で
きるようすべてｔ寸法で配置されている（第１
３図Ａ参照）。

(ロ) 次に、珪素鋼板ａ……ｌを第３図のように積
層して扇形ユニツト１を作る場合。

(ハ) 始めに移動枠１５を第６図の位置においてス
タートさせる。即ちこの位置で、エアシリンダ
１６つまりピストンロツド１６ａを降下させ、
近接スイツチ２７により吸着パツト２６が各珪
素鋼板ａ，ｃ，ｅ，ｇ，ｉ，ｋと当接した時点
で降下を停止させる。

(ニ) 前記(ハ)の作用時点で弁１５ｃがONして吸着
パツト２６により上記珪素鋼板を吸着し、 (ホ) この状態でエアシリンダ１６を上昇停止スイ
ツチ２８により上昇が停止される。

(ヘ) この後、駆動モーター２３を起動して、移動
枠１５を第１０図のようにコンベア１１上まで
移動させて、停止スイツチＡにより停止させ
る。

(ト) 続いて、弁１５ｃをOFFさせて吸着パツト
２６を脱着させ、珪素鋼板ａ，ｃ，ｅ，ｇ，
ｉ，ｋを第１１図のようにコンベア１１上に載
せる。この時点ではコンベア１１は動作しな
い。

(チ) 次に、移動枠１５を更にコンベア１１の位置
から第１１図の位置まで移動させて停止スイツ
チＣにより停止させ、以後上記(ロ)〜(ホ)までの動
作を行う。吸着パツト２６には珪素鋼板ｂ，
ｄ，ｆ，ｈ，ｊ，ｌが吸着されている。

(リ) 続いて駆動モーター２３を前記と逆方向に起
動させて、移動枠１５を再び第１０図のように
コンベア１１上まで移動させて、スイツチＡに
より停止させ、この後、吸着パツト２６を脱着
させて、珪素鋼板ｂ，ｄ，ｆ，ｈ，ｊ，ｌをコ
ンベア１１上の珪素鋼板ａ，ｃ，ｅ，ｇ，ｉ，
ｋの上に載せる（第１２図、第１３図Ｂ参照）。

尚、第１３図Ｂ〜第１３図Ｉの図面は、扇形
ユニツト１を積層するスタート地点からのみ記
載してある。即ち、珪素鋼板ｂ，ａ、を積層し
た地点が扇形ユニツト１の積層を開始する地点
となる。従つて、扇形ユニツト１の移動開始時
は、脚台１２，１２上にｔ寸法の間隔で配置さ
れている長さの異なる珪素鋼板ａ……ｌを第１
２図に示す様に、移動枠１５を一往復されるこ
とにより、コンベア１１上には、積層された珪
素鋼板ｂ，ａ、の他に、ｄ，ｃ、とｆ，ｅ、と
ｈ，ｇ、とｊ，ｉ、とｌ，ｋ、の各珪素鋼板が
ｔ寸法の間隔で配置されているものの、コンベ
ア１１は第１３図Ａに於いて図の右方に移動す
る為、前記コンベア１１上において積層された
珪素鋼板のうち、ｄ，ｃ、以降の鋼板上には当
然ながら、積層開始時に於いて、扇形ユニツト
１を形成する上で必要な珪素鋼板ｂ，ａ、が存
在していないので、扇形ユニツト１とはなり得
ず、コンベア１１上から除外する。この現象は
脚台１２，１２に配置した珪素鋼板を一動作で
コンベア１１上に移動させる為に生ずるもの
で、扇形ユニツト１の積層開始時にのみ生ずる
ものである。

(ヌ) 前記(リ)の後、コンベア１１のモータ３２が起
動されて、コンベア１１を距離ｔだけ間欠的に
移動させる（第１３図ｃ）。

(ル) 以下前記(ロ)〜(リ)の動作を行つて、第１４図
Ｄのように、スタート地点の珪素鋼板ｂ，ａ上
にｄ，ｃの珪素鋼板が積層される。そして珪素
鋼板ｄ，ｃを積層すると、再びコンベア１１は
ｔの距離だけで移動する。

(オ) 以上のような動作を繰り返し、移動枠１５が
スタート地点から６往復することにより、第１
群の扇形ユニツト１を形成するものである（第
１３図のｋ参照）。

(ワ) 扇形ユニツト１は従来技術の説明で述べた
ように、治具２内に放射状に配置したブロツク
鉄心３を組立てる。

尚エアシリンダ１６、駆動モーター２３、コン
ベアのモーター３２は、制御装置３１からの指令
信号により作動させる。又これら、エアシリンダ
１６等はマイコンにより駆動制御させるようにし
てもよい。

更に、本発明は長さの異なる珪素鋼板ａ……ｌ
を11種類用いた例について述べたが、これは９、
７種類のものにも適用できる。

＜１＞ コンベア１１の移動方向と直交する両側
に、扇形ユニツト１を形成する複数の長さの異
なる珪素鋼板がコンベア１１の移動方向に沿つ
て積層順序に従つて交互に配置されており、且
つコンベア１１は移動枠１５が一往復する毎に
一定の距離だけ間欠移動する構造となつている
ので、扇形ユニツト１は、コンベア１１が間欠
移動する毎に、自動的に片側端面を揃えての整
列積層が容易に行える。

＜２＞ 移動枠１５は一動作する毎に扇形ユニツ
ト１を形成する半分の珪素鋼板をコンベア１１
上に配置する構造となつているので、コンベア
１１が間欠移動することと相まつて、扇形ユニ
ツト１の積層作業が人手を要することなく行う
ことができる。

＜３＞ 扇形ユニツト１の積層が自動的に行える
ので、作業者は積層された扇形ユニツト１をコ
ンベア１１から直ちに取り出して次の作業台で
ブロツク鉄心３の組立が行えるので、リアクト
ル鉄心８の組立作業が効率的に行える。

＜４＞ 積層装置は、横移動する移動枠１５と、
間欠移動するコンベア１１とを組合わせること
によつて構成することができるので、構造が簡
単となり、その取扱い操作も容易である。

＜５＞ 扇形ユニツト１を形成する珪素鋼板は、
積層装置の脚台１２，１２上の定位置に並べて
おけばよいので、切断装置にて所定長さに切断
した珪素鋼板は、そのまま脚台１２，１２上に
並べることができるので、切断ラインとの直結
が可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図はリアクトル鉄心の正面図、第２図は従
来の積層方法の説明図、第３図は扇形ユニツトの
平面図、第４図はブロツク鉄心組立を説明する平
面図、第５図は同縦断面図、第６図は積層装置の
斜視図、第７図は同正面図、第８図は同１部切欠
側面図、第９図は昇降枠の斜視図、第１０〜１２
図は、移動枠の動作状態を示す平面図、第１３図
Ａ〜Ｋは、珪素鋼板の積層順序の説明図、第１４
図は、同積層時における積層機要部の動作状況を
説明する為のタイムチヤート図である。 符号表、１……扇形ユニツト、２……治具、３
……ブロツク鉄心、４……ギヤツプ材、５……鉄
心脚、１６……継鉄、７……スタツドボルト、８
……リアクトル鉄心、９……コイル、１０……作
業台、１１……ベルトコンベア、１２……脚部、
１３……ガイド棒、１４……支持具、１５……移
動枠、１６……エアシリンダ、１７……昇降枠、
１８……ガイドロツド、１９……ラツク、２０…
…平歯車、２１……駆動軸、２２……傘歯車、２
３……駆動モーター、２４……突起、２５……操
作片、２６……吸着パツト、２７……近接スイツ
チ、２８……上昇停止スイツチ、２９……真空ポ
ンプ、３０……位置決め棒、３１……制御装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ベルトコンベアを挟んでその両側に長さの異
   なる珪素鋼板をコンベアの移動方向に積層順序に
   従つて交互に配設し、片側の複数枚の珪素鋼板を
   コンベア上に並べ、次に反対側の珪素鋼板をコン
   ベア上の珪素鋼板上に載せてコンベアを一定距離
   間欠移動させ、次に前記動作を一往復行う毎にコ
   ンベアを間欠移動させるという工程を必要回数行
   つて珪素鋼板を積層するようにしたことを特徴と
   するリアクトル鉄心の積層方法。 ２ ベルトコンベアと、その両側に長さの異なる
   複数の珪素鋼板を積層順に交互に、ｔ、寸法の間
   隔で配置する脚台を備え、その脚台間に於いて、
   コンベア上で停止する機能を備えて往復動する移
   動枠と、移動枠の下に吸着パツトを備えた昇降枠
   を上下動可能に取り付けて、コンベアは移動枠が
   一往復した後、一積層単位毎に間欠移動するよう
   に構成したことを特徴とするリアクトル鉄心の積
   層装置。