JPH0212028Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野……本考案は、フライス盤、研
摩機等のテーブル上において、被加工物を固定す
るためのバイスの改良に関するものである。

従来の技術……従来のこの種のバイスは、第７
図、第８図に示す如く、フライス盤、研摩機等の
テーブル１とは別体に構成されたテーブル２の上
面に多数の凸形凹条溝３，３，３…を平行に穿設
し、固定側バイス部材４と可動側バイス部材５と
は共通のベース６と一対に形成されて対設してい
る。而して上記ベース６の下面に設けられたボル
ト頭部埋設用凹条溝７と前記凸形凹条溝３とを合
致させ、ボルト８とナツト９とにより固定してい
た。上記公知のバイスにおいては、テーブル１に
設けた凹条溝３，３，３…の方向には、固定側バ
イス部材４と可動側バイス部材５からなる２対の
バイスの相対的間隔を摺動調節固定することが可
能であるが、各対を構成する固定側バイス部材４
と、可動側バイス部材５との相対的間隔を調製す
ることは不可能であつた。又バイスはベースごと
フライス盤、研摩機等のテーブル上に運搬載置
し、又除去しなければならないため、重く、運搬
上不便である等の欠点があつた。

発明が解決しようとする問題点……本考案はベー
ス上にある２対のバイス間の相対的間隔を調節す
ることを可能とすることは勿論、各対の固定側バ
イス部材と可動側バイス部材との相対的間隔を調
節することを可能とし、而も固定側バイス部材と
可動側バイス部材は、夫々テーブルと分離可能に
設けられているため、固定側バイス部材と可動側
バイス部材は別々に運搬、移動、設置することが
でき、運搬作業が軽快且便利なバイスを提供する
と共に、近年出現した、テーブルに凹条溝を設け
ることなく、大きな電磁力又は永久磁石によりバ
イス部材を磁着固定する方式のテーブルにも使用
することができ、又不規則な形状の被加工物、極
めて小さく対設するバイス間に固定することが不
可能な被加工物の固定も可能なバイスを提供する
ことを目的とするものである。

〔考案の構成〕

問題点を解決するための手段……本考案は上述の
目的を達成するため上面に複数条の凹条溝を平行
に形成したテーブル上に、対設可能に上記テーブ
ルとは別体に構成された複数のバイス部材の夫々
の底面に、前記凹条溝に嵌合する凸隆条を着脱可
能に突設し、上記凸隆条は凹条溝に対し、嵌脱、
摺動、固定可能な構成とすると共に、複数のバイ
ス部材のうち可動側バイス部材の軸受板の先端上
隅部と可動部の後端上隅部に夫々挾圧部をとりつ
けたことを特徴とするバイスなる構成を有するも
のである。

実施例……１１は、フライス盤、研摩機等のテー
ブルであつて平面長方形を呈し、その長方向に等
間隔、且平行に複数の凸形凹条１８が設けられて
いる。１２，１３は夫々固定側バイス部材及び可
動側バイス部材であつて上記両部材によりバイス
が構成される。尚、バイスは固定側バイス１２と
可動側バイス１３を対向させるのみならず、第１
図に示す如く可動側バイス１３，１３を対向させ
てもよい。１４は螺杆、１５は回転ハンドル、１
６，１７は挾圧部である。上述の固定側バイス部
材１２、可動側バイス部材１３の底面には夫々、
前記凸形凹条１８の狭搾部１８′に挿入可能な巾
の別体の凸隆条１９，２０が取付けられている。
而して上記凸隆条１９には固定側バイス部材１２
の基部１２ａの上面１２ｂから凸隆条１９の下面
に垂直に貫通するボルト挿通孔２１が形成され、
又凸隆条２０にも可動側バイス部材１３の基部１
３ａの上面１３ｂから凸隆条２０の下面に垂直に
貫通するボルト挿通孔２２が形成され、ボルト２
３の挿脱により凸隆条１９，２０が着脱可能に構
成されている。

固定側バイス部材１２と可動側バイス部材１３
又は可動側バイス部材１３と１３とを適当な間隔
を保持して前者の凸隆条１９をテーブル１１の凸
形凹条１８の１つに、又後者の凸隆条２０をテー
ブル１１の凸形凹条溝１８の他の１つに嵌合し、
固定側バイス部材１２と可動側バイス部材１３又
は可動側バイス部材１３と１３とを対設し、夫々
のボルト挿通孔１９，２０にボルト２３を挿通
し、ナツト２４により緊締するものである。２５
はハンドル、２は軸受板である。尚可動側バイス
部材１３の可動部１３′の後方上隅部にに挾圧部
３０を、又軸受板２６の先端上隅部に挾圧部３１
を設けてある。

作用……而して固定側バイス部材１２と可動側バ
イス部材１３との相対的間隔又は可動側バイス部
材１３，１３との相対的間隔を調節するには、ナ
ツト２４を脱外することにより両部材１２，１３
の双方又はいずれか一方をテーブル１１の凸形凹
条溝１８より脱外し、他の凸形凹条溝１３に嵌合
固定する。又２対のバイスの相対的間隔を調節す
るには、夫々のバイス部材１２，１３又は１３，
１３のナツト２４を緩め、各バイス部材をバイス
用テーブルの凸形凹条溝１８に沿つて摺動しその
間隔を調節した後ナツト２４を緊締する。又相対
するバイス部材１２，１３及び又は１３，１３を
取り外し大きな電磁力又は永久磁石により、磁着
固定する方式のテーブル即ちマグネツトチヤツク
上に相対するバイス部材１２，１３及び又は１
３，１３を固定するには夫々のバイス部材のナツ
ト２４を外し、ボルト２２を引き抜き凸隆条１
９，２０を外した状態でマグネツトチヤツク上に
相対するバイス部材の相対位置を定め電磁力又は
永久磁石により固定する。

更に又極めて微細な被加工物であつて相対する
バイス部材１２，１３又は１３，１３の挾圧部１
６，１７間又は１７，１７間に挾圧固定できない
場合は可動側バイス部材１３の挾圧部３０，３１
に挾みハンドル２５を回動して挾圧固定する。

〔効果〕

本考案は以上述べたように、固定側バイス部
材、可動側バイス部材の２種類の部分材に分割す
ることを可能とし、従つてバイスをフライス盤の
テーブル、研摩機のテーブル等の工作機械のテー
ブル上に載置するための移動運搬、除去するため
の移動運搬に際し、部材を分割して移動すること
を可能とし運搬作業が軽快迅速である。又テーブ
ル上の２対のバイス間の相対的間隔を調節するこ
とができるのみならず、各対の固定側バイス部材
と可動側バイス部材との相対的間隔を調節するこ
とも可能である。又本考案はテーブル上に固定側
バイス部材と可動側バイス部材を対設することが
できるのみならず、可動側バイス部材どうしを対
設することもでき第１図に示す如き不規則形状の
被加工物も可動側バイス部材の相対的位置調節に
より、固定支持することが可能であり、極めて小
さい被加工物は可動側バイス部材に設けた挾圧部
３０，３１間に挾圧固定することができる。又各
バイス部材を脱外し、且凸隆条を外すとが可能で
あるからバイス部材をマグネツトチヤツク上に設
置固定して使用することも可能である等の効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のバイスの一部の平面図、第２
図は第１図Ｙ方向矢視の拡大側面図、第３図は固
定側バイス部材の拡大右側面図、第４図は可動側
バイス部材の拡大左側面図、第５図はバイス用テ
ーブルの一部の斜視図、第６図は第１図Ｘ−
X′の拡大縦断面図、第７図は公知のバイスの平
面図、第８図は第７図のＺ−Z′の縦断面図であ
る。 １１…テーブル、１２…固定側バイス、１３…
可動側バイス、１８…凹条溝、１９，２０…突隆
条、３０，３１…挾圧部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面に複数条の凹条溝を平行に形成したテーブ
   ル上に、対設可能に上記テーブルとは別体に構成
   された複数のバイス部材の夫々の底面に、前記凹
   条溝に嵌合する凸隆条を着脱可能に突設し、上記
   凸隆条は凹条溝に対し、嵌脱、摺動、固定可能な
   構成とすると共に、複数のバイス部材のうち可動
   側バイス部材の軸受板の先端上隅部と可動部の後
   端上隅部に夫々挾圧部をとりつけたことを特徴と
   するバイス。