JPH0211951Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、フオージングロール用マニプレータ
のトングヘツド位置調整装置に関するものであ
る。

（従来の技術） フオージングロールにより成形される成形品の
形状は、ロール型の形状と、素材がロール型に噛
込まれる時の噛込み位置とにより決定されるた
め、素材毎に各成形パスでの噛込み位置を調整
し、適正なボリユーム配分を行なう必要がある。

従来、上下ロール軸間の中心位置とマニプレー
タのトングヘツド位置との間隔は、各成形パス毎
に一定にされており、各成形パスでの噛込み位置
は、ロール型の削取り等により調整されていた。

（考案が解決しようとする問題点） しかし、このような調整方法では、噛込み位置
の調整に時間と労力を要するという不都合があつ
た。

（問題点を解決するための手段） 本考案に係るフオージングロール用マニプレー
タのトングヘツド位置調整装置は、トング台車に
支持されたトング軸保持筒と、該保持筒内に摺動
可能に支持されたトング軸との間に、該トング軸
の後退により圧縮される流体室を有し、該室にリ
リーフ弁が接続されたリリーフシリンダを設ける
と共に、前記トング軸の先端にトングヘツドを設
けたフオージングロール用マニプレータにおい
て、トング軸を強制的に後退させる強制リリーフ
シリンダを設けると共に、切換弁を介してロツド
側流体室と反ロツド側流体室が油圧源に接続され
た調整シリンダを設け、該調整シリンダのロツド
側流体室はストローク作動時に開くチエツク弁を
介して前記強制リリーフシリンダに接続されてい
ることを特徴としており、かかる構成によつて素
材噛込み位置をトング先端位置の変更で容易かつ
迅速に調整しようとするものである。

（実施例） 以下本考案の一実施例を水平圧延形フオージン
グロール用マニプレータを示す図面により説明す
る。

図中１はトング軸保持筒で、フオージングロー
ル２に向かいその回転と連動して前後進可能に図
示しないトング台車に支持されている。トング台
車は、フオージングロール２のロール軸方向と直
角方向に移動可能に図示しないマニプレータフレ
ームに支持されている。

３はトング軸で、トング軸保持筒１内に前後摺
動可能に貫通支持され、図示しないトング反転装
置により例えば反転角度0゜，45゜，90゜，135゜と回
転可能となつている。このトング軸３の先端に
は、クランプシリンダ４により開閉可能なトング
ヘツド５が設けられている。

６は段付軸状のピストンで、トング軸３に同軸
一体に装着、組込まれている。７はシリンダチユ
ーブで、トング軸保持筒１に同軸一体に装着、組
込まれている。このシリンダチユーブ７内に前記
ピストン６が摺動可能に嵌入され、トング軸３の
後退により圧縮される流体室８（実施例では油
室）が画成されている。かくしてリリーフシリン
ダＡが構成されており、該シリンダＡの流体室８
には配管９を介して圧力源１０（実施例では油圧
ポンプ）とリリーフ弁１１が接続されている。

１２は段付軸状のピストンで、トング軸保持筒
１の一端に同軸一体に装着されている。１３はシ
リンダチユーブで、トング軸３後端に同軸一体に
装着されて前記クランプシリンダ４を支持してい
る。このシリンダチユーブ１３内に前記ピストン
１２が摺動可能に嵌入され、流体室１４が画成さ
れている。かくして強制リリーフシリンダＢが構
成されている。

１５は配管で、切換弁１６と、流れ方向を互に
向かい合わせたチエツク弁１７とパイロツト操作
弁チエツク弁１８とが設けられている。パイロツ
ト操作チエツク弁１８は切換弁１６の制御部とパ
イロツト配管１９を介して接続されており、該切
換弁１６のソレノイド励磁時に同時に開き動作を
するよになつている。また、配管１５のチエツク
弁１８の逆止め方向側には圧力逃し用切換弁２０
が接続され、該切換弁２０は前記切換弁１６のソ
レノイド消磁時に同時にソレノイドを励磁され圧
力逃し動作をするようになつている。

２１はマニプレータフレームに設置した調整シ
リンダで、該シリンダ２１のロツド側流体室は配
管２２を介して前記配管１６のチエツク弁１７，
１８間に接続され、反ロツド側流体室は配管２３
を介して前記切換弁１６と接続されてこれを介し
タンク２４と連通している。この調整シリンダ２
１のロツド２５先端側には、ロツド２５に同芯と
なるようスタンド２６に螺挿、支持された調整ス
クリユ２７が設置されている。調整シリンダ２１
のロツド突出し端位置は、この調整スクリユ２７
により設定される。

前記強制リリーフシリンダＢの流体室１４には
配管１５によりチエツク弁１８と１７と、切換弁
１６とを介して圧力源２８（実施例では油圧ポン
プ）が接続されている。調整シリンダ２１のロツ
ド２５は、この圧力源２８による圧力流体の供給
によつて引込み端位置に保持されている。

（作用） 圧力源１０によりリリーフシリンダＡの流体室
８内に圧力流体を供給してピストン６を第１図示
の前進端位置まで前進させ、該位置に保持させ
る。かかる状態でトングヘツド５はトング軸保持
筒１に支持されながらその前進動作により前進さ
せられて、フオージングロール２の上下ロール軸
間中心位置から第１図示Ｔ寸法の前進端位置に配
置される。

フオージングロール２における素材噛込み位置
は各成形パス毎に異なるが、仮に１パス成形位置
ではトングヘツド５の前記前進端位置から第１図
ｔ寸法後退した位置を素材噛込み位置とした場合
に、後述の操作により強制リリーフシリンダＢに
よりトング軸保持筒１に対してトング軸３を第２
図の右方へ同図ｔ寸法だけ強制的に後退させれば
よい。

切換弁１６のソレノイドを励磁して切換える
と、パイロツト操作チエツク弁１８が同時に開く
から、調整シリンダ２１の反ロツド側流体室に圧
力源２８から圧力流体が供給されると共に、その
流体圧によつて該シリンダ２１のロツド側流体室
内の流体は、強制リリーフシリンダＢの流体室１
４内に送込まれる。強制リリーフシリンダＢにお
いて、ピストン１２の大径部１２ａ両面の受圧面
積差によりシリンダチユーブ１３を第２図の右方
へ移動させ、トング軸３を後退させる力が生じ
る。

強制リリーフシリンダＢによるトング軸後退力
がリリーフシリンダＡによるトング軸前進端保持
力より大きくなるように、両シリンダＡ，Ｂのピ
ストン６，１２の径等により調整しておけば、ト
ング軸３は、強制リリーフシリンダＢにより該シ
リンダＢに対する流体供給量に応じた距離だけ強
制的に後退させられる。

強制シリンダ２１のロツド側流体室内の流体量
は、該シリンダ２１内の有効断面積×ストローク
量で定まるところ、ストローク量は調整スクリユ
２７により調整できるから、強制リリーフシリン
ダＢに対する流体供給量と調整シリンダ２１のス
トローク量とは比例関係にある。このため、調整
シリンダ２１のストローク量を第１図示t¹寸法に
設定しておけば、強制リリーフシリンダＢにより
トング軸５を前記t¹寸法に対応する第２図示ｔ寸
法だけ後退させることができるから、トングヘツ
ド５は、フオージングロール２の上下ロール軸間
中心位置から第１図示Ｔ＋ｔ寸法の素材噛込み位
置に調整配置されることになる。

上記のトングヘツド位置調整後、１パス成形を
行なう。この成形時、素材Ｍの後退速度（図にお
ける右行速度）とトングヘツド５の後退速度（図
における右行速度）とに差があると、トング軸３
に後退方向への力が働き、この力によつてリリー
フシリンダＡの流体室８内の圧力流体がリリーフ
弁１１からタンク２４へ排出されてトング軸３が
後退し、前記素材Ｍ・トングヘツド５の後退速度
差はリリーフシリンダＡにより吸収される。

１パス成形後、切換弁１６のソレノイド励磁を
消磁して切換弁１６を切換えると、流体圧が常時
付加されているリリーフシリンダＡの復元作用に
より、強制リリーフシリンダＢは、該シリンダＢ
の流体室１４内の流体がチエツク弁１８を通つて
調整シリンダ２１のロツド側流体室内に供給され
て縮小し、かつ、調整シリンダ２１の反ロツド側
流体室内の流体が外部へ排出されて、該シリンダ
２１のロツド２５は元の引込み端位置に戻る。並
行してリリーフシリンダＡの復元作用によりトン
グ軸５が前進させられ、トング軸保持筒１・トン
グ軸５は元の相対位置関係に戻る。

上記の戻し操作後、次の２パス成形のためのト
ングヘツド位置調整を行なう。

このようにして素材Ｍを例えば４パスで型ロー
ル成形するのである。

尚、１個の調整シリンダ２１を使用して各成形
パスでのトングヘツド位置調整を順次行なう例に
つき説明したが、各成形パス毎に設けた成形パス
数の調整シリンダ２１を使用して各成形パスでの
トングヘツド位置調整を行なつても同効である。

（考案の効果） 以上の通り本考案は、マニプレータトングにリ
リーフシリンダを内蔵したものにおいて、トング
軸を強制的に後退させる強制リリーフシリンダ
と、該シリンダ内に調整された量の圧力流体を供
給する調整シリンダを含む操作回路とを設け、ト
ングヘツド位置を後退調整できるようにしたか
ら、従来に比して素材噛込み位置をトングヘツド
位置の変更で容易かつ迅速にしかも適切に調整で
き、成形作業の能率向上と省力化を確実に図れる
と共に、素材の適正なボリユーム配分を確実に行
なえる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例をトングヘツド位置
調整前の状況で示す概要図、第２図はトングヘツ
ド位置調整後の状況で示された第１図の部分図で
ある。 １……トング軸保持筒、２……フオージングロ
ール、３……トング軸、４……クランプシリン
ダ、５……トングヘツド、６，１２……ピスト
ン、７，１３……シリンダチユーブ、８，１４…
…流体室、Ａ……リリーフシリンダ、Ｂ……強制
リリーフシリンダ、９，１５，２２，２３……配
管、１０，２８……圧力源、１１……リリーフ
弁、１６……切換弁、１７……チエツク弁、１８
……パイロツト操作、チエツク弁、１９……パイ
ロツト配管、２０……圧力逃し用切換弁、２１…
…調整シリンダ、２４……タンク、２５……ロツ
ド、２６……スタンド、２７……調整スクリユ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トング台車に支持されたトング軸保持筒と、該
   保持筒内に摺動可能に支持されたトング軸との間
   に、該トング軸の後退により圧縮される流体室を
   有し、該室にリリーフ弁が接続されたリリーフシ
   リンダを設けると共に、前記トング軸の先端にト
   ングヘツドを設けたフオージングロール用マニプ
   レータにおいて、トング軸を強制的に後退させる
   強制リリーフシリンダを設けると共に、切換弁を
   介してロツド側流体室と反ロツド側流体室が油圧
   源に接続された調整シリンダを設け、該調整シリ
   ンダのロツド側流体室はストローク作動時に開く
   チエツク弁を介して前記強制リリーフシリンダに
   接続されていることを特徴とするフオージングロ
   ール用マニプレータのトングヘツド位置調整装
   置。