JPH0211308Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、合成樹脂材を二軸延伸して強度を高
め、生ビール等の炭酸飲料用容器として用いられ
る合成樹脂製樽状容器に関する。

［従来の技術］ この種樽状容器は1.5以上の大形であり、飲
料物を収納した場合かなりの重量となり、手掛り
がないと持運びに不自由する。このため、容器に
持運び用の把手を付した把手付きのものが急速に
普及している。

一方、この種容器には、飲料時口部に装着され
るノズルを備品としているが、従来このノズルと
容器本体とは全く別体であつた。

［考案が解決しようとする課題］ 従来例では、販売時にノズルをいちいち添付し
なければならず面倒なばかりでなく、添付するの
を忘れ易い不都合がある。

本考案は、把手の一部に工夫を加え、この把手
によりキヤツプ回りの空所を利用して格納したノ
ズルを安定に保持し、上記欠点を解消するように
した合成樹脂製樽状容器を提供する。

［課題を解決するための手段］ 胴部３上端から肩部４を介して口頚部５を起立
する容器本体１胴部の下端部に第１筒状部材８上
端部を、かつ胴部の上端部に第２筒状部材９下端
部を、それぞれ嵌着させて樽状容器となし、該樽
状容器の後面上下方向に、把手１６の上端から前
下方へ垂下する係合板２１を第２筒状部材９の後
方上部内面に係合させると共に、把手下端部を上
記第１筒状部材８後面に付設した筒状部２０内へ
抜出し不能に嵌着させることで、該把手を装着さ
せた樽状容器において、上記係合板１３の上部前
面から破断可能な連結部２２を介して突出した帯
状板２４先端部を、口頚部に嵌合させたキヤツプ
７後面へ圧接させると共に、該帯状板の先端部か
ら摘み部２３を上方へ起立し、かつキヤツプ７後
面と第２筒状部材９の上部前面との間の空隙部内
に上記口頚部装着用のノズル２５を収納して、上
記帯状板２４でノズル２５をその収納位置に固定
させた。

［作用］ 飲料時、ノズル２５を取出す場合は、第３図ａ
の状態から摘み２３を持つて帯状板２４を強制的
に上方に引き上げ、同図ｂのように連結部２２を
破断し、次いで、空隙部内からノズル２５を取出
して口頚部５に嵌合させる。

［実施例］ 第１図で、１は例えば飽和ポリエステル樹脂製
のコールドパリソンを二軸延伸させて形成した合
成樹脂製の壜、つまり容器体で、底部２は球面状
に下方に膨出形成されている。３，４，５と６は
容器体１のそれぞれ胴部、肩部、口頚部とこの口
頚部５の基部外周から突出させた外向きフラン
ジ、そして７はこの口頚部５に螺合された金属キ
ヤツプである。

８は容器体１を安定に起立させるためその胴部
３下端部外周に嵌合固定した第１筒状部材、また
９は胴部３上端部に嵌合固定した第２筒状部材
で、該第２筒状部材の下端部及び前記第１筒状部
材８の上端部には樽の締め輪を形どつた突出周帯
１０，１１があり、これにより両部材８，９を取
付けたとき、外形を樽状の粧いにしている。また
第１筒状部材８には容器体底部２下面を支持する
受板１２があり、場合によつてはこの受板１２を
接着剤で底部２下面に固定する。また、第１筒状
部材８の後面に把手連結用の筒状部２０を付設し
ている。更に、第２筒状部材９の上端からは中央
に向うにつれ下方に彎曲垂下し、中央部で起立す
る弯曲壁部１３が一体に設けてあり、該弯曲壁部
中央部内面に周設した係合突部１４を前記外向き
フランジ６下面に係合させ、容器体１に対する第
２筒状部材９の固定を確実にしている。１５は上
記弯曲壁部１３から垂設されて肩部４に届く支え
筒である。

１６は弓状に彎曲した板状の把手で、上部及び
下部の前面側に、第２筒状部材９後面及び胴部３
下部後面に沿う支え１７，１８を一体に形成し、
また下端は図で示してないが両外縁に係合爪を突
出した二又状の係合部１９に形成してこの係合部
１９を即述筒状部２０に上方から挿入係止し、一
方上端部には前斜め下方に折曲垂下する係合板２
１を設けて逆Ｖ形とし、この逆Ｖ形部により第２
筒状部材９上端部に臨むように係合させて取付け
ている。

前記把手１６の係合部２１の前面上部から破断
可能な小片状の連結部２２を介し、キヤツプ７外
面に届く先端に上方に延びる摘み２３を設けた帯
状板２４を一体に突設し、この帯状板２４によ
り、キヤツプ７後面と第２筒状部材９の上部前面
との間の空隙部内に収納した後述ノズル２５をそ
の収納位置に固定させている。

上記のように空隙部内に収納させたノズル２５
は、第２図が横向きで示すように、くの字状に屈
曲する注出管下端に外向きフランジ２７を付設
し、該外向きフランジ下面から容器体口頚部内面
へ嵌合させる嵌合筒部２９を垂下する。また、注
出管内面一部に沿つて垂下する吸気管２６を嵌合
筒部２９下端よりも下方まで垂下する。更に、上
記外向きフランジ１８外縁一部から摘み２８を下
方へ突出する。

［考案の効果］ 本案は、上記構成とするものであり、把手の係
合板２１前面上部から破断可能な連結部２２を介
して突出した帯状板２４先端部を、キヤツプ７後
面に圧接させると共に、該帯状板の先端部から摘
み部２３を起立し、かつキヤツプ７後面と第２筒
状部材９の上部内面との間の空隙部内にノズル２
５を収納して、帯状部２４でノズル２５をその収
納位置に固定させたから、即述従来例のように、
販売時にノズルをいちいち添付する面倒がなく、
かつ、ノズルの添付を忘れる不都合が解消され
る。また、把手の係合板２１前面上部から破断可
能な連結部２２を介して帯状板２４を突出したか
ら、連結部破断により帯状板２４を取除くこと
で、キヤツプ後面と第２筒状部材９の上部前面と
の間の空隙内からノズル２５を容易に取出すこと
ができ、かつ、帯状板２４と把手１６とは一体で
あるから、一体形成により廉価に製作できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案合成樹脂製樽状容器の一実施例
の半部縦断面図、第２図は同実施例のノズルの外
形斜視図、第３図ａ，ｂは同実施例の作用を説明
するための要部外形斜視図である。 １…容器体、７…キヤツプ、１６…把手、２４
…帯状板、２５…ノズル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 胴部３上端から肩部４を介して口頚部５を起立
   する容器体１胴部の下端部に第１筒状部材８上端
   部を、かつ胴部の上端部に第２筒状部材９下端部
   を、それぞれ嵌着させて樽状容器となし、該樽状
   容器の後面上下方向に、把手１６の上端から前下
   方へ垂下する係合板２１を第２筒状部材９の後方
   上部内面に係合させると共に、把手下端部を上記
   第１筒状部材８後面に付設した筒状部２０内へ抜
   出し不能に嵌着させることで、該把手を装着させ
   た樽状容器において、上記係合板２１の上部前面
   から破断可能な連結部２２を介して突出した帯状
   板２４先端部を、口頚部に嵌合させたキヤツプ７
   後面に圧接させると共に、該帯状板の先端部から
   摘み部２３を上方へ起立し、かつキヤツプ７後面
   と第２筒状部材９の上部前面との間の空隙部内に
   上記口頚部装着用のノズル２５を収納して、上記
   帯状板２４でノズル２５をその収納位置に固定さ
   せたことを特徴とする合成樹脂製樽状容器。