JPH02106323A - 形状記憶性透明体及びその成形法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、形状記憶機能を有するプラスチック透明体及
びその成形方法に関する。

（従来の技術） 従来、透明度の高いプラスチックは各種の容器やレンズ
等いろいろな形状に成形されて使用されている。これら
の製品は、金型を用いて圧・縮成形、射出成型、押出成
形等の成形法により１つの形状が付与され、その形状の
まま使用される。その形状と、これをさらに変形させた
第２の形状とを使い分けたり、当初の形状に復帰させて
使用することのできる透明体は未だ知られていない。

（発明が解決しようとする課Ｂ） 本発明は、基本となる形状を記憶するとともに、第２の
形状をも採り得る形状記憶機能を有する透明体及びその
成形方法を提供しようとするものである。

（課題を解決するための手段） 本発明は、透明体の使用温度より高い温度にガラス転移
点を有する形状記憶性透明ポリマーを成形し、基本形状
を記憶させた透明体をガラス転移点より高い温度に加熱
し、型枠や形状保持手段を用いて好みの形状に変形保持
した後、ガラス転移点より低い温度まで冷却して該形状
を固定化し、第２の形状の透明体を取り出し、その後、
基本形状を必要とするときには、ガラス転移点より高い
温度に加熱して記憶を回復させることのできる形状記憶
性透明体及びその成形方法である。

（作用） 一般に、形状記憶ポリマーとは、当初の成形形状を記憶
することができ、その後、ポリマーのガラス転移点より
高く、成形温度より低い温度で変形を加え、その形状を
保持した状態でガラス転移点より低い温度まで冷却する
ことにより、変形形状を固定化することができ、さらに
、ガラス転移点より高い温度に加熱するときには元の成
形形状に復帰させることのできるポリマーであり、簡単
な温度操作により変形形状と成形形状とを使い分けるこ
とができるものである。

本発明は、かかるポリマーの中で透明度が高く、温度操
作若しくは変形操作が容易であるポリマーを用いて作成
した透明体であって、基本形状を記憶させるとともに、
第２の形状を簡単に付与することができるので、この２
つの形状の透明体の使い分けを有効に利用することによ
り、各種の用途に適用することができる。具体的には、
実施例に示す時計の窓材、自在定規、金魚鉢の外にも、
例えば、板状、棒状、円筒状、球状等の基本形状の透明
体と、その一部は好みの形状に変形させた透明体とを適
宜組み合わせることにより各種インテリアを作成するこ
ともできるし、インテリア作成用の素材として提供する
こともできる。

本発明の透明体に使用可能なポリマーは、透明で透明体
の使用温度より高い温度にガラス転移点を有し、形状記
憶機能を備えた透明なポリマーであって、使用温度にお
いて一定の硬さを有し、変形温度で容易に変形可能な柔
らかさを有し、かつ、基本形状と第２の形状との移行を
容易にするガラス転移点を備えたものであれば、その種
類を問わない。その透明体の使用目的に応じて、原料の
種類や配合比、合成条件等を選択することにより、透明
体の物性をある程度調整することもできる。また、透明
体の成形には、従来のプラスチック成形法、例えば、圧
縮成形法、射出成形法、押出成形法、吹込成形法、トラ
ンスファ成形法等を採用することができるが、加工性に
優れた射出成形法、押出成形法、吹込成形法等が適して
いる。

本発明の透明体に使用することのできる具体的な形状記
憶性ポリマーとしては、ウレタン系ポリマー　スチレン
−ブタジェン系ポリマー結晶性ジエン系ポリマー　ノル
ボルネン系ポリマー等を挙げることができる。

その中でも、２官能のジイソシアネート、２官能のポリ
オール及び活性水素基を含む２官能の鎖延長剤をモル比
で２．００〜１．　Ｉ　Ｏ：　１．００　：　１．００
〜０．１０．好ましくは、１．８０〜１．２０：１．　
ＯＯ：０．８０〜０．２０で配合し、プレポリマー法に
より合成したポリウレタンであって、ポリマーの末端に
は［ＮＧＯ］と［０１１］をほぼ等量含有し、−５０〜
６０℃の範囲のガラス転移点及び３〜５０重量％の結晶
化度を有する形状記憶ポリマーが成形性に優れているた
めに、特に適している。

このポリマーは、末端に余剰の［ＮＧＯ］を実質的に含
有しないので、剛直な架橋を形成するアロファネート結
合を避けることができ、加工性の自由度を有する可塑性
鎖状ポリマーを得ることができる。また、適度の結晶化
度を付与することにより、この鎖状ポリマーに対して必
要とされる弾性率を付与することができる。

ここで、結晶化度は３〜５０重量％の範囲にあることが
好ましい。結晶化度が３重量％以下とするとガラス転移
点以上の温度でゴム弾性が小さくなり、結晶化度が５０
重量％以上とするとガラス転移点以上の温度でゴム弾性
が高くなって、ガラス転移点前後±ＩＯ’Ｃの湿度での
弾性率の比が小さくなる。

このポリマーに使用可能な原料を次に例示するが、これ
に限定されるものではない。

まず、２官能のインシアネートの例としては、一般式で
０ＣＮ−Ｒ−ＮＣＯと表記することができ、Ｈにはベン
ゼン環を１．２個有するものと全く有しないものがある
が、いずれも使用可能であり、具体的には、２．４−ト
ルエンジイソシアネート、４゜４′−ジフェニルメタン
ジイソシアネート、カルボジイミド変性の４．４′−ジ
フェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート等を挙げることができる。

２官能のポリオールの例としては、一般式でＨＯ−Ｒ’
−０１１と表記することができ、Ｒ′にはベンゼン環を
１．２個有するものと有しないもの、更には上記の２官
能のポリオールに対して２官能のカルボン酸若しくは環
状エーテルを反応させた生成物など、いずれも使用可能
であり、具体的には、ポリプロピレングリコール、１．
４−フ９ングリコールアジペート、ポリテトラメチレン
グリコール、ポリエチレングリコール、ビスフェノール
−Ａ＋プロピレンオキサイド等を挙げることができる。

活性水素基を含む２官能の鎖延長剤の例としては、一般
式でｌｏ−Ｒ’−０１１で表記することができ、Ｒ′に
は（ＣＩＩ＊）ｎ基、ベンゼン環を１．２個有する基な
ど、いずれも使用可能であり、具体的には、エチレング
リコール、１．４−ブタングリコール、ビス（２−ハイ
ドロキシエチル）ハイドロキノン、ビスフェノール−へ
十エチレンオキサイド、ビスフェノール−Ａ＋プロピレ
ンオキサイド等を挙げることができる。

これらの原料から合成したポリウレタンは、一般式で次
のように表記することができる。

＋１ＯＲ’０ｃＯＮＨ（ＲＮＨＣＯＯＲ’　０ＣＯＮＩ
Ｉ）　ｎＲＮＨＣＯＯＲ’０ＣＯＮＩＩ（ＲＮＨＣｏｏ
ＲＯＣＯＮ）ｌ）＝ＲＮＨＣＯＯＲ’０１１ｍ＝１〜１
６．　ｎ＝ｏ〜１６゜ これらの形状記憶性ポリウレタンの製造例を以下に示す
。インシアネート成分とポリオール成分を第１表に記載
のように配合し、無触媒で反応させてプレポリマーを合
成し、鎖延長剤を第１表の配合で添加し、加熱すること
によりキユアリングを施し、形状記憶ポリウレタンを得
た。

このポリウレタンの基本的物性は第１表の通りである。

表中のＴｇは、ガラス転移点（’Ｃ）を示し、Ｅ　／Ｅ
　’は、（ガラス転移点より１０℃低い温度における引
張弾性率）／（ガラス転移点より１０℃高い温度におけ
る引張弾性率）を示す。また、結晶化度（重量％）は、
Ｘ線回折法により測定した。

（実施例１） 本体に一体的に取り付けられた目覚時計の円形窓枠に透
明板状体を装着させた。窓は直径が１０ｃｒａで２１１
ＩＩｍの溝を有している。透明体は、第１表のサンプル
Ｎｏ、４０の原料配合によりプレポリマー法で合成した
ポリマー（Ｔｇ・４８°Ｃ）を用い、厚さ３■の板状体
を押出成形で成形した。この板状体から、直径１０．４
ｍｍ円板を切り出して窓材とした。この窓材の周囲を締
め付ける枠状の治具に装蒼し、約７０°Ｃに加熱してか
ら該治具を締め付けて、直径が１０ｃ＋ａより僅かに小
さくなるように変形させ、その後、室温まで放冷するこ
とにより、該変形形状を固定化した。次いで、この窓材
を目覚時計の枠にはめてから、約６０℃に加熱すると７
〜８秒で当初の平板状を回復して窓枠にぴったりと装着
された。この窓材の屈折率は１．４８であり、室温にお
ける弾性率は約１００１００Ｏ０／ｃｍ’であった。

（実施例２） 第１表のサンプルＮｏ、　３９の原料配合によりブレポ
リマー法で合成したポリマー（Ｔｇ・４０℃）を用いて
５ｓ＋Ｘ５ｍ５の角柱を押出成形法で作り、長さ３０ｃ
ｍでカットして定規を得た。

この定規は、成形時の直線形状を記憶しており、そのま
ま直線定規として使用することができる。

自在定規として使用するときには、約５０℃以上に加熱
し、必要とする形状に変形した後、ガスボンベに収容し
た冷却ガスを吹き付けて室温まで冷却し、該形状を固定
した。

従来の自在定規は、変形形状を保持することが困難であ
ったが、この定規は変形形状で固定化して、その形状で
繰り返し使用することができた。

使用後はドライヤーで再び約５０℃以上に加熱し、記憶
を戻して直線形状となし、直線定規として使用すること
ができた。

（実施例３） 第１表のサンプルＮｏ、　３８の原料配合によりプレポ
リマー法で合成したポリマー（Ｔｇ＝３５℃）を用い、
肉厚２．５■で直径３０ｃｍの球形の金魚鉢を吹込成形
法で作った。

この金魚鉢を約５０℃の湯の中に入れ、両側から力を加
えてぺちゃんこにし、室温まで冷却してこの形状を固定
化した。この形状は、場所をとらないので収納保管や運
搬にきわめて便利であった。

使用時には、約５０℃より高い温度の湯の中に入れて、
球形の記憶を回復させて金魚鉢として使用することがで
きた。また、金魚鉢を冷却する前に、金魚鉢の側面に貝
殻を押し付けて室温まで冷却することにより、球形の基
本形状に貝殻模様を付した金魚鉢を得ることができた。

（発明の効果） 本発明は、上記の構成を採用することにより、透明体に
対して基本となる形状を記憶させ、かつ、簡単な加熱変
形操作により第２の形状を付与することができ、必要に
応じて、記憶を回復させて基本記憶に戻すこともできる
。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）透明体の使用温度より高い温度にガラス転移点を
   有する形状記憶性透明ポリマーを成形して基本形状を記
   憶させた透明体であって、ガラス転移点より高い温度で
   該透明体に外力を加えて変形させ、その形状を保持して
   ガラス転移点より低い温度まで冷却することにより固定
   化した第２の形状と、さらに、ガラス転移点より高い温
   度に加熱することにより、記憶を回復させた基本形状と
   を有する形状記憶性透明体。
2. （２）請求項（１）記載の基本形状を記憶する透明体を
   ガラス転移点より高い温度に加熱し、型枠や形状保持手
   段を用いて好みの形状に変形保持した後、ガラス転移点
   より低い温度まで冷却して該形状を固定化し、第２の形
   状の透明体を取り出し、その後、基本形状を必要とする
   ときにガラス転移点より高い温度に加熱して記憶を回復
   させることを特徴とする形状記憶性透明体の成形方法。