JPH0210555Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はギターのテールピース構造に関し、
特には弦の張設構造を改善した新規なテールピー
スの構造に関する。

一般にギターの弦の張力調整はヘツド側に設け
られた調節ねじによつて行なわれるのが原則であ
つて、テールピース側は、もしそのための調節部
材があるとしても、それは二次的な微調整、いわ
ゆるフアインチユーニングのための機構として考
えるのが伝統的である。

しかるに、近年、ヘツド側の調節ねじのないギ
ター、いわゆるヘツドレスギターと呼ばれるもの
が出現するに至り、このようなギターにあつては
好むと好まざるとにかかわらず、テールピース側
において弦の調整をなさねばならない。

この考案は、テールピース側において弦の張力
の調整をなすことができる新規なテールピース構
造を提供することを目的とするものである。

この考案は、また、弦の張設から張力の調整ひ
いてはその微調整までを簡略な操作で行なうこと
ができるテールピース構造を提供することを目的
とするものである。

この考案は、ブリツジサドルが設けられたベー
スプレートと、前記ベースプレートに取り付けら
れたハウジングと、前記ハウジングに回動自在に
保持され、ウオームホイル部と該ウオームホイル
部と同心状に一体に形成されかつ弦端固定部側が
大径で巻上げ回転方向へ小径となる異形の弦巻付
胴部を備えた弦保持部とを有する回動部材と、前
記回動部材のウオームホイル部と螺合するように
前記ハウジングに回動自在に保持されたウオーム
を有する調節部材とからなることを特徴とするギ
ターのテールピース構造に係る。

以下添付の図面に従つてこの考案構造を具体的
に説明すると、第１図はいわゆるヘツドレスギタ
ーの一例を示す正面図、第２図はこの考案構造の
一例を示すギターのテールピース部分の断面図、
第３図は第２図の３−３線における断面図、第４
図は回動部材の弦巻付胴部の拡大した断面図、第
５図は回動部材における回動初期の状態を示す弦
巻付胴部の断面図、第６図は同じく回動部材の回
動後期の状態を示す弦巻付胴部の断面図である。

この考案のテールピース構造は、例えば第１図
に図示したような弦調整のためのヘツド部を持た
ないヘツドレスギターＧに使用される。もちろ
ん、この考案は、その目的と性質の範囲内におい
て、通常のギターないしは各種の弦楽器に適用さ
れることができるものであることはいうまでもな
い。

なお、第１図において符号Ｔはテールピース部
全体、符号Ａはトレモロアームを表わす。

第２図はこの考案のテールピース構造の全体を
示した断面図である。同図に図示したようにこの
考案のテールピース構造は、ベースプレート１０
と、ハウジング２０と、回動部材３０と、調節部
材４０の各部より構成される。

ベースプレート１０はギターボデイ面に取り付
けられるもので、前部にブリツジサドル１５が前
後動調節自在に設けられている。符号１７はブリ
ツジサドルの固定ねじを示す。

ハウジング２０は以下の説明で明らかにされて
いく弦調整のための各部材を保持するための外殻
部材である。このハウジング２０は、第３図の断
面図のように、各弦に対応して設けられ、第２図
の点線で示す固定ねじ２１によつて前記のベース
プレート１０の所定の切欠部に取付けられる。図
の符号２２は次述する回動部材３０のウオームホ
イル部３１を収納する円形空間で、また符号２３
は後述する調節部材４０のための保持孔部であ
る。

回動部材３０は、図示のように前記のハウジン
グ２０の円形空間２２に軸部材３２を介して回動
自在に保持されている。そして、第２図および第
３図から明らかなように、ハウジング２０側にウ
オームホイル部３１、その外側に弦保持部３３が
同心状に一体に形成されてなる。

この弦保持部３３は、弦巻付胴部３５と弦端固
定部３６を有している。弦端固定部３６は図のよ
うに例えば弦端のボールエンドＢを嵌め入れる凹
所からなり、該ボールエンドＢを係止するように
弦端固定部３６に続いて弦巻付胴部３５が形成さ
れる。

弦巻付胴部３５は第４図の断面図に明らかなよ
うに、弦端固定部３６側が大径で巻上げ回転方向
ｓへ小径となる異形の円弧形状を有している。つ
まり、弦端固定部３６に隣接する部分３５ａは大
径ｒ１に構成され、これから巻上げ回転方向ｓへ
徐々に小径ｒ２部分に至る。実施例では大径部は
小径部の２倍の大きさに構成されている。

調節部材４０は、前記回動部材３０を回動して
弦保持部３３に対する弦の巻付度合を調整してそ
の張力を調整する部材である。この調節部材４０
は前記回動部材３０のウオームホイル部３１と螺
合するウオーム４１を有していて、前記ハウジン
グ２０の保持孔部２３において前記ウオームホイ
ル部３１と歯合するように保持される。

次に第５図および第６図について、この考案の
テールピース構造の作用を説明する。

まず、弦がギターヘツド部とテールピース部に
おける弦保持部３３の弦端固定部３６との間に張
設される。この場合において、各弦は人手による
張設が不自由でないかぎりできるだけ余分な長さ
を持たないようにあらかじめ所定長さに処理され
ていることが望ましい。ギターのヘツド側におい
ては弦端を固定するだけでよいことはいうまでも
ない。

ギターヘツド部とテールピース部の間に弦の張
設がなされた後に張設部材４０を回動して弦の張
力調整がなされる。

この考案においては、この張力調整の際に、弦
のゆるみの大きい巻き始めは巻取量を多くして巻
上げを早め、ある程度巻き上げた後には巻取量を
少なくしてその微調整ができるように配慮してあ
る。

すなわち、第５図は巻き始めの状態であるが、
弦巻付部３５における弦端固定部３６は隣接する
部分は大径ｒ１に構成されているので、この状態
における弦の移動量（巻取量）は大きい。これに
対して第６図の弦巻付胴部３５は小径ｒ２側とな
るので弦の移動量（巻取量）は小さい。

つまり、調節部材４０を同じように回していて
も、弦巻付胴部は弦端固定部側が大径で巻上げ回
転方向へ小径に構成されているので、始めの巻上
げは早く行なわれ、一応の緊張がなされた後は遅
くなることによつて微妙な調整が可能となり、ス
ピーデイにかつ確実な弦の張力調整をなすことが
できるのである。

このようにこの考案のテールピース構造によれ
ば、テールピース部において、弦の張設から張力
調整までを単一の調整部材によつて、スピーデイ
にかつ確実に行なうことができるようになり、例
えばいわゆるヘツドレスギターの弦調整機構とし
て極めて有用であり、有利なものを提供すること
ができた。

【図面の簡単な説明】

第１図はいわゆるヘツドレスギターの一例を示
す正面図、第２図はこの考案構造の一例を示すギ
ターのテールピース部分の断面図、第３図は第２
図の３−３線における断面図、第４図は回動部材
の弦巻付胴部の拡大した断面図、第５図は回動部
材における回動初期の状態を示す弦巻付胴部の断
面図、第６図は同じく回動部材の回動後期の状態
を示す弦巻付胴部の断面図である。 １０……ベースプレート、１５……ブリツジサ
ドル、２０……ハウジング、３０……回動部材、
３１……ウオームホイル部、３３……弦保持部、
３５……弦巻付胴部、３６……弦端固定部、４０
……調節部材、４１……ウオーム。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ブリツジサドル１５が設けられたベースプレー
   ト１０と、 前記ベースプレートに取り付けられたハウジン
   グ２０と、 前記ハウジングに回動自在に保持され、ウオー
   ムホイル部３１と該ウオームホイル部と同心状に
   一体に形成されかつ弦端固定部３６側が大径で巻
   上げ回転方向へ小径となる異形の弦巻付胴部３５
   を備えた弦保持部３３とを有する回動部材３０
   と、 前記回動部材のウオームホイル部と螺合するよ
   うに前記ハウジングに回動自在に保持されたウオ
   ーム４１を有する調節部材４０ とからなることを特徴とするギターのテールピー
   ス構造。