JPH0210476Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は現在の月位置と誕生日における太陽位
置の方向の角度差を読み取り、その角度差を占星
術に利用することが容易にできる時計に関するも
のである。

〔従来の技術〕

本来、占星術においては、太陽、月および太陽
系内惑星の位置から運勢の鑑定を行うものである
が、それらの天体位置方向を示す角度の算出には
天文暦を利用するのが一般的な手法であつた。そ
して必要な時点における諸天体の位置を天文暦等
にたよらずに簡便に知り得る機構は存在していな
かつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

天文暦を用いる占星術においては、そのために
日常天文暦に記載された天体の位置は時刻基準が
正午であるために現在時における位置を知ろうと
するといちいち時刻補正の計算が必要であつた。
特に、天球において移動速度の早い月は、日々の
運勢に大きな影響力を持つことが判つていながら
も上述のわずらわしさの程度が大きいため、占星
術においてあまり利用されていなかつた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は前記のような占星術における問題点に
着目してなされたもので、月位置および太陽位置
を表示する機能を持つ時計を基礎とし、これに誕
生日の太陽位置を読み取る回転リングと、後述す
る座相に対する運勢情報を表示した文字板とを設
けて計算を容易にすることにより、機構が簡単で
製造が容易であると共に占いを実行するのも容易
でかつ速い時計を提供することを目的としてい
る。占星術に関係する機能部分を更に詳しく説明
すれば、本考案によつて行おうとする占星術にお
いては、例えば現在における月の位置と過去であ
る誕生日における太陽の位置との差（すなわち地
球から見た各天体の方向の差をあらわす角度で、
これを座相という）を知ることが必要であるの
で、現在の月位置及び現在の太陽位置を表示する
機能を備えた時計機能を基礎とし、これに過去の
太陽の位置および座相の計算を容易にするための
回転リングを設けたものである。

〔作用〕

即ち太陽は正確な１年周期の１回の公転運動を
行うから、過去の太陽位置は誕生日が何年前であ
るかに関係なく、今日の太陽位置と誕生日の日数
差を１年の日数差で除した商を360゜に掛けた角度
だけ誕生日における太陽の位置は今日の太陽の位
置より戻ることになる。この位置を回転リングで
求めるには、回転リングに12ヶ月で一周する目盛
を付しておき、その回転リング上の今日の位置を
読み取つた太陽の方位に合せた後、同じリング上
で被占者の誕生日に当る方位を見れば、その方位
が誕生日の方位となる。その方位と、今日の月の
方位とは容易に目算できるから、前述の座相も結
局容易に読み取れる。

次に読みとつた座相の原点を文字板上の原点に
移す。即ち回転リング上の座相を表す角度の一端
例えば現在の月の方位に当る点を文字板上の例え
ば12時の方位（文字板の原点とする）に持つて来
る。文字板上に上記原点を基準として座相に対応
した吉凶を表す運勢表示がなされているから、回
転リング上での座相を表す角度の他端（この場合
は誕生日の位置となる）と対応している運勢表示
が被占者の今日の運勢であり、これで求める結果
が得られたことになる。

〔考案の実施例〕

以下図面により詳述する。

第１図は本考案の一実施例である。月齢、太
陽、誕生月を表示する時計の外観を示す平面図、
第２図は本考案の実施例の運勢早見方法の平面図
である。

（尚本考案の基礎となる、太陽と月の方位を同
時に表示できる時計は、例えば本出願人が既に出
願した特願昭58−138936号等に開示されたものが
ほとんどそのまま使用でき、該出願に月・太陽の
表示機構や表示修正機構が詳しく開示されている
ので本考案においては表示の内部機構についての
説明を省略する。） さて第１図に戻り、１はリユウズで通常位置で
は空転し、一段引きした位置１ｂでは月齢表示を
正、反時計方向の回転で修正し、二段引きした位
置１ｃでは通常の時刻と太陽の修正を行う。２は
時計、３は分針、４は月の位置を示すための月マ
ーク４ａを設けた月板、５は太陽の位置を示すた
めの太陽マーク５ａを設けた太陽板、６は文字板
で月板４と太陽板５の対応部に12等分の目盛６ａ
と12時の位置を基準にして座相の角度に対応した
位置に運勢文字６ｃと運勢範囲６ｄを設けてあ
る。

７は回転リングで文字板６に対して任意の回転
角度の位置にセツトできる様に形成されており、
前記回転リング７は円周を12等分に分割し、１月
から12月迄の誕生月の数字７ａと誕生月の12個の
星座のシンボルマーク７ｂを反時計回りに印字
し、内側部には36等分の日付の目安の目盛７ｃを
設けてある。

現在の月位置・太陽位置は図示の通り表示され
ているが、この表示の意味は、使用者が南面して
12時方向を上にした時計面と相対した時、月位置
については月板４の中心４ｂと月マーク４ａの中
心を結ぶ線の方角（図示例では東の地平線上）、
太陽位置は太陽板５の中心５ｂと太陽マーク５ａ
の中心を結ぶ線の方角（図示例では東の地平線よ
り南中方向に向けて約60゜）となつている。（念の
ため現在の月と太陽の位置の差に言及すれば角度
にして60゜ということになる。） 次に占星術への応用について説明する。

第１図において本日が９月１日、午前10時10分
頃で誕生日が３月１日の人物の例について説明す
る。

まず占星術上の太陽位置を求める、すなわち第
１図にて太陽板５の太陽マーク５ａの位置を文字
板６の太陽板５の対応部の目盛６ａにて11時方向
であることを確認し、次に回転リングを左、右の
回転にて前記の回転リング７の９月１日の目盛７
ｅのある位置が前記太陽板５で位置確認を行つた
11時方向を指すように、文字板６の時刻目盛６ｂ
の11時の目盛線の所に合わせるようにセツトを行
う。次にそのセツト状態のままで回転リング７上
で誕生日の３月１日の所を探すと文字板６の時刻
目盛６ｂの５時の目盛線方向とにあることが読み
取れる。これが占星術上での（誕生日における）
太陽位置Ａである。次に占星術上の月位置を求め
る。すなわち第１図にて月板４の月マーク４ａの
位置を文字板６の月板４の対応部の目盛６ａにて
９時方向にあることを確認し、次に前記回転リン
グ７のセツト状態で、前記月板４で位置確認を行
つた９時方向を、文字板６の時刻目盛６ｂの９時
の所に平行移動した所が占星術上での（現在の）
月位置Ｂである。次に占星術上の座相を求める。
すなわち座相とは占星術上の太陽位置Ａと占星術
上の月位置Ｂとの相対的な角度を言い第１図にて
占星術上の太陽位置Ａと占星術上の月位置Ｂとの
相対的な角度Ｃすなわち120゜が占星術上の本日の
座相となる。

座相によつて使用者の運勢が占われる。その運
勢は大よそ次の様に分類される。

座相角度 ０度 中吉 （範囲±8゜） 〃 60度 小吉 〃 〃 90度 凶 〃 〃 120度 大吉 〃 〃 180度 凶 〃 この角度による吉凶は例えば占星術上での月位
置Ｂを回転リング７上で方向を確認すれば11月１
日の方向と目盛７ｃで読み取れる。前記回転リン
グ７上で読み取つた11月１日の目盛７ｃを、第２
図の様に文字板６上の12時位置にセツトを行い、
そのセツト状態で回転リング７上での誕生日の３
月１日の所を見ると文字板６の運勢文字６ｃ表示
で座相角度が120゜で運勢が大吉と即座に読み取る
事が出来る。

〔考案の効果〕

以上のごとく本考案によれば、月齢、太陽表示
付時計に占星術用の回転リングを加え、文字板上
に運勢文字を追加するだけで占星術に応用でき、
即座に今日の運勢等が占うことが出来る便利な時
計を価格も安く実現できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例における月齢、太
陽、誕生日を表示する時計の外観を示す平面図、
第２図は本考案の運勢早見操作状態を示す平面図
である。 ４……月板、４ａ……月マーク、５……太陽
板、５ａ……太陽マーク、６……文字板、６ａ…
…月板及び太陽板の位置読取用目盛、６ｂ……文
字板の時刻目盛、６ｃ……運勢文字、６ｄ……運
勢範囲、７……回転リング、７ａ……誕生月、７
ｂ……星座のシンボルマーク、７ｃ……日付目安
目盛。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 太陽位置及び月位置表示を備えた時計におい
   て、全周を１年とする月表示を有し手動で任意
   方向にセツト出来る回転表示装置を設けると共
   に、固定表示面に前記月表示と同心に座相に対
   応する運勢表示を設けたことを特徴とする占星
   術機能付時計。 (2) 回転表示装置は回転リングであり、かつ固定
   表示面は文字板面であることを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の占星術機能付
   時計。