JPH0210161B2 - - Google Patents
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- JPH0210161B2 JPH0210161B2 JP56100641A JP10064181A JPH0210161B2 JP H0210161 B2 JPH0210161 B2 JP H0210161B2 JP 56100641 A JP56100641 A JP 56100641A JP 10064181 A JP10064181 A JP 10064181A JP H0210161 B2 JPH0210161 B2 JP H0210161B2
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- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
本発明者等は、先に少数群放線菌ミクロエロボ
スポリア・グリゼア(Microellobosporia
grisea)が培養液中に抗腫瘍活性を有する多糖体
DH―6665Fを産生することを見出し、これを単
離することに成功した。DH―6665Fは分子量分
布が10000〜1000000と広い範囲にわたつており、
抗腫瘍作用には無関係な部分が存在することも考
えられ、また高濃度では粘稠性のため静脈内投与
が困難であり、さらに一過性の発熱等の副作用が
認められる場合があつた。 そこで本発明者等が種々検討した結果、DH―
6665Fを酸処理すると、低分子量化されると共
に、粘稠性も低下し、蛋白含量も減少し前記の副
作用の消失した、かつ抗腫瘍作用の強い多糖体
DH―6665FDが得られることを見い出し本発明
を完成した。 すなわち、本発明は多糖体DH―6665Fを低分
子量化することにより得た抗腫瘍多糖体DH―
6665FD、例えば分子量約30万のDH―6665FD30,
分子量約10万のDH―6665FD10あるいは分子量約
3万のDH―6665FD3およびそれらの製造法に関
するものである。 原料となる多糖体DH―6665Fはミクロエロボ
スポリア・グリゼアの培養液中に産生された分子
量分布が10000〜1000000、主として300000〜
800000の多糖体である。このものは、例えば
(財)発酵研究所より入手できるIFO―12518を用
いて、ブドウ糖、コーンステイープリカー等を含
む培地で24〜35℃にて数日間培養後、培養液を陰
イオン交換樹脂のカラムに通し、セチルピリジニ
ウムクロライド溶液および硼酸緩衝液を加えて沈
澱を生ぜしめ、この沈澱を水洗し、酢酸溶液に溶
解後、エタノールを加えて生じる沈澱を集め、こ
れをエタノール等で洗浄し、さらに水に溶解して
不溶物を除き、エタノールを加えて沈澱を生じさ
せ、エタノール等で洗浄後乾燥する等の操作によ
り得ることができる。 DH―6665FDを製造するにはDH―6665Fを低
分子量化するが、例えば塩酸、硫酸等の鉱酸ある
いは蟻酸等の有機酸と数十度乃至百数十度程度に
数十分乃至数時間反応させて加水分解する。反応
条件に応じて得られる多糖体の分子量が異なつて
くるので、予め少量の原料を用いて試験的に反応
を行ない、生成物の分子量分布を測定して最適条
件を定めるのが適当である。例えば、塩酸を用い
てDH―6665FDを得るための条件、すなわち、
塩酸濃度、反応温度および時間を定めるには次の
如く行なう。 DH―6665F20mgを数種類の濃度の塩酸各1ml
に溶解後、封管中で各温度条件下1乃至10時間反
応させ、冷後、炭酸ナトリウム溶液にて中和し、
3mlに定容後、高速液体クロマトグラフイーで分
子量分布を測定する。その結果、次に示す条件が
選ばれた。例えば、分子量約30万のDH―
6665FD30を得るためには、0.1N塩酸中、80℃、
約4時間あるいは0.8N塩酸中、60℃、約3.5時間
加水分解すればよい。また分子量約10万のDH―
6665FD10を得るためには、0.1N塩酸中、80℃、
約7時間あるいは0.8N塩酸中、60℃、約7時間
反応させる。また分子量約3万のDH―6665FD3
を得るためには、0.2N塩酸中80℃、約6.5時間あ
るいは1.6N塩酸中、60℃、約4.5時間反応させれ
ばよい。 反応液は、水酸化アルカリ、炭酸アルカリ、陰
イオン交換樹脂(CO2- 3型)等を用いて中和し、
得られる溶液の数倍量の低級アルコール、特にエ
タノール中に撹拌下加えて沈澱を生ぜしめ、これ
を集めて80%エタノール等で洗浄後、水に溶解
し、原料多糖体の5〜50倍量の陰イオン交換樹脂
と陽イオン交換樹脂のカラムを通過させる。得ら
れる液を適当な濃度、例えば、多糖体の濃度が2
〜3%(W/V)になる様に濃縮し数倍量、例え
ば、3倍量のエタノール中に撹拌下加えて生ずる
沈澱を集めて、例えば、80%エタノール、エタノ
ール、アセトン、エチルエーテルで順次洗浄後、
乾燥すれば無味無臭の白色粉末のDH―6665FD
が得られる。 以上の如くして得られたDH―6665FDについ
て物理学的、化学的及び生物学的諸性質について
以下に詳述する。 物理学的ならびに化学的性質 〔1〕 呈色反応 DH―6665FD30,DH―6665FD10およびDH
―6665FD3につき、それらの水溶液を用いて
種々の呈色反応を試験した結果は表1の通りで
ある。 【表】 〔2〕 溶解性 DH―6665FD30,DH―6665FD10およびDH
―6665FD3は、いづれも水に易溶であり、メタ
ノール、エタノール、n―ブタノール、酢酸エ
チル、酢酸ブチル、アセトン、エチルエーテ
ル、石油エーテル、n―ヘキサン、エチレング
リコール、プロピレングリコール、ピリジン等
の有機溶媒にはほとんど溶けない。 〔3〕 旋光性 1%水溶液における比旋光度〔α〕25 Dは、DH
―6665FD30が+65±5゜、DH―6665FD10が+61
±5゜、またDH―6665FD3が+57±5゜であつた。 〔4〕 元素分析値 DH―6665FD30、DH―6665FD10およびDH
―6665FD3は、いづれもC41〜44%、H5.5〜7.0
%、N0.4%以下であり、バイルシユタイン法
および金属ナトリウムと熔融後硝酸銀反応でハ
ロゲンを認めず、フオール(Vohl)反応で硫
黄を認めない。 〔5〕 分子量 ゲル濾過法によつて測定した結果によれば
DH―6665FD30の分子量は300000±60000、DH
―6665FD10は100000±20000、またDH―
6665FD3は30000±6000を中心とする単一のピ
ークの分布を示す。 東洋曹達工業製HLC―827高速液体クロマト
グラフに接続したG―4000SWカラム(7.5×
600mm、東洋曹達工業製)にDH―6665FD30、
DH―6665FD10、DH―6665FD3およびDH―
6665Fを各々4mg/0.5ml注入し、0.1M食塩水
により流速1.1ml/minで溶出し、示差屈折計
で検出した場合の分子量分布をデキストランT
―10、T―40およびT―500(フアルマシア・フ
アインケミカルズ社製)の溶出位置と共に図1
および図2に示した。 〔6〕 赤外線吸収分析 DH―6665FD30、DH―6665FD10およびDH
―6665FD3を含むKBr錠について測定した赤外
線吸収スペクトルは、それぞれ図3,4および
5に示す如くである。 〔7〕 構成糖類 DH―6665FD30、DH―6665FD10、DH―
6665FD3およびDH―6665Fを各々1N硫酸に溶
解し、封管中で100℃に於て6時間加水分解後、
硫酸を除き、Kieselgel60F254(Merck社製)の
薄層上、iso―プロパノール・ピリジン・水・
酢酸(8:8:4:1容)、或はn―ブタノー
ル・iso―プロパノール・水(5:3:1容)
で上昇法によるクロマトグラフイーを行なつた
後、p―アニスアルデヒド・硫酸・95%エタノ
ール(0.5:0.5:9容)試薬で呈色せしめた結
果、D―グルコースとD―マンノースの存在を
確認した。 〔8〕 蛋白部分と構成アミノ酸 ローリー・フオリン法によつて牛血清アルブ
ミンを標準として測定した結果、DH―
6665FD30およびDH―6665Fの蛋白部分は各々
0.3%以下と0.3〜1.0%であつた。また、両物質
を3N塩酸に溶かし、封管中、100℃で16時間加
水分解した後、アミノ酸自動分析機(日立
KLA―5型)により分析した結果は表2に示
す通りであるが、DH―6665FD30のアミノ酸含
量はDH―6665Fに比し概ね半減したことが認
められる。 【表】 【表】 【表】 〔9〕 DH―6665FDおよびDH―6665Fの多糖
部分の構造 構造を解明するために以下の分析を行なつ
た。 (a) DH―6665FD30、DH―6665FD10、DH―
6665FD3およびDH―6665Fを各々完全酸加
水分解後常法によりアルジトール・アセテー
トとしてガスクロマトグラフイーによつて分
離定量した結果は、表3の通りであつた(モ
ル比)。 【表】 (b) DH―6665FD30、DH―6665FD3およびDH
―6665Fを箱守法により完全メチル化後、常
法によりアルジトール・アセテートとしてガ
スクロマトグラフイーよつて分析した結果
は、表4の通りであつた(モル比)。 【表】 【表】 (c) DH―6665Fの完全スミス分解及び緩和ス
ミス分解の結果は、表5の通りであつた(モ
ル比)。 【表】 (d) DH―6665Fの緩和スミス分解産物として、
2―O―β―D―グルコシル―D―エリスリ
トールが得られた。 (e) DH―6665Fのアセトリシスによつて二糖
として、3―O―α―D―マンノシル―D―
グルコースとセロビオース(4―O―β―D
―グルコシル―D―グルコース)が得られ
た。 (f) DH―6665Fの部分酸加水分解によつて、
二糖として、6―O―α―D―マンノシル―
D―グルコースとセロビオースが得られた。 (g) DH―6665Fの部分酸加水分解によつて得
られる種々の低分子量化体(MW5×103〜7
×104)の還元末端基を分析した結果、グル
コースのみであつた。 以上の分析結果を総合してDH―6665Fの主構
造を次式の如く推定した。 G:D―グルコース残基 M:D―マンノース残基 また本物質DH―6665FD30、DH―6665FD10お
よびDH―6665FD3などの構造は、表3および表
4の結果から、上式に示されたDH―6665Fの構
造において、主鎖β―1,4―D―グルカンの切
断による低分子量化と同時に、側鎖マンノースの
うち主として3位マンノースが一部脱離したもの
と推定された。 生物学的性質 〔1〕 急性毒性 正常のddYマウス(雄、体重25〜27g)を用
い、DH―6665FD3、DH―6665FD10およびDH―
6665FD30の溶液(生理食塩水又は蒸溜水に溶解)
を腹腔内および経口で投与した場合のLD50値は、
いずれも2000mg/Kg以上であつた。 〔2〕 抗腫瘍作用 マウス同種腫瘍(Allogeneic tumor)および
同系腫瘍(Syngeneic tumor)について検討した
結果を以下に例示する。 A マウス同種移植癌 エーリツヒ固型癌に対する効果 a 腹腔内投与の場合 3×106個のエーリツヒ癌細胞を各々のddyマ
ウスのそけい部皮下に接種し、癌移植後12および
17日目の2回、生理食塩水に溶解した各試料を腹
腔内に投与した。実験各群のマウスは7匹とし、
移植後26日目にマウスを屠殺して摘出した癌の重
量を測定し、対照群のそれと比較した。また、活
性対照としてレンチナンおよびDH―6665Fの至
適投与量を同様に投与し比較した。実験終了後の
各群の腫瘍重量の平均値(T)とその対照群(C)に
対する百分率(T/C×100%)を表6に示した。 【表】 b 経口投与の場合 5×105個のエーリツヒ癌細胞を、各々のICR
マウスのそけい部皮下に移植し、24時間後から連
日17回各試料の水溶液を経口投与した。各群のマ
ウスは5匹とし、癌移植後24日目の腫瘍重量を前
述の方法で対照群と比較した。なお活性対照とし
てクレスチン(PS―K)およびDH―6665Fを用
い結果を表7に示した。 【表】 B マウス同系移植癌 MM46乳癌に対する効果 a 腹腔内投与の場合 近交系C3H/Heマウスを用い、MM46癌細胞
4×106個を各マウスのそけい部皮下に接種し、
移植後12および17日目の2回、生理食塩水に溶解
した各試料を腹腔内に投与した。各実験群のマウ
スは7匹とし、さらに移植後31日目にマウスを屠
殺し、摘出した癌の重量を測定した。腫瘍重量の
平均値(T)と対照群(C)のそれに対する百分率
(T/C×100、%)を表8に示した。なお活性対
照としてレンチナンおよびDH―6665Fの至適投
与量を同様に投与し比較した。 【表】 【表】 b 皮下投与の場合 C3H/HeマウスにMM46癌細胞を既述のごと
くそけい部皮下に接種し、癌移植後12および17日
目の2回、生理食塩水に溶解した各試料を背部皮
下に投与した。各実験群のマウスは7匹とし、移
植後29日目にマウスを屠殺し、摘出した癌の重量
を対照群のそれと比較した。なお、活性対照とし
てDH―6665F及びピシバニール(OK―432)を
用い、その結果を表9に示した。 【表】 c 経口投与の場合 C3H/HeマウスにMM46癌細胞を既述のごと
く皮下に接種し、癌移植後24時間から各試料の水
溶液を連続して16回経口投与した。各実験群のマ
ウスは5〜6匹とし、移植後23日目にマウスを屠
殺し、摘出した癌の重量を対照群のそれと、これ
も既述のごとく比較した。なお、活性対照として
クレスチン(PS―K)を用い、その結果を表10
に示した。 【表】 以上の結果にみられる如く、本発明の抗腫瘍多
糖体DH―6665Fの低分子化体DH―6665FD3、
DH―6665FD10およびDH―6665FD30はマウス同
種腫瘍のみならず、同系腫瘍に対しても有効であ
り、また腹腔内、皮下および経口投与によつても
優れた効果を示す点に著しい特徴を有する。 また活性対照として用いたレンチナン、クレス
チン(PS―K)、ピシバニール(OK―432)と比
較しても、優れた抗腫瘍性を示す物質であること
が明らかである。 〔3〕 免疫学的作用(遅延型アレルギー反応の
惹起) エーリツヒ癌又はMM46乳癌を皮下に移植した
担癌マウスに対し、同じ癌細胞の超音波破砕遠心
上清を癌抗原として、その足掌に投与した場合腫
脹がみられる。これは投与部位において、いわゆ
る古典的な抗原抗体反応が起こると共に、その結
果誘起された遅延型アレルギー反応であると考え
られる。またこの場合、免疫賦活性作用を示す物
質を投与することにより、マウスにおけるこの反
応が強く発現することが知られている(Gann,
67,685〜692(1976))。 以下2つのマウス腫瘍系を用いて、この反応に
対するDH―6665FD3、DH―6665FD10およびDH
―6665FD30の作用を検討した。 a エーリツヒ担癌マウスに経口投与した場合 マウス同種腫瘍エーリツヒ癌細胞5×105個を
各々のICRマウスのそけい部皮下に接種し、24時
間後から試料水溶液を連続17回経口投与した。活
性対照としてはクレスチン(PS―K)およびDH
―6665Fを同様に投与し、各実験群のマウスは5
匹とした。癌移植後21日目にエーリツヒ癌細胞の
破砕遠心上清を抗原として、マウス当たり200μ
gの蛋白量(Lowry法)を各群のマウスの後肢
足掌皮内に投与した。マウスの足掌の厚みは癌抗
原投与直前(0時間)および正確に24時間後にダ
イヤル・シツクネス・ゲージを用いて測定し、24
時間値から0時間値を引いた値を腫脹増加量とし
て算出した。その結果を表11に示した。 【表】 b MM46担癌マウスに経口投与した場合 マウス同系腫脹MM46乳癌4×106個をC3H/
Heマウスのそけい部皮下に移植し、5日後より
試料水溶液を連日16回経口投与した。活性対照と
してはクレスチン(PS―K)およびDH―6665F
を同様に投与し比較し、各群のマウスは1群8匹
とした。癌移植後22日目にMM46癌細胞の破砕遠
心上清を抗原として、マウス当たり600μgの蛋
白量(Lowry法)を各群のマウスの後肢足掌皮
内に投与した。実験方法および腫脹測定法は、エ
ーリツヒ癌の場合と同様に行ない、その結果を表
12に示した。 【表】 以上の結果より、本発明の抗腫瘍多糖体DH―
6665Fの低分子化体DH―6665FD3、DH―
6665FD10およびDH―6665FD30は癌抗原に対す
る担癌マウスの遅延型アレルギー反応を経口投与
により惹起し、活性対照として用いたクレスチン
(PS―K)と同様に、宿主の免疫能を促進する作
用を有することが認められた。これは、本物質の
抗腫瘍性は宿主介在の作用によるものであること
を支持するものである。 参考例 ブドウ糖2%(W/V)、ペプトン0.5%(W/
V)、コーンステイープリカー0.5%(W/V)、
粉末酵母エキス0.3%(W/V)、食塩0.5%
(W/V)から成る培地(PH7.0)100mlを内容500
mlの三角フラスコに仕込んで滅菌し、これにミク
ロエロボスポリア・グリゼア(IFO―12518)の
寒天斜面培養から一白金鉤接種し、28℃で5日間
回転振盪培養した。この培養液2mlを上記と同じ
培地100mlを含む500ml容の三角フラスコ2本に
各々接種し、28℃で3日間回転振盪培養した。こ
の第2段種培養液200mlを再び上記と同じ培地20
を含む30容ジヤーフアーメンターに接種し、
28℃に於て通気量10/分、内圧0.5Kg/cm2、回
転数250rpmで66時間培養した。 この第3段種培養液20をブドウ糖3.0%
(W/V)、コーンステイープリカー2.0%(W/
V)および消泡剤としてアデカノールLG805(旭
電化製)0.05%(W/V)から成る培地(PH7.2)
1000を仕込んだ1500容フアーメンターに接種
し、28℃に於て通気量500/分、内圧0.5Kg/
cm2、回転数165rpmで88時間培養した。培養終了
後、培養液を80℃で20分間加熱した後、冷却しラ
ジオライト#900(昭和化学工業製)を20Kg加え、
フイルタープレスにて濾過し水洗した。濾液と洗
液とを合してダイヤイオンPA306(Cl-型)30を
充填したカラム(20cm×100cm)2本にSV5の流
速で通過させて、次いで脱イオン水でカラムを洗
浄した。通過液と洗液とを合した液1200に10%
セチルピリジニウムクロライド溶液25を加え、
次いで硼酸緩衝液(溶液1中に硼砂100g、苛
性ソーダ25gを含む)50を加えた。生じた沈澱
を集め、洗液が中性になるまで充分に水洗した。
沈澱物を2%酢酸溶液100に溶解し、エタノー
ル300を加えて再び沈澱を形成せしめた。生じ
た沈澱を集めて75%エタノール、エタノール次い
でアセトンで順次洗浄した後、真空乾燥し白色粉
末1.99Kgを得た。 ここに得られた粉末1.0Kgを70の水に溶解し、
13200×Gで5分間連続的に遠心分離し、得られ
た上澄液を減圧下で25まで濃縮した。この濃縮
液にエタノール75を加え、更に酢酸ソーダ飽和
のエタノール2を加えて沈澱を形成せしめた。
沈澱を集め、75%エタノール、エタノール次いで
アセトンで順次洗浄後、真空乾燥し、DH―
6665Fの白色粉末910gを得た。元素分析値C43.6
%、H6.4%、N0.4%。〔α〕25 D+61゜(1%水溶液)
。
グルコース/マンノース比(モル比)=1.14。 実施例 1 DH―6665F100gを0.1N塩酸4に溶解し、恒
温槽中、内温80℃で4時間加熱反応後氷冷した。
反応液を5N苛性ソーダにて中和後エタノール18
中に撹拌下加えて、生じる白色沈澱を集め、こ
れを脱イオン水5に溶かし、エタノール18中
に撹拌下加えて生じる沈澱を集め、80%エタノー
ルにて洗浄した。得られた沈澱を再び脱イオン水
5に溶かし、ダウエツクス1(Cl-型、米国ダウ
ケミカル社製)1を充填したカラムに通し、次
いで脱イオン水にてカラムを洗い、通過液と洗液
を合した。この液をダウエツクス50(H+型、米国
ダウケミカル社製)0.5を充填したカラムに通
し、次いで脱イオン水にてカラムを洗い、通過液
と洗液を合し、これに5%酢酸ソーダ溶液50mlを
加えた後、約4まで減圧濃縮した。得られた濃
縮液をエタノール12中に撹拌下加えて生じる白
色沈澱を集め、80%エタノール、エタノール、ア
セトンにて順次洗つた後、真空乾燥してDH―
6665FD30の白色粉末86.0gを得た。 実施例 2 DH―6665F100gを0.8N塩酸5に溶解し、内
温60℃で3.5時間加熱反応後氷冷した。反応液を
10N苛性ソーダにて中和後以下実施例1に従つ
て、DH―6665FD30の白色粉末85.6gを得た。 実施例 3 DH―6665F100gを0.1N塩酸5に溶解し、内
温80℃で7時間加熱反応後、以下実施例1に従つ
て、DH―6665FD10の白色粉末84.2gを得た。 実施例 4 DH―6665F100gを0.8N塩酸5に溶解し、内
温60℃で7時間加熱反応後氷冷した。反応液を
10N苛性ソーダにて中和後、以下実施例1に従つ
て、DH―6665FD10の白色粉末を82.8g得た。 実施例 5 DH―6665F100gを0.2N塩酸5に溶解し、内
温80℃で6.5時間加熱反応後、以下実施例1に従
つて、DH―6665FD3の白色粉末を76.3g得た。 実施例 6 DH―6665F100gを1.6N塩酸5に溶解し、内
温60℃で4.5時間加熱反応後、氷冷した。反応液
を10N苛性ソーダにて中和後、以下実施例1に従
つて、DH―6665FD3の白色粉末を74.0g得た。
スポリア・グリゼア(Microellobosporia
grisea)が培養液中に抗腫瘍活性を有する多糖体
DH―6665Fを産生することを見出し、これを単
離することに成功した。DH―6665Fは分子量分
布が10000〜1000000と広い範囲にわたつており、
抗腫瘍作用には無関係な部分が存在することも考
えられ、また高濃度では粘稠性のため静脈内投与
が困難であり、さらに一過性の発熱等の副作用が
認められる場合があつた。 そこで本発明者等が種々検討した結果、DH―
6665Fを酸処理すると、低分子量化されると共
に、粘稠性も低下し、蛋白含量も減少し前記の副
作用の消失した、かつ抗腫瘍作用の強い多糖体
DH―6665FDが得られることを見い出し本発明
を完成した。 すなわち、本発明は多糖体DH―6665Fを低分
子量化することにより得た抗腫瘍多糖体DH―
6665FD、例えば分子量約30万のDH―6665FD30,
分子量約10万のDH―6665FD10あるいは分子量約
3万のDH―6665FD3およびそれらの製造法に関
するものである。 原料となる多糖体DH―6665Fはミクロエロボ
スポリア・グリゼアの培養液中に産生された分子
量分布が10000〜1000000、主として300000〜
800000の多糖体である。このものは、例えば
(財)発酵研究所より入手できるIFO―12518を用
いて、ブドウ糖、コーンステイープリカー等を含
む培地で24〜35℃にて数日間培養後、培養液を陰
イオン交換樹脂のカラムに通し、セチルピリジニ
ウムクロライド溶液および硼酸緩衝液を加えて沈
澱を生ぜしめ、この沈澱を水洗し、酢酸溶液に溶
解後、エタノールを加えて生じる沈澱を集め、こ
れをエタノール等で洗浄し、さらに水に溶解して
不溶物を除き、エタノールを加えて沈澱を生じさ
せ、エタノール等で洗浄後乾燥する等の操作によ
り得ることができる。 DH―6665FDを製造するにはDH―6665Fを低
分子量化するが、例えば塩酸、硫酸等の鉱酸ある
いは蟻酸等の有機酸と数十度乃至百数十度程度に
数十分乃至数時間反応させて加水分解する。反応
条件に応じて得られる多糖体の分子量が異なつて
くるので、予め少量の原料を用いて試験的に反応
を行ない、生成物の分子量分布を測定して最適条
件を定めるのが適当である。例えば、塩酸を用い
てDH―6665FDを得るための条件、すなわち、
塩酸濃度、反応温度および時間を定めるには次の
如く行なう。 DH―6665F20mgを数種類の濃度の塩酸各1ml
に溶解後、封管中で各温度条件下1乃至10時間反
応させ、冷後、炭酸ナトリウム溶液にて中和し、
3mlに定容後、高速液体クロマトグラフイーで分
子量分布を測定する。その結果、次に示す条件が
選ばれた。例えば、分子量約30万のDH―
6665FD30を得るためには、0.1N塩酸中、80℃、
約4時間あるいは0.8N塩酸中、60℃、約3.5時間
加水分解すればよい。また分子量約10万のDH―
6665FD10を得るためには、0.1N塩酸中、80℃、
約7時間あるいは0.8N塩酸中、60℃、約7時間
反応させる。また分子量約3万のDH―6665FD3
を得るためには、0.2N塩酸中80℃、約6.5時間あ
るいは1.6N塩酸中、60℃、約4.5時間反応させれ
ばよい。 反応液は、水酸化アルカリ、炭酸アルカリ、陰
イオン交換樹脂(CO2- 3型)等を用いて中和し、
得られる溶液の数倍量の低級アルコール、特にエ
タノール中に撹拌下加えて沈澱を生ぜしめ、これ
を集めて80%エタノール等で洗浄後、水に溶解
し、原料多糖体の5〜50倍量の陰イオン交換樹脂
と陽イオン交換樹脂のカラムを通過させる。得ら
れる液を適当な濃度、例えば、多糖体の濃度が2
〜3%(W/V)になる様に濃縮し数倍量、例え
ば、3倍量のエタノール中に撹拌下加えて生ずる
沈澱を集めて、例えば、80%エタノール、エタノ
ール、アセトン、エチルエーテルで順次洗浄後、
乾燥すれば無味無臭の白色粉末のDH―6665FD
が得られる。 以上の如くして得られたDH―6665FDについ
て物理学的、化学的及び生物学的諸性質について
以下に詳述する。 物理学的ならびに化学的性質 〔1〕 呈色反応 DH―6665FD30,DH―6665FD10およびDH
―6665FD3につき、それらの水溶液を用いて
種々の呈色反応を試験した結果は表1の通りで
ある。 【表】 〔2〕 溶解性 DH―6665FD30,DH―6665FD10およびDH
―6665FD3は、いづれも水に易溶であり、メタ
ノール、エタノール、n―ブタノール、酢酸エ
チル、酢酸ブチル、アセトン、エチルエーテ
ル、石油エーテル、n―ヘキサン、エチレング
リコール、プロピレングリコール、ピリジン等
の有機溶媒にはほとんど溶けない。 〔3〕 旋光性 1%水溶液における比旋光度〔α〕25 Dは、DH
―6665FD30が+65±5゜、DH―6665FD10が+61
±5゜、またDH―6665FD3が+57±5゜であつた。 〔4〕 元素分析値 DH―6665FD30、DH―6665FD10およびDH
―6665FD3は、いづれもC41〜44%、H5.5〜7.0
%、N0.4%以下であり、バイルシユタイン法
および金属ナトリウムと熔融後硝酸銀反応でハ
ロゲンを認めず、フオール(Vohl)反応で硫
黄を認めない。 〔5〕 分子量 ゲル濾過法によつて測定した結果によれば
DH―6665FD30の分子量は300000±60000、DH
―6665FD10は100000±20000、またDH―
6665FD3は30000±6000を中心とする単一のピ
ークの分布を示す。 東洋曹達工業製HLC―827高速液体クロマト
グラフに接続したG―4000SWカラム(7.5×
600mm、東洋曹達工業製)にDH―6665FD30、
DH―6665FD10、DH―6665FD3およびDH―
6665Fを各々4mg/0.5ml注入し、0.1M食塩水
により流速1.1ml/minで溶出し、示差屈折計
で検出した場合の分子量分布をデキストランT
―10、T―40およびT―500(フアルマシア・フ
アインケミカルズ社製)の溶出位置と共に図1
および図2に示した。 〔6〕 赤外線吸収分析 DH―6665FD30、DH―6665FD10およびDH
―6665FD3を含むKBr錠について測定した赤外
線吸収スペクトルは、それぞれ図3,4および
5に示す如くである。 〔7〕 構成糖類 DH―6665FD30、DH―6665FD10、DH―
6665FD3およびDH―6665Fを各々1N硫酸に溶
解し、封管中で100℃に於て6時間加水分解後、
硫酸を除き、Kieselgel60F254(Merck社製)の
薄層上、iso―プロパノール・ピリジン・水・
酢酸(8:8:4:1容)、或はn―ブタノー
ル・iso―プロパノール・水(5:3:1容)
で上昇法によるクロマトグラフイーを行なつた
後、p―アニスアルデヒド・硫酸・95%エタノ
ール(0.5:0.5:9容)試薬で呈色せしめた結
果、D―グルコースとD―マンノースの存在を
確認した。 〔8〕 蛋白部分と構成アミノ酸 ローリー・フオリン法によつて牛血清アルブ
ミンを標準として測定した結果、DH―
6665FD30およびDH―6665Fの蛋白部分は各々
0.3%以下と0.3〜1.0%であつた。また、両物質
を3N塩酸に溶かし、封管中、100℃で16時間加
水分解した後、アミノ酸自動分析機(日立
KLA―5型)により分析した結果は表2に示
す通りであるが、DH―6665FD30のアミノ酸含
量はDH―6665Fに比し概ね半減したことが認
められる。 【表】 【表】 【表】 〔9〕 DH―6665FDおよびDH―6665Fの多糖
部分の構造 構造を解明するために以下の分析を行なつ
た。 (a) DH―6665FD30、DH―6665FD10、DH―
6665FD3およびDH―6665Fを各々完全酸加
水分解後常法によりアルジトール・アセテー
トとしてガスクロマトグラフイーによつて分
離定量した結果は、表3の通りであつた(モ
ル比)。 【表】 (b) DH―6665FD30、DH―6665FD3およびDH
―6665Fを箱守法により完全メチル化後、常
法によりアルジトール・アセテートとしてガ
スクロマトグラフイーよつて分析した結果
は、表4の通りであつた(モル比)。 【表】 【表】 (c) DH―6665Fの完全スミス分解及び緩和ス
ミス分解の結果は、表5の通りであつた(モ
ル比)。 【表】 (d) DH―6665Fの緩和スミス分解産物として、
2―O―β―D―グルコシル―D―エリスリ
トールが得られた。 (e) DH―6665Fのアセトリシスによつて二糖
として、3―O―α―D―マンノシル―D―
グルコースとセロビオース(4―O―β―D
―グルコシル―D―グルコース)が得られ
た。 (f) DH―6665Fの部分酸加水分解によつて、
二糖として、6―O―α―D―マンノシル―
D―グルコースとセロビオースが得られた。 (g) DH―6665Fの部分酸加水分解によつて得
られる種々の低分子量化体(MW5×103〜7
×104)の還元末端基を分析した結果、グル
コースのみであつた。 以上の分析結果を総合してDH―6665Fの主構
造を次式の如く推定した。 G:D―グルコース残基 M:D―マンノース残基 また本物質DH―6665FD30、DH―6665FD10お
よびDH―6665FD3などの構造は、表3および表
4の結果から、上式に示されたDH―6665Fの構
造において、主鎖β―1,4―D―グルカンの切
断による低分子量化と同時に、側鎖マンノースの
うち主として3位マンノースが一部脱離したもの
と推定された。 生物学的性質 〔1〕 急性毒性 正常のddYマウス(雄、体重25〜27g)を用
い、DH―6665FD3、DH―6665FD10およびDH―
6665FD30の溶液(生理食塩水又は蒸溜水に溶解)
を腹腔内および経口で投与した場合のLD50値は、
いずれも2000mg/Kg以上であつた。 〔2〕 抗腫瘍作用 マウス同種腫瘍(Allogeneic tumor)および
同系腫瘍(Syngeneic tumor)について検討した
結果を以下に例示する。 A マウス同種移植癌 エーリツヒ固型癌に対する効果 a 腹腔内投与の場合 3×106個のエーリツヒ癌細胞を各々のddyマ
ウスのそけい部皮下に接種し、癌移植後12および
17日目の2回、生理食塩水に溶解した各試料を腹
腔内に投与した。実験各群のマウスは7匹とし、
移植後26日目にマウスを屠殺して摘出した癌の重
量を測定し、対照群のそれと比較した。また、活
性対照としてレンチナンおよびDH―6665Fの至
適投与量を同様に投与し比較した。実験終了後の
各群の腫瘍重量の平均値(T)とその対照群(C)に
対する百分率(T/C×100%)を表6に示した。 【表】 b 経口投与の場合 5×105個のエーリツヒ癌細胞を、各々のICR
マウスのそけい部皮下に移植し、24時間後から連
日17回各試料の水溶液を経口投与した。各群のマ
ウスは5匹とし、癌移植後24日目の腫瘍重量を前
述の方法で対照群と比較した。なお活性対照とし
てクレスチン(PS―K)およびDH―6665Fを用
い結果を表7に示した。 【表】 B マウス同系移植癌 MM46乳癌に対する効果 a 腹腔内投与の場合 近交系C3H/Heマウスを用い、MM46癌細胞
4×106個を各マウスのそけい部皮下に接種し、
移植後12および17日目の2回、生理食塩水に溶解
した各試料を腹腔内に投与した。各実験群のマウ
スは7匹とし、さらに移植後31日目にマウスを屠
殺し、摘出した癌の重量を測定した。腫瘍重量の
平均値(T)と対照群(C)のそれに対する百分率
(T/C×100、%)を表8に示した。なお活性対
照としてレンチナンおよびDH―6665Fの至適投
与量を同様に投与し比較した。 【表】 【表】 b 皮下投与の場合 C3H/HeマウスにMM46癌細胞を既述のごと
くそけい部皮下に接種し、癌移植後12および17日
目の2回、生理食塩水に溶解した各試料を背部皮
下に投与した。各実験群のマウスは7匹とし、移
植後29日目にマウスを屠殺し、摘出した癌の重量
を対照群のそれと比較した。なお、活性対照とし
てDH―6665F及びピシバニール(OK―432)を
用い、その結果を表9に示した。 【表】 c 経口投与の場合 C3H/HeマウスにMM46癌細胞を既述のごと
く皮下に接種し、癌移植後24時間から各試料の水
溶液を連続して16回経口投与した。各実験群のマ
ウスは5〜6匹とし、移植後23日目にマウスを屠
殺し、摘出した癌の重量を対照群のそれと、これ
も既述のごとく比較した。なお、活性対照として
クレスチン(PS―K)を用い、その結果を表10
に示した。 【表】 以上の結果にみられる如く、本発明の抗腫瘍多
糖体DH―6665Fの低分子化体DH―6665FD3、
DH―6665FD10およびDH―6665FD30はマウス同
種腫瘍のみならず、同系腫瘍に対しても有効であ
り、また腹腔内、皮下および経口投与によつても
優れた効果を示す点に著しい特徴を有する。 また活性対照として用いたレンチナン、クレス
チン(PS―K)、ピシバニール(OK―432)と比
較しても、優れた抗腫瘍性を示す物質であること
が明らかである。 〔3〕 免疫学的作用(遅延型アレルギー反応の
惹起) エーリツヒ癌又はMM46乳癌を皮下に移植した
担癌マウスに対し、同じ癌細胞の超音波破砕遠心
上清を癌抗原として、その足掌に投与した場合腫
脹がみられる。これは投与部位において、いわゆ
る古典的な抗原抗体反応が起こると共に、その結
果誘起された遅延型アレルギー反応であると考え
られる。またこの場合、免疫賦活性作用を示す物
質を投与することにより、マウスにおけるこの反
応が強く発現することが知られている(Gann,
67,685〜692(1976))。 以下2つのマウス腫瘍系を用いて、この反応に
対するDH―6665FD3、DH―6665FD10およびDH
―6665FD30の作用を検討した。 a エーリツヒ担癌マウスに経口投与した場合 マウス同種腫瘍エーリツヒ癌細胞5×105個を
各々のICRマウスのそけい部皮下に接種し、24時
間後から試料水溶液を連続17回経口投与した。活
性対照としてはクレスチン(PS―K)およびDH
―6665Fを同様に投与し、各実験群のマウスは5
匹とした。癌移植後21日目にエーリツヒ癌細胞の
破砕遠心上清を抗原として、マウス当たり200μ
gの蛋白量(Lowry法)を各群のマウスの後肢
足掌皮内に投与した。マウスの足掌の厚みは癌抗
原投与直前(0時間)および正確に24時間後にダ
イヤル・シツクネス・ゲージを用いて測定し、24
時間値から0時間値を引いた値を腫脹増加量とし
て算出した。その結果を表11に示した。 【表】 b MM46担癌マウスに経口投与した場合 マウス同系腫脹MM46乳癌4×106個をC3H/
Heマウスのそけい部皮下に移植し、5日後より
試料水溶液を連日16回経口投与した。活性対照と
してはクレスチン(PS―K)およびDH―6665F
を同様に投与し比較し、各群のマウスは1群8匹
とした。癌移植後22日目にMM46癌細胞の破砕遠
心上清を抗原として、マウス当たり600μgの蛋
白量(Lowry法)を各群のマウスの後肢足掌皮
内に投与した。実験方法および腫脹測定法は、エ
ーリツヒ癌の場合と同様に行ない、その結果を表
12に示した。 【表】 以上の結果より、本発明の抗腫瘍多糖体DH―
6665Fの低分子化体DH―6665FD3、DH―
6665FD10およびDH―6665FD30は癌抗原に対す
る担癌マウスの遅延型アレルギー反応を経口投与
により惹起し、活性対照として用いたクレスチン
(PS―K)と同様に、宿主の免疫能を促進する作
用を有することが認められた。これは、本物質の
抗腫瘍性は宿主介在の作用によるものであること
を支持するものである。 参考例 ブドウ糖2%(W/V)、ペプトン0.5%(W/
V)、コーンステイープリカー0.5%(W/V)、
粉末酵母エキス0.3%(W/V)、食塩0.5%
(W/V)から成る培地(PH7.0)100mlを内容500
mlの三角フラスコに仕込んで滅菌し、これにミク
ロエロボスポリア・グリゼア(IFO―12518)の
寒天斜面培養から一白金鉤接種し、28℃で5日間
回転振盪培養した。この培養液2mlを上記と同じ
培地100mlを含む500ml容の三角フラスコ2本に
各々接種し、28℃で3日間回転振盪培養した。こ
の第2段種培養液200mlを再び上記と同じ培地20
を含む30容ジヤーフアーメンターに接種し、
28℃に於て通気量10/分、内圧0.5Kg/cm2、回
転数250rpmで66時間培養した。 この第3段種培養液20をブドウ糖3.0%
(W/V)、コーンステイープリカー2.0%(W/
V)および消泡剤としてアデカノールLG805(旭
電化製)0.05%(W/V)から成る培地(PH7.2)
1000を仕込んだ1500容フアーメンターに接種
し、28℃に於て通気量500/分、内圧0.5Kg/
cm2、回転数165rpmで88時間培養した。培養終了
後、培養液を80℃で20分間加熱した後、冷却しラ
ジオライト#900(昭和化学工業製)を20Kg加え、
フイルタープレスにて濾過し水洗した。濾液と洗
液とを合してダイヤイオンPA306(Cl-型)30を
充填したカラム(20cm×100cm)2本にSV5の流
速で通過させて、次いで脱イオン水でカラムを洗
浄した。通過液と洗液とを合した液1200に10%
セチルピリジニウムクロライド溶液25を加え、
次いで硼酸緩衝液(溶液1中に硼砂100g、苛
性ソーダ25gを含む)50を加えた。生じた沈澱
を集め、洗液が中性になるまで充分に水洗した。
沈澱物を2%酢酸溶液100に溶解し、エタノー
ル300を加えて再び沈澱を形成せしめた。生じ
た沈澱を集めて75%エタノール、エタノール次い
でアセトンで順次洗浄した後、真空乾燥し白色粉
末1.99Kgを得た。 ここに得られた粉末1.0Kgを70の水に溶解し、
13200×Gで5分間連続的に遠心分離し、得られ
た上澄液を減圧下で25まで濃縮した。この濃縮
液にエタノール75を加え、更に酢酸ソーダ飽和
のエタノール2を加えて沈澱を形成せしめた。
沈澱を集め、75%エタノール、エタノール次いで
アセトンで順次洗浄後、真空乾燥し、DH―
6665Fの白色粉末910gを得た。元素分析値C43.6
%、H6.4%、N0.4%。〔α〕25 D+61゜(1%水溶液)
。
グルコース/マンノース比(モル比)=1.14。 実施例 1 DH―6665F100gを0.1N塩酸4に溶解し、恒
温槽中、内温80℃で4時間加熱反応後氷冷した。
反応液を5N苛性ソーダにて中和後エタノール18
中に撹拌下加えて、生じる白色沈澱を集め、こ
れを脱イオン水5に溶かし、エタノール18中
に撹拌下加えて生じる沈澱を集め、80%エタノー
ルにて洗浄した。得られた沈澱を再び脱イオン水
5に溶かし、ダウエツクス1(Cl-型、米国ダウ
ケミカル社製)1を充填したカラムに通し、次
いで脱イオン水にてカラムを洗い、通過液と洗液
を合した。この液をダウエツクス50(H+型、米国
ダウケミカル社製)0.5を充填したカラムに通
し、次いで脱イオン水にてカラムを洗い、通過液
と洗液を合し、これに5%酢酸ソーダ溶液50mlを
加えた後、約4まで減圧濃縮した。得られた濃
縮液をエタノール12中に撹拌下加えて生じる白
色沈澱を集め、80%エタノール、エタノール、ア
セトンにて順次洗つた後、真空乾燥してDH―
6665FD30の白色粉末86.0gを得た。 実施例 2 DH―6665F100gを0.8N塩酸5に溶解し、内
温60℃で3.5時間加熱反応後氷冷した。反応液を
10N苛性ソーダにて中和後以下実施例1に従つ
て、DH―6665FD30の白色粉末85.6gを得た。 実施例 3 DH―6665F100gを0.1N塩酸5に溶解し、内
温80℃で7時間加熱反応後、以下実施例1に従つ
て、DH―6665FD10の白色粉末84.2gを得た。 実施例 4 DH―6665F100gを0.8N塩酸5に溶解し、内
温60℃で7時間加熱反応後氷冷した。反応液を
10N苛性ソーダにて中和後、以下実施例1に従つ
て、DH―6665FD10の白色粉末を82.8g得た。 実施例 5 DH―6665F100gを0.2N塩酸5に溶解し、内
温80℃で6.5時間加熱反応後、以下実施例1に従
つて、DH―6665FD3の白色粉末を76.3g得た。 実施例 6 DH―6665F100gを1.6N塩酸5に溶解し、内
温60℃で4.5時間加熱反応後、氷冷した。反応液
を10N苛性ソーダにて中和後、以下実施例1に従
つて、DH―6665FD3の白色粉末を74.0g得た。
図1および図2はゲル濾過パターンであり、図
3,図4および図5は赤外線吸収スペクトルであ
る。
3,図4および図5は赤外線吸収スペクトルであ
る。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 次の物理学的ならびに化学的性質を有する抗
腫瘍多糖体DH―6665FD [1] 呈色反応 アンスロン硫酸反応 青 色 フエノール硫酸反応 黄褐色 ローリー・フオリン法 青 色 塩酸加水分解後のニンヒドリン反応 青紫色 [2] 溶解性 水に易溶。メタノール、エタノール、n―ブ
タノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセト
ン、エチルエーテル、石油エーテル、n―ヘキ
サン、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ピリジンにほとんど溶けない。 [3] 1%水溶液における比旋光度[α]25 D DH―6665FD30+65±5゜ DH―6665FD10+61±5゜ DH―6665FD3+57±5゜ [4] 元素分析値 C41〜44%、H5.5〜7.0%、N0.4%以下、バ
イルシユタイン法および金属ナトリウムと熔融
後の硝酸銀反応でハロゲンを認めない。フオー
ル(Vohl)反応で硫黄を認めない。 [5] 分子量(ゲル濾過法で次の単一ピークの
分布を示す)。 DH―6665FD30 300000±60000 DH―6665FD10 100000±20000 DH―6665FD3 30000±6000 [6] 赤外線吸収分析(KBr錠) DH―6665FD30、DH―6665FD10及びDH―
6665FD3はいずれも次の特性吸収を示す。3400
cm-1(OH)、2900cm-1(CH)、1630〜1640cm-1
(結合水)、1050〜1060cm-1(C―O) [7] 構成糖類 1N硫酸に溶解し、封管中で100℃に6時間加
水分解した結果、D―グルコースとD―マンノ
ースの存在を確認した。 [8] 蛋白部分と構成アミノ酸 ローリー・フオリン法により牛血清アルブミ
ンを標準とした測定結果で、DH―6665FD30の
蛋白部分は0.3%以下であつた。 構成アミノ酸としてアスパラギン酸、スレオ
ニン、セリン、グルタミン酸、プロリン、グリ
シン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイ
シン、チロシン、フエニルアラニン、リジン、
ヒスチジン、アルギニンが認められる。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP56100641A JPS582301A (ja) | 1981-06-30 | 1981-06-30 | 多糖体およびその製法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP56100641A JPS582301A (ja) | 1981-06-30 | 1981-06-30 | 多糖体およびその製法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS582301A JPS582301A (ja) | 1983-01-07 |
| JPH0210161B2 true JPH0210161B2 (ja) | 1990-03-07 |
Family
ID=14279446
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP56100641A Granted JPS582301A (ja) | 1981-06-30 | 1981-06-30 | 多糖体およびその製法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS582301A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP6688498B2 (ja) * | 2014-10-16 | 2020-04-28 | 地方独立行政法人青森県産業技術センター | プロテオグリカンの分解方法及び分解物 |
-
1981
- 1981-06-30 JP JP56100641A patent/JPS582301A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS582301A (ja) | 1983-01-07 |
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