JPH019409Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、釣竿、詳しくは竿本体に、固定受体
と可動受体とをもち、リールの取付脚を支持する
ごとくしたパイプ状のリールシート本体を固着し
て成る釣竿に関する。

（従来の技術） 従来、比種釣竿としては、実開昭52−19485号
公報に示されているごとく、すでに提供されてい
る。この釣竿を概略説明すると、竿本体に、先端
部にリール取付脚の固定受体をもつたパイプ状の
リールシート本体を固着して、このリールシート
本体周りにおいて、一方の手で前記リール取付脚
を保持しながら握持して魚釣りを行なうごとくし
ている。

ところが、魚がかゝつた場合、その魚の引き力
に見合う所謂魚信が釣糸から前記竿本体を減衰少
なく良好に伝わつても、前記リールシート本体に
は伝わり難いため、結局前記魚信は、このリール
シート本体を握持する手には伝わり難い問題があ
り、さりとて、親指の指先をリールシート本体の
先端から竿本体の表面上に接触するごとく伸ばし
て握持するようにした場合、リールシート本体の
外周面先端側は、リールシート本体の先端面の段
部を介して竿本体の表面に連絡しているため、こ
の段部が邪魔になつて親指の指先を竿本体の表面
に接触させ難い問題があつた。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は、以上のような従来の問題点を解決し
ようとするもので、リールシート本体の前方に、
該リールシート本体の外周面先端部から竿本体表
面に亘り段部を介在させることなく連続する傾斜
面をもつた指受体を設けて、前記リールシート本
体を握る手の指先を前記傾斜面を介して竿本体表
面に接触させられるように成したのである。

（問題を解決するための手段） 本考案の構成は、前記竿本体における前記リー
ルシート本体前方に、前記リールシート本体の外
径とほゞ同径とした筒状の弾性部材から成る指受
体を取付けると共に前記指受体における前記リー
ルシート本体のリール取付側と反対側部位に、前
端部が前記竿本体の表面と連続する傾斜面を形成
したことを特徴とするものである。

（作用） しかして、前記リールシート本体の外周面先端
側は、前記弾性部材から成る指受体の傾斜面を介
して前記竿本体の表面に連続することになり、片
手でリール取付脚を保持しながらリールシート本
体を握持して魚釣りを行うとき、前記傾斜面によ
り、指先をスムーズに前記竿本体の表面に当接さ
せることができ、しかも、長時間連続して指受作
用させていても前記弾性部材の緩衝作用で疲労を
覚えることもなく、更に、前記指受体の弾性が前
記竿本体に伝わる振動を吸収するので該竿本体の
振動は前記指受体表面に伝わることがなく、指受
させた指先のみに前記竿本体の振動を感受するの
で、その差異により前記竿本体の振動を確実に感
じとることができる作用を成すものである。

（実施例） 以下本考案釣竿の実施例を図面に基づいて説明
する。

図面において、１は竿本体、２は該竿本体１の
後側に嵌挿して固着するパイプ状のリールシート
本体で、このリールシート本体２の前部には、周
壁の一部を外方へ膨出させて、リールの取付脚３
の前部を嵌入係止させる固定受体４が一体的に形
成され、また、このリールシート本体２の後側に
は、周壁の一部を外方へ膨出してリールの取付脚
３の後部を嵌入係止させる移動受体５を形成した
筒状の摺動子６が移動自由に嵌合されると共に、
リールシート本体２の後部には、前記摺動子６を
前方に作動可能にナツト７を螺合している。

しかして、本考案は、基本的には、前記竿本体
１における前記リールシート本体２の前方に、前
記リールシート本体２の外径とほゞ同径とした筒
状の弾性部材から成る指受体８を取付けると共
に、前記指受体８における前記リールシート本体
２のリール取付側と反対側部位に、前端部が前記
竿本体１の表面と連続する傾斜面９を形成したの
である。

図面に示した前記指受体８は、使用材料とし
て、コルク、ゴム、スポンジなど軽くて、適度な
弾性を有するものを用いるのが好ましく、前記竿
本体１において前記リールシート本体２の前端面
に接当するごとく嵌挿して接着剤により固着する
のである。そして、この指受体８に形成する前記
傾斜面９は、全体に平面状に成すか、または、前
記リールシート本体２を握持する手の拇指を、図
面のごとく指先が竿本体１の表面に当接するごと
く前向きにして載せるとき、この拇指に対し良好
にフイツトするごとく前後方向、及び横方向に適
宜湾曲する曲面状に形成してもよい。

ところで、前記竿本体１は、カーボン繊維など
の高強度繊維を用いたプリプレグを巻装して筒状
に形成したもので、釣糸から伝つて来る魚信を感
度よく手元側に伝える機能を持つごとく形成して
いるのである。

尚、１０は前記竿本体１の後部に嵌挿した握り
部で、前記指受体８と同様コルク、ゴム、スポン
ジなどの弾性材料を用い、後部には、尻栓１１を
取付けている。

しかして、以上の構成において、図のごとく、
前記リールシート本体２の下側で、前記リールの
取付脚３の前側に人指し指及び中指を、また後側
に薬指および小指を配置すると共に、リールシー
ト本体２の上側に拇指を配置するようにして、前
記リールの取付脚３を保持しながら前記リールシ
ート本体２を握持して魚釣りを行なうとき、拇指
を前方に伸ばすことにより、前記指受体８の傾斜
面９に載置させられ、しかも、この指受体８の傾
斜面９の後側は前記リールシート本体２の外周面
後側と略面一状で、かつ傾斜面９の前部は前記竿
本体１の表面と連続状であるため、拇指を前記傾
斜面９に載置するとき、前記リールシート本体２
から滑動させて全体に抵抗なく容易に行なえ、か
つ、拇指の指先を図のごとく竿本体１の表面に無
理なく確実に当接させられるのである。

従つて、魚がかゝる迄長時間を要しても、図の
ごとく前記リールシート本体２を握る手の拇指の
指先を竿本体１の表面に当接した動作による疲労
感を最小限に小さくできるばかりでなく、釣糸か
ら竿本体１に伝わつてくる魚信は、前記指受体８
の弾性作用に吸収されて、該指受体８の表面には
振動を感じることがなく、即ち、指受させている
拇指の指腹では感受せずに、竿本体１の表面に当
接した感覚神経の敏感な指先のみで感受するの
で、その差異により前記竿本体１の魚信を確実に
受信することができるのである。

（考案の効果） 以上のごとく本考案によれば、リール取付脚を
保持しながらリールシート本体を握持して魚釣り
を行なうとき、該リールシート本体前方に設けた
指受体の傾斜面に指を滑動により容易に載置でき
ると共に、長時間連続して指受作用させていて
も、弾性部材の緩衝作用で疲労を覚えることもな
く、更に、前記指受体の弾性が前記竿本体の振動
を吸収するので、前記指受体の表面では振動を感
じることがなく、竿本体に直接当接させている指
先のみに前記竿本体の振動を感受するので、その
差異により該竿本体に伝つてくる魚信を確実に感
じとることができて、魚信に対する合せチヤンス
のタイミングを逸脱することもない魚釣りを期待
できる効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示す一部断面説明図で
ある。 １……竿本体、２……リールシート本体、３…
…リールの取付脚、４……固定受体、５……可動
受体、８……指受体、９……傾斜面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 竿本体に、固定受体と可動受体とをもち、リー
   ルの取付脚を支持するごとくしたパイプ状のリー
   ルシート本体を固着して成る釣竿であつて、前記
   竿本体における前記リールシート本体前方に、前
   記リールシート本体の外径とほゞ同径とした筒状
   の弾性材料から成る指受体を取付けると共に前記
   指受体における前記リールシート本体のリール取
   付側と反対側部位に、前端部が前記竿本体の表面
   と連続する傾斜面を形成したことを特徴とする釣
   竿。