JPH019403Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本発明は貝類の養殖にあたり、従来網篭に入れ
て吊り下げていたが、近頃資材費の節約と貝類の
成長促進の為にロープのみによる吊り下げ養殖が
普及してきている。しかしながら吊線養殖の問題
点はロープにテグスを一本一本一定間隔に結び付
ける作業に手間のかかること、貝に空けた穴に一
つ一つテグスを通して滑落しない様に結び玉をつ
くらなければならないこと、養殖完了後貝を回収
したあと残存テグスの切断作業をしなければなら
ないことと、養殖中にロープや貝に付着した海中
寄生物を除去する為に養殖漁業家は高額な貝清浄
機を購入し、付着物の除去作業をしているのが現
状であり、多くの人手を要する欠点がある。本考
案はこれらの人手を大巾に省力化した省力化商品
である。

又幹縄から一定間隔にループを形成することは
編組機で自動制御すればできる。当社特許出願公
開昭56−91051及び特許出願公開昭56−134243.実
願55−146496参照．この編組状ロープによりロー
プにテグスを取付ける作業はなくなり、回収後の
テグス切断作業もなくなるばかりでなく、貝の取
付作業の能率が従来の方法と比較して数倍も向上
することになる。更にテグスに通した貝が波の上
下運動、潮の流れによつて貝が運動出来る状態に
ありロープに付着した寄生物を貝が動くことによ
つて除去することになり、除去作業が不要となる
ことは養殖漁労作業の大巾な経費節減につながる
革期的な養殖装置である。又、稚貝の篭養殖中、
成貝の養殖中に波浪のシヨツクを吸収することで
発育が向上することは衆知の認めることでありス
テンレススプリングやタイヤチユーブが使用され
て来たが、いずれも耐用年数に問題があり普及を
見ていない。ポリウレタン弾性繊維は−60℃〜＋
80℃まで温度変化による物性変化がなく、抜ぐん
の耐摩耗性を持ち、１倍から９倍の伸縮弾性のも
のが自由に製造できる迄になつている。これをロ
ープ状（撚りロープ、編組状ロープ）にして適宜
長さにカツトし、ロープ状シヨツクアブソーバー
として、フロートロープの中間または、親ロープ
と貝類取り付け用ロープ状構造物との連結部に挿
入し結んで使用すれば十分の効果をあげうる。陸
地近辺の海洋汚染をさけ外洋の波浪の高い海面に
進出しても、水面下の貝類養殖ロープに上下動が
伝達されず、貝類の成長に悪影響を及ぼす波浪シ
ヨツクが除去される。又、ロープの疲労による強
力の低下も防止でき、資材ロープの耐用年数を延
長する効果も期待できる。

以下に本考案を実施例と共に説明する。

第３図示した、貝類取り付け用ロープ状構造物
の幹縄の太さは６mmのポリエチレン編組ロープ
で、ループはナイロンテグス90号を使用しループ
間隔は10cm突出長は1.5cmとし幹縄の長さは15ｍ
とした、また、吊り下げ用素線にはナイロンテグ
ス28号を使用した。

貝の種類は、ほたて貝を採用し、殻長５cmの貝
の蝶つがい付近の耳部に直径1.2mmの穴を開けて
取り付けた。尚、貝の取り付けの際には、ループ
とループの10cm間に、上記の貝を２個づつ取り付
け、吊り下げ用素線は約１ｍにカツトしたもの
で、貝を２個＊10箇所の20個づつの単位で取り付
け、上記作業を順次おこない、親ロープへの結び
代だけ残して貝を取り付けた。

上述の貝を取り付けた、貝類取り付け用ロープ
状構造物を19本用意し、前もつて設置しておいた
横架した親ロープに1.5ｍ間隔に結びつけた。

尚、海中に設置した、横架した親ロープはダイ
ヤロンロープ20mmを30ｍ使用し、アンカーロープ
はダイヤロンロープ20mmを使用しアンカーは50Kg
を採用し、海底30ｍにアンカーを打ち込み固定
し、横架した親ロープが海面から８ｍ〜10ｍにな
るように、両端にメイン浮子36cmHz浮玉をフロー
トロープダイヤロン12mmを使用して取り付け、同
じサイズのフロートロープで、補助浮子のガラス
浮玉36cmを横架した親ロープに3.5ｍ〜4.0ｍ毎に
取り付けた。また補助フロートは波浪の影響を受
けにくい海中に設置した。

上記、本考案による貝類の養殖装置を、青森県
沖に設置したところ、通常の養殖装置に比較し
て、１割〜２割貝の成長が良好なことが確認され
た。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のロープへの貝類の吊り下げ図で
あり貝は下方にぶらさがり運動量が少ない。第２
図は本案の吊り下げ方式の説明図であり貝が自由
に上下左右に運動でき、ロープ及び貝への寄生物
を除去することができる。第３図は、本考案によ
る貝類の養殖装置の１実施例の全体図であり５が
弾性繊維によるシヨツクアブソーバーである。 １……ループを有する組紐ロープの幹縄部、２
……吊り下げ用素線、３……貝類、４……ループ
を有する組紐ロープのループ部、５……弾性繊維
によるシヨツクアブソーバー、６……ロープ、７
……浮子、８……貝類取り付け用ロープ状構造
物。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 横架した親ロープの両端に、アンカーを取り付
   けたアンカーロープと、メイン浮子を取り付けた
   フロートロープをそれぞれ結節し、アンカーによ
   り海底に固定し、メイン浮子は、海上に浮かせ、
   横架した親ロープを海中に平行に保つため、横架
   した親ロープに、補助浮子を取り付けたフロート
   ロープを補助浮子が海中もしくは海上に位置する
   ように数箇を適宜間隔で結節し、 横架した親ロープに、適宜間隔で、多数本の貝
   類取り付け用ロープ状構造物の一端を結びつけ吊
   るす構成の、貝類の養殖装置において、 その、貝類取り付け用ロープ状構造物が、 幹縄に一定間隔で多数のループ４，４，４…を
   有するロープ状構造物から成り、あるループ４を
   起点とし、適宜長さの吊り下げ用素線の一端をル
   ープ４、もしくは、ループ４、の根元の幹縄に結
   び付け固定し、 吊り下げ用素線のもう一端を、貝類の貝殻に事
   前に設けておいた穴に通し、 かつ、直前で待機する次ループ４、にくぐら
   せ、引き続き、前記手動の同一手段を順次に仕立
   て方向に施し、貝類を取り付け、 連結の終端において、吊り下げ用素線をループ
   ４、もしくはループ４、の根元の幹縄に結びつけ
   固定することができることを特徴とする、貝類の
   養殖装置。