JPH0193633A

JPH0193633A - 自動変速機の摩擦ライニング材

Info

Publication number: JPH0193633A
Application number: JP24888287A
Authority: JP
Inventors: Harunobu Kani; 可児　春伸; Makoto Ozawa; 誠小沢; Atsushi Suzuki; 厚鈴木
Original assignee: Toyota Motor Corp
Current assignee: Toyota Motor Corp
Priority date: 1987-10-01
Filing date: 1987-10-01
Publication date: 1989-04-12

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、自動車の自動変速機に使用される湿式摩擦ラ
イニング材に関する。

（従来の技術）自動変速機の摩擦ライニング材のうちペーパ材からなる
ものは、もっとも広く利用されている。

このペーパライニング材はセルロース繊維主体でその他
アスベスト、樹脂などを含む抄紙物からなり、従来より
紙抄きの方法に基づき環状の紙を抄き、続いてプレスに
より均一な厚みの板形のものとし、その後それに結合剤
（樹脂）等を含浸し、そしてそれを芯全くコアプレート
）に加圧接着ししかる後熱処理により接着を固める方法
により製造されている。

（発明か解決しようとする問題点）ペーパライニング材は、摩擦特性に優れかつ軽く安価で
あるという利点だけでなく、気孔率か５０％〜６０％と
きわめて大きい多孔質のものであるので、自動変速機油
の吸浸性が大きく、従って耐熱性、耐摩耗性にも優れ、
焼付きの防出に効果があることに最大の特徴をもつ。

ペーパライニング材は、その耐摩耗性、耐久性の向上の
点から油の吸授性、即ち保持力を高めるには、ペーパ材
の気孔率がより大きいことが望ましい。

しかし、大きい気孔率をもつペーパ材とするとエンジン
の高回転（５０００ｒｐｍ）時において油の飛散が著し
くなり焼付きの発生のおそれが増大する。このことは、
例えば気孔率が種々異なるペーパライニング材について
７．５ＡＥｎｏ、２摩擦要素試験機を用い油温８０℃、
７０００ｒｐｍ回転の条件で試験をし、６０秒保持での
油飛散率を算出し、それらの結果を示す第１１図のグラ
フより一層理解される。同図は曲線ｒで表わされるよう
に気孔率か４０％以−Ｅになると油の飛散率が急激に増
大することを示す。

一方、ペーパ材の気孔率をより小さいものとすると、油
の保持力が低下し、通常回転（２０００〜３０００ｒｐ
ｍ）時におけるライニング材の耐久性か大きく劣化する
。

すなわち、ペーパ材の気孔率は、油の保持力および飛散
率との関係で全く逆の相関関係を示す。

このようなペーパライニング材の特性を改良するため、
従来より種々の提案かなされている。

実開昭６２−２８４２号公報に示される技術は孔または
溝を芯金に設けることにより摩擦材に対する油の吸浸性
を高めたものである。しかし、この技術により油の飛散
防止の効果は、特に高回転時において全く期待できない
。

また、特開昭６１−１４９６３０号公報に示される技術
は、摩擦材の繊維素基材において気孔率の大きい層と気
孔率の小さい層を交互に平行にまたは格子状模様となる
ように設けることにより、ｊ９１擦基材の強度を保った
上で基村内の油の流通性をより改良し耐熱性（焼付き防
止効果）を向上させたものであり、また特開昭６１−１
４８２８３号公報に示される技術は、そのような摩擦材
の製法に関するものである。しかし、これらの技術によ
る摩擦材は、油の流通性が大変良いため、却ってその飛
散が著しく、特に高回転時においては油の保持力が低下
し焼付きの発生のおそれが存在する。なお、その他の改
良技術は、特開昭５７−７３２３３号公報等に示されて
いる。

このように、従来の摩擦ライニング材は、通常回転時に
おいても高回転時においても、油の高い保持力を維持し
油の飛散を有効に防止できるものではなかった。

本発明は、上記の問題点を解決するべくなされたもので
、その目的は、エンジン回転の高低に拘らず自動変速機
油の保持力を高く維持することができ、耐久性の一層向
上した自動変速機の摩擦ライニング材を提供することに
ある。

（問題点を解決するための手段）本発明の自動変速機の摩擦ライニング材は、ペーパ材か
らなる環状摩擦ライニング材において。

気孔率の大きい部分を内周側に設けかつ気孔率の小さい
部分を外周側に設けてなるか、または気孔率の大きい部
分と気孔率の小さい部分とを内周側より外周側にかけて
交互に設けてなるか、あるいは内周側の気孔率の大きい
部分より外周側の気孔率の小さい部分にかけて気孔率か
徐々に小さくなるように設けたことを特徴とするもので
ある。

本発明の一つのペーパライニング材は、気孔率の大きい
部分（密度の大きい部分）を内周側に。

気孔率の小さい部分（密度の小さい部分）を外周側にそ
れぞれ設けたものである。例えば、内周部の気孔率は４
０％〜６０％であり外周部の気孔率は２０％〜３０％で
あるのが好ましい。

本発明のもう一つのペーパライニング材は、気孔率の大
きい部分＜Ｖ、度の大きい部分）と気孔率の小さい部分
（密度の小さい部分）とを内周側より外周側にかけて交
互に、実質上同心となるように、繰り返し設けたもので
ある。気孔率の大きい部分と小さい部分とを数回繰り返
したものが好ましい。また、大きい部分の気孔率は４０
％〜６０％であり小さい部分の気孔率は２０％〜３０％
であるのが好ましい。

本発明のさらに別のペーパライニング材は、内周側の気
孔率の大きい部分より外周側の気孔率の小さい部分にか
けて気孔率が徐々に小さくなるように設けたものである
。換言すれば、内周側より外周側にかけて密度が次第に
増大するようにしたものである。大きい部分の気孔率は
４０％〜６０％であり小さい部分の気孔率は２０％〜３
０％であるのが好ましい。このライニング材は、その製
造工程において気孔率の増減を所ψのとおりつけるプロ
セスが容易である点て有利である。

（作用）エンジンの回転時自動変速機油は環状摩擦ライニング材
の内部をその中心より外方に向けて流れるようにしむけ
られる。しかし、本発明のライニング材では、気孔率の
小さい部分が気孔率の大きい部分の外側に環状に設けら
れたことによって外方への変速機油の流通が制限され、
従って油の飛散か防止される。特に、気孔率が連続的に
増減する構成のライニング材は、油の流通が徐々に（連
続的に）円滑に制限されるので、最も好ましい。

一方、気孔率の大きい部分においては多量の油を含むこ
とができ、従って本発明のライニング材は高い油保持力
を得ることができる。

（実施例）以下、本発明の実施例を図面により説明する。

実施例１第１図および第２図に示すように、この実施例のう°イ
ニング材料は、環状板形であって、その内周側に気孔率
の大きい部分２、その外周側に気孔率の小さい部分３を
それぞれ設け、それをコアプレート４に接着してなる。

部分２の気孔率は４０％、部分３の気孔率は２０％であ
る。気孔率は、対象の材料を８０℃の自動変速機油の中
に８時間浸漬し、該油の含浸前の重量と含浸後のそれと
の差より算出する。以下の場合も同様にして気孔率を定
めた。

このライニング材ｌは、下記の第１表に示す配合組成を
もつＡ材、Ｂ材第　　１　　表注）数値の単位は全て重量％である。

のうちバインダーを除いたものを１紙抄き網の中に置き
、抄紙をし、続いて上記のバインダーを含浸し、Ａ材、
Ｂ材の紙（厚さ０．５ｍｍ）をそれぞれ作り、次にＡ材
の紙を外周直径６２　ｍ　ｍ、内周直径５３ｍｍの大き
さの環状平板形に、Ｂ材の紙を外周直径７２　ｍ　ｍ、
内周直径６２ｍｍの大きさの環状平板形に打ち抜き、そ
の後それらをコアプレート４に、液状のフェノール系接
着剤を用いて、加圧力５ｋｇ／ｃｍ２．温度１６０″Ｃ
１時間２分の条件で加圧接着しくＡ材の紙を内周側にＢ
材の紙を外周側に配する。）、シかる後１７０℃で２０
分間の熱処理を行なう方法により製造′してなる。その
他の詳細な工程、手順等は、通常の自動変速機ライニン
グ材の製造の場合に準じる。

実施例２第３図に示すように、この実施例の摩擦ライニング材５
は、環状板形であって、気孔率の大きい部分２・・と気
孔率の小さい部分３・・とを内周側より外周側にかけて
交互に、実質Ｅ同心となるように設け（最内周部は気孔
率の大きい部分２を配する。）、それをコアプレート６
に接着してなる０部分２の気孔率は４０〜６０％、部分
３の気孔率は２０〜３０％である。

このライニング材５は、以下の方法により製造される。

まず、次の第２表に示される配合組成をもつＣ材第　　２　　表注）数値は全て重量％を表わす。

のうちバインダを除いたものを、第５図（ａ）に示すよ
うな紙抄き型（網）９の中に入れる。型９は、数個の円
形溝１０が実質上同心となるように形成されていること
が特徴である。続いて紙抄きをし、そしてプレスを行な
い同図（ｂ）に示すような環状平板形の紙板１１を作る
。紙板１１はプレスによりほぼ均一の厚みを有する。そ
の後、これにバインダーをスプレー法により含浸し、そ
して同図（ｃ）に示すようにＣ材組成の紙板１２をコア
プレート６に、液状のフェノール系接着剤を用いて、加
圧力５ｋｇ／ｃｍ”、温度１６０℃、時間２分の条件で
加圧接着し、しかる後１７０°Ｃで２０分間の熱処理を
行ない同図（ｄ）に示すようなライニング材５に仕上げ
る方法により製造してなる。その他の詳細な工程、手順
等は通常の自動変速機ライニング材の製造の場合に準じ
る。

実施例３第４図に示すように、この実施例の摩擦ライニング材７
は、環状板形であって、内周側より外周側にかけて気孔
率が連続的に増減する部分８を有し、それをコアプレー
ト６に接着してなる。最も内周側の部分は気孔率５０％
であり、それより外周側にかけて気孔率が徐々に小さく
なるように設けられている。

このライニング材７は、以下の方法により製造される。

まず、次の第３表に示される配合組成なもつＤ材第　　３　　表注）数値は全て重量％を表わす。

のうちバインダを除いたものを、第６図（ａ）に示すよ
うな紙抄き型（網）１４の中に入れる。型１４は、内側
より外側にかけて徐々に低くなるスロープ底面１５が形
成されていることが特徴である。続いて紙抄きをし、そ
してプレスを行ない同ｔ”Ｊ（ｂ）に示すような環状平
板形の紙板１６を作る。紙板１６はプレスによりほぼ均
一の厚みを有する。その後、これにバインダーをスプレ
ー法により含浸し、そして同図（ｃ）に示すようにＤ材
組成の紙板１７をコアプレート６に液状のフェノール系
接着剤を用いて、加圧力５ｋｇ／Ｃｍ２、温度１６０℃
、時間２分の条件で加圧接着し、しかる後１７０°Ｃで
２０分間の熱処理を行ない同図（ｄ）に示すようなライ
ニング材７に仕上げる方法により製造してなる。その他
の詳細な工程１手順等は通常の自動変速機ライニング材
の製造の場合に準じる。

比較例上述した従来の製法に従い、ペーパ材からなり気孔率の
異なる数個の摩擦ライニング材を作製する。これら比較
例のライニング材は、内周部より外周部にかけて一定の
気孔率を有する。

試験例実施例１、実施例２、実施例３および比較例のライニン
グ材のそれぞれについて、５ＡＥｎｏ。

２摩擦要素試験機を用い油温８０℃、イナーシャＩ＝２
ｋｇｃｍ”の条件で、シャフトスプレ一方式の潤滑で試
験を行ない、耐久サイクルを求め。

それらの結果を第７図ないし第１０図に示す。

第７図は高回転時（５０００ｒｐｍ回転）における実施
例１のライニング材の耐久サイクルを示し、第８図は通
常回転時（２０００ｒｐｍ回転）における実施例１のラ
イニング材の耐久サイクルを示す。点ａは実施例１のデ
ータを示し、点ｄ・・は比較例のそれを示す。直線ｐ、
ｑは点ｄ・・をプロットした近似直線である。また、第
９図は高回転時（５０００ｒｐｍ回転）における実施例
２のライニング材の耐久サイクルを示す。点すは実施例
２のデータを示し、点ｄおよび直線ｐは比較例のそれを
示す。さらに、第１Ｏ図は高回転時（５０００ｒｐｍ回
転）における実施例３のライニング材の耐久サイクルを
示す。点Ｃは実施例３の最内周部のデータを示し、点ｄ
および直線ｐは比較例のそれを示す。

これらの図より明らかなように、実施例１．２および３
のライニング材は、従来のそれと比較して、通常回転時
に３いて同等の耐久サイクルを維持した上で、高回転時
において耐久サイクルが著しく向上することがわかる。

（発明の効果）以上説明したように、本発明の自動変速機の摩擦ライニ
ング材は、気孔率の大きい部分と小さい部分とを環状に
分けてまたは気孔率が連続的に増減するように設けたこ
とにより、エンジンの通常回転時においては勿論のこと
、高回転時においても、自動変速機油の飛散を効果的に
防止することかでき、油の保持力が大きく増大し、従っ
てエンジンの回転数の高低に拘らず確実な焼付き防止効
果か得られ、耐久性（耐久サイクル）が格段に向上する
。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例１の摩擦ライニング材を示す平
面図、第２図は第１図のＡ−Ａ’線における断面図、第３図は
本発明の実施例２の摩擦ライニング材を示す平面図。第４図は本発明の実施例３の摩擦ライニング材を示す平
面図、第５図（ａ）ないしくｄ）は実施例２の摩擦ライニング
材の製造プロセスを示す図、第６図（ａ）ないしくｄ）は実施例３の摩擦ライニング
材の製造プロセスを示す図。第７図および第８図は実施例１および比較例のライニン
グ材について高回転時および通常回転時における気孔率
と耐久サイクルの関係を示すグラフ、第９図は実施例２および比較例のライニング材について
高回転時における気孔率と耐久サイクルの関係を示すグ
ラフ、第１０図は実施例３および比較例のライニング材につい
て高回転時における気孔率と耐久サイクルの関係を示す
グラフ、第１１図は摩擦ライニング材について気孔率と油飛散率
との関係を示すグラフである。図中、ｌ、５．７・・・摩擦ライニング材２・・・気孔率の大きい部分３・・・気孔率の小さい部分８・・・気孔率が連続的に増減する部分ａ・・・実施例
１ｂ・・・実施例２Ｃ・・・実施例３ｄ・・・比較例特許出願人　　　　トヨタ自動車株式会社Ｆ″　ＮＦ）
の第３図第９図７．５４図第１０図第５図（Ｑ）　　　　　　　　　　　　　（ｂ　）（ｃ）　　
　　　　　　　　　　　　（ｄ）第６図（（１）　　　　　　　　　（ｂ）（ｃ）　　　　　　　　　　（ｄ） −ｔ］、１３第７図第８図多ｔ　子し４Ｐ第１１１！Ｉ乳孔苧

Claims

【特許請求の範囲】

　ペーパ材からなる環状摩擦ライニング材において、気
孔率の大きい部分を内周側に設けかつ気孔率の小さい部
分を外周側に設けてなるか、または気孔率の大きい部分
と気孔率の小さい部分とを内周側より外周側にかけて交
互に設けてなるか、あるいは内周側の気孔率の大きい部
分より外周側の気孔率の小さい部分にかけて気孔率が徐
々に小さくなるように設けたことを特徴とする自動変速
機の摩擦ライニング材。