JPH017682Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は建築構造木材に接着剤により接着して
使用する防蟻シートの改良に関するものである。

先行技術と問題点 建築構造物の材木を防蟻する場合、従来におい
ては防蟻シートを材木に単に巻着しているが、防
蟻シートの固定安定性のためには防蟻シートを接
着剤により接着することが望ましい。

この防蟻シートには通常、気化性防蟻剤を含浸
せる多孔質シートに、防蟻剤の拡散移動を調整す
るためのプラスチツクフイルムをラミネートした
ものが使用されている。

而るに、上記材木に接着剤により固定するに
は、材木に接触する側のプラスチツクフイルムに
接着剤による接着が可能なプラスチツクを使用す
る必要があるが、かかるプラスチツクは極性基を
有し、水分をよく透過させるから、防蟻剤の溶出
等が問題となる。

考案の目的 本考案の目的は、防蟻剤の溶出を排除して木材
に秀れた接着力で接着し得る防蟻シートを提供す
ることにある。

考案の構成 本考案に係る防蟻シートは、気化性防蟻剤を含
浸せる多孔質シートの片面に、防蟻剤の拡散移動
が可能な２層フイルムを設け、該２層のうちの外
側層を接着性に秀れたフイルムとし、内側層を遮
水性に秀れたフイルムとし、上記多孔質シートの
他面には保護用フイルムを設けたことを特徴とす
る構成である。

実施例の説明 以下、図面により本考案を説明する。

図において、１は気化性防蟻剤を含浸した多孔
質シートである。防蟻剤には、アルドリン、デル
ドリン、クロルデン等を使用でき、多孔質シート
には紙を使用できる。防蟻剤の含浸量は土壌汚染
を防止するように制限してあり、例えばクロルデ
ンの場合、シート全重量に対して６％以下として
ある。

２は防蟻剤含浸多孔質シートの片面に設けた、
防蟻剤の拡散移動を可能とする２層フイルムであ
り、内層２１には遮水性に秀れたフイルムを、外
層２２には建材用接着剤３（例えば、ビニルウレ
タン）との接着が可能なフイルムをそれぞれ使用
してある。例えば、内層２１にはポリエチレンを
使用でき、外層２２には、エチレン酢酸ビニルコ
ポリマー（酢酸ビニルの含有量15％以下のもの）、
表面処理（例えばコロナ放電処理）を施した二軸
延伸ポリプロピレンあるいは無延伸ポリプロピレ
ン等を使用できる。

４は防蟻剤含浸多孔質シートの他面設けた保護
フイルムであり、遮水性に秀れたもの例えばポリ
エチレンフイルムを使用してある。この保護フイ
ルムには、当該フイルムからも、気化防蟻剤を気
化させるよに気化性をコントロールしたものを使
用でき、例えばクレーを添加したポリエチレンフ
イルムを用いることができる。

考案の効果 本考案に係る防蟻シートは上述した通りの構成
であり、防蟻すべき建材５に接する部分を接着性
に秀れたフイルム２２により構成してあるので、
建材５に接着剤３により接着して使用できる。ま
た、この接着性フイルム２２がよく水分を透過さ
せるものであつても、この接着性フイルム２２と
防蟻剤含浸多孔質シート１との間に遮水性に秀れ
たフイルム層２１を設けてあるので、この多孔質
シート１から防蟻剤の溶出をよく防止できる。

従つて、本考案によれば、防蟻剤の溶出なく、
建築用木材に接着剤により接着して使用できる防
蟻テープを提供できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る防蟻シートを示す説明図で
ある。図において、１は気化性防蟻剤を含浸せる
多孔質シート、２は２層フイルム、２１は内側
層、２２は外側層、４は保護用フイルムである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 気化性防蟻剤を含浸せる多孔質シートの片面
   に、防蟻剤の拡散移動が可能な２層フイルムを設
   け、該２層のうちの外側層を接着性に秀れたフイ
   ルムとし、内側層を遮水性に秀れたフイルムと
   し、上記多孔質シートの他面には保護用フイルム
   を設けたことを特徴とする防蟻シート。