JPH0160771B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は燃料と空気の混合流体の質量流量を
簡易な構成で精度よく計測できる気体の計量装置
に関する。

自動車などの燃料を気化してエンジン内に空気
との混合気体を送給できるようにした、たとえば
気化器のような性能を調べる検査装置において空
気と燃料との混合量を計測する装置は、まだ開発
されていない。

この発明は、このような空気流に燃料気化分を
霧化状態で含有する二種類の流体の質量流量を簡
単に計測して混合機器の品質を検査したりあるい
は作動状態を測定できるようにした気体の計量装
置を提供することにある。

すなわち、この発明は管路に設けた混合機器を
挾んでその前後に二個の熱線流量計を配設して管
路内を流通する一方の流体に対し他方の混合すべ
き流体との双方の計測量を減算して一方の流体に
対して他方の流体がどれ位混合されたかをいつで
も自動的に測定できるようにした気体の計量装置
を提供することにある。

また、この発明の特徴とする処は、前述のよう
に熱線流量計によつて測定操作の応答性を良くす
ると共に主熱線と補償用熱線とを組み合わせて流
体の流通分布を管路の全域に亘つて計測して高精
度の流量計測が行えるようにした気体の計量装置
を提供するにある。

以下に、この発明の一実施例を図面と共に説明
する。

１は所望形状を備えた第１および第２の熱線流
量計で、気化器のような混合機器２の前後に接続
される管路３にそれぞれ介装させる。

この熱線流量計１は、第３図イ，ロに示すよう
に環状の支持枠４の流体通孔５を横切つて二本の
主熱線６，６が張架され、それぞれの主熱線６，
６の一方端は、一枚の白金のような熱影響の少な
い安定した一枚の端子７により、また他方端は、
各別の白金のような端子７′，７′に連結されて恰
かも逆π字状に取付けてあり、主熱線６，６の膨
脹収縮現象を吸収できるようになつている。

またこの主熱線６，６に対し、支持枠４の相対
向位置には凹溝４′，４′を穿ち、補償用熱線８，
８を同様な白金製の端子９，９，９，９で固着す
る。

この補償用熱線８，８は管路３を流れる流体の
うち管壁を通過する流体またはその雰囲気の温度
を測定するもので、前述のように凹溝４′，４′を
穿つことなく支持枠４の内周に沿つて設けても良
い。また、この補償用熱線８，８は主熱線６，６
と同一材料で同形同大構造とするか、または第３
図イ，ロのように同一の抵抗値を備えた直線構造
のものを用いるかあるいはロのように小さなサー
ミスタとして設けるのが精度上優れる。尚、図示
しないが他の検知構造体を用いることもできる。

第４図は、前記主熱線６，６の一方と補償用熱
線８，８の一方とで構成される定温度型のブリツ
ヂ回路Ｐを示し、管路３を流れる流体の流速の変
動によつて影響を受ける主熱線８，８の温度変化
を電気的に検知計測しながら増巾器１０ならびに
トランジスタ１１によりフイードバツク回路１２
を介して定められた熱線８，８の定温度を維持で
きるように制御している。また、これら定温度型
のブリツヂ回路Ｐに於けるトランジスタ１１の電
源Esは各々主熱線６，６毎に独立して設けられ
る様に成つている。したがつて、他方の主熱線６
と他方の補償用熱線８とについても前記ブリツヂ
回路Ｐと同一の回路構成を保ち、前述と同一の作
用を呈する。

そして、このフイードバツク回路１２の帰還電
気量は、管路３内を実際に流れる量と比例関係に
あるので、流速ないし流量の計測が行えるもので
ある。なお、前記ブリツヂ回路Ｐの設置数に応じ
たフイードバツク回路１２の帰還電気量の平均を
得れば管路３を流れる平均した流速ないし流量が
得られる。尚、使用する雰囲気及び測定流体等の
温度が一定の場合には主熱線６，６と並設された
補償用熱線８，８のみを取除き、ブリツヂ回路Ｐ
には通常のブリツジ抵抗に置換えても良い。

第２図は、混合機器２として自動車用のガソリ
ン気化器を用いた場合の全体のブロツク図を示し
ており、混合機器２の上流側に設けた第１の熱線
流量計１ａにより、空気の通過量を計測しており
混合機器２の下流側に設けた第２の熱線流量計１
ｂはガソリン供給管１９より供給されるガソリン
の霧化分と上流側から送給される空気量との和に
相当する気体量を測定して両測定量を減算するこ
とにより消費ガソリンの量が計測できるものであ
る。この場合、両熱線流量計１ａ，１ｂは同一構
成のものであることが測定精度上好ましい。

つぎに、第１図に示す計量ブロツクＡについて
説明する。

両方の第１の熱線流量計１ａ、第２の熱線流量
計１ｂのそれぞれには、第４図に示す定温度ブリ
ツヂ回路Ｐに相当する変換回路Ｑが主熱線６，６
と補償用熱線８，８の設置数に応じた数のブリツ
ヂ回路をもつて竝設し、しかもそれぞれにフイー
ドバツク回路１２，１２が設けられ、前述の制御
手段で両熱線６，６，８，８の温度補償を行うと
共に流量検出を行わせている。

さらに、それぞれの流速分布補償のための出力
は、それぞれの加算回路１３，１４で加算され、
流量対出力関係を直線化させるためのそれぞれの
直線化回路１５，１６に伝えて両回路１５，１６
の出力信号を減算回路１７により燃料流量成分の
測定ができる構成としている。

すなわち、第１の熱線流量計１ａで測定された
空気の質量流量V_Aと第２の熱線流量計１ｂで測
定した空気にガソリンを含んだ質量流量V_AFとの
差V_AF−V_A＝V_Fこれが気化燃料に等しい質量流
量として計測される。

また、前記計量ブロツクＡには除算回路１８を
附設してV_A／V_Fすなわち空気とガソリンとの質
量流量比が計算できるようになつている。

なお、参考までに加速ポンプ付キヤブレータを
混合機器２として用いて空気とガソリンとの混合
状態を図示すれば第５図のようになつた。すなわ
ち、アクセル作動に伴い空気とガソリンとの混合
比が経時的に微妙に変化することが計測されエン
ジンの作動と関連させて、キヤブレータの品質機
能の検査に利用できるし、空気とガソリンとの最
適な混合状態を保持できるキヤブレータの設計も
可能となる。

以上述べたように、この発明によればキヤブレ
ータのような混合機器の混合機能の検査または最
適な混合状態を得るための混合機器の改良などが
できると共にさらに熱線流量計のきわめて応答性
の高い状態で混合機器の定常状態のみならず、混
合条件を変化させる過渡現象に対してもきわめて
敏感に計測できるなど構成の簡易なこと相俟つて
幾多の効果を有する。

また、自動車用の気化器のように燃料を空気と
混合気化させるような燃焼または爆発操作を行う
混合機器の性能試験を有効に行えば燃料消費の節
約も期待できる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明に係る気体の計量装置の一実
施例を示す全体の計量ブロツク図、第２図は同上
の計量装置の概略説明図、第３図イ，ロは熱線流
量計の二例を示す斜面図、第４図は同上の定温度
型ブリツヂ回路の一例を示す回路図、第５図はこ
の発明に係る混合機器を加速ポンプ付キヤブレー
タとして用いた場合の空気量とガソリン気化量と
の相対的な質量流量関係を示すグラフである。 １ａ……第１の熱線流量計、１ｂ……第２の熱
線流量計1b、２……混合機器、３……管路、６，
６……主熱線、８，８……補償用熱線、Ｐ……定
温度型のブリツヂ回路、１３，１４……加算回
路、１５，１６……直線化回路、１７……減算回
路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 空気流と燃料を霧化した流体を混合する混合
   機器において、該混合機器が取り付けられた管路
   の上流側および下流側の管路に装着した環状の支
   持枠の複数箇所に主熱線をその支持枠の流体通過
   孔を横切つて張設すると共に補償用の熱線を前記
   主熱線と同一材料とし、該補償用の熱線を前記支
   持枠の流体通過孔に沿つて管路の内壁又はそれよ
   りやや内側に配設し、前記主熱線および補償用の
   熱線は各々対として用いそれらを互いに独立して
   なる電源ならびにブリツジ回路をもつて構成した
   第１および第２の熱線流量計を取り付け、前記第
   ２の熱線流量計の出力信号から第１の熱線流量計
   の出力信号を減算することにより、前記混合機器
   に流入する燃料の質量流量を計測するようにした
   ことを特徴とする気体の計量装置。