JPH0160326B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、金属シートコイルがその長手方向軸
線に対して平行に切断された時に製造される金属
ストリツプを再巻取りするための機械に関するも
のである。

従来の技術、および発明が解決しようとする課題 特に、薄板（薄いシート）を切断して大きなコ
イルにするときには、切断によつて得られるスト
リツプの長さが互いに相対的に異なる結果とな
る。これは、薄板の幅方向に亘る不均一な厚さ
（圧延の際に発生する）に起因して、該薄板の長
さが、その幅方向で不均一なためである。さらに
言い換えると、金属薄板および金属箔を圧延によ
つて得る場合には、製品の厚さがその幅方向に亘
つて変化するのが普通であり、故に金属薄板の長
手方向に沿つて切断されて得られた各金属ストリ
ツプは、薄いストリツプの方が厚いストリツプに
比して長いことになる。

ドイツ仮特許（第2933775号）では、再巻取マ
ンドレルを共通軸上に懸架された一群のシリンダ
ーあるいはドラムからなるマンドレルの複数の部
分（小部分のこと）に分割し、前記マンドレルの
部分の内側に摩擦ブロツクを配置し、空気圧ある
いは液圧を変化させることによつて摩擦力が変わ
るようになし、マンドレルの部分が或る程度まで
異なつた速度で回転できるようにすることによつ
て、この問題を解決しようとしている。この装置
は、ストリツプコイルが大きくなるにしたがつて
極めて正確な圧力制御を必要とする。不均等なス
トリツプ張力を防ぐために、操作員はマンドレル
の全ての部分（小部分のこと）に関する摩擦面
が、互いに他に対して絶えず滑動することを保証
しなければならない。このことは達成困難であ
り、コイル表面の引つ掻き傷や、不均等な巻取の
原因となる。

この問題に対する解決策としては、摩擦要素を
マンドレルの各部分間に配置した摩擦デイスクで
構成し、軸線方向の空気圧力あるいは液圧力によ
つて、マンドレルの部分を押圧することによつて
摩擦力を変化させることがある。この解決策もま
た、原理的には、異なつた巻取張力を与え、同じ
欠点を有している。

第３の解決策は、1971年２月出版の“鉄鋼エン
ジニア”の70頁から71頁において、エヌ．ピー．
ルートリツジによつて論じられている。ここで
は、一定の巻取張力はコイルの磁気制動によつて
得られるが、長さの差を管理するために吸収（ま
たは順応）装置が必要となり、これはストリツプ
がループ状になつて垂れ下る深いピツトの形をし
ている。もしストリツプが長いと、ループはピツ
トの中へ数メートルも垂れ下ることがある。さら
に、前記摩擦要素が表要損傷を与える可能性もあ
る。

本発明は上記欠点を解決しようとするものであ
る。

課題を解決するための手段およびその作用 本発明の解決策では、共通の再巻取中央軸上で
回転可能に懸架されたマンドレルの複数の部分を
有している。この軸上にはマンドレルの各部分に
対応する液圧回転装置が装架されており、前記液
圧回転装置とマンドレルの部分との間に歯車伝達
装置が設けられている。全ての液圧回転装置の圧
力側と吸込側は、それぞれ液圧的に相互連結さ
れ、もつて差動効果が得られる。

本発明は、切断および再巻取機を提供するもの
である。該切断および再巻取機では、再巻取中央
軸上に装架されるとともに、マンドレルの部分と
軸との間に置かれ、かつ閉液圧系でマンドレルの
他の複数の部分に対応する液圧装置と液圧的に相
互連結された一つの液圧装置を介して、回転力が
軸とマンドレルの部分との間で伝達される。液圧
装置（複数）は、軸に対して相対的なマンドレル
の部分の回転方向次第で、モータおよびポンプの
両方として機能する。その圧搾側と吸込側がそれ
ぞれ相互連結されているので、一つまたはそれ以
上のマンドレルの部分に特定方向の回転力が加え
られると、他のマンドレルの部分は逆方向に駆動
されることになる。これは、再巻取中央軸に関す
るマンドレルの部分の回転の合計が零であり、回
転力の均等化が起こるように行われる。さらに伝
達損失を無視すれば、マンドレルの各部分の回転
力は本質的に同一である。また、この機構（シス
テム）は多段差動マンドレルとして機能する。

マンドレルの全ての“部分”に等しく大きな回
転力が加わつていて、それらが再巻取中央軸と同
一の回転数で回転している時は、液圧系は静的平
衡状態にあり、マンドレルの部分は再巻取中央軸
に関して相対的に静止している。或る１つの装置
において他の装置とは異なる回転数の変化が生じ
ると、液圧系は静的平衡状態から外れ、或る装置
の加速が他の装置の減速をもたらすであろう。

この結果として、従来型の切断装置（第１図参
照）において、最初の薄板コイルからできた、均
等に且つしつかりと巻かれたストリツプコイル
を、その長手方向軸線に平行に切断して、２ある
いはそれ以上のストリツプ（第１図のＡ）を作る
ことができる。切断処理によつて生じる各ストリ
ツプ長さの如何なる差異も順応（吸収）される。
何故なら、マンドレルの部分Ｃが、変化する回転
速度を与え得る液圧回転力によつて、再巻取りの
間ストリツプ張力がほぼ一定に維持されるように
回転されるからである。

油洩れ、流動損失、及び外部源からの液圧油の
可能性のある追加を無視すると、本機構（システ
ム）はそれ自身を或る状態に安定させる。その状
態においては、再巻取中央軸に関するマンドレル
の各部分の相対的な回転速度の和が零であり、ま
たマンドレルの全ての部分に対する回転力が等し
い。

マンドレルの各部分の上にストリツプを再巻取
りすると、前記ストリツプは、個々のストリツプ
の長さ及び結果的な速度とは無関係に同じ張力で
巻取られることになるだろう。

実施例 第１図は、２本の再巻取マンドレルを有する切
断および再巻取機を示しており、ストリツプＡは
それぞれの再巻取マンドレルＢ上に巻取られてい
る。第２図は、本発明によつて、各々の再巻取マ
ンドレルがどのようにして共通軸である再巻取中
央軸Ｄ上で各部分Ｃに分割されているかを示して
おり、無作為的に選ばれた幅を有する２つの長さ
のストリツプＡが、それぞれのマンドレルの部分
に巻取られている。

１あるいはそれ以上の再巻取マンドレルが再巻
取中央軸上に懸架されたマンドレルの部分に分割
されており（第２図参照）、各々の前記部分は再
巻取中央軸Ｄを介して駆動装置Ｋから回転力を受
け、その動力は再巻取中央軸上に固定された液圧
回転装置を介して供給され、また閉液圧系で残り
のマンドレルの部分の対応する液圧装置と液圧的
に相互連結されている。

第３図は、各々の再巻取マンドレルの部分の構
造を原理的に説明している。分割された外側伸縮
ドラムＨと内側ドラムＦとはそれぞれ対応的に傾
斜した内面と外面とを有しており、その形状は、
外側伸縮ドラムが再巻取回転の方向（第３図にお
けるＸ方向）とは逆方向（第３図におけるＹ方
向）に或る与えられた角度だけ回転すると、外側
ドラムが或る与えられた直径にまで拡大するよう
な形状になつており、前記傾斜面は、それらがロ
ーラＩの上で回転するような関係になつて互いに
他に対して配置されている。もし、外側伸縮ドラ
ムがＸ方向に回転すると、それはばねＪの力によ
つて半径方向に収縮するであろう。このように、
内側ドラムＦ（第３図参照）の外側に分割された
外側伸縮ドラムＨが存在し、この外側伸縮ドラム
が内側ドラムＦに対して相対的に再巻取り張力と
同方向（第３図におけるＹ方向）に回転している
時には、外側伸縮ドラムの内面及び内側ドラムの
外面における特殊形状の溝の中で、位置Ｌから位
置Ｍへ動く可動円筒状部材Ｉの作用によつて、外
側伸縮ドラムは与えられた外径（所与の外径）に
拡大しまたその逆方向（第３図におけるＸ方向）
に回転する時には、より小さな外径に収縮するだ
ろう。この簡潔（コンパクト）な設計によつて、
ストリツプコイルは、再巻取が終了すると、これ
をマンドレル部分から簡単に取外すことができ
る。各々のマンドレルの部分には、液圧回転装置
Ｅに連結された歯車Ｇ（第３図参照）を介して、
再巻取中央軸上に懸架され内側に歯の付いた内側
ドラムＦによつて回転力が加えられる。

再巻取マンドレルは、巻取ろうとする最も幅の
狭いストリツプによつて決定される適当な数の部
分（小部分）から構成される。この再巻取機にお
ける使用しない上記部分は、液圧弁を操作するこ
とによつて、これを非動作状態にすることができ
る。

切断および再巻取機の上記設計は箔厚、例えば
５〜10ミクロンの厚さのアルミニウムストリツプ
に対しても、またその他の金属、プラスチツクス
トリツプ、布の巻物、及びこれらの複合品に対し
ても十分適している。

【図面の簡単な説明】

第１図は２本の再巻取マンドレルを有する本発
明の一実施例に係る切断および再巻取機の説明
図、第２図は前記再巻取マンドレルがどのように
して共通軸である再巻取中央軸上で各部分に分割
されているかを示す説明図、第３図は前記再巻取
マンドレルの部分の原理的な構造図である。 Ａ…ストリツプ、Ｃ…マンドレルの部分、Ｄ…
再巻取中央軸、Ｅ…液圧回転装置、Ｆ…内側ドラ
ム、Ｇ…歯車、Ｈ…外側伸縮ドラム、Ｉ…円筒状
部材、Ｋ…駆動装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 少なくとも２つのストリツプ（Ａ、第１図）
   を形成すべく、その長手方向軸線に平行に切れ目
   を入れられるシート材コイルから切断され、均等
   に且つきくつ巻かれたストリツプコイルを作成す
   るための切断および再巻取機であつて、シートが
   切れ目を入れられる際に複数のストリツプに生じ
   得る長さの差異が順応されるとともに、再巻取り
   中にストリツプの張力がほぼ一定に維持され、複
   数の部分（Ｃ、第２図）に分割された少なくとも
   一つの再巻取マンドレルを備え、該再巻取マンド
   レルが再巻取中央軸Ｄ上に懸架されて該再巻取中
   央軸によつて駆動されるとともに、マンドレルの
   各部分Ｃが再巻取中央軸Ｄを介して駆動装置Ｋか
   ら回転力を受ける構成の切断および再巻取機にお
   いて、 前記回転力が、再巻取中央軸上に装架されてマ
   ンドレルの部分と該再巻取中央軸との間に配置さ
   れるとともに閉液圧系で他のマンドレルの部分に
   対応する複数の液圧装置と液圧的に相互連結され
   た液圧装置を介して、再巻取中央軸Ｄとマンドレ
   ルの部分Ｃとの間で伝達され、 複数の前記液圧装置Ｅは、再巻取中央軸Ｄに対
   する相対的なマンドレルの部分の回転方向に依存
   するモータ及びポンプの両方として機能し、それ
   らの圧力側と吸込側とがそれぞれ相互連結されて
   いて、従つて、１あるいはそれ以上のマンドレル
   の部分に対して或る与えられた方向に回転力が加
   えられたときに、再巻取中央軸Ｄに関するマンド
   レルの各部分Ｃの相対的な回転の合計が零であつ
   て回転力の同等化が起る態様で、他のマンドレル
   の部分が逆方向に駆動され、且つ伝達損失を無視
   すれば、マンドレルの各部分の回転力が本質的に
   等しく、もつて機構が多段差動マンドレルとして
   機能することを特徴とする均等に且つきつく巻か
   れたストリツプコイルを作成するための切断およ
   び再巻取機。 ２ 再巻取機の使用されないマンドレルの部分
   が、液圧弁の操作によつて非動作状態になされ得
   ることを特徴とする特許請求の範囲第１項に記載
   された均等に且つきつく巻かれたストリツプコイ
   ルを作成するための切断および再巻取機。 ３ マンドレルの各部分に対する回転力が、再巻
   取中央軸上に懸架されるとともに内側に歯の付い
   た内側ドラムＦによつて伝達され、前記再巻取中
   央軸は、歯車（Ｇ、第３図）を介して液圧装置Ｅ
   に連結されていることを特徴とする特許請求の範
   囲第１項、または第２項に記載された均等に且つ
   きつく巻かれたストリツプコイルを作成するため
   の切断および再巻取機。 ４ 前記内側ドラム（Ｆ、第３図）の外側に、分
   割された外側伸縮ドラムＨが懸架されており、該
   外側伸縮ドラムは、内側ドラムに関して再巻取張
   力と同じ方向に回転されると、外側伸縮ドラムの
   内面及び内側ドラムの外面における特殊形状の溝
   の中で位置Ｌから位置Ｍへ動く可動円筒状部材Ｉ
   によつて与えられた外径に拡大し、またその逆方
   向に回転されると、より小さな外径に縮小するこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第３項に記載され
   た均等に且つきつく巻かれたストリツプコイルを
   作成するための切断および再巻取機。