JPH0158630B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は多数の信号ピンを互に電気的に隔離
した状態で同軸ケーブルに接続保持することが可
能な同軸多芯リセプタクルに関するものである。

多数の信号ピン及びアースピンが植立された基
板に対して組み付けられ、これらの信号ピンに同
軸ケーブルを接続し、接続された多数の同軸ケー
ブルの外部導体をアースした状態で、それぞれの
同軸ケーブルを互に隔離して中継板上で保持する
ことができる同軸多芯リセプタクルが従来から要
求されていた。

例えば基板に与えられる複数の入力信号に対し
て、基板に形成された回路によつて所定の信号処
理が施され、これら信号処理が施された複数の信
号をこの基板を継由して同軸ケーブルにより高伝
送速度で且つ信号相互間のクロストークを減少さ
せた状態で伝送しなくてはならない場合がある。
このような場合には、複数の信号ピンに対してそ
れぞれ同軸ケーブルを接続し、これらの同軸ケー
ブルの外部導体を信号ピンを取り囲むように配設
したアースピンにより完全にアースすることが必
要である。さらに基板の信号ピンに接続された多
数の同軸ケーブルが互にほぼ平行に安定に保持さ
れる取付構造であることが望ましく、又基板に対
して簡単に組付け可能で、全体として大がかりな
構造でないことが望まれる。この場合の基板は必
ずしも信号を処理する回路が形成されているもの
でなくてもよく、例えばそれぞれケーブルが接続
された信号ピンを単に固定保持し、外部のLSIな
どへの接続の仲立ちをする保持用の基板であつて
もよい。

この発明は従来からのこの種の装置に対する要
求を満足し、各信号の完全隔離伝送が可能で基板
に対して簡単に組付け使用することができる同軸
多芯リセプタクルを提供するものである。

この発明では基板が設けられ、この基板はアー
スピンと信号ピンが植立されている。基板にはマ
トリクス状に複数のアースピンが植立され、これ
らのアースピンに囲まれてマトリクスの行及び列
で囲まれる単位領域のほぼ中央には信号ピンが植
立されている。基板に植立されたアースピン及び
信号ピンは基板の板面を貫通して内部に突設され
る。

この基板に対して直角に押し込み取り付けられ
る格子板が設けられ、この格子板の押し込み方向
の端部にはスプリング体が形成されていて、格子
板を基板に押し込み取り付けた状態でアースピン
とこのスプリング体とが弾性的に接触する。一方
この発明では保持手段が設けられていて、信号ピ
ンに対して接続されるケーブルの外部導体はこの
保持手段によつて中継板上において接続部分で弾
性的に保持される。又基板に対する格子板の押し
込みの端部位置においてスプリング体はアースピ
ン側に偏倚手段によつて偏倚され、スプリング体
とアースピンとの弾性接触が完全に行われるよう
に構成されている。

以下、この発明の同軸多芯リセプタクルをその
実施例に基づき、図面を使用して詳細に説明す
る。

絶縁材でほぼ正方形板状に中継板が形成され
る。この中継板は複数のアースピン及び信号ピン
が植立された基板上に配設されるもので、基板に
植立される複数のアースピンと信号ピンは中継板
の板面を貫通して突設され、これらのピンは中継
板を介して同軸多芯リセプタクル内に導かれる。
第１図はこれらのアースピン及び信号ピンが固定
植立され、中継板に対して配設される基板１１の
構成を示す斜視図で、この例ではアースピン及び
信号ピンが基面に対して正方マトリクス状に植立
されている。即ち基板１１は合成樹脂材などの絶
縁材でほぼ正方形板状に形成され、板面に対して
マトリクス状にアースピン１２―１１……１２―
nnが植立される。又マトリクスの行及び列で囲
まれる単位領域のほぼ中央には、基板１１に信号
ピン１３―１１……１３―（ｎ−１）（ｎ−１）
が植立される。図示していないが、基板１１には
例えば信号処理のための回路が形成されていて、
この回路のアース線に各アースピン１２―１１…
…１２―nnが接続される。図示していないが各
信号ピン１３―１１……１３―（ｎ−１）（ｎ−
１）の基板１１上での突出端部と反対の端部は、
基板１１の裏面側において基板１１に形成されて
いる回路の所定位置に接続されたり、或は基板１
１の裏面側でケーブルに接続され、このケーブル
に入力信号が印加されたりしている。

中継板１４には第３図にその一部を示すように
第１種の貫通孔１５―１１〜１５―nnがマトリ
クス状に形成され、又これら第１種の貫通孔に囲
まれるようにして第２種の貫通孔１６―１１〜１
６―（ｎ−１）（ｎ−１）がマトリクス行及び列
で囲まれる単位領域のほぼ中央に形成される。こ
れら第１種及び第２種の貫通孔の基板１１と対向
して配設される中継板１４の板面側端部には、内
径が拡大されたテーパが形成され、アースピン１
２―１１……１２―nn及び信号ピン１３―１１
……１３―（ｎ−１）（ｎ−１）の挿入が円滑に
行われるように構成される。基板１１に対して中
継板１４を取り付けた状態でアースピン１２―１
１……１２―nnは第１種の貫通孔１５―１１〜
１５―nnを貫通して中継板１４内に突設され、
信号ピン１３―１１〜１３―（ｎ−１）（ｎ−１）
は第２種の貫通孔１６―１１〜１６―（ｎ−１）
（ｎ−１）を貫通して中継板１４内に突設される。

中継板の板面に対して直角方向に押し込み取り
付けられる格子板が設けられる。

格子板２１―ｐ（ｐ＝１，２，３…）は導電材
で形成され、実施例においては第１０図に示すよ
うに２枚の導電板２２―ｐ―１，２２―ｐ―２が
重ね合わされた構造となつている。格子板２１―
ｐの外形はほぼ長方形状に形成され、その取り付
けの突出端部側の縁辺部から押し込み方向に互に
平行に切溝２３―ｐ１，２３―ｐ２…が等間隔に
形成される。

格子板２１―ｐの押し込み方向側の端部には、
アースピンと弾性接触するスプリング体が形成さ
れる。

即ち実施例においては、押し込み方向の縁端部
において格子板２１―ｐがその切り込まれた部分
が同一幅となるように同一の間隔で繰り返して押
し込み方向に平行に切り込まれ、切り込まれて形
成される導電板２２ｐ―１，２２ｐ―２部分がそ
れぞれ弾性を保持するように屈曲されて、スプリ
ング体２４―ps（ｐ，ｓ＝１，２，３…）が形成
されている。この互に対向配設されるスプリング
体２４―psが、格子板２１―ｐを中継板１４に対
して直角方向に押し込み取り付ける際にそれぞれ
対応するアースピン１２―psを弾性的に挾持し
て、スプリング体２４―psとアースピン１２―ps
との弾性接触が行われる。スプリング体２４―ps
はその押し込み側の端部で対向する板面が互に離
れる方向に間隔が広められ、アースピン１２―ps
に対する嵌合が要易に行われるように構成されて
いる。特にアースピン１２―psの数が増加すると
このようにスプリング体２４―psの端部の間隔を
拡大しておかないと、アースピンとスプリング体
との摩擦力が累積されてアースピン１２―psに対
する格子板２１―ｐのスプリング体２４―psの嵌
合取り付けが困難となる。

又実施例においてはスプリング体２４―psの隣
接配設されるものの間において、導電板２２―ｐ
―１，２２―ｐ―２の端部にそれぞれ凸部２２―
ｐ―１Ｄ及び２２―ｐ―２Ｄが形成される。これ
らの凸部は中継板１４上において第２種の貫通孔
間に形成されている係合孔２５―１１，２５―１
２…内に挿入されるような構成となつている。

信号ピンに対して接続されるケーブルの外部導
体を中継板上においてその接続部分で弾性的に保
持する保持手段が設けられる。

実施例では凸部２２―ｐ―１Ｄ，２２―ｐ―２
Ｄが形成されている導電板２２―ｐ―１，２２―
ｐ―２の帯状片３０―ｐ―１，３０―ｐ―２部分
が互に板面に対して直角方向に偏倚力を有するよ
うに屈曲され、これらの帯状片３０―ｐ―１，３
０―ｐ―２によつて保持手段が構成されている。

従つて中継板１４から突設される信号ピン１３
―１１，１３―１２…に対して格子板２１―ｐの
配設の突出方向から同軸ケーブル３２―１１，３
２―１２…を接続して取り付ける場合、接続され
る同軸ケーブル３２―１１，３２―１２…の外部
導体がこの保持手段により中継板１４上で弾性的
に保持される。例えば第４図に示すように同軸ケ
ーブル３２―１１は、帯状片３０―１―１と帯状
片３０―２―２とにより弾性的に挾持される。

格子板の中継板に対する押し込みの端部側位置
でスプリング体をアースピン側に偏倚する偏倚手
段が設けられる。

実施例においては格子板２１―ｐに形成されて
いる切溝２３―ｐ１，２３―ｐ２…に対して係合
するように切溝３５―ｐ１，３５―ｐ２…が形成
された補助格子板３６―ｐが設けられ、この補助
格子板３６―ｐが中継板１４に取り付けられた格
子板２１―１，２１―２…に対して直角に、切溝
３５―ｐ１，３５―ｐ２…を切溝２３―ｐ１，２
３―ｐ２…に係合させることにより固定して取り
付けられる。

補助格子板３６―ｐには溝３５―ｐ１，３５―
ｐ２…に連続して押し込み挿入の端部側にわたつ
てほぼ長方形の切欠３８―ｐ１，３８―ｐ２…が
形成される。これら切欠３８―ｐ１，３８―ｐ２
…には溝３５―ｐ１，３５―ｐ２…との連続部分
において、その切欠の幅が狭められるテーパーが
形成されている。

この補助格子板３６―ｐを使用することによ
り、中継板１４上において格子板２１―１，２１
―２…のそれぞれのスプリング体２４―psを対応
するアースピン１２―１１，１２―１２…に対し
て等しい弾性保持力で確実に係合させることが可
能となる。

即ち最初中継板１４に対して格子板２１―１，
２１―２…を取り付けた状態では、中継板１４の
アースピン１２―１１，１２―１２…に対して格
子板２１―１，２１―２…のスプリング体２４―
psは、その端部側において板面の間隔が広められ
ているために最初の取り付け状態では、スプリン
グ体２４―psは対応するアースピン１２―１１，
１２―１２…に対して位置決めされた状態で無挿
入力（ZIF）で互に軽く弾性的に係合されてい
る。即ちこの最初の係合状態では、スプリング体
２４―psは板面が互にその間隔を広められるよう
に屈曲された端部位置において、それぞれ対応す
るアースピン１２―１１，１２―１２…を弾性的
に軽く挾持している。

中継板１４に対して直角方向に必要な数の格子
板２１―１，２１―２…をいずれも対応するアー
スピン１２―１１，１２―１２…をスプリング体
２４―psの端部で軽く挾持する無挿入力状態に係
合させた後に、格子板２１―ｐの切溝２３―ｐ
１，２３―ｐ２…に対して補助格子板３６―ｐの
切溝３５―ｐ１，３５―ｐ２…を係合させる。こ
の状態で補助格子板３６―ｐを中継板１４方向に
押し込んで行くと、切欠３８―ｐ１，３８―ｐ２
…のテーパー部が格子板２１―１，２１―２…の
スプリング体２４―１―（ｓ＋１），２４―２―
（ｓ＋１）の突出方向の端部からスプリング体に
乗り、これを挾むように配置される。

さらに補助格子板３６―ｐを押し込むことによ
り、切欠３８―ｐ１，３８―ｐ２…がこれらのス
プリング体の両外側への突出屈曲部を挾むため、
スプリング体の間隔が弾性的に狭められ、各スプ
リング体がアースピン側に偏倚され、スプリング
体によつて対応するアースピン１２―１１，１２
―１２…が完全に弾性挾持される。格子板２１―
ｐに沿つてこの補助格子板３６―ｐの挿入移動の
案内となるように、格子板２１―ｐの補助格子板
３６―ｐで挾まれる位置にほぼ半球状の突起にガ
イド溝が形成された案内体AD―１，AD―２…
が設けられている。

このようにして中継板１４に対して格子板２１
―１，２１―２…及び補助格子板３６―１，３６
―２…を組み付けた状態で、第１１図に示すよう
に外枠４１―１，４１―２及び４２―１，４２―
２で周囲を囲むように中継板１４、格子板２１―
１，２１―２…及び補助格子板３６―１，３６―
２…に対して外枠４１―１，４１―２及び４２―
１，４２―２が取り付けられる。第１１図では互
に対向して配設される外枠の一方だけが示されて
いる。

外枠４１―１，４１―２には長手方向の内面に
凹部４３―１，４３―２が形成され、その凹部４
３―１と同一方向の板面の下縁部には中継板１４
の縁部が挿入される取り付け溝４４―１，４４―
２が形成される。一方この取り付け溝４４―１，
４４―２と対向する上縁部には、補助格子板３６
―１，３６―２…の端部が挿入される切溝４５―
１…４５―ｎが形成される。外枠４２―１，４２
―２は外枠４１―１，４１―２に対して直角方向
に取り付けられるもので、同様に凹部４６―１，
４６―２、取り付け溝４７―１，４７―２及び格
子板２１―１，２１―２…の端部が挿入される切
溝４８―１…４８―ｎが形成される。

これらの外枠４１―１，４１―２及び４２―
１，４２―２を中継板１４の縁部を取り付け溝４
４―１，４４―２及び４７―１，４７―２内に挿
入し、補助格子板３６―１，３６―２…及び格子
板２１―１，２１―２…の周りに取り付けた状態
を第１２図に示す。この状態では補助格子板３６
―１，３６―２…は中継板１４に対して多少浮い
た形で取り付けられている。この状態で基板１１
上に中継板１４を配設し、補助格子板３６―１，
３６―２…を完全に押し込み、ねじ４９―１〜４
９―４を使用して外枠４１―１，４１―２及び４
２―１，４２―２を互に固定する。この状態で第
１３図に示すように表示板４５を上面側を被うよ
うにして組付け固定する。表示板４５には信号ピ
ン１３―１１…１３―（ｎ−１）（ｎ−１）に対
応する位置に通孔５０―１１…５０―（ｎ−１）
（ｎ−１）が形成されている。この通孔５０―１
１…５０―（ｎ−１）（ｎ−１）には、同軸ケー
ブルの接続個所の番地を表示させておくと接続に
便利となる。信号ピンに接続された同軸ケーブル
は、これらの通孔から外部に導出される。

このようにこの発明の同軸多芯リセプタクルは
全体が簡単な構造で、信号ピンとアースピンが植
立された基板に対して容易に取り付け組み付ける
ことが可能である。その組み付け状態において
は、基板に植立される多数の信号ピンに接続され
る同軸ケーブルの外部導体は電気的に完全にアー
スされると共に、中継板上で安定した状態で弾性
的に保持される。

以上詳細に説明したようにこの発明によると、
アースピンと信号ピンが植立された基板に対して
簡単に取り付けることが可能で、装置の構成も大
がかりでなく、且つ取り付けた状態ではそれぞれ
の信号ピンに接続される同軸ケーブルはその外部
導体が完全にアースされた状態で、中継板上に弾
性的に安定に保持されるように構成された同軸多
芯リセプタクルを提供することが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の同軸多芯リセプタクルが接
続される基板の構成を示す斜視図、第２図は第１
図の平面原理図、第３図はこの発明の同軸多芯リ
セプタクルの実施例の中継板の要部の構成を示す
平面図、第４図はこの発明の同軸多芯リセプタク
ルの実施例において中継板に対して格子板と補助
格子板を取り付けた状態を示す図、第５図は第４
図のＡ―Ａ断面図、第６図は第４図のＢ―Ｂ断面
図、第７図は第４図のＣ―Ｃ断面図、第８図はこ
の発明の同軸多芯リセプタクルの実施例において
アースピンに対してスプリング体を緩く装置した
状態を示す図、第９図はこの発明の同軸多芯リセ
プタクルの実施例における格子板の中継板との係
合部分の構成を示す図、第１０図はこの発明の同
軸多芯リセプタクルの実施例での中継板に対して
格子板と補助格子板とを取り付けた状態を示す斜
視図、第１１図及び第１２図はこの発明の同軸多
芯リセプタクルの実施例における外枠の組み付け
状態を示す斜視図、第１３図はこの発明の同軸多
芯リセプタクルの実施例における表示板の組み付
け状態を示す斜視図である。 １１：基板、１２―１１，１２―１２…：アー
スピン、１３―１１，１３―１２…：信号ピン、
１４：中継板、１５―１１，１５―１２…：第１
種の貫通孔、１６―１１，１６―１２…：第２種
の貫通孔、２１―１，２１―２…：格子板、２２
―１―１，２２―１―２…：導電板、２３―１
１，２３―１２…：切溝、２４―１１，２４―１
２…：スプリング体、３０―１―１，３０―１―
２…：帯状片、３２―１１，３２―１２…：同軸
ケーブル、３５―１１，３５―１２…：溝、３６
―１，３６―２…：補助格子板、３８―１１，３
８―１２…：切欠、４１―１，４１―２，４２―
１，４２―２：外枠。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 基板と、この基板の板面を貫通してマトリク
   ス状に突設される複数のアースピンと、前記マト
   リクスの行及び列で囲まれる単位の領域のほぼ中
   央に前記板面を貫通して突設される複数の信号ピ
   ンと、前記基板の板面に対して２枚重ね構造の導
   電板が直角方向に配設され、この各導電板の前記
   基板側に前記アースピンと弾性接触する先が開い
   たスプリング体と、先端が前記基板に圧入されて
   その中間部が離れる方向に突出して、前記信号ピ
   ンと接続する同軸ケーブルの外部導体を弾性的に
   挾持する対向した帯状片とが形成された格子板
   と、前記格子板に対し直角に交叉して押し入み可
   能とされ、前記基板側にはその押し込みにより前
   記スプリング体の外側面と係合して前記アースピ
   ンにそのスプリング体を圧接させる長方形の切欠
   が形成された補助格子板とを有することを特徴と
   する同軸多芯リセプタクル。