JPH0153242B2

JPH0153242B2 -

Info

Publication number: JPH0153242B2
Application number: JP56015330A
Authority: JP
Inventors: Nobutaka Takeuchi; Koichi Matsumoto
Original assignee: Shiseido Co Ltd
Current assignee: Shiseido Co Ltd
Priority date: 1981-02-04
Filing date: 1981-02-04
Publication date: 1989-11-13
Also published as: JPS57130908A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は主として南半球のケープタウン、南オ
ーストラリア、ニユージーランドなどの近海の深
海（800m〜1000m）にいるとヒウチダイ科の魚、
ラツフイー（学名ホプロステサス・アトランチカ
ス（Hoplostethus atlanticus）、ホプロステサ
ス・メデイテラノイス（Hoplostethus
mediterraneus）、ポプロステサス・ギルクリス
チ（Hoplostethus gilchristi）、ホプロステサ
ス・インターメデイアス（Hoplostethus
intermedius）；英名ソー・ベリー（Saw belly）、
サンドペーパー・フイツシユ（Sandpaper
fish）、オレンジ・ラツフイー（Orange roughy）
など；日本名ヒウチダイ）の皮、皮下脂肪あるい
は頭から抽出したラツフイー油または（および）
その水素添加物を配合して作る化粧料に関するも
のである。

尚ラツフイーについての上記かつこ内の学名は
アジについてムロアジ、マアジ等の種類があるの
と同様にラツフイーについての各種名称を表わ
す。

ラツフイーは全長30〜40cm（平均）のオレンジ
色の魚で、ヨーロツパ、オーストラリアで最近食
用に供されている。ラツフイー油は、ラツフイー
の皮、皮下脂肪あるいは頭から煮とり法により抽
出、脱水した油で、きれいなオレンジ色の透明な
油である。

ラツフイー油は、べたついた感じのないさつぱ
りした感触の油で、皮膚へ塗布すると非常に感じ
がよい。化粧品に使用されている天然の動植物油
はすべてトリグリセライド構造をもつているが、
（トリグリセライド構造をもたないものは植物油
のホホバ油のみである）、この油はホホバ油と同
様脂肪酸エステルであることが特徴で、通常のト
リグリセライドと非常に異つたすぐれた感触を示
す。ラツフイー油は直鎖状の不飽和脂肪酸と不飽
和アルコールからなるエステルを主成分とする油
である。ラツフイー油を油性原料として化粧品に
配合すると、化粧品の品質を改良し、使用した場
合感触のすぐれた化粧品となる。

ラツフイー油は魚肉を利用したあとの非食用部
分より得られる油で資源の有効利用といつた面か
らも非常にメリツトがある。

使用目的により脱臭、脱色あるいは蒸留により
精製して使用する。

オレンジ色のラツフイー油はその色を利用し
て、化粧品に色素を使わずに色をつけることも可
能である。

つぎに本発明の化粧料について参考例および実
施例をあげて詳細に説明する。

参考例 Hoplostethus atlanticus（英名Orange
roughy）の皮および皮下脂肪よりラツフイー油
を抽出した。抽出は皮および皮下脂肪８Kgを６mm
目のチヨツパーにかけ水15Kgを加えて30分間沸騰
させることにより行なつた。浮上する油を分離
し、3000RPMの遠心分離に20分かけ脱水、ろ過
することによりラツフイー油を1.4Kg得た。得ら
れた油は透明オレンジ色であつた。

得られたラツフイー油のガスクロマトグラフイ
ーを第１図に示す。脂肪酸およびアルコールの組
成は次のようなものであつた。尚、他の３種即ち
ホプロステサス・メデイテラノイス
（Hoplostethus mediterraneus）、ホプロステサ
ス・ギルクリスチ（Hoplostethus gilchristi）、
ホプロステサス・インターメデイアス
（Hoplostethus intermedius）より得られるラツ
フイー油も下記とほぼ同様の組成、性質を示す。

脂肪酸パルミトオレイン酸 8.3％オレイン酸 51.4 エイコセン酸 21.6 ドコセン酸 11.7 C₂₄の不飽和脂肪酸 2.4 アルコールヘキサデカノール 14.3 ステアリルアルコール 8.0 オレイルアルコール 17.8 エイコセノール 28.4 ドコセノール 21.7 C₂₄の不飽和アルコール 5.5 得られたラツフイー油の性質を次に示す。

比重 0.8675（20℃）屈折率 1.4664 融点（透明）６〜10℃ 酸価 1.4 ケン化価 103.0 ヨウ素価 83.4 不けん化物価 47.4 実施例１サンオイルＡジカプリル酸ピリドキシン（NIKKOL DK）
0.1％モノオレイン酸ソルビタン（NIKKOL SO
−10） 1.0 ブチルパラベン 0.1 Ｂ２―エトキシエチル―ｐ―メトキシシンナメ
ート 2.0％ラツフイー油 5.0 オリーブ油 20.0 流動パラフイン（＃70）で全量 100 Ａを80℃に加温、均一に溶解させ、溶解したら
ＢをＡに加えて均一にする。

実施例２クレンジングオイルトリ２―エチルヘキサン酸グリセリン 30.0％スクワラン 20.0 ２―オクチルドデカノール 20.0 ラツフイー油 5.0 テトラオレイン酸ポリオキシエチレン（30モ
ル）ソルビツト（NIKKOL GO―430） 5.0 流動パラフイン（＃70）で全量 100 実施例３マツサージクリームＡポリオキシエチレン（20モル）ベヘニルエー
テル 2.0％テトラオレイン酸ポリオキシエチレン（60モ
ル）ソルビツト（NIKKOL GO―460）
1.0 自己乳化型モノステアリン酸グリセリン
（NIKKOL MGS−ASE） 2.0 蜜ロウ 3.0 水素添加ラツフイー油 3.5 セタノール 2.5 ステアリン酸 3.0 トリ２―エチルヘキサン酸グリセリン 25.0 流動パラフイン（＃70） 15.0 ラツフイー油 5.0 ビタミンＥ 0.1 ブチルパラベン 0.1 Ｂメチルパラベン 0.1％１，３―ブチレングリコール 5.0 水で全量 100 Ａを80℃に加温溶解し、Ｂも80℃に加温し、Ｂ
をＡに撹拌しながら加え45℃まで撹拌する。

尚、使用した水素添加ラツフイー油は下記の如
くして製造した。

ラツフイー油100Kgを反応容器に仕込み、水添
触媒（還元ニツケル触媒）１Kgを添加、窒素置換
した後、200℃で６〜７時間水素ガスを通気した。
反応終了後、濾過し、水添触媒を除去して目的と
する水素添加ラツフイー油98Kgを得た。

この水素添加ラツフイー油は下記性状を有する
ものである。

外観；白色固体融点；60〜62℃ 酸価；0.62 けん化価；106.2 ヨウ素価；0.72 色（ADHA）；40 脂肪酸（飽和）アルコール（飽和） C₁₄ 1.7％ C₁₄ 1.9％ C₁₆ 14.2 C₁₆ 65.0 C₁₈ 54.0 C₁₈ 22.7 C₂₀ 17.8 C₂₀ 26.3 C₂₂ 9.2 C₂₂ 25.0 C₂₄ 2.0 C₂₄ 5.0 実施例４栄養クリームＡモノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビ
タン（NIKKOL TS−10） 1.0％テトラオレイン酸ポリオキシエチレン（30モ
ル）ソルビツト（NIKKOL GO−430）
1.5 自己乳化型モノステアリン酸グリセリン
（NIKKOL MGS−ASE） 1.5 流動パラフイン（＃70） 15.0 ラツフイー油 5.0％セタノール 3.0 蜜ロウ 2.0 ステアリン酸 3.0 パラフインワツクス135〓 3.0 ビタミンＥ 0.1 ブチルパラベン 0.1 Ｂメチルパラベン 0.1％１，３―ブチレングリコール 5.0 水で全量 100 実施例５乳液Ａモノステアリン酸ポリオキシエチレン（20モ
ル）ソルビタン（NIKKOL TS−10） 1.0％モノステアリン酸グリセリン（NIKKOL
MGS−Ｂ） 1.0 テトラオレイン酸ポリオキシエチレン（60モ
ル）ソルビツト 0.5 ラツフイー油 5.0 トリ２―エチルヘキシル酸グリセリン 5.0 セタノール 0.5 ステアリン酸 0.5 ビタミンＥ 0.1 ブチルパラベン 0.1 Ｂメチルパラベン 0.1％１，３―ブチレングリコール 5.0 カーボポール940（１％水溶液） 7.0 水で全量 100

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明で使用されるラツフイー油のガ
スクロマトグラフイーを示す。

Claims

【特許請求の範囲】

１ホプロステサス・アトランチカス
（Hoplostethus atlanticus）、ホプロステサス・
メデイテラノイス（Hoplostethus
mediterraneus）、ホプロステサス・ギルクリス
チ（Hoplostethus gilchristi）、ホプロステサ
ス・インターメデイアス（Hoplostethus
intermedius）の学名のヒウチダイ科の魚の一種
又は二種以上の皮、皮下脂肪あるいは頭から抽出
したラツフイー油またはその水素添加物のいずれ
か一方あるいは両方を含有することを特徴とする
化粧料。