JPH0153139B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は金床と、ハンマーヘツドまたはハンマ
ーの金床ブロツクインサートの間に、平面状のロ
ツキング表面を有するロツキングくさびを挿入す
る方法および該方法を実施するためのロツキング
構造に関する。前記くさびは金床のロツキング表
面と、ハンマーヘツドまたは金床ブロツクインサ
ートのロツキング表面との間に挿入され、前記二
つのロツキング表面は平面で、そして垂直平面に
対して傾斜し、そして互に向つて収れんしてい
る。

これまでこのようなくさびはロツキング表面間
に形成された溝内に、ハンマー、振り子ハンマ
ー、空気ドリフターまたは油圧衝撃工具によつて
打ち込まれて来た。しかしながらこれら方法のす
べては、高レベルの騒音を発生し、作業者が受け
る振動および直接の傷害等の環境問題の見地か
ら、そしてくさび、溝を形成するロツキング表
面、それに機械のガイドに対して損傷を与えると
いう事実の両方から適当でない。

恐らく最も重大な問題は、積極的なロツキング
を得るためくさびを打ち込むときは必要とする力
が非常に大きいので、普通の圧力が材料の降状点
を越えることである。これはくさびが打ち込み工
具で打たれるときまたは圧力にさらされるとき少
し圧縮されるため、すなわちそのロツキング表面
が互から遠去かり、そして溝の協力するロツキン
グ表面に対して過剰の抵抗に出会うためである。
衝撃ストロークまたは圧力が停止するや否や、く
さびはその原形に復帰し、すなわちそのロツキン
グ表面が互いに近接し、それにより該くさびの係
合およびロツキング効果を損ずる。

くさびを溝内に打ち込むこれまでの方法は、く
さび、金床、ハンマーヘツドおよび金床ブロツク
インサートのロツキング表面を次第に変形させ、
そして機械のガイドを過度に早く摩耗させる。そ
の当然の結果はしばらく使用した後、ハンマーヘ
ツドおよび金床ブロツクインサートが所期の目的
に対し安全に使用することができなくなり、そし
て摩耗した機械ガイドは鍛造プロセスおよび鍛造
品の精度をそこね、そして費用のかゝる修理をし
ばしば実施しなければならないことになる。

本発明の主目的は、ロツキング表面の損傷の危
険が完全に排除され、これまでのロツキング方法
で可能であつたよりもより安全なロツキングを達
成する新規な方法を提供することである。別の目
的の一つは金床を変換するとき騒音および人身事
故を避け、そしてこれまでのロツキング方法にお
けるハンマーヘツドへの衝撃ストレスおよび圧力
ストレスを除去することである。

本発明による方法は、金床をハンマーヘツドま
たは金床ブロツクインサートへロツクするとき、
各ロツキングくさびをそれぞれの溝またはくさび
通路へ引き入れることを特徴とする。くさびの狭
い端部へ引張力を加え、そしてくさびを溝内へ引
き入れることにより、くさびはそのロツキング表
面が互に向つて動くように引張られ、そしてくさ
びが所望のロツキング位置に到達し、そして引張
力が除去されるとき、くさびは完全にまたは部分
的に原形に復帰し、すなわちそのロツキング表面
は溝の協力するロツキング表面に対して一層強く
押し付けられる。

この方法を実施するための新規なロツキングの
構造は、くさびが溝のロツキング表面の間に引き
込まれることを可能にするくさび角度を含み、そ
してくさびはその両端に該くさびを前記溝内へ引
き入れ、または溝から引き出すとき引張り手段へ
接続すべきそれぞれの引張りヘツドを備えている
ことを特徴とする。

本発明の特徴は、テーパー状になつているくさ
びを対応してテーパー状になつているみぞの中へ
その狭くなつた先導端から引張り込む点である。
典型的な既知の構造および方法では、くさびをそ
の幅広の尾端を衝撃力によつて打ち込むようにな
つている。例えば、実公昭46−29975号公報参照。

このような本発明と公知技術との相違およびそ
のための効果を第７図のスケツチを使つて説明す
る。公知技術では、スケツチＡのようにくさびは
みぞに打ち込まれる。その場合、くさびとみぞの
ロツキング表面との摩擦力により、くさびは僅か
ではあるがその弾性のため縦方向に収縮し、横方
向に膨張する。この押圧力が解除されると、くさ
びはその弾性のためその元の形に復帰しようと
し、縦方向に膨張し、横方向に収縮するであろ
う。そのためスケツチＢに示すようにくさびとロ
ツキング表面の間に〓間を生じてゆるみ、前述の
ような問題を生ずる。

これに対し本発明では、くさびはその先導端か
らみぞに張力下に引込まれる。その場合はスケツ
チＣに示すようにくさびは縦方向に伸長し、横方
向に収縮する。この張力が解除されれば、くさび
は原形に復帰しようとし、縦方向に収縮し、横方
向に膨張するであろう。この状態はスケツチＤに
図示されており、その結果くさびは先行技術によ
つてみぞへ押圧力をもつて打ち込まれた場合より
も一層ぴつたりとそして堅固にロツクされる。事
実このように本発明によつてロツクされたくさび
は、単に反対方向へ引張るだけでは除去すること
が不可能であり、最初それを両端から引張り、く
さびを縦方向に伸長させてみぞとの係合をゆるめ
ることが必要である。

本発明により、騒音および振動が避けられ、作
業員の傷害のリスク、例えば衝撃具からの金属破
片がなくなるから、作業環境が改善される。

さらに本発明によれば、ハンマーヘツドおよび
金床ブロツクライニングのロツキング表面を保護
するくさびライニングまたはインサートを好まし
くは使用し、そしてくさびをそれぞれの溝へ引き
込むときはそれを打ち込むときよりもより小さい
力ですむので、公知方法によつて金床を交換する
ときに発生するような機械の損傷が避けられる。
本発明によつてくさびを溝中へ引き込むときは、
ハンマーヘツドまたは金床ブロツクインサート
は、くさびを溝へ打ち込むときのようにガイドに
推進力のすべてを吸収させるのではなく、当て盤
または反発表面として使用される。前者の場合は
ガイドの大きい摩耗を生じ、後にガイド作用を損
ずる。

以下図面を参照して本発明をさらに詳細に記載
する。

第１図は本発明に関しハンマーの最重要エレメ
ントを略図的に図示する。

第２図に本発明によるくさびの側面図である。

第３図は第２図のくさびの平面図である。

第４図はくさびライニングまたはインサートの
側面図である。

第５図は第４図の線−に沿つた断面図であ
る。

第６図は本発明により上部金床へロツクしたハ
ンマーヘツドの概略図である。

第７図は本発明の原理を理解するための説明図
である。

第１図は簡単な態様で、ロツド２によつて駆動
されるハンマーヘツド１を持つハンマーを図示す
る。ロツド２は図示しないフレーム構造へ取り付
けられる。ハンマーヘツド１は点線で示したガイ
ド３によつて垂直運動のためにガイドされる。ハ
ンマーヘツド１は平面な水平表面１１を有し、該
平面へ上部金床４が取り付けられる。上部金床４
は、金床ブロツクインサート６上へ取り付けられ
た下部金床５と協力するようになつている。金床
ブロツクインサート６は図示しないフレーム構造
の上に取り付けられる。上部金床４の上部左手縁
に沿つて、一つの側は平面でそして金床４の全長
を延長するロツキング表面７により、他の側は、
図示した具体例ではくさびの誘導表面を形成しロ
ツキング作用を持たない表面８によつて形成され
た傾斜溝が延長している。ロツキング表面７は垂
直平面に対しいくらか傾斜している。ハンマーヘ
ツドには断面が鳩尾形で、そして側面９および１
０と底面１１とによつて形成される広い溝が設け
られる。すべての表面は平面である。表面１１は
水平面と一致し、そして表面９および１０は水平
面へ向つて傾斜し、そして図示した具体例ではロ
ツキング表面７と同一傾斜角度を持つている。金
床４の上部平面は表面１１と密着し、ハンマーヘ
ツド１によつて加えられる衝撃力はこれらの表面
を経由して金床４へ伝えられる。金床４の上部右
縁に沿つて、ロツキング表面７と同一形状のロツ
キング表面１２が設けられる。ロツキング表面９
および１０は、第１図に見られるようにハンマー
ヘツド１および金床４の進行表面から互いに向つ
て収れんする。対応する傾斜溝がロツキング表面
１０および１２によつて形成されるが、この場合
溝は反対方向へ傾斜する。下部金床５および金床
ブロツクインサート６にも対応するロツキング表
面が設けられ、そして第１図にはくさび１３が下
部金床５と金床ブロツクインサートまたはライニ
ング６の間の右手の溝内に挿入されて示されてい
る。

第２図および第３図には本発明によるくさび１
４が図示されている。くさび１４は、側面を示し
たくさび本体１５を有し、そして一定した高さま
たは厚みを有し、くさびの厚みはロツキング表
面、例えばロツキング表面９の深さより少し小さ
い。くさび本体１５は二つの相互に収れんする平
面のロツキング表面１６および１７を有し、そし
てくさび角度はくさびを溝のロツキング表面間
に、例えば表面７，９間に引き込むことを可能と
するようになつている。くさび本体の狭い端部２
０に引張りヘツド１８が設けられ、そこには図示
した具体例では該ヘツドを引張り具へ接続できる
ための穴１９が設けられる。くさび本体１５の幅
広の端部２１には貫通穴２３を有する同様の引張
りヘツド２２が設けられ、該穴によつてヘツド２
２はくさびをロツキング表面間から引き出そうと
するとき引張り具へ接続することができる。

第２図および第３図によるくさびを使用すると
きは、くさび表面１６，１７がそれぞれの表面
７，９へ対面するように、くさびヘツド１８を溝
の挿入開口、例えば第１図に見えるロツキング表
面７および９の間の開口へ差し込む。くさびは手
動的に差し込まれ、そして好ましくは前記溝の後
方開口から突出するヘツド１８へ引張りロツドが
接続される。同様なくさび１４がロツキング表面
１０および１２の間に形成される溝内に、しかし
この場合は逆方向に差し込まれる。次にくさびは
それぞれの溝内に所望のロツキング位置まで引き
込まれる。例えば金床を交換するため本発明によ
るくさびを除去するときは、くさびのヘツド２２
を前記引張り具へ接続し、そしてくさびまたはロ
ツキング表面の損傷のより少ない危険性をもつて
くさびがゆるめられる。

改良されたスライデイング効果およびもつと積
極的なロツキングをもたらし、そして金床、ハン
マーヘツドおよび金床ブロツクインサートのロツ
キング表面の変形のリスクを完全に排除するとい
うこのくさびにより達成される効果を最大に利用
するため、くさびライニングまたはインサートが
それぞれのくさびとロツキング表面、例えばロツ
キング表面７および９との間に置かれる。均一の
厚みの長方形のバーで構成できるそのようなライ
ニングの一つ２４が第４図および第５図に図示さ
れ、第６図は所定位置にあるくさびライニングを
図示する。くさびライニング２４は互に平行な表
面２５および２６を有し、該表面は好ましくはイ
ンサートとくさび表面との間の最適のスライデイ
ングのため窒素ケース硬化処理される。

好ましくは、くさび表面に接触する各インサー
トの表面は平滑化され、該くさび表面も平滑化さ
れる。慣用のくさび構造と違つて、くさびを溝内
へ引き入れるとき二つの表面が一体に押し潰され
る危険はない。くさび１４と同じかそれとも少し
小さい高さまたは厚みを有するそれぞれのライニ
ング２４がロツキング表面、例えばロツキング表
面７に関してスライデイングすることを防止する
ため、肩２７が設けられ、該肩は例えば金床の表
面８に設けた対応するくぼみ中に収容される。

第６図は簡単な態様でくさび１４の両側のライ
ニング２４′および２４″の位置を図示する。記載
したくさびおよびライニングは多様に変形し得
る。例えば引張りヘツドはジヤツキのピストン中
へねじ込まれるようになつたねじ部を持つた引張
りロツドの形を持つことができる。引張りヘツド
はまた前記くさびの端部に直接設けてもよく、そ
のため第２図に示すように実質上均一厚みの一部
として形成する必要はない。くさびライニング２
４は、好ましくは強靭鋼で製作されるくさびの四
周の全部を完全に、または部分的に取り囲むアン
グルの形を持つこともできる。

【図面の簡単な説明】

第１図はハンマーの主要部の斜視図、第２図は
くさびの側面図、第３図はくさびの平面図、第４
図はくさびライニングの側面図、第５図は第４図
の線−における断面図、第６図はハンマーヘ
ツドと金床のロツキング方法を示す正面図、第７
図は本発明の原理を図解する説明図である。 １はハンマーヘツド、２はロツド、３はガイ
ド、４は上部金床、５は下部金床、６は金床ブロ
ツクインサート、７，９，１０，１２はロツキン
グ表面、１３，１４はくさびである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 金床上の第１の平坦なロツキング表面とハン
   マーヘツドまたは金床ブロツクインサート上の第
   ２の平坦なロツキング表面の間に形成され、垂直
   平面に対し傾斜していてそして前記第１および第
   ２のロツキング表面が互いに向かつて収れんして
   いるくさび収容みぞへ、前記第１および第２のロ
   ツキング表面の収れん角度と等しい角度で収れん
   している対向する平坦な側面を有するロツキング
   くさびを差込むことにより、ハンマーにおいて金
   床とハンマーヘツドまたは金床ブロツクインサー
   トとの間に前記くさびを取り付ける方法であつ
   て、前記くさびをその比較的狭い先導端から前記
   くさび収容みぞ内へ引張り込み、同時に張力によ
   つて前記くさびを縦方向に伸長させると同時に横
   方向に収縮させ、その後前記張力を解除して前記
   くさびを縦方向に収縮させると同時に横方向に膨
   張させることを特徴とする前記方法。 ２ (a) 収れんしている対向する平坦な側面を有
   する弾性的に変形し得るロツキングくさびと、 (b) 金床上の第１の平坦なロツキング表面を形成
   する手段と、 (c) ハンマーヘツドまたは金床ブロツクインサー
   ト上に第２の平坦なロツキング表面を形成する
   ための手段とを備え、 (d) 前記第１および第２のロツキング表面は前記
   ロツキングくさびの収れん角度に等しい角度で
   収れんし、その間に垂直平面に対し傾斜してい
   るくさび収容みぞを形成し、 (e) 前記ロツキングくさびはその比較的狭い先導
   端に前記ロツキングくさびを前記第１および第
   ２のロツキング表面との密着係合に前記くさび
   収容みぞ内へ引張り込むと同時に張力によつて
   前記くさびを縦方向に伸長させそして横方向に
   収縮させ、その後前記張力を解除して前記くさ
   びを縦方向に収縮させると同時に横方向に膨張
   させて前記くさびを前記みぞ内にしつかりとロ
   ツクするための前記くさびを引張るための引張
   りヘツドを備えていることを特徴とする金床と
   ハンマーヘツドまたは金床ブロツクインサート
   とのロツキング構造。 ３ 前記くさびはその比較的幅広の尾端部に別の
   引張りヘツドを備えている第２項のロツキング構
   造。 ４ 前記第１および第２のロツキング表面は、前
   記くさびのロツキング表面と協力するようになつ
   ている均一厚みの取外し可能なインサートを備え
   ている第２項または第３項のロツキング構造。