JPH0153023B2 - - Google Patents
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- JPH0153023B2 JPH0153023B2 JP56149293A JP14929381A JPH0153023B2 JP H0153023 B2 JPH0153023 B2 JP H0153023B2 JP 56149293 A JP56149293 A JP 56149293A JP 14929381 A JP14929381 A JP 14929381A JP H0153023 B2 JPH0153023 B2 JP H0153023B2
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Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A23—FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
- A23J—PROTEIN COMPOSITIONS FOR FOODSTUFFS; WORKING-UP PROTEINS FOR FOODSTUFFS; PHOSPHATIDE COMPOSITIONS FOR FOODSTUFFS
- A23J1/00—Obtaining protein compositions for foodstuffs; Bulk opening of eggs and separation of yolks from whites
- A23J1/14—Obtaining protein compositions for foodstuffs; Bulk opening of eggs and separation of yolks from whites from leguminous or other vegetable seeds; from press-cake or oil-bearing seeds
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- Peptides Or Proteins (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は大豆から蛋白質を分離する方法に関す
る。 (従来技術) 米国特許第4169090号(対応日本出願特開昭53
−44654号;特公昭56−31095号)及び第4208323
号(これらの記載は本明細書の一部に含まれるも
のとし、両特許とも本出願の出願人に譲渡され
た)には、蛋白質を含有する材料から蛋白質を分
離する方法が記載されている。その分離方法は具
体的には、蛋白質を溶解する臨界PHとイオン強度
において蛋白質を含有する材料と塩化ナトリウム
とを接触させ、得られた蛋白質溶液を水で希釈
し、イオン強度を下げることによつて水相中に蛋
白質凝集体を生成させ、さらにこれを沈澱させて
無定形蛋白質ミセル物質として回収する各工程か
らなる。この分離方法を実施する際は、蛋白質溶
液を希釈する前に限外濾過したり、遠心分離を行
つて蛋白質の沈澱を促進させても良い。 (発明が解決しようとする課題) しかし、この分離方法によつて大豆の蛋白質を
分離しようとしても、他の植物の蛋白質を分離す
る場合のように収率が上がらない。だが、この分
離方法によつて得られる分離蛋白質は、従来の等
電沈澱法によつて得られる蛋白質と異なり実質的
に変性を受けていない状態にあるという長所があ
る。なお、従来の等電沈澱法は、強アルカリ条件
下で蛋白質を抽出し、得られた蛋白質抽出液のPH
を下げて等電点にする工程を含んでいる。 本発明は、実質的に変性させることなく蛋白質
を大豆から収率良く分離する方法を提供すること
を目的とする。 (課題を解決するための手段) 上記の米国特許第4169090号及び第4208323号に
記載される蛋白質抽出工程をPH約5.6から約7.0に
おいて行つた後、得られた蛋白質水溶液を希釈す
る前に抽出物のPHを約4.8から約5.35に調整する
ことによつて、実質的に変性させることなく大豆
蛋白質をかなり収率良く得ることができることが
明らかになり、本発明を完成した。本発明は、大
豆中の蛋白質を最も多く溶解するPHと、希釈して
最大量の沈澱を生ずるPHは異なつているという知
見に基づいて完成されたものである。 本発明の分離方法の最初の工程は、大豆中の蛋
白質を抽出する工程である。大豆は通常、脱脂し
て粉砕した状態で使用する。脱脂は、抽出の際に
油状乳が併せて抽出されてしまうのを防ぐために
行うものであり、通常の技術によつてなされう
る。粉砕した材料の平均粒径は非常に広範囲にわ
たつても良いが、一般には約10から約800メツシ
ユの間であり、その中でも約200メツシユ以下で
あるのが好ましい。 食品級塩溶液は蛋白質を溶解するのに使用す
る。前記の米国特許第4169090号及び第4208323号
には、食品級塩として塩化カリウム、塩化カルシ
ウムなどが挙げられているが、本発明では塩化ナ
トリウム等の通常使用される食品級塩を使用して
も良い。 多量の蛋白質を溶解しうるように、食品級塩溶
液のイオン強度は約0.2モル以上であることが必
要である。しかし、蛋白質を抽出した後に希釈し
てイオン強度を下げる工程があることを考える
と、食品級塩溶液のイオン強度は通常約0.8モル
以下、その中でも約0.3から約0.6モルにするのが
好ましい。 大豆蛋白質を抽出する際の温度は、約15℃から
約75℃、その中でも約65℃以下とするのが好まし
い。低温限界を約15℃としたのは、それ以下の温
度では蛋白質の溶解速度が遅くて非実用的だから
であり、高温限界を約75℃としたのはそれ以上の
温度では、蛋白質に実質上変性が生じてしまうか
らである。 蛋白質の抽出工程は、通常約10分から約60分か
かるが、撹拌することによつてその時間を短縮す
るのが好ましい。 抽出工程における水溶液中の大豆量は、とくに
限定されないが、約5から約15%w/vとするの
が典型的である。 また、抽出工程のPHは、約5.6から約7、好ま
しくは約6.0から約6.4とする。これ以下のPHで抽
出を行つた場合は蛋白質溶解量が比較的少ないこ
とが確認されている(実施例1)。 蛋白質を溶解した水溶液は、固形材料から分離
する。こうして得られる水溶液の蛋白質濃度は、
通常約10から約100g/であり、その中でも約
30から約70g/であるのが好ましい。蛋白質水
溶液は、次に米国特許第4208323号の方法に従つ
て、イオン強度を実質上一定に維持しながら蛋白
質溶液の濃度を高める。しかし、この濃縮工程は
本発明の方法においては必須工程ではない。 このような濃縮工程は限外濾過のような膜技術
により行つてもよい。蛋白質溶液の粘度が高いと
後の処理が難しくなる為、濃縮は体積にして1/1.
1倍以上、約1/5.0から1/6.0倍以下とするのが普
通である。その中でも約1/3.0から1/4.0倍にする
のが好ましい。 濃縮は、適温(約20℃から約75℃とするのが典
型的である)で、所望の濃度になるまで行う。温
度等の条件は、濃縮を行うのに用いる膜装置にあ
る程度左右される。 濃縮工程で得られる水溶液の蛋白質濃度は、最
初の蛋白質濃度と濃縮倍率に依存するが、一般に
約40から約200g/である。 濃縮した蛋白質水溶液あるいは濃縮を行わなか
つた蛋白質水溶液のPHを、次に約4.8から約5.35、
好ましくは約5.1から約5.3に調整する。抽出時の
PHでそのまま希釈するよりも、PHを調整して希釈
する方が、希釈収率(蛋白質水溶液からの蛋白質
回収率)は良好である。換言すれば、PH調整を行
うことによつて希釈による大豆蛋白質分離収率を
より高めることができる。PHの調整は、塩酸のよ
うな望ましい食品級酸を使用して行うことができ
る。 前述の濃縮工程を行つた場合は、PH調整した後
に蛋白質水溶液を希釈して、イオン強度を約0.2
モル以下、好ましくは約0.15モル以下、更に好ま
しくは約0.06から約0.12モルに希釈する。濃縮工
程を行わない場合は、PH調整後に蛋白質溶液を約
0.1モル以下に希釈する。 蛋白質水溶液の希釈は、一般に蛋白質水溶液の
イオン強度を所望の値にまで減少させるのに必要
な体積の水に混入することによつて行う。温度が
低いほうが蛋白質の収率が高くなるため、水の温
度は通常約25℃以下、好ましくは約5℃から約15
℃にする。 イオン強度を下げることによつて、雲状の蛋白
質凝集体が生成し、これらは沈澱して濃厚かつ無
定形の粘着性蛋白質となる。 この沈澱した無定形の大豆蛋白質は、“蛋白質
ミセル物質”あるいはPMMと称される。PMM
は水相から分離されるが、湿潤状態で使用して
も、噴霧乾燥、凍結乾燥あるいは真空ドラム乾燥
等の通常の技術によつて乾燥した後に使用しても
よい。 本発明の方法によつて得られる大豆蛋白質は実
質上変性を受けていない。また等電点で沈澱させ
た大豆蛋白質よりも、機能特性が優れている。 本発明の方法によれば、前記の米国特許第
4169090号及び第4208323号の方法によるよりも大
豆蛋白質を好収率で得ることができる。このた
め、本発明の方法によれば、実質上変性を受けて
いない大豆蛋白質をより経済的に分離することが
できる。 実施例 1 本実施例は、PHを変えることによつて抽出収率
および希釈収率がいかに変化するかを検討したも
のである。 蛋白質含有量(TKNx5.71)が49.4%の脱脂粉
砕した大豆粉30gを、0.6M塩化ナトリウム溶液
を用いて抽出した(10%w/v)。抽出温度は45
℃、抽出時間は30分とし、PHは4.5〜6.8の間の
種々の値とした。抽出水溶液と固相とを分離した
後、抽出水溶液の蛋白質濃度を測定した。その濃
度をもとにして、各々のPHにおける蛋白質の抽出
収率を算出した。 得られた各抽出溶液180mlを720mlの水と混合す
ることによつて希釈した(希釈比4:1)。この
希釈溶液中に分散している蛋白質凝集体を沈降さ
せて、無定形の蛋白質を得た。その無定形蛋白質
をさらに乾燥して、重量を測定した。これをもと
にして、抽出溶液中に存在する蛋白質の回収率
(希釈収率)を、各々の試験について算出した。 得られた結果を第1表に示した。
る。 (従来技術) 米国特許第4169090号(対応日本出願特開昭53
−44654号;特公昭56−31095号)及び第4208323
号(これらの記載は本明細書の一部に含まれるも
のとし、両特許とも本出願の出願人に譲渡され
た)には、蛋白質を含有する材料から蛋白質を分
離する方法が記載されている。その分離方法は具
体的には、蛋白質を溶解する臨界PHとイオン強度
において蛋白質を含有する材料と塩化ナトリウム
とを接触させ、得られた蛋白質溶液を水で希釈
し、イオン強度を下げることによつて水相中に蛋
白質凝集体を生成させ、さらにこれを沈澱させて
無定形蛋白質ミセル物質として回収する各工程か
らなる。この分離方法を実施する際は、蛋白質溶
液を希釈する前に限外濾過したり、遠心分離を行
つて蛋白質の沈澱を促進させても良い。 (発明が解決しようとする課題) しかし、この分離方法によつて大豆の蛋白質を
分離しようとしても、他の植物の蛋白質を分離す
る場合のように収率が上がらない。だが、この分
離方法によつて得られる分離蛋白質は、従来の等
電沈澱法によつて得られる蛋白質と異なり実質的
に変性を受けていない状態にあるという長所があ
る。なお、従来の等電沈澱法は、強アルカリ条件
下で蛋白質を抽出し、得られた蛋白質抽出液のPH
を下げて等電点にする工程を含んでいる。 本発明は、実質的に変性させることなく蛋白質
を大豆から収率良く分離する方法を提供すること
を目的とする。 (課題を解決するための手段) 上記の米国特許第4169090号及び第4208323号に
記載される蛋白質抽出工程をPH約5.6から約7.0に
おいて行つた後、得られた蛋白質水溶液を希釈す
る前に抽出物のPHを約4.8から約5.35に調整する
ことによつて、実質的に変性させることなく大豆
蛋白質をかなり収率良く得ることができることが
明らかになり、本発明を完成した。本発明は、大
豆中の蛋白質を最も多く溶解するPHと、希釈して
最大量の沈澱を生ずるPHは異なつているという知
見に基づいて完成されたものである。 本発明の分離方法の最初の工程は、大豆中の蛋
白質を抽出する工程である。大豆は通常、脱脂し
て粉砕した状態で使用する。脱脂は、抽出の際に
油状乳が併せて抽出されてしまうのを防ぐために
行うものであり、通常の技術によつてなされう
る。粉砕した材料の平均粒径は非常に広範囲にわ
たつても良いが、一般には約10から約800メツシ
ユの間であり、その中でも約200メツシユ以下で
あるのが好ましい。 食品級塩溶液は蛋白質を溶解するのに使用す
る。前記の米国特許第4169090号及び第4208323号
には、食品級塩として塩化カリウム、塩化カルシ
ウムなどが挙げられているが、本発明では塩化ナ
トリウム等の通常使用される食品級塩を使用して
も良い。 多量の蛋白質を溶解しうるように、食品級塩溶
液のイオン強度は約0.2モル以上であることが必
要である。しかし、蛋白質を抽出した後に希釈し
てイオン強度を下げる工程があることを考える
と、食品級塩溶液のイオン強度は通常約0.8モル
以下、その中でも約0.3から約0.6モルにするのが
好ましい。 大豆蛋白質を抽出する際の温度は、約15℃から
約75℃、その中でも約65℃以下とするのが好まし
い。低温限界を約15℃としたのは、それ以下の温
度では蛋白質の溶解速度が遅くて非実用的だから
であり、高温限界を約75℃としたのはそれ以上の
温度では、蛋白質に実質上変性が生じてしまうか
らである。 蛋白質の抽出工程は、通常約10分から約60分か
かるが、撹拌することによつてその時間を短縮す
るのが好ましい。 抽出工程における水溶液中の大豆量は、とくに
限定されないが、約5から約15%w/vとするの
が典型的である。 また、抽出工程のPHは、約5.6から約7、好ま
しくは約6.0から約6.4とする。これ以下のPHで抽
出を行つた場合は蛋白質溶解量が比較的少ないこ
とが確認されている(実施例1)。 蛋白質を溶解した水溶液は、固形材料から分離
する。こうして得られる水溶液の蛋白質濃度は、
通常約10から約100g/であり、その中でも約
30から約70g/であるのが好ましい。蛋白質水
溶液は、次に米国特許第4208323号の方法に従つ
て、イオン強度を実質上一定に維持しながら蛋白
質溶液の濃度を高める。しかし、この濃縮工程は
本発明の方法においては必須工程ではない。 このような濃縮工程は限外濾過のような膜技術
により行つてもよい。蛋白質溶液の粘度が高いと
後の処理が難しくなる為、濃縮は体積にして1/1.
1倍以上、約1/5.0から1/6.0倍以下とするのが普
通である。その中でも約1/3.0から1/4.0倍にする
のが好ましい。 濃縮は、適温(約20℃から約75℃とするのが典
型的である)で、所望の濃度になるまで行う。温
度等の条件は、濃縮を行うのに用いる膜装置にあ
る程度左右される。 濃縮工程で得られる水溶液の蛋白質濃度は、最
初の蛋白質濃度と濃縮倍率に依存するが、一般に
約40から約200g/である。 濃縮した蛋白質水溶液あるいは濃縮を行わなか
つた蛋白質水溶液のPHを、次に約4.8から約5.35、
好ましくは約5.1から約5.3に調整する。抽出時の
PHでそのまま希釈するよりも、PHを調整して希釈
する方が、希釈収率(蛋白質水溶液からの蛋白質
回収率)は良好である。換言すれば、PH調整を行
うことによつて希釈による大豆蛋白質分離収率を
より高めることができる。PHの調整は、塩酸のよ
うな望ましい食品級酸を使用して行うことができ
る。 前述の濃縮工程を行つた場合は、PH調整した後
に蛋白質水溶液を希釈して、イオン強度を約0.2
モル以下、好ましくは約0.15モル以下、更に好ま
しくは約0.06から約0.12モルに希釈する。濃縮工
程を行わない場合は、PH調整後に蛋白質溶液を約
0.1モル以下に希釈する。 蛋白質水溶液の希釈は、一般に蛋白質水溶液の
イオン強度を所望の値にまで減少させるのに必要
な体積の水に混入することによつて行う。温度が
低いほうが蛋白質の収率が高くなるため、水の温
度は通常約25℃以下、好ましくは約5℃から約15
℃にする。 イオン強度を下げることによつて、雲状の蛋白
質凝集体が生成し、これらは沈澱して濃厚かつ無
定形の粘着性蛋白質となる。 この沈澱した無定形の大豆蛋白質は、“蛋白質
ミセル物質”あるいはPMMと称される。PMM
は水相から分離されるが、湿潤状態で使用して
も、噴霧乾燥、凍結乾燥あるいは真空ドラム乾燥
等の通常の技術によつて乾燥した後に使用しても
よい。 本発明の方法によつて得られる大豆蛋白質は実
質上変性を受けていない。また等電点で沈澱させ
た大豆蛋白質よりも、機能特性が優れている。 本発明の方法によれば、前記の米国特許第
4169090号及び第4208323号の方法によるよりも大
豆蛋白質を好収率で得ることができる。このた
め、本発明の方法によれば、実質上変性を受けて
いない大豆蛋白質をより経済的に分離することが
できる。 実施例 1 本実施例は、PHを変えることによつて抽出収率
および希釈収率がいかに変化するかを検討したも
のである。 蛋白質含有量(TKNx5.71)が49.4%の脱脂粉
砕した大豆粉30gを、0.6M塩化ナトリウム溶液
を用いて抽出した(10%w/v)。抽出温度は45
℃、抽出時間は30分とし、PHは4.5〜6.8の間の
種々の値とした。抽出水溶液と固相とを分離した
後、抽出水溶液の蛋白質濃度を測定した。その濃
度をもとにして、各々のPHにおける蛋白質の抽出
収率を算出した。 得られた各抽出溶液180mlを720mlの水と混合す
ることによつて希釈した(希釈比4:1)。この
希釈溶液中に分散している蛋白質凝集体を沈降さ
せて、無定形の蛋白質を得た。その無定形蛋白質
をさらに乾燥して、重量を測定した。これをもと
にして、抽出溶液中に存在する蛋白質の回収率
(希釈収率)を、各々の試験について算出した。 得られた結果を第1表に示した。
【表】
第1表は抽出に用いる水性媒体または蛋白質溶
液のPHを高くすると、抽出収率は増加するが、希
釈収率は減少することを示している。従つて、高
PH値の水性媒体を用いて蛋白質を抽出し、得られ
た蛋白質水溶液を希釈して低PH値にすれば蛋白質
を収率良く分離することができると考えられる。 実施例 2 本実施例は蛋白質水溶液のPHを調整することに
よつて、全工程を通じた蛋白質収率がいかに変化
するかを検討したものである。 蛋白質含有量(TKNx5.71)が49.4%の脱脂粉
砕した大豆粉をパイロツト装置の規模で0.5M塩
化ナトリウム溶液を用いて抽出した(10%w/
v)。抽出温度は45℃、抽出時間は30分、PHは6.3
とした。また、大豆粉の量は11.35Kgとし、抽出
媒体の量は113.5とした。抽出水溶液と固相と
を分離した後、抽出水溶液を中空繊維限外濾過装
置にかけ、4.0倍に濃縮した。 濃縮した蛋白質水溶液150mlのPHを、塩酸を使
用して6.3〜5.1に調整した。その後、各蛋白質水
溶液を10℃の冷水道水750mlに混合して希釈し、
蛋白質凝集体の懸濁液とした。さらにこれを遠心
分離機にかけて(500xg、10分間)沈澱を得た。 各々の試料について工程収率を計算した結果を
第2表に示した。
液のPHを高くすると、抽出収率は増加するが、希
釈収率は減少することを示している。従つて、高
PH値の水性媒体を用いて蛋白質を抽出し、得られ
た蛋白質水溶液を希釈して低PH値にすれば蛋白質
を収率良く分離することができると考えられる。 実施例 2 本実施例は蛋白質水溶液のPHを調整することに
よつて、全工程を通じた蛋白質収率がいかに変化
するかを検討したものである。 蛋白質含有量(TKNx5.71)が49.4%の脱脂粉
砕した大豆粉をパイロツト装置の規模で0.5M塩
化ナトリウム溶液を用いて抽出した(10%w/
v)。抽出温度は45℃、抽出時間は30分、PHは6.3
とした。また、大豆粉の量は11.35Kgとし、抽出
媒体の量は113.5とした。抽出水溶液と固相と
を分離した後、抽出水溶液を中空繊維限外濾過装
置にかけ、4.0倍に濃縮した。 濃縮した蛋白質水溶液150mlのPHを、塩酸を使
用して6.3〜5.1に調整した。その後、各蛋白質水
溶液を10℃の冷水道水750mlに混合して希釈し、
蛋白質凝集体の懸濁液とした。さらにこれを遠心
分離機にかけて(500xg、10分間)沈澱を得た。 各々の試料について工程収率を計算した結果を
第2表に示した。
【表】
第2表の結果は、蛋白質水溶液のPHを酸性の方
向に調整すれば、全工程を通じた蛋白質収率が増
加することを示している。 (発明の効果) 本発明の方法によれば、大豆から蛋白質を良好
な収率で分離することができる。なお、本発明の
範囲内において、本発明に種々の修正を加えるこ
とが可能である。
向に調整すれば、全工程を通じた蛋白質収率が増
加することを示している。 (発明の効果) 本発明の方法によれば、大豆から蛋白質を良好
な収率で分離することができる。なお、本発明の
範囲内において、本発明に種々の修正を加えるこ
とが可能である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 大豆をイオン強度が約0.2モル以上の食品級
塩水溶液に接触させることによつて大豆蛋白質を
該水溶液に溶解し、できた蛋白質水溶液を希釈し
てイオン強度を下げることによつて蛋白質分散液
とし、その蛋白質分散液から無定形の大豆蛋白質
を回収する各工程からなる大豆蛋白質の分離方法
において; 大豆と接触する食品級塩水溶液のPHが約5.6〜
約7.0であり、蛋白質水溶液のPHを約4.8〜約5.35
に調整してから希釈することを特徴とする大豆蛋
白質の分離方法。 2 食品級塩水溶液のPHが約6.0〜約6.4であり、
蛋白質水溶液のPHを約5.1〜約5.3に調整する特許
請求の範囲第1項記載の方法。 3 PHの調整を塩酸を使用して行う特許請求の範
囲第2項記載の方法。 4 大豆と食品級塩水溶液との接触を約15〜約75
℃で行い、PH調整後の蛋白質水溶液を約0.1モル
以下のイオン強度に希釈して蛋白質分散液とする
特許請求の範囲第1、2または3項記載の方法。 5 大豆と食品級塩水溶液との接触を約5〜約15
℃で行い、その接触によつて得られた蛋白質水溶
液の濃度をイオン強度を実質的に一定に維持した
まま高め、その後PHを調整し、イオン強度を約
0.2モル以下に希釈して蛋白質分散液とする特許
請求の範囲第1、2または3項記載の方法。 6 膜を用いて蛋白質水溶液を濃縮し体積を約1/
1.1〜約1/6.0倍にし、PH調節後、水溶液のイオン
強度を約0.06〜約0.12モルに下げるのに十分な量
で温度が約25℃以下の水と混合することによつて
蛋白質水溶液を希釈する特許請求の範囲第5項記
載の方法。
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US06/189,644 US4307014A (en) | 1980-09-22 | 1980-09-22 | Soybean protein isolate production |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5786249A JPS5786249A (en) | 1982-05-29 |
JPH0153023B2 true JPH0153023B2 (ja) | 1989-11-10 |
Family
ID=22698194
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP56149293A Granted JPS5786249A (en) | 1980-09-22 | 1981-09-21 | Production of soybean protein isolate |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US4307014A (ja) |
JP (1) | JPS5786249A (ja) |
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US4391750A (en) * | 1982-12-22 | 1983-07-05 | General Foods Inc. | Heat gellable protein isolate |
AU2003206050A1 (en) * | 2002-02-22 | 2003-09-09 | Nutri Pharma Asa | Food products comprising soy protein |
EP1480525A2 (en) * | 2002-02-23 | 2004-12-01 | Nutri Pharma ASA | Novel soy protein products |
AU2003276937A1 (en) * | 2002-06-12 | 2003-12-31 | Fraunhofer-Gelellschaft Zur Forderung Der Angewandten Forschung E.V. | Vegetable protein preparations and use thereof |
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US8241692B2 (en) * | 2005-09-21 | 2012-08-14 | Burcon Nutra Science (MB) Corp. | Preparation of canola protein isolate involving isoelectric precipitation |
WO2008041572A1 (fr) * | 2006-09-27 | 2008-04-10 | Fuji Oil Company, Limited | PROCÉDÉ de production d'une composition aux protÉines de soja |
CN102387712B (zh) * | 2009-01-26 | 2015-04-01 | 伯康营养科学(Mb)公司 | 从大豆蛋白胶束团制备可溶性大豆蛋白产品 |
CN107691963A (zh) * | 2009-06-30 | 2018-02-16 | 伯康营养科学(Mb)公司 | 使用氯化钙提取制备大豆蛋白分离物(“s703”) |
CN113349283A (zh) | 2014-07-28 | 2021-09-07 | 伯康营养科学(Mb)公司 | 豆类蛋白质产品(“yp810”)的制备 |
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CA1099576A (en) * | 1978-03-23 | 1981-04-21 | Chester D. Myers | Improved process for isolation of proteins |
-
1980
- 1980-09-22 US US06/189,644 patent/US4307014A/en not_active Expired - Lifetime
-
1981
- 1981-09-21 JP JP56149293A patent/JPS5786249A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
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JPS5786249A (en) | 1982-05-29 |
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