JPH0152651B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はごみ焼却炉の可動火格子の作動を制御
する油圧装置に関する。

従来、都市用等のごみ焼却炉に於て、第１図示
のように段階状に配置した火格子ａを固定の火格
子ｂとその前後の可動火格子ｃとで構成し、前後
の可動火格子ｃに互に逆方向の作動即ち一方の可
動火格子ｃが往動する間に他方の可動火格子ｃは
復動する作動を行なわせ、ごみｄを回転させつつ
高所から低所に移動させてその間に完全に燃焼さ
せるようにしたものが知られている。ごみ焼却量
は可動火格子の作動速度と関数関係にあり、その
作動速度は炉内温度、炉内圧力、蒸気発生量等を
考慮して最適炉内状態が得られるように制御され
る。

可動火格子を往復動させる手段として油圧シリ
ンダを使用し、各油圧シリンダを夫々独立して制
御することにより固定火格子の前後の可動火格子
を互に逆作動させることは試みられたが、可動火
格子はその往動中にごみをかみ込んで作動停止状
態となり易いものであり、この場合かみ込み解除
のための操作が容易でなく互に逆作動すべき前後
の可動火格子の作動関係が乱れその関係を復帰さ
せるにも時間が掛る欠点があつた。

本発明は、可動火格子がごみをかみ込んで作動
停止状態になつたとき自動的にかみ込み解除作動
を行なえると共に可動火格子相互の作動関係が自
動的に復帰する装置を提供することを目的とした
もので、ごみ焼却炉の互に逆方向に往復作動すべ
き１対の可動火格子を夫々同寸法の油圧シリンダ
に連結し、各油圧シリンダのロツド側室同士を接
続回路により互に接続すると共に各油圧シリンダ
のヘツド側室を夫々作動回路を介して圧油供給回
路及び流量計を有するタンク戻り回路が接続され
た電磁方向制御弁に接続し、該接続回路に、電磁
開閉弁及び、逆止弁を介して圧油供給回路の流体
を供給する補充回路と、リリーフ弁を介して接続
回路の流体をタンクへと排出する排出回路とを設
け、前記各作動回路にこれの流体を逆止弁及び電
磁開閉弁を介してタンクへと排出する分岐回路を
接続し、該電磁方向制御弁及び両電磁開閉弁を、
油圧シリンダの正常な互に逆方向の作動では該方
向制御弁の正逆切換作動を指示するが前記流量計
からの流量不足の信号で該方向制御弁を閉じると
共に両電磁開閉弁を開き、両油圧シリンダの同方
向への作動終了で両電磁開閉弁の閉弁と該方向制
御弁に正逆の切換作動を指示する指令制御装置に
接続したことを特徴とする。

本発明の実施例を図面第２図につき説明する
に、仝図に於て符号１，２は互に同寸法の油圧シ
リンダで、各油圧シリンダ１，２のロツドには第
１図示のような固定火格子の前後の互に逆方向に
往復作動すべき可動火格子が連結され、各油圧シ
リンダ１，２の制御された作動により各可動火格
子に互に逆方向の往復作動を行なわせる。３，４
は各シリンダ１，２のロツド側室、５，６は各シ
リンダ１，２のヘツド側室で、ロツド側室３，４
同士は接続回路７により互に接続され、ヘツド側
室５，６は夫々作動回路８，９により電磁方向制
御弁１０のＡ，Ｂポートに接続される。該電磁方
向制御弁１０にはそのソレノイドへの電力の強弱
に応じて中立位置から切換位置へ切換わる距離が
制御可能でこれを流通する流量を調節出来る電磁
比例形の方向制御弁を使用する。１１，１２は該
電磁方向制御弁１０のP.Tポートに接続した圧油
供給回路及びタンク戻り回路を示し、該圧油供給
回路１１には油圧ポンプ１３からの吐出流体が流
れ、タンク戻り回路１２にはタンク１４へと流れ
る流量を測定する例えばロータリエンコーダ付の
流量計１５が設けられる。該流量計１５の測定値
は後述の指令制御装置１６に電気信号で入力す
る。

１７は接続回路７へ圧油供給回路１１から電磁
開閉弁１８及び逆止弁１９を介して圧力流体を供
給する補充回路、２０は該接続回路７の圧力がリ
リーフ弁３０の設定圧力よりも高まつて作動する
とその圧力流体をタンク１４へと排出する排出回
路、２１は各作動回路８，９の流体を逆止弁２
２，２３及び電磁開閉弁２４を介してタンク１４
へと排出する分岐回路である。これらの電磁開閉
弁１８，２４の電気回路は前記電磁方向制御弁１
０と共に指令制御装置１６に接続され、該指令制
御装置１６には前記流量計１５からの入力信号及
び各油圧シリンダ１，２の往復のストローク端を
検出すべく設けたリミツトスイツチ２５，２６，
２７，２８からの信号が入力する。各シリンダ
１，２が各可動火格子の作動のために互に逆方向
の往復作動を正常に行なつているときは流量計１
５には一定の流量が流れ、その流量信号が入力す
る間は電磁方向制御弁１０に正逆の切換作動を行
なわせる指示を指令制御装置１６が出力し、該流
量計１５から流量不足の信号が指令制御装置１６
に入力すると該電磁方向制御弁１０を閉じると共
に両電磁開閉弁１８，２４を開き、これによつて
補充回路１７から両シリンダ１，２を同方向に移
動させるようにポンプ１３から流体が供給され、
両シリンダ１，２が同方向への作動が終了してリ
ミツトスイツチ２５，２７からの信号が同時に入
力すると該指令制御装置１６は両電磁開閉弁１
８，２４の閉弁と電磁方向制御弁１０に正逆の切
換作動を行なうことを指示する。

尚、指令制御装置１６にリミツトスイツチ２
５，２８からの信号が共に入力するか或はリミツ
トスイツチ２６，２７からの信号が共に入力する
と電磁方向制御弁１０にそれまでの切換位置とは
逆の切換位置に切換作動する指示を与える。

該指令制御装置１６は例えばコンピユータで構
成される。

その作動を説明するに可動火格子に連結した各
油圧シリンダ１，２が互に逆方向に正常な往復動
を行なつている間はタンク戻り回路１２の流量計
１５に所定の流量が検出され、指令制御装置１６
は電磁方向制御弁１０に正逆の切換作動を繰返す
指示を出し続ける。この場合例えば圧油供給回路
１１作動回路８に接続されると同時に、タンク戻
り回路１２が作動回路９に接続されると、ポンプ
１３の吐出流体は油圧シリンダ１のヘツド側室５
に流入し、ロツド側室３の流体は接続回路７を介
して他方の油圧シリンダ２のロツド側室４へと送
り込まれ、タンク１４にヘツド側室６の流体が流
出するが、両シリンダ１，２は同寸法のものであ
るものでロツド側室３の流体は他方のシリンダ２
のロツド側室４に過不足なく収まり、両シリンダ
１，２は互に逆方向でしかもサイクルの一致した
作動を行なう。

可動火格子がごみをかみ込み、例えば油圧シリ
ンダ１が往動不能に陥いると、そのロツド側室３
から流体は押し出されず、これに伴なつて他方の
シリンダ２も作動不能となるのでそのヘツド側室
６から作動回路９、電磁方向制御弁１０を介して
タンク戻り回路１２へと流れる流量もなくなり、
流量計１５は流量不足の信号を指令制御装置１６
に送る。

これを受けて指令制御装置１６は電磁方向制御
弁１０を中立位置に戻すと共に電磁開閉弁１８，
２４を開弁させる指示を出す。この指示によつて
圧油供給回路１１の流体は補充回路１７の電磁開
閉弁１８及び逆止弁１９を介して接続回路７に流
入し、さらに両シリンダ１，２のロツド側室３，
４に流入する。この場合両シリンダ１，２のヘツ
ド側室５，６は作動回路８，９、分岐回路２１の
逆止弁２２，２３、電磁開閉弁２４を介してタン
ク１４に接続されているので両シリンダ１，２の
ロツドは往動すべく同方向に移動する。ごみをか
み込んで往動不能となつている油圧シリンダ１を
復動させると、可動火格子のごみのかみ込みを解
くことが出来る。

両シリンダ１，２の同方向の移動の終了は２つ
のリミツトスイツチ２５，２７の作動で感知さ
れ、指令制御装置１６は両スイツチ２５，２７か
らの信号が入力すると両電磁開閉弁２５，２７を
閉じ電磁方向制御弁１０に正逆の切換作動を行な
うことを指示する。この場合該方向制御弁１０が
圧油供給回路１１を例えば作動回路８に接続する
ように切換わつたとすると、ポンプ１３の吐出流
体はシリンダ１のヘツド側室５に流入する。而し
てそのロツド側室３の流体は、他方のシリンダ２
が復動した作動位置にあつてそれ以上の作動を行
なえない状態であるので、接続回路７を介して他
方のシリンダ２のロツド側室４へ流入出来ない。
そのため接続回路７の圧力は高まり、その圧力が
リリーフ弁３０の設定圧力に達すると該弁３０が
リリーフ作動して接続回路７を排出回路２０を介
してタンク１４へと接続する。これによつて油圧
シリンダ１はそのロツド側室３の流体をリリーフ
弁３０を介してタンク１４へと排出し乍らその往
動端まで移動し、シリンダ１が往動端に位置する
と共にシリンダ２が復動端に位置して互に逆方向
の往復動を開始をするための準備が完了する。シ
リンダ１が前記往動端に達したときにリミツトス
イツチ２６が作動して信号が出されるが、指令制
御装置１６はこの信号と既に作動中の他方のシリ
ンダ２のリミツトスイツチ２７からの信号とを得
て電磁方向制御弁１０に逆の切換位置即ち圧油供
給回路１１を作動回路９に接続し、戻り回路１２
を作動回路８に接続する位置に切換わるように指
示を与える。この指示に従い電磁方向制御弁１０
が切換わるとシリンダ１は復動し、シリンダ２は
往動する互に逆方向の作動を開始し、各可動火格
子もこれと同様に動き、それ以後は流量計１５か
らの異常信号がない限り逆方向の作動を続ける。

流量計１５は前記した可動火格子がごみをかみ
込みシリンダが作動不能となつた場合の他に例え
ば一方のシリンダから押し出される流量が接続回
路１７の漏れ等により不足を生じ完全に他方のシ
リンダをストロークエンドまで移動させ得なくな
つた場合にもタンク戻りの流量が少なくなるので
流量不足の信号を発する。この流量不足の場合、
各シリンダは完全な往復作動を行なえず、可動火
格子で送るごみの量が変わる不都合があるが、指
令制御装置１６は前記のシリンダの作動不能の場
合と同様に電磁方向制御弁１０、電磁開閉弁１
８，２４を制御してシリンダ１，２を往動端と復
動端に位置させ、正確な互に逆方向の往復動を行
なうように修正する。

このように本発明によるときは可動火格子を駆
動するシリンダの１対を同寸法のものとすると共
にそのロツド側同士を互に接続したので各シリン
ダのヘツド側に交互に圧油を供給すれば両シリン
ダに互に逆方向の同期した往復動を行なわせ得、
各シリンダが作動不能或は不完全作動を行なうよ
うになつた場合タンク戻り回路の流量計からの信
号で指令制御装置が作動回路に接続した電磁方向
制御弁、分岐回路及び補充回路の各電磁開閉弁を
制御し排出回路のリリーフ弁と協同して自動的に
各シリンダの作動を正常な互に逆方向の往復動に
修正することが出来る効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はごみ焼却炉の火格子の側面図、第２図
は本発明の実施例の線図である。 １，２……油圧シリンダ、３，４……ロツド側
室、５，６……ヘツド側室、７……接続回路、
８，９……作動回路、１０……電磁方向制御弁、
１１……圧油供給回路、１２……タンク戻り回
路、１４……タンク、１５……流量計、１６……
指令制御装置、１７……補充回路、１８，２４…
…電磁開閉弁、１９，２２，２３……逆止弁、２
０……排出回路、２１……分岐回路、３０……リ
リーフ弁。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ごみ焼却炉の互に逆方向に往復作動すべき１
   対の可動火格子を夫々同寸法の油圧シリンダに連
   結し、各油圧シリンダのロツド側室同士を接続回
   路により互に接続すると共に各油圧シリンダのヘ
   ツド側室を夫々作動回路を介して圧油供給回路及
   び流量計を有するタンク戻り回路が接続された電
   磁方向制御弁に接続し、該接続回路に、電磁開閉
   弁及び逆止弁を介して圧油供給回路の流体を供給
   する補充回路と、リリーフ弁を介して接続回路の
   流体をタンクへと排出する排出回路とを設け、前
   記各作動回路にこれの流体を逆止弁及び電磁開閉
   弁を介してタンクへと排出する分岐回路を接続
   し、該電磁方向制御弁及び両電磁開閉弁を、油圧
   シリンダの正常な互に逆方向の作動では該方向制
   御弁の正逆切換作動を指示するが前記流量計から
   の流量不足の信号で該方向制御弁を閉じると共に
   両電磁開閉弁を開き、両油圧シリンダの同方向へ
   の作動終了で両電磁開閉弁の閉弁と該方向制御弁
   に正逆の切換作動を指示する指令制御装置に接続
   したことを特徴とするごみ焼却炉の可動火格子制
   御用油圧装置。