JPH0152201B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、自動車冷房装置における温度制御装
置に関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来、この種の温度制御装置としては、蒸発器
の吹出し側に配置した感温素子にて吹出し温度を
検出し、電磁クラツチを断続することにより、圧
縮機の作動を断続し冷房装置の温度制御を行なう
ものと、蒸発器と圧縮機の間に蒸発圧力調整弁を
付けて蒸発器出口圧力を蒸発器の表面が凍結する
温度より高くなるようにして圧縮機を常に運転す
るものが一般的であつた。

しかし、前者については、圧縮機の断続により
燃料経済性に優れるが、圧縮機断続時のシヨツク
や吹出温度が急激に変動するため、快適性に難が
あるとともにオートエアコン化する際に蒸発器吹
出温度の補正制御が複雑かつ高価になる欠点を有
している。また後者については、圧縮機が連続回
転するため、なめらかな温度制御で快適さが得ら
れるとともに、オートエアコン化もし易い反面燃
料経済性に劣るという欠点を有していた。すなわ
ち省エネルギーを指向するなら前者、快適性を指
向するなら後者の温度制御ということになるが、
一つの車種については、前者または後者の方式が
画一的に用いられ利用者の嗜好による選択の自由
は一切無い状態であつた。

発明の目的 本発明は、上記従来の欠点を解消するもので、
使用者の便利を向上させると共にオートエアコン
への対応を簡易にすることを目的とするものであ
る。

発明の構成 この目的を達成するために本発明は、蒸発器の
吹出部に配置した感温素子の信号による圧縮機の
断続運転と、蒸発圧力調整等による温度制御を組
合わせて、利用者が温度調定調節器の操作により
任意に選択できるように、温度設定調節器の最低
設定温度を、蒸発圧力調整弁の設定よりも低目に
したものである。

実施例の説明 以下、本発明をその一実施例を示す添付図面を
参考に説明する。

第１図において、１は外部より駆動力を受ける
圧縮機、２は凝縮器、３はドライヤレシーバ、４
は膨張弁で、蒸発器５の出口に設けた感熱筒６の
内圧と、蒸発器５が凍結を起さないように温度設
定された蒸発圧力調整弁７の調整圧により制御さ
れている。８はキヤピラリチユーブ、９は均圧管
で、これらで周知の冷凍サイクルを構成してい
る。さらに蒸発器５の吹出し部には吹出し温度を
検知する感温素子１０が配置されている。なお、
この感温素子１０は、感熱部に半流体サーミスタ
を用いたもので、吹出し温度が下がると低抗値が
増加するものである。第２図は感温素子１０の信
号により電磁クラツチ１１を断続する制御装置を
示し、同図において１２はプラス電位供給部、１
３は冷房操作スイツチ、１４は蒸発器５の吹出し
温度を決定する温度設定調節器で、その温度は第
３図に示すような回転式の操作ノブ１５によつて
任意に設定できるが、右へ回す程蒸発器５の吹出
し温度が低く設定され、ｂ点で蒸発圧力調整弁７
と同一設定となり、ｃ点では最低設定温度とな
る。１６は電磁クラツチ１１への通電を断続させ
る増巾器である。

上記構成において、冷房操作スイツチ１３が閉
成され冷凍サイクルが作動すると、燃料経済性を
重視し省エネルギー指向の利用者は、操作ノブ１
５をａ〜ｂ点間にセツトすれば圧縮機の断続によ
る温度制御が得られ、またなめらかな温度制御を
重視して快適性を指向する利用者はｂ〜ｃ点間に
セツトすれば良い。

以上説明した内容を第４図で示すと、操作ノブ
１５をａ〜ｂ点間にセツトすれば、蒸発器吹出し
設定温度は温度設定調節器１４の設定温度Teの
方が蒸発圧力調整弁７の設定温度Tpよりも高く
なるため、先に感温素子１０の信号により増巾器
１６が電磁のラツチ１１を断続して蒸発器５の吹
出温度を制御し、操作ノブ１５をｂ〜ｃ点間にセ
ツトすれば、今度は逆に蒸発圧力調整弁７の設定
温度Tpが高くなるので、増巾器１６は作動せず
圧縮機は常時運転するのである。

このように本実施例においては、蒸発器５の吹
出し温度を蒸発器５の吹出し部に配属した感温素
子１０と温度設定調節器１４および蒸発圧力調整
弁７にて制御できるため、利用者の選択が可能と
なり、嗜好によつてどちらの温度制御にも応え得
る便利性と、オートエアコンへ対応として、蒸発
圧力調整弁７を用いているため、空調制御が容易
となる。

なお、本実施例においては、蒸発器５の吹出し
温度による温度設定としたが、冷凍サイクルにお
ける蒸発器５の温度としても同様の作用効果が期
待できる。

発明の効果 上記実施例から明らかなように、本発明におけ
る自動車用冷房装置の温度制御装置は、外部より
電磁クラツチを介して駆動力を受ける圧縮機と、
蒸発器と圧縮機の間に設けた蒸発圧力調整弁を有
する冷凍サイクルに、前記蒸発器の吹出し部に配
置した感温素子と温度設定調節器にて前記電磁ク
ラツチを断続する制御回路を設け、前記温度設定
調節器の最低設定温度を前記蒸発圧力調整弁の設
定温度より低くしたもので、利用者が好みの温度
制御方式を選択でき便利性が向上する上に、オー
トエアコンとの組合わせも簡単に対応できるな
ど、種々の利点を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における自動車用冷
房装置の温度制御装置の冷凍サイクル図、第２図
は同自動車用冷房装置の温度制御装置の概略電気
回路図、第３図は同温度制御装置の操作リブの正
面図、第４図は同温度制御装置の設定温度特性図
である。 １……圧縮機、５……蒸発器、７……蒸発圧力
調整弁、１０……感温素子、１１……電磁クラツ
チ、１４……温度設定調節器、１６……増幅器
（制御回路）。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 外部より電磁クラツチを介して駆動力を受け
   る圧縮機と、蒸発器と圧縮機の間に設けた蒸発圧
   力調整弁を有する冷凍サイクルに、前記蒸発器の
   吹出し部に配置した感温素子と温度設定調節器に
   て前記電磁クラツチを断続する制御回路を設け、
   前記温度設定調節器の最低設定温度を前記蒸発圧
   力調整弁の設定温度より低くしてなる自動車用冷
   房装置の温度制御装置。