JPH01502276A - 製鋼用の中間生産物である高炭素鉄の生成法ならびに炉 - Google Patents

製鋼用の中間生産物である高炭素鉄の生成法ならびに炉

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JPH01502276A JP62502462A JP50246287A JPH01502276A JP H01502276 A JPH01502276 A JP H01502276A JP 62502462 A JP62502462 A JP 62502462A JP 50246287 A JP50246287 A JP 50246287A JP H01502276 A JPH01502276 A JP H01502276A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 製鋼用の中間生産物である高 炭素鉄の生成法ならびに炉 本発明は、鉄の冶金法に関し、更に詳しくは製鋼に使用する高炭素鉄中間生産物 の生成法ならびにこれを実現するための炉に関する。
本発明は、製鋼に使用される中間生産物を生成するため、部分的に還元された鉄 鉱原料、または原鉄鉱原料を処理する場合に好適に使用され得る。
本発明は、また乾燥スラッジ、ガスの浄化において分離されるダスト、スケール のような鉄分を含有する廃棄物、ならびに鉄の金属スクラップの小塊、特に切粉 などの冶金工業への利用を推進すべく使用されてよい。
2、従来技術の説明 今日、製鋼に使用される高炭素鉄中間生産物を作る基本的な方法は、前もって還 元された鉄鉱原料をも含む鉄鉱原料から鋳鉄を作り出す溶鉱炉による溶解であり 、スラッジ、スクラップ及び切粉等の部分的に鉄分を含有する廃棄物を再加工す ることを可能にする。しかし、溶鉱炉による溶解は、調整、即ち焼結またはペレ ット化による鉄鉱原料の前処理を必要とする。その上、溶鉱炉による溶解に使用 される還元用の燃料は高品質の冶金用コークスであり、これは、世界に於ける埋 蔵量が急速に減少している限定された量しかない高価なコークス用の石炭から作 られる。従って、溶鉱炉による溶解には、溶鉱炉固有の操業以外に副次的にコー クス産業を有して焼結物またはベレットを生産する必要がある。
更に、効率的な溶鉱炉による溶解には、鉄分含有量の高い原料、即ち、原則とし て予め鉄分の含有率を高くした原料を必要とする。鉄分の含有量の少ない鉱石及 び鉄分含有量を高めることの困難な鉱石は実用上不経済である。
溶鉱炉による効率的な溶解のための他の前提条件は、十分に大きな生産量である 。小規模な生産の場合、溶鉱炉による溶解は効率が悪くなる。
溶鉱炉による溶解の更に不利な点はその製品、すなわち鋳鉄の化学的組成を極め て限定された範囲内でしか変化させられないことである。このことは、製鋼技術 を複雑にする。
更に、溶鉱炉による溶解では、非常の少量の廃棄物しか装入原料として利用する ことができない。廃棄物を使用することによって炉の性能及びプロセスの指標に 悪い影響がでる。例えば、焼結物を製造するため、冶金によって生じるスラッジ を装入物に入れて使用すれば、炉中に亜鉛の滓が形成されるため、溶鉱炉の生産 量が減少し、コークスの消費量が増加する。
主としてコークスを使用する溶鉱炉のプロセスの上述した欠陥によって、新しい 冶金の分野、いわゆるコークスを使用しない冶金法を開発することに対する刺激 が与えられた。今日に至まで、下記の主要な趨勢に分類することができる多くの 技術的プロセスと生産のためのレイアウトが提案されている。
第1の趨勢は、高炭素鉄中間生産物を製造するプロセスを含み、これらのプロセ スは電力を使用することに依存しており、従って電気炉で行われる。これらのプ ロセスに於いて装入原料が鉄鉱石またはその品位を改善したものである場合には 、これらのプロセスは原則として多段工程になる。電気溶解は原料の加熱と予備 的な固相還元に使用される。この趨勢に属する、最近スエーデンで開発された最 も効率的なエルレッド・インレッ〆・プロセスの場合には、電力の使用は、酸素 中で燃焼させられる石炭のエネルギーによって部分的に補足される。しかしなが ら、これらのプロセスの場合でも、電力の消費量は依然として大きい。更に、そ れらはなお一定量のコークスを使用している。電気エネルギーを使用することに 依存しているプロセスは、上記の電力が、プロセスの煙道ガスを利用して生産さ れる場合にのみ効率的であることが判明している。しかしながら、こうした場合 に於いてすら、エネルギーの伝達及び多段変換によって生じる高い損失のため、 上記のプロセスは、燃料のエネルギーを直接利用するプロセスに比べて効率の悪 いものになっている。
最近広く追及されている別の趨勢には、部分的に還元された原料を転炉型の装置 にて溶解するためにコークス化されていない石炭と気体酸素を使用することによ って高炭素鉄中間生産物を製造する方法がある。この趨勢に属するものには、日 本の会社住友のC0INプロセス、KSプロセス等がある。これらは、酸素の流 れにのった微粉炭を溜まった溶融金属の中へと注入することに基礎をおいている 。石炭の一部は酸素中で燃焼してCOを形成し、溶解に必要な熱を発生させる。
他の部分の石炭は金属の浸炭に使用される。装入された原料が溶解すると、酸化 鉄が鉱滓中に移動し、ここでそれらは金属中に溶けている炭素によって還元され る。
これらのプロセスで放出された還元ガスは、鉄鉱石原料の予備的な還元に利用さ れる。従って、鉄鉱石原料から製鋼用の中間生産物を製造する機構は、2つの段 階に分割される。このグループのプロセスの他の欠点は、製造が非常に困難であ る微粉炭を使用していることである。
その上、酸素の流れの中で微粉炭を空気輸送することは極めて複雑な事柄である 。深刻な問題は、炉の耐火性内張りの強度である。溜まった溶融金属が、溶融金 属中に溶けている炭素と溶融鉱滓の酸化鉄との相互作用のために沸騰している場 合、耐火物の代わりに冷却された部材を使用することは事実上不可能である。
一つの注目すべき趨勢は、溶融物から遊離される還元ガス(主としてCO)が、 他の装置(例えば原料の予備的還元用)に於いて原料を加熱するために燃焼させ られたり又は発電のために使用されたりするのではなくて、溶解−還元炉で直接 利用されるプロセスによって代表される。この趨勢はまた、Dored、Eke torp−Va 11 ak等のプロセスをも含んでいる。これらのプロセスは 、50年代及び60年代に於いて活発に追及され開発された。それらのメリット は、簡潔な技術と装置とにあり、プロセスガスを炉で直接再燃焼させることによ って達成される一段階の装置にある。しかし、再燃焼された熱は、十分に利用さ れてはいない。従ってこれらのプロセスは、広く認められてはいない。それより も、鉄鉱石原料の固相還元の開発が成功した為に、最近では再燃焼を行わないプ ロセスが主として注目されており、これは、それらのプロセスにて製造さたガス が鉄鉱石原料の固相還元に於ける還元剤として使用されることができるためであ る。
ところで、再燃焼を行わないこれらのプロセスが十分に効率的であるためには、 挿入物が、固相還元によって製造された予め還元された鉄鉱石原料によって構成 されていることが得策である。
技術的な本質及び探求されている効果に関して、本発明に最も近いものは、製鋼 用に使用される高炭素鉄中間生産物を作る為の1つの方法であり、この方法は、 鉄を含む原料と固体炭素燃料とを同時に装入すると共に酸素含有ガスをも供給し 、それらの相互作用に於いて酸素含有ガス中の酸素が燃料の一部を酸化して熱を 発生させ、その熱は、鉄を含む材料を溶解することと、この材料が含有している 酸化金属を残りの燃料の炭素で還元することの為に使用され、これには溶融によ る流体生産物、即ち鉱滓と高炭素鉄中間生産物及びプロセスガスの形成が随伴さ れ、最後に溶融した流体生産物及びプロセスガスを排出することによって構成さ れている。この方法は、炉床を有する融解槽、鉄分を含む原料及び固体炭素燃料 を融解槽に装入するための積層壁の頂部に位置する少なくも1つの装置を設けら れ且つ融解槽の上に載っている積層壁、融解槽壁の炉床付近に作られた鉱滓排出 路を有する融解槽の中へと酸素含有ガスを加えるためのノズルを備えた羽口、ノ ズルを有する羽目の据付はレベルよりも下方の融解槽の壁内にて作られる高炭素 鉄中間生産物を排出する為の通路、及び、積層壁部からプロセスガスを排出する 為の積層壁の上部に配設されている手段によって構成される炉を使用することに より実現される。
(冊子「発見、発明、工業デザイン及び商標J 1985年第28号に掲載され たソ連発明者証明書第1169995、ClCl2B 13100号)。
この公知の方法は、下記のようにして実現される。溶解の開始時点に於いて炉の 溶融槽にはバッキングとして作用するコークスが挿入され、次いで羽目を通して 酸素含有ガスが供給され、次いで鉄分を含む原料が適当な装置を介してコークス の上部に挿入される。コークスを燃焼させ(コークスバッキング)、鉄分を含む 原料を溶解させ、その原料の酸化物を還元させた後に結果として生ずる溶融物は 、金属と鉱滓とによって構成されている。
つぎに酸素含有ガスが溶融物の表面上に供給され、コークスのある場所には、鉄 分を含む原料(スポンジ鉄)と−緒に上部から挿入され始めた固体炭素燃料(石 炭)が堆積される。燃料(石炭)の一部は、酸素含有ガス中で酸化されてCOと なり、一方遊離されたガスは上昇して溶融物上に石炭の粒子による流動床をつく る。発生した熱によって上記の流動床は十分高い温度になる。高温領域の熱は上 部から落下し続けている鉄分を含む原料を受入れている溶融物に対して輻射によ って伝達される。前記原料は、炉の積層壁部を通って落下する途中にである程度 加熱され、鉱滓の表面上に浮かび、或いはその内部にて流体状の金属、即ち製鋼 用の高炭素鉄中間生産物を形成し、これは落下して鉱滓層の下にある炉床上で蓄 積される。溶解による流体生産物、即ち金属と鉱滓とは連続的又は間歇的に排出 される。この方法によって予め還元されていない粉砕された鉄鉱石原料及び非鉄 原料の精鉱の用途が与えられる。酸素含有ガスの供給レベル上にある石炭の流動 床の上部には、流体又は気体上の炭化水素が供給されよう。
この既知の方法及びこれを実現する為の炉は、経済的に不十分なものであり、そ れは多くの要因に起因している。
主たる熱と質量の変換のプロセスは、石炭の流動床で行われるため、これは、高 い率で酸素を供給することと、形成されたプロセスガスを高速度で排出すること を必要とする。このことは、処理される鉄分を含む原料及び石炭の、塵の形での 高い損失を結果として招く。鉄分を含む原料と燃料の粒子のサイズは排出される ガスの速度に応じて選択される狭い限度内に保持されなげへぼならない。そうで なければ、小さな粒子は炉から持ち去られ、大きな粒子は溶解されないまま鉱滓 層の中に入って十分に加熱されない。
鉱滓が静止状態である限り、その熱吸収面は槽の表面積によって限定され、従っ てその低い熱伝導度のために鉱滓層に於ける熱交換は困難である。従って鉱滓中 に落下する材料の粒子はゆっくりと加熱されて溶解され鉱滓の表面は流動床で保 持されることが出来ないかなり大きな燃料の固まりによって覆われてしまう。低 い熱伝導性の特徴の為に、これらの固まりは高温度領域から鉱滓への熱の伝導を 妨げるが、これは、上述の熱伝導が専ら輻射によって発生するからである。
もし鉄分を含む原料が十分高くない程度の還元を特徴とする鉄鉱石原料(鉱石、 精鉱又はスポンジ鉄)によって構成されているならば、これらの原料の酸化鉄が 鉱滓に進入する。鉱滓からの鉄の還元は、鉱滓表面に浮遊している燃料の固まり のカーボンの影響、または鉱滓が炉の還元性雰囲気と接触することによって達成 されることができる。しかしながら、相の接触面積が鉱滓槽の表面積によって限 定され、不十分な攪拌のために鉱滓内の質量の変換速度が遅いため、いずれのプ ロセスも速度が遅い。
上述した全ての、要因がこのプロセスの低い効率を結果としてもたらしており、 その結果燃料は過剰に消費され金属即ち鉄は、特に鉱滓が連続して排出される場 合には鉱滓と共に消失し、この金属の産出量が不十分となる。
更に、この既知の方法及びこれを実現するための炉は、鉄分を含んでいる原料及 び燃料の、化学的並びに粒度的組成の両方に実質的な制限を課している。
発明の概要 本発明の主要な目的は、製鋼に使用される高炭素鉄中間生産物を生成する方法を 提供することであり、この方法は、種々の相、即ち酸素含有ガス−固体炭素燃料 −溶融物の間に大きな境界領域を作り、上記の方法を実現するために鉄分を含む 原料、固体炭素燃料、酸素含有ガス、及び炉の間で熱と質量を変換する相互作用 のプロセスを強化する多くの技術的プロセスによって構成され、そこに於いて、 積層壁及び融解槽は、固体燃料の少ない消費量及び鉄分を含む原料からの金属の 高い抽出によってこの方法の高い効率を保証すように設計され、酸素含有ガスを 供給する羽口は、上記の槽に関連して、この効率を保証するように構成されてい る。
この目的は、製鋼用高炭素鉄中間生産物を生成させる方法にして、鉄分を含む原 料と固体炭素燃料との同時装入と、酸素含有ガスの供給と、鉄分を含む原料と固 体炭素燃料と酸素含有ガスとの相互的反応と、前記相互的反応に於いて酸素含有 ガスの酸素が前記燃料の7部を酸化して鉄分を含む原料を融解するに使用される 熱を放出するとともに前記燃料の残余部分の炭素が前記相互的反応相に含まれる 金属酸化物を還元することと、鉱滓と高炭素鉄中間生産物とでなる溶融生産物の 溜りを形成するとともにプロセス・ガスを生成することと、溶融生産物およびプ ロセス・ガスの放出とを含み、さらに、本発明に従い、鉄分を含む原料と固体炭 素燃料とを同時装入する前に溶融鉱滓が湛えられ、酸素を含むガスが前記溶融鉱 滓の表面レベルの下に加えられ、それにより、ガスの流れが前記溶融物を泡立た せて二つの領域、すなわち、静止した下部領域と、加えられたガスにより泡立つ 上部領域とに分割し、前記上部領域には、合計すれば前記上部領域内の溶融物の 容積の0.5%ないし50%の容積に達する燃料の集積を形成するに十分な量の 固体炭素燃料が装入され、形成された前記燃料の集積を維持する見地から鉄分を 含む原料と固体炭素燃料とが上部領域へと同時に装入され、前記燃料の集積は前 記上部領域に於ける鉄分を含む原料と固体炭素燃料と酸素含有ガスとの相互反応 を通じて液状鉱滓と層状の液状金属との形成を確実にし、前記液状鉱滓は下部領 域に入って鉱滓層を形成し、前記層状の液状金属は鉱滓の層を通過してその鉱滓 層の下に高炭素鉄中間生産物の層を形成し、融解した液状生産物すなわち鉱滓と 高炭素鉄中間生産物とが下部領域の各々の層から別々に放出されるようにした方 法を与えることにより達成される。
溶融鉱滓を予備的に形成すること及び固体炭素燃料を溶融鉱滓の泡立つ上部領域 で0.5乃至50%の範囲で容積的に集積することによって、溶融工程が、最初 にコークスのパッケージングを使用することなく開始され得る。酸素含有ガスを 供給することによって泡立つ溶融物上部領域を作り、次いで固体炭素燃料と鉄分 を含む原料を上記の領域に供給することによって、固体燃料−ガス−溶融物の諸 相の間に大きな面積を有する境界面を与え、かつ熱と質量との変換を加速する。
溶融物中で一部の固体炭素燃料を酸化させる結果、生成されたガス【よ−酸イし 炭素(Co)の高い分圧を有しており、これによって、鉱滓からの金属すなわち 鉄の還元が行われる。泡立つ領域に於ける固体炭素燃料の集積は、鉱滓中:こ効 率的な還元反応の条件を作るため、(燃料の種類、鉱滓の特性、及びその他のパ ラメータによって)溶解の間中0.5乃至50%の限度内に維持される。0.5 %以下の燃料の集積度では、ガス相に於ける酸素の高(1分圧、ならび1こ、鉄 分を含む原料、固体炭素燃料及び酸素含有ガスの間の不十分な相互作用面のため に、還元反応が発生しな(1゜50%以上の燃料の集積度では、泡立つ領域に於 ける溶融物がその流動性を失い、その結果泡立つ領域(こ於1する熱と質量との 変換が阻害される。下部領域鑑こ鉱滓層と金属層によって構成される静止領域の 槽を形成すること:こよって、一方において鉱滓からの金属の分離の質量(改善 され、他方においてこの領域に於ける耐火物の内張りの安定性が向上される。こ れらを全て一緒に行うと、プロセスの効率を向上させ、従って、固体炭素燃料の 比消費量を減少させ、鉄分を含む原料からの鉄の抽出率を増加させる。
溶融の過程において、酸素含有ガスは、これ力(溶融物に供給されるレベルに於 ける前記溶融物の水平方向断面積1平方メートル当たり150ONm3 /hの 割合で供給されることが望ましい。
酸素含有ガスが、溶融物に供給される高さに於ける前記溶融物の水平方向断面積 1平方メートル当たり15ONm3/hを下回る割合でしか消費されない場合に は、溶融物の攪拌の状態が阻害され、熱と質量との変換過程が阻害され、その結 果効率が低下し、鉄分の抽出量が減少する。酸素含有ガスが溶融物に供給される 高さに於ける前記溶融物の水平方向の断面積1平方メートル当たり150ONm 3 /hを超える割合で消費が行われた場合には、羽口部分の酸化領域の容積が 大きくなるため、溶融物の発散と鉄分の抽出量の減少が生じる。
溶融の過程において、溶融鉱滓に供給される酸素含有ガスの流速は、固体炭素燃 料の反応性の増加に従って増加されることが望ましい。他の全ての条件が等しい 場合、これは産出量を増加させるのに貢献する。逆に、反応性の高い燃料から反 応性の低い燃料に変化する場合には、酸素含有ガスの供給量を削減することが望 ましい。さもなければ、ガス相における酸素の分圧が増大し、これにより鉄と鉱 滓との損失が増加する。
この問題は、酸素含有ガスを溶融鉱滓中に連続的に供給し、しかも鉄分を含む原 料と固体炭素燃料とを同時に装入する場合にこれを周期的に中断するという事実 によって解決されることができる。
これは、このプロセスで使用されている溶融鉱滓の溜りの硫黄を周期的に除去す ることによって、結果として生じる高炭素鉄の硫黄含有量を減少することを可能 にする。
溶融鉱滓は、まh鉄金属を製造する場合、例えば溶鉱炉で鋳鉄を作る場合、及び 転炉、平炉及び電気炉で鋼を作る場合に作られる流体の鉱滓を注入することによ って形成されることが望ましい。
電気炉またはその他の炉で前もって溶融された流体状の合成鉱滓を注入すること もできる。
連続溶解の開始を加速するため(金属の連続生産において)及び耐火物の内張り の疲労を減少するために、炉に流体の鉱滓を注入する前に流体の金属を注入する ことが望ましい。
もし何等かの理由で流体の鉱滓を炉に注入することが不可能である場合、溶融鉱 滓は、製鉄で作られた鉱滓、鉱物原料及び金属酸化物によって構成されるグルー プから選択された固体酸化物原料の少なくとも一つを装入し、溶解することによ って形成されることができる。
固体炭素燃料を装入する他に、ガス状、液体状、または微粉化された炭素含有燃 料を溶融物の上部領域の表面のレベルの下へと供給することが可能である。
これを供給することによって、羽口の動作状態が改善され、炭素と酸素含有ガス の酸素との相互作用が加速され、これによって、酸素含有ガスを注入する場所に 於ける溶融物内部の酸化性の雰囲気を有する領域の容積を削減するのに貢献する 。
プロセスの安定性を向上させるため、鉱滓は、下部領域にある鉱滓層の中位また は上位部分のレベルから排出されることが望ましい。
これにより、炉中の溶融金属の表面上にて極めて僅かに攪拌される鉱滓の層を作 ることができる。装入物の組成の変化によって生じる泡立つ上部領域の鉱滓に於 ける酸化鉄含有量の短期間の変化によって、鉱滓層の上位または中位の流動部に 於ける鉱滓の組成に変化が生じる。
下部領域に於ける鉱滓層の下位部分の組成は非常にゆっくりと変化する。このこ とは、プロセスを乱し且つ溶融物の発散を引き起こす可能性のある脱炭反応が促 進されることによる溶融金属の急激な過酸化と流動化とを防止する。これによっ てプロセスの安定性と信頼性が改善される。
燃料利用の効率を高める為、溶融の工程で、固体炭素燃料1トン当たり(0,0 1〜5.0)x103Nm3 の量の酸素含有ガスが更に溶融表面上に供給され ることが望ましい。この場合、酸素含有ガスの酸素が、燃料の不完全燃焼及び酸 化鉄と炭素との減少の結果溶融物から生じたCOとH2を再燃焼させ、CO2と H20を作る。これに伴って、溶融物に供給され、プロセスを実行するために利 用される相当量の熱が発散される。固体炭素燃料1トン当り5.OxOx103 N の割合で酸素含有ガスを供給すれば、この量は、溶融物から生じるガスを再 燃焼させるのに十分である。
燃料1トン当たり5,0x103 NmB を超える量で酸素含有ガスを供給す れば、排気ガス中の自由酸素(02)の含有量が増加し、酸素含有ガスの過剰消 費を引き起こし、炉の熱性能を阻害する。固体炭素燃料1トン当たり0.01x 103 Nrnを下回る割合で酸素含有ガスを供給した場合、再燃焼力慢生せず 、溶融物から放出された精製固体炭素燃料をガス化するだけであるから、これは 実際的ではない。
溶解が、鉄分を含む原料及び固体炭素燃料の同時装入と共に溶融物の表面に酸素 含有ガスを追加的に供給することによって行われる場合には(再燃焼を伴って) 、固体炭素燃料は、酸素含有ガスを溶融物中に供給する高さに於ける上記の溶融 物の水平方向の断面積1平方メートル当たり0.2乃至5.Ot/hの量を装入 されることが望ましい。
これらの限度量は、槽に関する流体力学及びプロセスの熱的条件、及び溶融物及 びその上部への酸素含有ガスの供給の程度に基づいている。酸素含有ガスが供給 されるレベルに於ける溶融物の水平方向の断面積1平方メートル当たり0.2t /hを下回る量の固体炭素燃料を供給しても、溶融物中に於ける酸素の分圧を低 く抑えることが妨げられ、このことは、鉄分を含む原料から中間生成物として抽 出される金属を削減し、鉱滓に混入して損失される鉄の量を増加させる。酸素含 有ガスが供給されるレベルに於ける溶融物の水平方向の断面積1平方メートル当 たり5.0t/hを上回る量の固体炭素燃料を供給すると、溶融物を固体炭素燃 料の過飽和状態にし、これは溶融物の流動性を減少させ、熱と質量との交換プロ セスの速度を遅くし、やがて、溶融及び還元の速度を減少させる。
本発明の目的は、炉床を備えた融解槽と、鉄分を含む原料と固体炭素燃料とを融 解槽の中へと装入する為の少なくも一つの装置を有しており且つ前記融解槽の上 へ載っている積層壁と、前記装置が積層壁の上部に位置決めされていることと、 酸素を含むガスを融解槽の中へと加える為のノズルを備えた羽口と、融解槽が融 解槽の炉床の壁に作られた鉱滓排出路を有するとともにノズルを備えた羽口の取 付は高さよりも低くなるようにして融解槽の壁に作られた高炭素鉄中間生産物放 出路をも有することと、積層壁の上部に設けられたプロセス・ガス排出装置とを 含む炉にして、本発明に従い、融解槽と積層壁との水平方向断面が基本的に長方 形であり、ノズルを備えた羽目が融解槽の長い方の壁の上部に取付けられ、鉱滓 排出路と高炭素鉄中間生産物放出路とが融解槽の短い方の壁に作られ、ノズルを 備えた羽目を融解槽へと取り付けた高さに於ける融解槽の水平方向断面積と羽口 の噴出孔の面積の合計との比が300ないし10000であり、中間生産物放出 路の下端から鉱滓排出路の上縁までの距離と中間生産物放出路の下端からノズル を備えた羽口の融解槽への取付は高さまでの距離との比が0.3ないし0.75 であるようにした本発明の方法を実施するための炉を設けることにより達成され る。
炉床を備えた融解槽と、鉄分を含む原料と固体炭素燃料とを融解槽の中へと装入 する為の少なくも一つの装置を有しており且つ前記融解槽の上へと載っている積 層壁と、前記装置が積層壁の上部に位置決めされていることと、酸素を含むガス を融解槽の中へと加える為のノズルを備えた羽目と、羽口の取付は高さよりも低 くなるようにして融解槽の壁に作られた高炭素鉄中間生産物放出路と融解槽の炉 床の壁に作られた鉱滓排出路とを融解槽が有することと、積層壁の上部に設けら れたプロセス・ガス排出装置とを含む炉にして、融解槽と積層壁との水平方向断 面が基本的に長方形であり、ノズルを備えた羽目が融解槽の長い方の壁の上部に 取付けられ、ノズルを備えた羽口を取り付けた高さに於ける融解槽の水平方向断 面積とノズルの噴出孔の面積の合計との比が300ないし10000であり、生 産物放出路の下端から鉱滓排出路の上縁までの距離が生産物放出路の下端から融 解槽への羽口取付は高さまでの距離の0.3倍ないし0.75倍であるようにし た、製鋼用高炭素鉄中間生産物を生成させるための炉。
水平方向断面が長方形をなしている積層壁と融解槽とを設置し、且つ、酸素含有 ガスを溶融物の中へと加えるためのノズルを備えた羽口を、対向する長い方の側 壁に互いに向かい合わせて取り付けることが、溶融物の容積全体を激しく攪拌す る条件を保証し、その上、幅を一定に保ったままで長さを増大させることにより 炉の生産能力を拡張し得る可能性を生み出す。激しい攪拌は、固体炭素燃料の急 速な酸化と、鉄分を含む原料の急速な融解と、鉱滓からの金属酸化物の急速な還 元とを確実にし、その結果、最適なプロセス特性、すなわち炉の高い生産性と少 ない燃料消費とを実現する。
ノズルを備えた羽目を融解槽壁の上部に配置することは、融解槽の下部に静止溶 融物領域を生ずることを可能にする。
ノズルを備えた羽口を取り付けた高さに於ける融解槽の水平方向断面積とノズル の噴出孔の合計面積との比が10000を越える場合には、泡立ちが不十分とな るか、もしくは、酸素含有ガスの極端な高圧と高速度とに頼る結果となり、羽口 の効果を害し且つ駆動装置の費用を押し上げる結果となる。300未満の比もま た当を得ないものであり、過大な容積を有する酸化領域が溶融物内に形成されて 還元の速度が減少する上に溶融物が跳びはねる危険があり、さらにその上に、酸 素含有ガスの溶融物内への注入速度を低速とする必要があるため、ノズル内に溶 融物が侵入する可能性がある。
融解槽の互いに対向する短い方の壁に各通路を配置することと、中間生産物すな わち金属を放出するための通路の下端から鉱滓排出路の上縁までの距離を上に述 べた距離とすることにより、金属と鉱滓との分離に最も好適な条件が確保され、 鉱滓排出に伴う固体炭素燃料と金属との損失が抑止され、かくて、金属抽出率を 向上させるとともに固体炭素燃料の消費を減少させることも可能となる。金属放 出路の下端から鉱滓排出路の上縁までの距離が、金属放出路の下端からノズルを 備えた羽口の取り付は高さまでの距離の0.3倍よりも小さいときには、鉱滓排 出路が金属層のすぐ上に存在する結果となろうう。
このことは、金属の上へのゆっくりと入れ代わる鉱滓層の形成を阻み、さらに、 このプロセスの安定性を低下させ、泡立つ上部領域に於ける鉱滓の化学的組成の 変動をもたらす。金属放出路の下端から鉱滓排出路の上縁までの距離が、金属放 出路の下端から羽口の取付は高さ迄の距離の0.75倍よりも大きいときには、 金属の小滴と固体炭素粒子とが鉱滓に混じって運び出され、固体炭素燃料の消費 量を増加させ、炉の産出量を低下させる。
上述した手段の全てがともに講じられるならば、高い産出量と完璧な信頼性とが 炉にもたらされ、金属すなわち製鋼用中間生産物と生成される鉱滓との分離が改 善され、さらに、炭素燃料の消費量を低く抑えつつも処理される原材料からの高 率な金属抽出が保証される。
耐火物の消耗を減少させ炉の修理間隔を延ばす見地から、融解槽の上部と積層壁 の少なくも下部とは、冷却され得るようにして作られるのが好適である。そうす れば、冷却された積層壁表面は鉱滓の殻で覆われ、それにより、熱損失の減少が もたらされる。
羽口の中心軸の上方及びやや下には泡立つ溶融物領域が形成され、そこでは、固 体粒子、すなわち鉄分を含む原料と燃料、を含む腐蝕性の鉱滓が激しく流動して 炉壁をこするので、酸素含有ガスを融解槽内へ噴出させるためのノズルを備えた 羽口は、融解槽の冷却される部分に取り付けられるのが望ましい。
鉱滓排出路を通じて融解槽と連絡しており且つ鉱滓排出孔を備えている鉱滓滞留 槽を含み、さらに、前記鉱滓滞留槽の平均的な水平方向断面積を融解槽の平均的 な水平方向断面積の0.03倍ないし0.3倍とした炉は、極めて効果的な特色 を有している。
鉱滓滞留槽の設置は、金属の小滴と鉱滓との一層効果的な分離をもたらす。それ に付随する、炉から放流点までの鉱滓の移動行程の増大と、貯蔵タンクへと排出 されるための鉱滓の低速での上昇とが、金属の小滴の凝結と鉱滓からの分離、沈 澱とを容易にする。もしも鉱滓滞留槽の平均的な水平方向断面積が融解槽の平均 的な水平方向断面積の0.03倍よりも小さい場合には、貯蔵タンクへと排出さ れるべく上昇する鉱滓の速度よりも金属の小滴の沈降速度の方が小さくなるので 、この場合には、鉱滓の排出に付随する金属の損失は減少しない。鉱滓滞留槽の 平均的な水平方向断面積が融解槽の平均的な水平方向断面積の0.3倍よりも大 きい場合には、鉱滓排出に伴う金属損失のそれ以上の減少は最早もたらされず、 融解槽が過度に冷却され、よって、鉱滓の排出を妨げ、また、炉内にて鉱滓をさ らに一層熱する為もしくは滞留槽内にて鉱滓を熱する為に用いられることにより 燃料の消費量を増加させる。
融解槽の炉床から鉱滓滞留槽の流出孔の下端までの垂直距離は、融解槽の炉床か らノズルを備えた羽口の融解槽への取付は高さ迄の距離の1.1倍ないし2,5 倍に定められるのが好ましい。
他の条件が全て等しければ、前記の距離相互間の関係が、融解槽内の泡立つ領域 の高さと静かな領域の高さとの関係を決定する。
融解槽の炉床の水準から鉱滓滞留槽の流出孔の下端迄の距離が炉床からノズルを 備えた羽目の取付は高さ迄の距離の1.1倍よりも小さい場合には、静かな領域 の高さが低くなり、従って、静かな鉱滓層の厚さも薄くなるであろう。このこと は、鉱滓からの金属の分離を阻害し、また、金属から例えば硫黄を除去すること をも阻害するであろう。硫黄含有量を予定の水準に維持するには、溶剤の消費量 を増やすことにより鉱滓の塩基度を上げる必要があり、その結果、燃料消費量が 増大し且つ産出量が減るであろう。融解槽の炉床から鉱滓滞留槽の流出孔の下端 迄の距離が炉床からノズルを備えた羽口の取付は高さ迄の距離の2.5倍を越え る場合には、静かな鉱滓層の厚さは増大する。しかし、このことは、金属の精練 を更に改善するものではなく、また、排出される鉱滓中に含まれる金属の量を減 少させるものでもない。それどころか、それは、熱損失を増やし、金属の温度を 低下させる。
確実かつ連続的に中間生産物を産出し、さらに、融解槽内の中間生産物の高さを 安定に保つため、生産物放出路を通じて融解槽と連絡しており且つ生産物流出孔 を備えている中間生産物滞留槽が炉に設けられてよい。
そうした滞留槽が無い場合には、生産物は、金属を一定速度で流出させ得る調整 通路を通じて定期的にもしくは連続的に放出されてよい。しかし、この場合には 、圧力のもとて通路を遮断するための複雑な装置を必要とする。金属放出方向に 対するこの通路の横方向断面積を一定に保つことは困難であり、また、炉からの 出銑量を変えようとする場合もしくは融解槽内の金属の高さを変える必要が生じ た場合に、金属放出量を変更すべく通路の横方向断面積を調節することは尚一層 困難である。このように、調節通路を通じて金属が放出される炉は信頼性が不十 分であり、一方、もしも滞留槽が金属流出孔を有するならば、金属は前記流出孔 の敷居を越えて無圧にて放流される。融解槽内の金属の高さは、滞留槽から金属 を流出させる孔の敷居の高さを変えることにより調節され得る。
これは、炉内の溶融物レベルを適確に維持し、その調節の適応性を高め、さらに 、緊急事態を確実に排除する。
その結果、調節の柔軟性と安定性とがプロセスにもたらされ、長期の運転に於い ての生産性を向上させる。
積層壁の上部には、酸素含有ガスを融解槽内へと供給するために水平方向に並ん だ少なくも一列の補助的羽口が設けられてよい。
羽口取付けについてのこの方法は、泡立つ溶融物から放出される可燃性ガスを再 燃焼させるべく酸素含有ガスが供給されることを可能にし、ガスの熱を炉内にて 直ちに利用することを保証する。直接的な効果は、燃料消費量の低減と産出量の 増加である。数列にも亘って水平方向に設けられた羽口は、再燃焼の均一性に寄 与する。
融解槽の炉床から、補助的羽口のいずれかの列の積層壁土部への取付は高さ迄の 距離は、融解槽の炉床から、前記融解槽への主たる羽口の取付高さ迄の距離の1 .5倍ないし6.0倍であるのが好適であると考えられる。
もし、融解槽の炉床から、泡立つ溶融物の上部領域の上へと酸素含有ガスを供給 するための補助的羽口迄の距離が、融解槽の炉床から、主たる羽口の取付高さ迄 の距離の1.5倍よりも小さいならば、再燃焼のために加えられた酸素含有ガス による、溶融物の固体炭素燃料の酸化がひきおこされる。この場合には、溶融物 が過度に酸化されよう。このことは、消費量を増加させ、且つ、産出量を低下さ せる。
もし、融解槽の炉床から、泡立つ溶融物の上部領域の上方へと酸素含有ガスを供 給するための補助的羽口迄の距離が、融解槽の炉床から、酸素含有ガスを溶融物 内へと供給するノズルを備えた主たる羽口の取付高さ迄の距離の6.0倍よりも 大きいならば、溶融物の溜りから放出されるガスの燃焼炎が溶融物表面から余り に高く離れて生ずるので、これは適当でないことが確かめられている。このこと は、溶融物の溜りへの熱伝達を阻害し、このプロセスの効率を低下させる。
補助的羽口のいずれかの列の取付は高さに於ける積層壁部の水平方向断面積は、 溶融物の中へ酸素含有ガスを供給するノズルを備えた主要羽口の取付は高さに於 ける融解槽の水平方向断面積の1.05倍ないし2.0倍であるのが好適である 。
再燃焼領域から溶融物への熱伝達は、噴出する炎から溶融物への輻射と、溶融物 の溜りから再燃焼領域へと飛び跳ねる金属滴の加熱に負うところの大きい対流と の、二つの経路にて進行する。輻射により溶融物が受ける熱量は、水平面の上へ と突出する泡立つ溶融物の表面積に左右され、一方、対流により伝達される熱量 は、溶融物の表面を通過して発散するガスの(単位面積あたりの)強度に依存す る金属滴の飛び跳ねの高さと質量とに左右される。
結論として、補助的羽口の取付は高さに於ける積層壁部の横方向断面積が、主た る羽目の取付は高さに於ける融解槽の水平方向断面積の2.0倍を越えるときに は、輻射による熱伝達はもはやそれ以上改善されず、その上、対流による熱伝達 が減少する。さらに、壁部の表面積の増加が熱損失の増加をもたらす。結果的に 、再燃焼により溶融物が受け取る熱の総量は減少する。
溶融鉱滓の上部領域のレベルの上方へと酸素を含むガスを供給するための補助的 羽口の取付は高さに於ける積層壁部の水平方向断面積が、溶融物の中へと酸素を 含むガスを噴射するためのノズルを備えた主たる羽口の取付は高さに於ける融解 槽の水平方向断面積の1.05倍よりも小さい也きには、対流による熱伝達はな されず、泡立つ溶融物の表面積の縮小のため、輻射による熱伝達も減少する。そ の上、泡立つ溶融物表面の真上における再燃焼の完璧さも低下する。こうして、 上記の制限が無視された場合には、炉の産出量は低下し、一方、固体炭素燃料の 比消費量は増大する。
積層壁部の少なくも下部はその縦方向断面が台形状に作られて、その底辺が融解 槽の上に載っているのが好適である。
泡立ちの進行により溶融物のレベルは上昇し、気−液混合システムである溶融物 上部は、積層壁の下部に位置することになる。もし、この位置の積層壁部が台形 状を有しており且つその短辺を下へ向けているならば、このことは、泡立つ溶融 物の表面積を増加させる。その結果、再燃焼領域から輻射により伝達される熱を 受け取る表面積が増大する。その上、積層壁内部の再燃焼空間の容積も増大する 。このことは、溶融物から放出される可燃性ガスと酸素含有ガスの混合と、前記 双方のガスの溶融物の真上における高度に完璧な再燃焼とのための有利な状況を 保証するものである。
ここに、いくつかの実施例とその関連図面とを示して本発明を一層詳しく説明す る。
図面の説明 第1図は製鋼用の中間生産物である高炭素鉄を生成させるための本発明の炉の全 体的概略図(縦断面図)、第2図は第1図の線■−■についての断面図、第3図 は第2図の線■−■についての断面図、第4図は鉱滓滞留槽を設けられた本発明 の製鋼用高炭素鉄中間生産物生成炉の概略図(長手方向縦断面図)、第5図は鉱 滓滞留槽と中間生産物滞留槽とを設けられた本発明の製鋼用高炭素鉄中間生産物 生成炉の概略図(長手方向縦断面図)、 第6図は酸素含有ガスを加えるための補助的羽口を設けられた本発明の製鋼用高 炭素鉄中間生産物生成炉の概略図(長手方向縦断面図)、 第7図は第6図の線■−■についての断面図である。
好ましい実施例の説明 ここに提案する製鋼用高炭素鉄中間生産物生成法は、次の各工程を含む。
鉄分を含む原料1(第1図)と固体炭素燃料2とが、共に炉の中へ装入される。
その装入と同時に酸素を含むガス3が炉へ供給され、その酸素は、発熱を伴いな がら燃料2の一部を酸化する。この発生熱は鉄分を含む原料1を溶かし、そこに 含まれている金属酸化物は、燃料2の残余部分の炭素により減少させられて液状 の溶融生成物、すなわち鉱滓4(第2図)と高炭素鉄中間生産物5とを形成する 。
溶融の過程で形成される鉱滓4と中間生産物5とプロセス・ガス6とは、その後 、炉から排出される。
本発明によれば、鉄分を含む原料1と固体炭素燃料2との同時装入の前に、溶融 鉱滓が装入される。これは、例えば電気炉における鉄鋼生産に於いて生成される 液状の鉱滓を注入することによりなされる。
他の実施例に於いては、鉱滓の注入に先立ち、鉱滓排出レベルよりは低く且つ金 属流出レベルよりは高いレベルまで液状の金属を注入することにより、融解プロ セスの初めが加速され且つ内張りの損耗が減少させられる。
その液状金属は、鋳鉄であってもよく、また、何らかの他の溶融高炭素鉄であっ てもよい。
第三の実施例に於いては、液状鉱滓が無い場合の策として固体酸化物原料を炉中 に装入し、これを融解させて溶融鉱滓を生成させる。その固体酸化物原料は、鉄 鋼生産により産出される鉱滓(溶鉱炉、転炉、平炉もしくは電気炉の鉱滓等)、 鉱物(ドロマイト、石灰石、砂、スパーなど)、および金属酸化物(CaO,M gO1Si02 、A12 03 等)により代表されてよい。これら原料は、 上述のいずれか一つのグループのものであってもよく、また、複数のグループの ものを同時に用いてもよい。
次いで、酸素を含むガス3が溜まった溶融物の中へ、その液面の下へと供給され る。酸素を含むガス3は、工業用酸素(99,5%02 又は95%02 )で あってもよく、また、酸素を濃くした空気であってもよい。
酸素を含むガス3の流れ7(第1図)は、前記溶融物を二つの領域、すなわち、 溶融物が静かにしている下部領域8とガス3により溶融物が泡立っている上部領 域9とに分ける。
以下の記述を簡単にするため、溶融物の「静止した下部領域8」、ならびに溶融 物の「泡立つ上部領域9」の語を用いることとする。
次いで、泡立つ上部傾城9には、その領域内の溶融物総量の0.5%ないし50 %の容積に相当する燃料集積を蓄積するに十分な量の固体炭素燃料2が装入され る。
これらの限度は、一方では、酸素を含むガス3にて溶融物内の燃料2を酸化して COを形成する必要性から、また他方では、溶融物の流動性を維持する観点から 選択される。この集積量の比は、酸素を含むガスの供給量、鉱滓4の特性、固体 炭素燃料の形式及び特性、ならびにこのプロセスの他のパラメータを考慮して決 定される。
さらに、この固体炭素燃料の集積は、鉄分を含む原料1と固体炭素燃料2とを同 時に上部領域9へ装入することにより維持される。
固体炭素燃料は、炭素を含む各種原料であってよく、石炭であるのが好ましい。
代替可能な燃料には、褐炭、泥炭、木炭、コークス副製品、シャンガイド、頁岩 、無煙炭、ならびに、炭素を含む有機物原料もしくは炭素を含む廃品(プラスチ ック、ゴムなど)の熱分解産物がある。
ここで処理される鉄分を含む原料1は、鉄鉱石、精鉱、もしくは、原鉱石を様々 な程度に還元した鉄鉱原料(海綿鉄)であってよい。本発明の方法は、乾燥され た鉱泥、冶金工業の乾燥ガス清浄機内に形成される粉末、油にまみれたものをも 含むスケール等の処理に効果的であることが判明した。また、小さな鋼片や鋳鉄 スクラップ、とりわけ切粉の再溶解にも効果的である。
溶融物中への酸素含有ガス3の噴射と、鉄分を含む原料1と固体炭素燃料2との 連続的装入とにより創り出される泡立つ上部領域9は、溶融した鉱滓、気体、固 体炭素燃料の粒子、鉄を含む固体原料の粒子、融解した原料の小滴、金属の小滴 −溶融鉱滓からの金属酸化物の減少により得られる中間生産物−等を含む、多く の異成分からなる複雑なシステムである。このシステムは酸素含有ガス3のエネ ルギーにより混合され、酸素含有ガス3は、燃料の形式、溶融鉱滓の特性、前記 酸素含有ガスの酸素含有量、製品に要求される特性などに従って、酸素含有ガ・ ス3が供給される水準に於ける溶融物の水平断面積1平方メートルにつき150 ないし150ONmB /hの量を噴射される。
固体炭素燃料2の反応性が大きい場合には、溶融物中に加えられる酸素含有ガス 3の供給量は増大させられる。
鉄分を含む原料1と固体炭素燃料2と酸素含有ガス3との相互作用の結果、液状 の鉱滓4と、液状の金属、すなわち製鋼用高炭素鉄中間生産物5とが形成される 。
酸素を含むガス3は、溶融物の泡立つ上部領域9の中で、固体炭素燃料2の炭素 と相互作用をする。
C+02 −CO2 CO2+C−2CO 2C+02 −2CO この相互作用は、鉄分を含む原料1から高炭素鉄生産物5を生成するに必要なエ ネルギーを生み出す。
噴射装置の機能を活用し、酸素含有ガス3に含まれる酸素と燃料2との相互作用 を加速し、溶融物4に於けるガス酸化域の容積を減少させ、さらに、温度条件を 改善するため、溶融物の泡立つ上部領域9の液面下に、液状、ガス状、もしくは 微粉状の炭素を含む燃料が更に供給される。液状燃料、気体燃料、もしくは炭素 を含む微粉状固体燃料は、酸素を含むガスに合流して供給されるのが最も好まし い。このことは、溶融物内へ燃料を注入する領域の付近に於ける、燃料の十分な 混合と燃焼とをもたらす。
冷たいままの又は予熱された鉄分を含む原料1は、泡立っている領域9に入り、 加熱され溶解されて溶融鉱滓内に吸収される。鉄を含む原料1の中の金属成分は 、金属の小滴となって溶融物の静止した下部領域8へと落下し、金属の層を形成 して製鋼用高炭素鉄中間生産物5となり、また、連続的にこの層を補償する。鉄 分を含む原料の酸化物成分は、融解させられて、泡立っている領域9の鉱滓の中 に溶は込み、その中の鉄、マンガン、ケイ素等の酸化物の量を増加させる。
酸化鉄、ならびに、ケイ素、マンガン、ニッケル、クロム等の他の金属の酸化物 は、固体炭素燃料の炭素により還元されて溶融鉱滓の中から減ってゆく。
(Fe2 0B )+3CO=2Fe+3CO23CO2+3C−6CO (Fe2 03 )+3C−2Fe+・3CO。
還元により形成された金属の小滴は、凝集し、鉱滓の層4を通り、静止した領域 8の金属層5の中へと重力により降下する。
静止した領域8の鉱滓の層4は、泡立っている領域9からの溶融鉱滓の流れによ り更新される。
このように、静止した領域8は、鉱滓4からなる上層と金属5でなる下層とによ り構成される。
融解した液状生産物すなわち金属(高炭素鉄中間生産物5)と鉱滓4とは、静止 した領域8の各々の層から別々に排出される。金属5は、金属の層の下部から排 出される。鉱滓4もまた鉱滓層の下部から排出されてよい。
しかしながら、このプロセスを一層安定させるため、鉱滓4は、静止した領域8 の中の鉱滓層の中央部もしくは上部から排出される。
金属5の小滴と鉱滓4との相互作用により、金属から不純物(硫黄、リン)が取 り除かれる。鉱滓4の化学的成分の構成は、溶けた添加物を泡立つ領域9の中へ と供給することにより調整される。溶解する溶鉱炉ごとに異なるので、精練特性 を改善し尚一層積製された金属を生産するため、鉱滓の成分構成は広い範囲にわ たって変更されてよい。
主として固体炭素燃料からもたらされた硫黄の大部分は、ガス状の化合物(CO 5,H2S等)の形で排ガスと共に取り去られる。ガス相の中へより一層の硫黄 を゛取り去り低硫黄金属を生産するため、酸素を含むガス3は引き続き融解しつ つある溶融物の中へと供給され、他方、鉄を含む原料1と固体炭素燃料2との同 時装入は定期的に停止させられる。そのことが、泡立つ領域9の溶融鉱滓からの 硫黄の一層の除去を定期的にもたらし、硫黄を除去する能力を増進させる。
泡立つ領域9に発生するガス6は、溶融物から遊離して炉から排出される。この ガス6は、主にCOとH2とからなり、その温度は溶融物の温度に近い。それら は、例えば溶鉱炉への噴射用又は直接製鉄用の、気体燃料もしくは還元処理用ガ スとして使用されてよい。
もっとも、融解の結果として還元ガスが産出されるとき、比較的少量の熱の持出 しを伴う。そこで、高炭素鉄生産物を産出するこの方法が十分に高い効率を得る には、鉄を含む原料は、前もって還元された鉄鉱石原材料又は小さな金属スクラ ップであるのが好ましい。
高炭素鉄中間生産物を産出するこの処理に於いては、泡立つ溶融物領域9の水準 の上へと酸素を含むガス3を追加供給することは、炭素を含む燃料を、液状、ガ ス状、もしくは微粉状にて供給する場合と全く同様に、固体炭素燃料のエネルギ ーの一層効果的な利用を保証する。この場合には、溶融物から遊離したCO及δ H2は再燃焼させられて、部分的に又は完全に、CO2及びH2Oとなる。
CO+1/202 −CO2 H2+1/202 −H20゜ これらの発熱反応により放出される熱は、泡立つ領域9の鉱滓を加熱するととも に、鉄を含む原料1の溶解とそこに含まれる金属酸化物の還元とに費やされる。
この熱の追加は、プロセスの効率を向上させるか、もしくは、高い産出量を維持 しつつ予備的還元を省いた鉄鉱石原材料の使用を可能にする。
溶解の進行中に溶融物から解放されるガスの完全な再燃焼を通じて、ただ一種類 の不燃性ガスが産出され、排出される。このことは、それらの持つエネルギーの 利用を著しく容易にする。なぜならば、ガスの有する顕熱の効果的利用は、それ らの反応熱の利用よりも遥かに容易になされ得るからである。
溶融物の泡立つ領域9の水準の上へと加えられる酸素含有ガス3は、工業用酸素 (95% 02 )、又は工業用酸素を用いて酸素を濃くした空気、もしくはそ の種の空気により構成される。
溶融物の泡立つ上部領域9の水準よりも上の方に加えられる酸素含有ガス3は、 固体炭素燃料の化学的組成、酸素含有ガ不の中に含まれる酸素含有量、再燃焼を 必要とする度合い等を勘案して、固体炭素燃料1トンあたり(0,01ないし5 .0)X103 Nm3 の割合で加えられる。
固体炭素燃料2と鉄を含む原料1とを同時供給するに際し、前記燃料は、酸素を 含むガス3が噴射される水準に於ける溶融物の水平断面積1m2 あたり0.2 t/hないし5.0t/hの割合で供給される。燃料の量は、溶融物中に加えら れる酸素含有ガスの流量、前記ガスの酸素含有量、固体炭素燃料の化学的組成、 ならびに再燃焼の度合いに基づいて選定される。高い方の値は、炭素含有量の少 ない燃料に適し、また、溶融物から放出されるガスの再燃焼が高度に行われる鉄 鉱石原材料の溶解に適する。
ここに提案した方法は、炉床11を有する融解槽10(第1図及び第2図)と、 前記融解槽10の上部に載っている積層壁12と、酸素を含むガス3を融解槽1 0の中へと供給するノズル14(第2図)を有する羽口13と、炉からプロセス ・ガス6を排出するため積層壁上部良好に実現され得る。また、積層壁12には 、鉄分を含む原料1と固体炭素燃料2とを融解槽10の中へ供給するための、少 なくも一つの供給装置16が設けられている。融解槽10は、融解槽10の炉床 11の壁に設けられた鉱滓4の排出路17と、記述を簡単にする為これ以降は「 金属」5の用語にて参照される高炭素鉄中間生産物5を流出させるため羽口13 の取付は高さよりも低くなるようにして融解槽10の壁に設けられた金属放出路 18とを有する。
本発明によれば、融解槽10と積層壁12との水平方向断面はほぼ長方形である 。積層壁12の少なくも下部と、融解槽10の上部とは、冷却要素19を有する 。冷媒は水であってもよく、同様な、他の何らかの熱媒体であってもよい。酸素 を含むガスを融解槽10の中へと供給するためのノズル14を備えた羽口13( 第3図)は、融解槽10の、対向している長い方の側壁の冷却された上部に、互 いに向かい合って据え付けられる。羽口13のノズル14を取り付けた高さに於 ける融解槽10の水平方向断面積と、ノズル14の噴出口の面積の合計との比は 、300ないし10000の範囲である。こうした制限は、一方で溶融物の効果 的攪拌を保証するとともに他方では羽口13とノズル14との高度な安定性と信 頼性とを保証し得る最適速度にて、酸素を含むガスが、本発明の高炭素鉄産出法 により提案された流量だけ溶融物の中へと供給されることを可能にする。
鉱滓排出路17は融解槽10の短い方の壁の一つに設けられ、他方、中間生産物 放出路18は、融解槽10のもう一方の短い壁の炉床11付近に設けられている 。
金属放出路18の下端から鉱滓排出路17の上縁迄の距離りは、流出路18の下 端からノズル14を備えた羽目13の融解槽10への取付は高さ迄の距MHの0 .3倍ないし0.75倍である。羽口13の取付は高さは、炉床11の表面から 、羽口13の長手方向の幾何学的中心軸までとして計測される。
上述の比にて、鉱滓は、その層の高さに従い最適の水準から排出される。このこ とは、一方では、金属の上への徐々に置換される鉱滓の存在を保証することによ り、泡立つ領域における鉱滓の酸化が昂進した場合のプロセスの安定性向上をも たらし、また、他方では、鉱滓排出に伴う固体炭素燃料物と金属との損失を阻む 。
また、この炉は炉床21を備えた鉱滓滞留$120(第4図)を含み、前記滞留 槽は、鉱滓を鉱滓容器(図示せず)へと排出するための穴22を有するとともに 、通路17を介して融解槽10とも連絡している。このような炉の設計と鉱滓滞 留槽20の設置は、鉱滓が形成されるに応じて鉱滓を排出することを可能にする 。排出孔22の敷居は、炉の中の溶融物の水準を定める。この敷居の高さを変え ることにより、炉の中の溶融物の高さを変えることが出来る。
滞留槽20の水平方向の平均断面積は、融解槽10の水平方向平均断面積の0. 03倍ないし0.3倍である。
融解槽10の水平方向平均断面積に対する滞留槽20の水平方向平均断面積のこ うした値は、槽20の鉱滓4からの金属5の小滴の効果的分離を可能にする。
槽20の炉床21は、融解槽10の炉床11と等しい高さにつくられる。通路1 7の下端の高さは、炉床11及び炉床21の高さに等しい。その結果、槽20内 にて鉱滓4から分離した金属5の小滴は、炉床21の上の層内に累積し、通路1 7を通って融解槽10へと戻る。
炉床11の水準から鉱滓排出孔22の下端までの垂直距離H1は、炉床11の水 準からノズル14を備えた羽口13の融解槽10への取り付は高さまでの距離H 2の1.1倍ないし2.5倍である。金属流出路18が融解槽10の炉床11の 水準に位置付けられるならば、距離H1と距離H2とは等しくなる。このことは 、泡立つ領域の高さと静止溶融物領域の高さとの最適関係を保証し、その結果、 金属層への一方向のみの熱伝達とそれによる熱損失増大とを伴うことなく、金属 の小滴の分離と不純物からの精製とを効果的に行うことを可能にする静止鉱滓層 4の最適な高さをも保証する。
確実で継続的な金属の流出を保証し且つ炉の中の金属の水準を安定させるため、 炉の端側部に、中間生産物すなわち金属を滞留させるための、金属流出路18を 通じて融解槽10と連絡している外部槽23(第5図)が取付けられる。槽23 は、融解槽10の炉床11の水準に合わせて配置された炉床24を有する。槽2 3は、金属を取瓶(図示せず)へ放出するための穴25を有しており、その敷居 の高さは、融解槽10の中の静止した溶融物領域8の金属層5の高さを決定する 。
溶融物から生ずる燃焼可能なプロセス・ガス6のエネルギーを利用し熱効率を改 善するとともに固体炭素燃料の利用効果を高めるため、炉には、融解槽10の泡 立つ溶融物領域9の水準よりも高い部分に酸素を含むガスを供給するためのノズ ル27を備えた補助的羽口26(第6図)が設けられている。羽口26は、長い 方の壁に設けられたアーチ28の中に、積層壁12の成る高さに沿って一列また は数列に配列されている。羽口26には、羽口26の取付は位置に於ける幅の0 .5倍までの距離にわたり中心軸に沿って積層壁の中へと移動する設備と、羽口 の軸の傾斜角を水平に対し0″ないし60°変化させる設備とを設けられている 。特殊な機械的手段(図示せず)により、羽目26は積層壁12の中へと移動さ せられ、それとともに水平面に対する羽口26の角度も変化させられる。
高度な再燃焼と、火炎から溶融物への効果的熱伝達とを確保し、しかも、泡立つ 溶融物領域9の水準よりも上ヘと加えられた酸素含有ガスによる固体炭素燃料の 燃焼を阻み、且つ溶融物の過度な酸化をも阻むため、羽口26(第7図)は炉床 11から距離H3の高さに取付けられており、その距離は、ノズル14を備えた 主たる羽目13の取付は高さ迄の炉床11からの距離H2の1.5倍ないし6. 0倍に等しい。
補助的羽口26の取付は高さは1.ノズル27の噴出口の下端の、炉床11に対 する位置により定まる。
プロセス・ガスを再燃焼させるように働く酸素含有ガスを泡立つ領域9の水準の 上方へと加えることにより火炎から溶融物への輻射による熱伝達を改善し、それ によって再燃焼による熱の利用率を高める目的で、羽口26を備えた炉の積層壁 12の下部29はその縦断面が台形状をなしており(第6図)、前記台形の底辺 は融解槽10の上に載っている。この台形は、融解槽を広くし、泡立つ領域9の 溶融物表面の投影面積を増加させ、且つ、溶融物の上の再燃焼域たる積層壁容量 を増加させる。積層壁の中央部も台形状であってよく、積層壁全体が台形状であ ってもよい。
火炎から溶融物への放射と対流とによる熱伝達を最適なものとすることにより再 燃焼による熱の総合的利用率を向上させるため、酸素を含むガスを泡立つ溶融物 領域9の水準の上方へと供給するための補助的羽口26の取付は高さに於ける積 層壁部の水平方向断面積は、酸素を含むガスを溶融物へ加える為のノズル14を 備えた主たる羽口13の取付は高さに於ける融解槽10の水平方向断面積の1. 05倍ないし2.0倍とされる。
本発明による高炭素鉄中間生産物生成法を実施するための炉は、次のように作用 する。
溶融鉱滓を溜めるため、耐火煉瓦の内張りを予熱された融解槽10には、溶鉱炉 、平炉もしくは電気炉にて副産物として得られた液状鉱滓、又は、例えば鉱滓溶 解用゛電気炉にて真っ先に溶解された液状の合成鉱滓が注がれる。鉱滓は、ノズ ル14を備えた羽目13の取り付は高さを上回る高さまで注入される。槽20が 使用される場合には、最大注入高さは、槽20から鉱滓を排出するための穴22 の敷居の高さと一致する。
もう一つの実施例に於いては、鉱滓を炉に注入する前に、金属流出路18の上縁 よりは高く且つ鉱滓排出路17の上縁よりは低いレベルまで液状の金属、好まし くは鋳鉄が炉に満たされる。
鉱滓溶融物を溜めるための第三の方法に於いては、加熱された炉の炉床11に固 体酸化物原料すなわち、製鉄所にて産出される粉砕鉱滓、鉱物原材料、金属酸化 物等が供給され、それらの原料が溶解される。それらの固体酸化物原料は、炉の 中の鉱滓レベルが、ノズル14を備えた羽目13の取付は高さを上回るほど上昇 するまで溶解される。
もしも何らかの理由でノズル14を備えた羽口13の高さを上回るまで完全に液 状鉱滓にて炉を満たすことが不可能となった場合には、まず、可能なだけの量が 注入され、次いで、固体酸化物原料が槽に積み上げられる。
溶融鉱滓が溜められると、その表面の下に、ノズル14を備えた羽口13を通し て酸素含有ガスが供給され、もし必要ならば、ノズル14を備えた羽口13の取 付は高さに於ける融解槽の水平断面積1m2 あたり150ないし150ONm 3 /hの消費率にて、羽目13の上の溶融鉱滓堆の静圧を大きく上回る圧力の もとにて液状、ガス状又は微粉状の炭素を含む燃料が供給される。
こうして、溶融物は二つの領域、すなわち泡立つ上部領域9と静止した下部領域 8とに分けられる。溶融鉱滓の上部領域9が、ノズル14を備えた羽口13の中 心軸よりは高く、しかもさほど高過ぎないならば、極めて激しい攪拌が起こり、 気−液混合システムへと向かわせられる。
その後、装置16を介して埋戻などの固体炭素燃料2が上方から供給されるので あるが、槽内に於ける熱衝撃と揮発性成分の遊離とにより埋戻は3ないし4mm の大きさの粒子に崩壊させられるので、埋戻の大きさには実際上制限が無い。他 の種類の固体炭素燃料は、粉砕機にかけた後に使用される。
泡立つ溶融物上部領域9の中へと供給される固体炭素燃料2の粒子は、溶融物の 全体へと配分される。燃料の総計の容積は、領域9の溶融物容積の0. 5%乃 至50%に達する。燃料2の粒子は、羽口付近の領域に入って酸素含有ガスと反 応し、−酸化炭素を形成する。
燃料2の酸化により解放される熱のために、融解槽は1450’Cないし165 0’Cまで加熱される。次いで、固体炭素燃料2と鉄を含む原料1とが、泡立つ 溶融物上部領域9の中へと装置16を介して同時供給され始める。その間、泡立 つ溶融物領域9の中の固体炭素燃料2の総計の容積は、同じ制限(その領域内の 溶融物容積の0.5%ないし50%)の中に維持される。
十分な産出量を確保する為には、高炭素鉄生産物を産出する為の鉄分を含む原料 lは、炉中でのプロセス・ガス再燃焼を含まないプロセス用としては金属鉄が大 部分を占める原料(予め還元された鉄鉱石原料(海綿鉄)、鋼又は鋳鉄の小さな スクラップ、もしくは切粉)にて構成され、再燃焼を含むプロセス用としては酸 化された原料(鉄鉱石、精鉱、ガス浄化装置にて得られる粉塵、乾燥鉱泥)にて 構成される。
合金鋼製品を生産するには、前記投入原料に、合金成分を含む原材料(マンガン 、ニッケル、その他の鉱石、ならびにそれらの精鉱)が混合される。
さらに、望み通りの成分構成の鉱滓を作るため前記投入原料に鉱滓用添加物が混 合され、その添加物として最も一般的なものは石灰であり、石灰石にて代用され てもよい。
鉄を含む原料、合金用添加物、鉱滓用添加物ならびに固体炭素燃料は、供給装置 16を介して炉の中へ同時に挿入される。
これら投入原料は、混合された要素として又は個別の要素として、ベルトコンベ ア(図示せず)により装置16へと加えられる。
大規模な炉は、複数の供給装置16を有していてよい。
これら投入された原料は溶融物中に落下し、溶融物の攪拌により急速且つ均一に 泡立つ上部領域9の全体に散開する。高度の溶融物移動と、その中でのエネルギ ー源の分散と、投入原料の均一な分配とカセ、鉄分を含む原料と各種添加物とを 急速に加熱し融解させる為の好適な条件を与える。鉄分を含む原料と各種添加物 との塊の許容しうる大きさは、それらの特性と、鉱滓の特ピと、酸素を含むガス の溶融物中への注入濃度と、このプロセスの温度とにより定まり、20mmない し30mmに達してよい。
溶解されて、鉄分を含む原料1の金属成分は金属の小滴を形成し、一方、酸化物 成分は鉱滓の中へと溶は入る。
鉄の酸化物、および他の各種物質(Si、Mn、Cr。
Ni等)の酸化物は、酸素を含むガス3の酸素により還元されて、金属の小滴す なわち雫を形成する。
金属の小さな雫は、かなり長期間にわたって泡立つ領域9の中に滞留するかもし れない。ここに、これら小さな雫の静かな集積が始まるのであるが、こうした集 積は溶融物の移動速度に左右される。この集積が起こると、小滴は凝結して大き く成長し、泡立つ上部領域9の中には最早とどまることが出来なくなる。それら は、静止した下部領域8へと沈み、静かな鉱滓層4を通過し、炉床11の上の金 属の層5に加わる。
鉄を含む原料の中の金属成分の融解により形成される金属の大きな雫は、泡立つ 上部領域9から急速に沈下する。泡立つ上部領域内の溶融物の温度は、静止した 下部領域8の溶融物の温度よりも高い。泡立つ上部領域9にて加熱された金属5 の雫とともに、静止した下部領域8へ熱が加えられる。
この反応に加わる幾つかの相すなわちガス−固体炭素−液状鉱滓−金属のそれぞ れの間の境界面が大きく、且つ泡立つ上部領域9の温度が高いので、金属酸化物 は急速に還元される。その結果、このプロセスの効率は、還元反応の機構による のではなく、一般に熱の供給により制限される。泡立つ上部領域9及びその幾分 上方にある腐蝕性溶融物は、冷却要素19に接触する。冷却要素19は、5mm ないし25mmの厚さの鉱滓外殻層により次第に覆われ、前記外殻層は、大きな 熱損失を回避し、且つ、溶融鉱滓の泡立つ上部領域9に含まれている固体炭素燃 料2の粒子と鉄を含む原料1の粒子とによる摩損から冷却要素を保護する。
泡立つ上部領域9から金属5と鉱滓4とが降りてくる融解槽10の下部の溶融物 は、耐火性の煉瓦壁に接触する。しかしながら、この領域の鉱滓は、低濃度の酸 化鉄を含むのみで最早固体粒子を含まず、しかも移動速度も低いのでその腐蝕性 は極めて小さい。従って、この領域の耐火物は十分に安定である。
静止した領域8の鉱滓の速度が遅いことは、そこから金属の小滴が沈澱するのに 好適な条件を与える。このことは、それらの金属層に、不純物からの補助的精製 をもたらす。
鉱滓4は、融解槽10の端部壁の排出路17を抜けて、静止した領域8の鉱滓層 から排出される。炉床11から排出路17の上縁までの高さを変えることにより 、鉱滓層の異なる高さから鉱滓を排出し得る。鉱滓層の下部から鉱滓が排出され れば、融解槽10内の鉱滓からの金属層分離が幾分良好となる。しかしながら、 融解の進行中に、金属層に直接的に接触している鉱滓層が連続的に更新されるな らば、静止した下層8の鉱滓の酸化の一時的゛昂進が起こり、金属を沸騰させる かもしれない。このことは、融解槽10の耐火内張の耐久性ならびにこのプロセ スの安定性に対し、不利に働くかもしれない。
これらの現象は、鉱滓を、静止した領域8の中央部又は上部から排出することに より阻止し得る。この場合には、金属中の炭素含有量と平衡する酸化鉄含有量を 有する液状鉱滓の層が、液状金属の上方にて極めてゆっくりと更新される。
鉱滓沈澱槽20の設置は、鉱滓排出に伴う金属5の損失を実際に減少させる。鉱 滓4は、通路17を通り、並設された槽20に入り、上方へと移動する。槽20 の水平方向断面積が比較的大きいので鉱滓流の速度は減少し、金属の小滴の自由 な沈澱が可能となる。小滴は、槽20の炉床21へと下降し、融解槽10の金属 層と連絡している金属層の中へと落下する。
鉱滓は、鉱滓排出孔22の敷居を越えて、槽20の上部から排出シュート(図示 せず)へと重力により流出し、鉱滓容器に入れられるか又は直ちに再処理される 。もし必要ならば、槽20はバーナ(図示せず)により加熱される。
このプロセスの進行中に生成される鉱滓の組成は、溶鉱炉の鉱滓に近い。また、 鉱滓の他の各種成分が、その利用分野を広げる可能性がある。
金属5は、融解槽10の炉床11に設けられた流出路18を通って流出する。通 路18を開くことにより金属5が定期的に放出され、このため融解槽10内の溶 融物の高さが変化し、このプロセスの安定性と諸条件とが損なわれる。静止した 領域8へと金属が降下する速度に等しい速度にて金属を放出し得るよう設定した 通路18の断面積を維持することにより、金属5の連続放出が実現され得る。し かしながら、そのような金属放出システムは、極めて信頼性に欠けるものである 。
融解槽10の内部の溶融物レベルの安定性と、金属5の放、出の信頼性とは、金 属投下槽23の設置により確保される。金属5は、通路18を通り、層23の下 部へと入り、次いで上昇して金属流出孔25の敷居に達し、重力によりシュート (図示せず)の中へと流れ、そこから取瓶又は混合機へと運搬され或いは次の処 理へと直接的1こ向かわせられる。
得られた金属は、酸素吹込み転炉、電気炉、炉以外の精製装置、もしくは他の設 備にて、製鋼用中間生産物として使用される。
還元と燃焼との化学的プロセスは、プロセス・ガスを生成する泡立つ上部領域9 にて生ずる。こうしたガスは、基本的にCOとH2とからなっており、低濃度の CO2とH20をも含む。それらは、酸素を含むガスと固体炭素燃料とから解放 される窒素をも含む。プロセス・ガスは、溶融物から発生し、積層壁12の上部 からプロセス・ガス排出手段15を通して排出される。
プロセス・ガス6は、炉室内の燃料として使用される。
その上、ガスの特性(還元成分と酸化成分との比)が良質ならば、そのプロセス ・ガス6は、固体のままで処理される直接還元製鉄の過程にて、もしくは溶鉱炉 にて、還元剤としても利用され得る。プロセス・ガスの水素含有量は、装入原料 の水分含有量を変えることにより、又は、溶融物表面の上方へ蒸気を加えること により調節され得る。
他の設備にて還元用プロセス・ガスとして使用する可能性も必要も無い場合には 、炉の産出量を増やし且つ燃料消費量を削減すべく、前記ガスは、部分的に又は 全体的にその炉の中で直接使用される。この目的のため、酸素を含むガス3が、 補助的羽口26を通って炉の積層壁12の中へと加えられる。溶融金属から発生 した一酸化炭素と水素とは、酸素を含むガス3の酸素と反応して酸化され、CO 2とH20とになる。燃料1トンあたりの、酸素を含むガス3の量が異なるよう にして供給することにより、プロセス・ガスの再燃焼の度合いを調節することが 可能となる。酸素を含むガス3は、泡立つ上部領域9の溶融物表面に出来るだけ 近接して供給され、且つ、補助的羽口26の位置を調節することにより前記表面 の上に均一に分散させられる。その結果、再燃焼の火炎が溶融物の上に形成され る。火炎の中へと飛び込む鉱滓の飛沫と固体の粒子とが火炎を遮り、その結果、 それらは強く輝く。
鉱滓の飛沫は、火炎を通って流動する間に加熱され、次に溶融金属の中へと戻っ て溶融金属を加熱する。このことは、再燃焼による熱の、溶融物への効果的移動 をもたらす。積層壁の再燃焼領域の水平方向断面積と、酸素含有ガス3を溶融物 へ加える高さに於ける融解槽10の水平方向断面積との比を1.05ないし26 0の範囲内で最適なものとし、さらに、炉床11から補助的羽口26のノズル2 7迄の距離と、炉床11から羽口13のノズル14の高さ迄の距離との比を1. 5ないし6.0の制限内にて最適なものとし、その上さらに、他のパラメータを も最適化することにより、再燃焼による熱の利用率は向上する。
炉の中で完全に再燃焼した後では、排出ガス6は可燃成分を事実上含んでおらず 、その利用は、顕熱の利用に限られる。
原料が分散することなく、装入した原料が泡立つ溶融物により容易に同化される ので、排出ガス6の粉塵含有量は少ない。
以下は、ここに提案する、製鋼用中間生産物である高炭素鉄中間生産物の生成法 ならびにそれを実施するための炉の具体例である。
実施例1 製鋼用の液状高炭素鉄中間生産物を生成するための炉の中の溶融物は、以下の処 方を有する1350”Cの液状溶鉱炉鉱滓にて融解槽10を満たすことにより形 成される。%で示す。5i02 =35.9;Mn0−0、 5 ; S−1, 4; Fetot −0,5; CaO−39,9; Mg−0〜g、7.A1 2 03 −9.8:ならびに、平衡するその他の酸化物。
酸素を含むガス3 (02−99,5%)は、溶融物の水平方向断面積1m2  あたり150ONm3 /hの割合で、羽口13のノズル14から溶融物表面の 下へと加えられる。羽口13取付は高さに於ける融解槽10の水平方向断面積の 、前記羽目のノズル14の総断面積に対する比は、300である。
溶融物表面の下方への酸素含有ガスの注入は、溶融物に、泡立つ上部領域9と静 止した下部領域8とを形成する。
泡立つ上部領域9は、溶融物の泡立つ領域9の容積の20%におよぶ容積的な集 積を確保し得る量の、含水率5%の石炭が装入装置16を介して装入される。次 いで、泡立つ領域9には、装置16を通して、石炭と下記の成分を有する精鉱と が同時に装入される。全鉄63.5%;反応しない岩石10.0%。鉄の精鉱は 、溶剤すなわち石灰とともに、6t/hの率で装入される。鉄の精鉱と溶剤と石 炭とは、ベルトコンベアにより装入装置16へと供給される。
鉄の精鉱は、石炭及び溶剤とともに泡立つ溶融物層9へと入り、加熱され、溶解 されたのち1石炭と反応して還元される。原材料を加熱し溶解し還元するため溶 融物を高温に保つに必要とされる熱は、ノズル14を備えた羽口13から供給さ れたガス3の酸素と石炭の一部との燃焼反応により発生する。
金属の雫は、大きくなるにつれて泡立つ溶融物層9がら沈下し、静止した下層8 の鉱滓層を通過し、静止した溶融金属層に堆積する。
融解の過程で生じた12300ONm3 /hにも達するプロセス・ガスは、ガ ス排出手段15を通して炉から排出される。プロセス・ガスの組成を容積%にて 示せば以下の通りである。Co−75,0、N2 −2082、CO2−2,0 、N2 −1.0゜融解の過程で生じた鉱滓は、通路17を通して炉から排出さ れる。排出される鉱滓の組成を%で示せば、以下の通りである。5i02 −3 8.7、Mn0−1.4、Fetot−4,0、CaO−38,4、MgO−8 ,9、Al1 03 −10.6゜鉱滓の温度は、1500℃である。
融解槽10の炉床から鉱滓排出路17の上縁までの距離と金属流出路18の下端 から羽口13の取付は高さまでの距離との比が0.3であれば、静止した下層8 の鉱滓層の低い部位からの鉱滓排出が確実となる。
金属は、融解槽10の炉床11に設けられた通路18を通って炉から放出される 。放出される金属の組成を%で示せば、C−4,5、S−0,030、P−0, 11,5i−0,15、Mn−0,16である。出口に於ける金属の温度は、1 500℃である。この炉の、産出量は35.4t/h、石炭消費量は65t/h 、鉄抽出率は96.85%、粉塵の持出しは1.2%である。
実施例2 融解の過程は、実施例1にて述べたものと同様である。
羽口13の取付は高さに於ける融解槽10の水平方向断面積と前記羽口のノズル 14の断面積の合計との比は、10000である。
酸素を含むガス3 (02−99,5%)は、溶融物の水平方向断面積1m2  あたり15ONm3 /hの割合で加えられる。炉には、10t/hの割合で海 綿鉄が装入される。海綿鉄の組成を重量%にて示せば、全鉄−85、金属鉄−6 0、反応性の無い岩石−10,0である。溶剤(石灰)の消費量は、0.9t/ hである。
泡立つ溶融物層9に於ける集積した石炭の容積は0.5%である。生産される金 属の組成は、重量%にて、C−3,8、S−0,030、P−0,11,5i− 0,15、Mn−0,16である。出口に於ける金属の温度は1500℃である 。通路17を通って鉱滓が槽20へと排出され、金属の雫がさらに分離され、そ の後、穴22を通って鉱滓が槽20から連続的に排出される。
鉱滓沈澱槽20の水平方向断面積の平均は、融解槽10の水平方向断面積の平均 の0603倍である。プロセス・ガスの発生量は、1450ONmB /hであ る。炉の能力は8.6t/h、石炭消費量は8t/h、鉄の抽出率は97.7% 、粉塵の持出しは1.0%である。
実施例3 融解の過程は、実施例2の場合と同様に行われる。
融解槽10の羽口13取付は高さに於ける水平方向断面積と、前記羽口のノズル 14の噴出孔面積の合計との比は、450である。
鉱滓沈澱槽20の平均的な水平方向断面積は、融解槽10の平均的水平断面積の 0.3倍である。炉床11付近の通路18の下端から通路17の上縁までの距離 は、金属流出路の下端から羽口13の取り付は高さまでの距離の0,75倍であ る。
融解槽10の炉床11から鉱滓排出路22の下端までの垂直距離は、融解槽10 の炉床11から羽口13取付は高さまでの距離の1.2倍である。酸素を含むガ ス3(02〜50%)は、融解槽の水平方向断面積1m2 につき130ONm 3 /hの割合で加えられる。海綿鉄は、40t/hの割合で装入される。泡立 つ層9の溶融物内に含まれる石炭の容積を合計すると40%に達する。産出され る金属の組成を重量%にて示せば、C−4,8、S−0,030、P−0,11 ,5i−0,15、Mn−0,16である。出口に於ける金属の温度は1500 ℃である。
この炉の、液状金属産出量は35.2t/h、石炭消費量は26t/h、鉄を含 む原料からの金属鉄抽出率は融解の過程は、実施例3にて述べたものと同様であ る。
5時間毎に、石炭と海綿鉄との装入が25分間にわたり中断される。産出される 金属に含まれる平均的な硫黄含有量は、0.015%にまで減少する。
実施例5 金属流出路18の水準よりは高く且つ鉱滓排出路17の上縁よりは低くなるよう にして4.8%の炭素を含む溶鉱炉の液状鋳鉄を1480℃にて注入し、次いで 、溶鉱炉の液状鉱滓を、実施例1の如く、羽口13のノズル14の水準を上回る まで注入することにより、金属と鉱滓との溶融物の溜まりが炉の中に蓄積される 。羽口13を通して酸素を含むガス3 (02−80%)が10100ON / h−m2 の割合で加えられ、かくて、泡立つ溶融物層9が形成される。次に、 塊の大きさ0〜15mm、含水率5%の無煙炭が、容積を合計すれば溶融物の容 積の25%に達するほどの十分な量だけ泡立つ層9の中へと装入され、次いで、 その無煙炭に加えて、塊の大きさ0〜10mmの赤鉄鉱が80t/hの割合にて 泡立つ層9へと装入される。鉱石の化学的組成を重量%で示せば、全鉄−51, 0、反応性の無い岩石−23,5である。粉コークスが、融解槽の水平方向断面 積1 m 2 につき、1.4t/hの量だけ装入される。
石灰の消費量はlit/hである。
粉コークス1tあたり500ONm3 の割合にて、炉の積層壁12に設けられ た補助的羽口26を通して、溶融物の表面の上方へと空気が加えられる。炉の積 層壁12の下部はその縦断面が台形状をなしており、補助的羽口26取付は高さ における積層壁12の水平方向断面積と羽口13取付は高さにおける融解槽10 の水平方向断面積との比は2.0である。補助的羽口26は、炉床11から羽目 13取り付は高さまでの距離の3倍に等しい高さになるようにして、炉の積層壁 12に取り付けられている。泡立つ溶融物上層9から出るプロセス・ガスは、補 助的羽口26を介して供給される酸素を含むガス3の酸素にて再燃焼させられる 。
このプロセスにて発生する熱は、輻射と対流とにより、泡立つ上層9の溶融物へ と伝達される。
再燃焼の後に形成されるガスは、ガス排出手段15を通じて、炉の積層壁12か ら排出される。乾きガスの組成を容積%にて示す。CO2−32,0、N2 ・ ・・平衡する量。
融解の過程で生じた鉱滓4は、実施例2に於いて述べられたと同様にして融解槽 10から排出される。排出される鉱滓の組成を%で示せば、5i02 =39、 Mn0−1.4、F etot =2. 5、CaO−38,4、MgO−8, 9、A12 03 −9.8である。鉱滓の温度は1550℃である。
金属5は、通路18と槽23と流出孔25とを通って連続的に融解槽10から放 出される。
放出される金属の組成を%で示す。C−4,5、S−0,035、P−0,11 ,5i−0,08、M n −0,09゜金属の温度は1550℃である。炉の 産出量は40t/h、無煙炭の消費量は28t/hである。
実施例6 固体の破砕された溶鉱炉鉱滓を装入してそれを融解させることにより、溶融鉱滓 が前もって蓄積される。そののち、炉には、以下の成分を有する海綿鉄が10t /hの割合で装入される。重量%にて示す。全鉄−98,0、金属鉄−97,0 、反応性の無い岩石−0,7゜粉コークス装入速度は、酸素を含むガス3を注入 する高さに於ける溶融物の水平方向断面積1m2 あたり0.2t/hである。
泡立つ溶融物層9に於ける粉コークスの容積含有量は、10%である。溶融物の 表面レベルの下へと酸素を含むガス(02−99,5%)を供給する速度は、2 0ONm3 /h−m2 である。
炉の性能は、溶融金属産出ff19.7t/h、粉コークス消費量4t/h、鉄 の抽出率99.3%、粉塵の持ち出し0.5%である。
実施例7 融解の過程は、実施例5において述べたところに従って遂行される。鉱石消費量 は80t/hである。固体炭素燃料は炭素質の屑(廃品の熱分解生成物)からな り、その炭素含有量は40%である。この屑は、酸素を含むガス3を供給する高 さに於ける溶融物の水平方向断面私費量100t/h、鉱石からの鉄抽出率95 %、粉塵の持出し0.5%である。
実施例8 融解の過程は、実施例5にて述べられたものと類似している。酸素を含むガス3 は、融解槽の水平方向断面積1m2 あたり25ONm3 /hの割合にて溶融 物表面の下へと供給される天然ガスとともに、同時に加えられる。無煙炭は1m 2 あたり11.15t/hの割合で装入され、一方、鉱石と石灰とは、それぞ れ88t/hおよび1.15t/hにて装入される。炉の性能は、溶融金属産出 量44.2t/h、無煙炭消費量23t/h1鉄抽出率98.5%である。
工業的な妥当性 これら引用されたデータから推断され得るように、我々は、液相に於ける還元か らなる、製鋼用中間生産物である液状銑鉄を生成させるための全く新しい方法を 提案する。このプロセスは、従来通りの方法を超える基本的な利点を有している 。石炭又は他の種類の炭素燃料もしくは炭素を含む屑によってすらも置換され得 るので、このプロセスは、冶金用コークスの使用を要求しない。
このプロセスは鉄鉱石原材料の使用を要求することなく、処理するにかなりの困 難をともなう各種原料(すなわち鉱泥、ガス浄化装置にて分離される塵、鋼の切 粉)をも含む様々な種類の、鉄を含有する原材料の処理に好適に使用され得る。
再燃焼を含むこの処理様式が、高い出銑能力と低い燃料消費とを両立させつつ、 鉄鉱石原材料から直接的に一回の処理で銑鉄を産出することを可能にする。この プロセスに於ける炉内有効容積単位あたりの特性的な出銑量は、よく知られた溶 鉱炉のそれの2倍ないし3倍にも達する。
このプロセスは、原材料からの鉄の高度な抽出を保証する。鉱滓に伴う挾め損失 は、プロセスの条件にもよるが、2%ないし4%より高くはならない。
この炉は信頼性が高く且つ設計容易であり、その上、自動制御とコンピュータを 採用することにより制御も容易となる。反応性め高い鉱滓層への冷却要素の導入 と、溶融金属の上への静かな鉱滓層の存在とが、耐火内張の高度な安定性と長寿 命とを保証する。
この方法は、工業上の諸口的に使用しうる高品質の還元ガスの生成を可能とする 。
生成される鉱滓は、広い範囲にわたってその組成を変化させ得るので、様々な用 途、例えば構造材の製造に使用されてよい。
ここに公開される方法は、塊状コークスへと変成させるための副次的プロセスを 冶金サイクルから取り去ることを可能にし、且つ、環境汚染を減少させる。
生産された高炭素鉄の品質は、溶鉱炉の鋳鉄に比し劣るものではない。
ここに公開される方法は、小規模な製鋼(ミニプラント)のための基礎として使 用されてよい。
経済的な試算は、ここに提案する方法とそれを実施するための炉による製鋼に於 いて必要とされる経費が、従来の技術に於いて一般に認められている経費を10 %ないし30%下回ることが出来ることを明らかにした。
0発 明 者 ベグマン、エフゲニー、フェリクツウィッチ 0発 明 者 トウリン、ニコライ、アレクセーエウイツチ 0発 明 者 タレメネフスキー、スタニスラフ、ワシリエウイツチ ソビエト連邦モスクワ、カシルスコエ、ショツセー、デー、128、コルブス、 1、カーベー、92 ソビエト連邦モスクワ、ウーリツツア、デーエム、ウリャノワ、デー、冴、カー ベー、390 ソビエト連邦モスクワ、ウーリツツア、ストロイチェルナヤ、デー、13、コル プス、3、カーベー、37

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.鉄を含む原料(1)と固体炭素燃料(2)との同時装入と、酸素を含むガス (3)の供給と、鉄を含む原料(1)と固体炭素燃料(2)と酸素を含むガス( 3)との相互的反応と、前記相互的反応に於いて酸素を含むガス(3)の酸素が 前記燃料(2)の一部を酸化しそれにより生じた熱が鉄を含む原料(1)を融解 するに使用されるとともに酸素を含む金属酸化物を前記燃料(2)の残余部分が 還元することと、鉱滓(4)と高炭素鉄中間生産物(5)とでなる液状溶融物を 形成するとともにプロセス・ガス(6)を生成することと、液状溶融生産物(4 ,5)およびプロセス・ガス(6)の放出とを含む製鋼用の中間生産物である高 炭素鉄の生成法にして、鉄を含む原料(1)と固体炭素燃料(2)とを同時装入 する前に溶融鉱滓が湛えられ、酸素を含むガス(3)が前記溶融鉱滓の表面レベ ルの下に加えられ、ガス(3)の流れ(7)が前記溶融物を泡立たせて二つの領 域、すなわち、静止した溶融物の下層(8)と、加えられたガスにより泡立つ溶 融物上層(9)とに分割し、前記上層(9)には、合計すれば前記上層(9)内 の溶融物の容積の0.5%ないし50%の容積に達する燃料の堆積を形成するに 十分な量の固体炭素燃料(2)が装入され、形成された前記燃料の堆積を維持す るため鉄を含む原料(1)と固体炭素燃料(2)とが上層(9)へと同時に装入 され、前記上層(9)に於ける鉄を含む原料(1)と固体炭素燃料(2)と酸素 を含むガス(3)との相互反応により液状鉱滓(4)と雫状の液状金属との形成 が確実に行われ、液状鉱滓(4)は下層(8)に入って層状に蓄積され、雫状の 液状金属は鉱滓(4)の層を通過してその下に高炭素鉄中間生産物(5)の層を 形成し、融解した液状生産物すなわち鉱滓(4)と高炭素鉄中間生産物(5)と が下層(8)の各々の層から別々に放出されることを特徴とする方法。 2.酸素を含むガス(3)が、酸素を含むガス(3)を溶融物内へと加える水準 に於ける溶融物の水平方向断面積1m2あたり150ないし1500Nm3/h の割合にて溶融鉱滓の中へと加えられることを特徴とする請求項1記載の方法。 3.溶融鉱滓の中へと加えられる酸素を含むガス(3)の消費量が、固体炭素燃 料(2)の反応性増大に伴って増加させられることを特徴とする請求項2記載の 方法。 4.融解の過程に於いて、酸素を含むガス(3)は連続的に溶融物内へと加えら れ、鉄を含む原料(1)と固体炭素燃料(2)との同時装入は定期的に中断され ることを特徴とする請求項1記載の方法。 5.前記溶融鉱滓(4)が、製鉄業にて産出される液状鉱滓を注入することによ り湛えられることを特徴とする請求項1記載の方法。 6.液状金属の注入に先立って液状鉱滓の注入が行われることを特徴とする請求 項5記載の方法。 7.前記溶融鉱滓(4)が、原鉱石と金属酸化物と製鉄業にて産出される鉱滓と でなるグルーブから選択される少なくも一つの固体酸化物原料を装入し且つ融解 させることにより湛えられることを特徴とする請求項1記載の方法。 8.ガス状または液状もしくは固体微粉状の炭素質燃料が、上層(9)の溶融物 表面の水準の下へと補助的に供給されることを特徴とする請求項1記載の方法。 9.鉱滓(4)が、溶融物の下層(8)の中央部もしくは上部から排出されるこ とを特徴とする請求項1記載の方法。 10.酸素を含むガス(3)が、固体炭素燃料1トンあたり(0.01〜5.0 )×103Nm3の割合にて、融解の進行中に、溶融物表面の上方へと補助的に 加えられることを特徴とする請求項1記載の方法。 11.鉄を含む原料(1)と固体炭素燃料(2)とを同時に装入するに際し、固 体炭素燃料(2)が、酸素を含むガス(3)を溶融物の内へと注入する高さに於 ける溶融物の水平方向断面積1m2あたり0.2ないし5.0t/hの割合にて 使用されることを特徴とする請求項10記載の方法。 12.炉床(11)を備えた融解槽(10)と、鉄を含む原料(1)と固体炭素 燃料(2)とを融解槽(10)の中へと装入するための少なくも一つの装置(1 6)を設けられており且つ前記融解槽(10)の上へと載っている積層壁(12 )と、前記装置(16)が積層壁(12)の上部に位置決めされていることと、 酸素を含むガス(3)を融解槽(10)の中へと加えるためのノズル(14)を 備えた羽口(13)と、融解槽(10)が融解槽(10)の炉床(11)付近の 壁に作られた鉱滓排出路(17)を有するとともにノズル(14)を備えた羽口 (13)の取付け高さよりも低くなるようにして融解槽(10)の壁に作られた 高炭素鉄中間生産物放出路(18)をも有することと、積層壁(12)の上部に 設けられたプロセス・ガス排出手段(15)とを含む請求項1記載の方法を実施 するための炉にして、融解槽(10)と積層壁(12)との水平方向断面が基本 的に長方形であり、ノズル(14)を備えた羽口(13)が融解槽(10)の長 い方の壁に取付けられ、通路(17,18)が融解槽(10)の短い方の壁に作 られ、ノズル(14)を備えた羽口(13)を融解槽(10)へと取り付けた高 さに於ける融解槽(10)の水平方向断面積とノズル(14)の噴出孔の面積の 合計との比が300ないし10000であり、生産物放出路(18)の下端から 鉱滓排出路(17)の上縁までの距離(h)と生産物放出路(18)の下端から ノズル(14)を備えた羽口(13)の融解槽(10)への取付け高さまでの距 離(H)との比が0.3ないし0.75であることを特徴とする炉。 13.積層壁(12)の少なくも下部および融解槽(10)の上部が冷却され得 る設備を有していることを特徴とする請求項12記載の炉。 14.酸素を含むガス(3)を融解槽(10)の中へと加えるためのノズル(1 4)を備えた羽口(13)が、前記融解槽(10)の冷却される部分に取付けら れることを特徴とする請求項13記載の炉。 15.鉱滓排出路(17)を通じて融解槽(10)と連絡しており且つ鉱滓排出 孔(22)を備えている鉱滓沈澱槽(20)を含んでおり、且つまた、前記鉱滓 沈澱槽(20)の平均的面積が融解槽(10)の水平方向の平均的断面積の0. 03倍ないし0.3倍であることを特徴とする請求項12記載の炉。 16.融解槽(10)の炉床(11)から鉱滓沈澱槽(20)までの垂直距離( H1)が、融解槽(10)の炉床(11)からノズル(14)を備えた羽口(1 3)の取付高さ迄の距離(H2)の1.1倍ないし2.5倍であることを特徴と する請求項15記載の炉。 17.生産物放出路(18)を通じて融解槽(10)と連絡しており且つ流出孔 (25)を備えている中間生産物投下槽(23)を含み、もって、前記生産物を 炉から連携的に放出しつつ、融解が進行中の融解槽(10)の中にある生産物の 高さを一定に保つことを特徴とする請求項12記載の炉。 18.酸素を含むガスを注入するためのノズル(27)を備えた補助的羽口(2 6)を含むことを特徴とする請求項12記載の炉。 19.融解槽(10)の炉床(11)から補助的な羽口(26)のいずれかの列 の取付高さ迄の距離(H3)が、融解槽(10)の炉床(11)から主たる羽口 (13)の取付高さ迄の距離(H2)の0.5倍ないし6.0倍であることを特 徴とする請求項18記載の炉。 20.補助的な羽口(26)のいずれかの列の取付け高さに於ける積層壁(12 )の水平方向断面積が、主たる羽口(13)の取付高さに於ける融解槽(10) の水平方向断面積の1.05倍ないし2.0倍であることを特徴とする請求項1 8記載の炉。 21.積層壁(12)の少なくも下部(29)の縦方向断面が台形状をなしてお り、前記台形の底辺部が融解槽(10)の上に載っていることを特徴とする請求 項18記載の炉。
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