JPH0147287B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、熱可塑性樹脂管の端部に受口を成形
する方法、及びその装置に関する。

従来、熱可塑性樹脂管を接合する受口として
は、第６図に示すように熱可塑性樹脂管Ｐの端部
を拡径して受口Ｅを形成し、該受口Ｅの内周面を
外方に膨出させて環状溝E₁を設け、この環状溝
E₁内にゴムリングＦを装着したものが知られて
いる。単に、熱可塑性合成樹脂管を伸縮自在に接
続するだけであれば、前記構造の受口で充分であ
るが、近年耐震性を高めるため、即ち被接続管の
曲がり角度が大きくとれるようにするために、第
５図に示すような受口形状が採用されるに至つて
いる。この受口は第６図に示す受口の環状溝E₁
より奥部を円錐状に拡開させヒツプアツプ部Ｂを
設けたものであるが、本発明はかかる形状を有す
る受口を迅速かつ正確に成形できる方法、及びそ
の装置を提供するものである。

以下、本発明の方法、及びその装置を第１図〜
第４図に示した実施の一例によつて説明する。

１は芯軸、２は該芯軸１の周りに軸方向の移動
自在に設けた摺動体、３は上記芯軸１を包囲し放
射状に外周方向へ進出及び中心方向へ後退するこ
とにより拡径及び縮経可能なヒツプアツプ型、４
は該型３の外周に嵌合し受口Ｂのヒツプアツプ部
分を形成するゴム製型面部材、５は前記芯軸１の
周りに前記ヒツプアツプ型３と同様に放射状に配
置した拡縮可能な溝型であつて、上記ヒツプアツ
プ型３、及び溝型５は摺動体２の進入により拡径
し後退により縮径するように構成されている。

摺動体２は截頭角錐形をなしており、その外周
には軸方向に傾斜した突条２２が等間隔に４本設
けられ、各突条２２，２２間には突条２２より傾
斜角度の大きい斜面２０が設けられている。この
摺動体２の中心に芯軸１を貫通して該芯軸上に摺
動自在に支持する。

ヒツプアツプ型３は、例えば８個に分割した型
片３ａを放射状に且つ縮径時には該型片３ａが第
３図の左下半部に示す如く密接して縮径状態にな
り拡径時には第３図の上半乃至右下半部に示す如
く外周方向へ進出し各型片相互間に間隙を生じて
拡径状態となるように配置する。上記各型片３ａ
には何れも一端から他端へ貫通する誘導孔３１を
放射状方向に長い断面形状に設けて之にガイドピ
ン３２を挿通し、このガイドピン３２は芯軸１の
先端部と中間部とに設けた固定部材１１，１２間
に固定して之により各型片３ａを外周方向への進
出及び中心方向への後退可能に支持し、また型片
内周に形成した斜面３０と摺動体２の斜面２０と
を摺動自在に接触せしめて摺動体２の進退により
各型片３ａを拡径及び縮径せしめる。

ゴム製型面部材４は伸縮性のゴムをもつて環状
に且つその外周面はヒツプアツプ部に該当する形
状となし内周面は前記の如く配置されたヒツプア
ツプ型３の外周に適合する形状となして該型面部
材４を型３の外周に嵌合し、縮径時にはゴムの収
縮力によつて第３図左下半部に示す如き縮径状態
を保ち拡径時には各型片３ａの進出力により伸長
して第３図上半乃至右下半部に示す如き拡径状態
に支持される。

溝型５は長弧状周面５１を有する大形部材５ａ
と短弧状周面５２を有する小形部材５ｂとからな
り、各４個を１個づつ交互に且つ縮径時には第４
図左下半部に示す如く大形部材５ａの間に小形部
材５ｂが後退して長弧状周面５１のみ連続して小
円形の周面を形成し拡径時には第４図上半乃至右
下半部に示す如く大小両部材５ａ，５ｂが共に進
出して長弧状周面５１と短弧状周面５２が連続し
て大円形の周面を形成するように外周方向への進
出及び中心方向への後退可能に配置すると共に大
形部材５ａは内周部で前記摺動体２の斜面に蟻溝
２１及び突条２２により摺動自在に係合せしめ小
形部材５ｂは内周に設けた斜面５０を摺動体２の
斜面２０に摺動自在に接触せしめる。

前記の摺動体２を第１図に示した位置まで後退
させると、該摺動体２はヒツプアツプ型３から外
れるので各型片３ａはゴム製型面部材４の収縮に
より縮径状態となり、同時に溝用大形部材５ａは
蟻溝２１及び突条２２により中心方向へ後退し小
形部材５ｂは斜面２０，５０で摺動するため大形
部材５ａの間に押し込まれるので大形部材のみで
縮径状態になる。

第１図に示すようにヒツプアツプ型３、及び溝
型５を縮径させた状態にして、その外周に加熱軟
化させた熱可塑性樹脂管の端部を位置させ、次い
で、摺動体２を第２図に示した位置まで前進させ
る。ヒツプアツプ用型片３ａはその内周斜面３０
が摺動体２の斜面２０により押し上げられて外周
方向へ進出しゴム製型面部材４を拡大して拡径状
態となり、同時に溝用の大形及び小形部材５ａ，
５ｂが共に進出して拡径状態になる。この拡径操
作により熱可塑性樹脂管の端部内面にゴムリング
装着溝、及びヒツプアツプ部が同時に成形され
る。

以上の如く構成された内型はヒツプアツプ型
と、溝型とが別体構造をなし、摺動体の移動につ
れて独立して縮径及び拡径するので、ヒツプアツ
プ部が大きなアンダーカツトとなる場合にも何ら
支障なく拡縮径動作が円滑に行なえ、内型を引抜
く際にも成形品を傷つけることがない。また、ヒ
ツプアツプ型と、溝型とが独立して摺動体に摺接
するので、摺動体に無理な荷重が作用することも
なく、内型の寿命を大幅に延長できるものであ
る。しかも、本発明装置によれば、受口の成形が
迅速且つ正確に行なえるので、実益多大なもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明方法を実施する装置における内
型の縮径状態を第３図―で切断した図、第２
図は該装置の拡径状態を第１図と同様に切断した
図、第３図は第１図―の位置で切断して縮径
と拡径の両状態を示した図、第４図は第２図―
の位置で切断して拡径と縮径の両状態を示した
図、第５図は本発明により製造される受口の縦断
面図、第６図は従来の受口の縦断面図である。 １は芯軸、２は摺動体、２０は斜面、２２は突
条、３はヒツプアツプ型、３ａは型片、４はゴム
製型面部材、５は溝型、５ａは大形部材、５ｂは
小形部材、Ｐは管、Ｂはヒツプアツプ部、E₁は
環状溝、Ｆはゴムリングである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 管端内面にゴムリング装着溝を有し、該溝よ
   り奥部が円錐状に拡開したヒツプアツプ部を有す
   る受口を成形するにあたり、溝型とヒツプアツプ
   型とが錐形摺動体に摺接した内型を用い、該内型
   を加熱軟化させた熱可塑性樹脂管の端部に挿入し
   錐形摺動体を管軸奥部に移動させて溝型を拡径さ
   せつつヒツプアツプ型を拡径させることを特徴と
   する熱可塑性樹脂管の受口成形方法。 ２ 溝型と、ヒツプアツプ型と、錐形摺動体とか
   らなり、溝型はリング体を複数個に分割して形成
   される長弧状周面を有する大形部材と短弧状周面
   を有する小形部材とが交互に錐形摺動体の外周に
   配設され、錐形摺動体の外面に設けた傾斜突条に
   は大形部材の内面に設けた蟻溝が摺接係合し、各
   突条間に形成された突条より大きい斜面には小形
   部材が摺接した構成をなし、一方ヒツプアツプ型
   はリング体を複数個に分割して形成される各型片
   の外周にゴム製型面部材が装着された構成をな
   し、錐形摺動体を軸方向に移動させたときに溝型
   を拡径させつつ錐形摺動体の先端部斜面がヒツプ
   アツプ型の内面に摺接して拡径させることを特徴
   とする熱可塑性樹脂管の受口成形装置。