JPH0145171B2 - - Google Patents
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- JPH0145171B2 JPH0145171B2 JP27604384A JP27604384A JPH0145171B2 JP H0145171 B2 JPH0145171 B2 JP H0145171B2 JP 27604384 A JP27604384 A JP 27604384A JP 27604384 A JP27604384 A JP 27604384A JP H0145171 B2 JPH0145171 B2 JP H0145171B2
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
この発明は、大電流しや断特性や耐電圧性能に
優れた真空しや断器用接点材料に関するものであ
る。
優れた真空しや断器用接点材料に関するものであ
る。
真空しや断器は、その無保守、無公害、優れた
しや断性能等の利点を持つため、適用範囲が急速
に拡大して来ている。また、それに伴い、より高
耐電圧化、しや断電流の大容量化の要求がきびし
くなつて来ている。一方、真空しや断器の性能は
真空容器内の接点材料によつて決定される要素が
きわめて大である。
しや断性能等の利点を持つため、適用範囲が急速
に拡大して来ている。また、それに伴い、より高
耐電圧化、しや断電流の大容量化の要求がきびし
くなつて来ている。一方、真空しや断器の性能は
真空容器内の接点材料によつて決定される要素が
きわめて大である。
真空しや断器用接点材料の満足すべき特性とし
て、(1)しや断容量が大きいこと、(2)耐電圧が高い
こと、(3)接触抵抗が小さいこと、(4)溶着力が小さ
いこと、(5)接点消耗量が小さいこと、(6)さい断電
流値が小さいこと、(7)加工性が良いこと、(8)十分
な機械的強度を有すること、等がある。
て、(1)しや断容量が大きいこと、(2)耐電圧が高い
こと、(3)接触抵抗が小さいこと、(4)溶着力が小さ
いこと、(5)接点消耗量が小さいこと、(6)さい断電
流値が小さいこと、(7)加工性が良いこと、(8)十分
な機械的強度を有すること、等がある。
実際の接点材料では、これらの特性を全て満足
させることは、かなり困難であつて、一般には用
途に応じて特に重要な特性を満足させ、他の特性
をある程度犠性にした材料を使用しているのが実
状である。例えば特開昭55−78429号に記載の銅
−タングステン接点材料は耐電圧性能が優れてい
るため、負荷開閉器や接触器等の用途によく用い
られている。但し、電流しや断性能が劣るという
欠点を持つている。
させることは、かなり困難であつて、一般には用
途に応じて特に重要な特性を満足させ、他の特性
をある程度犠性にした材料を使用しているのが実
状である。例えば特開昭55−78429号に記載の銅
−タングステン接点材料は耐電圧性能が優れてい
るため、負荷開閉器や接触器等の用途によく用い
られている。但し、電流しや断性能が劣るという
欠点を持つている。
一方、例えば特開昭54−71375号に記載の銅−
クロム接点材料は非常にしや断性能が優れている
ため、しや断器等の用途によく用いられている
が、耐電圧性能では上記銅−タングステン接点材
料に劣つている。
クロム接点材料は非常にしや断性能が優れている
ため、しや断器等の用途によく用いられている
が、耐電圧性能では上記銅−タングステン接点材
料に劣つている。
上記真空しや断器用接点材料の他に、一般に気
中、油中等で用いられている接点材料の例が「粉
末治金学(日刊工業新聞社刊)」等の文献に挙げ
られている。しかし、例えば粉末治金学P229〜
230に記載の銀−モリブデン系接点材料や銅−モ
リブデン系接点材料は真空しや断器用接点に用い
た場合、耐電圧性能は上記銅−タングステン接点
材料よりも劣り、電流しや断性能は上記銅−クロ
ム接点材料よりも劣つているため、現在のところ
殆んど使用されていない。
中、油中等で用いられている接点材料の例が「粉
末治金学(日刊工業新聞社刊)」等の文献に挙げ
られている。しかし、例えば粉末治金学P229〜
230に記載の銀−モリブデン系接点材料や銅−モ
リブデン系接点材料は真空しや断器用接点に用い
た場合、耐電圧性能は上記銅−タングステン接点
材料よりも劣り、電流しや断性能は上記銅−クロ
ム接点材料よりも劣つているため、現在のところ
殆んど使用されていない。
従来の真空しや断器用接点材料は以上のよう
に、各々の特性を活かして使用されてきたが、近
年、真空しや断器の大電流化、高電圧化への要求
が厳しくなり、従来の接点材料では要求性能を十
分満足させることが困難になつてきている。又、
真空しや断器の小形化に対しても、より優れた性
能をもつ接点材料が求められている。
に、各々の特性を活かして使用されてきたが、近
年、真空しや断器の大電流化、高電圧化への要求
が厳しくなり、従来の接点材料では要求性能を十
分満足させることが困難になつてきている。又、
真空しや断器の小形化に対しても、より優れた性
能をもつ接点材料が求められている。
この発明は上記のような従来のものの問題点を
解消するためになされたもので、大電流しや断特
性や耐電圧性能に優れた真空しや断器用接点材料
を提供することを目的としている。
解消するためになされたもので、大電流しや断特
性や耐電圧性能に優れた真空しや断器用接点材料
を提供することを目的としている。
この発明に係る真空しや断器用接点材料は、
銅、クロム、及びタングステンの硼化物を含有す
るものである。
銅、クロム、及びタングステンの硼化物を含有す
るものである。
〔作 用〕
この発明における銅、クロム、及びタングステ
ンの硼化物を含有する真空しや断器用接点材料
は、例えばタングステンの硼化物が合金中に微細
に分散して銅素地の強化及びクロム粒子の強化に
寄与して、接点表面の部分的な溶着現象を抑制
し、耐電圧性能低下の原因となる突起の発生を防
止するなどの作用により、優れたしや断性能や耐
電圧性能が得られる。
ンの硼化物を含有する真空しや断器用接点材料
は、例えばタングステンの硼化物が合金中に微細
に分散して銅素地の強化及びクロム粒子の強化に
寄与して、接点表面の部分的な溶着現象を抑制
し、耐電圧性能低下の原因となる突起の発生を防
止するなどの作用により、優れたしや断性能や耐
電圧性能が得られる。
発明者らは、銅に種々の金属、合金、金属間化
合物を添加した材料を試作し、真空しや断器に組
込み、種々の実験を行つた。この結果、銅、クロ
ム、及びタングステンの硼化物を含有する接点材
料は非常に優れたしや断性能を有していることが
判つた。
合物を添加した材料を試作し、真空しや断器に組
込み、種々の実験を行つた。この結果、銅、クロ
ム、及びタングステンの硼化物を含有する接点材
料は非常に優れたしや断性能を有していることが
判つた。
以下、この発明の一実施例について説明する。
(接点材料の作成)
接点材料の作成は、粉末治金法により、完全粉
末焼結法、ホツトプレス法、及び溶浸法の3通り
で行つた。
末焼結法、ホツトプレス法、及び溶浸法の3通り
で行つた。
第1の完全粉末焼結法による接点材料製造法は
粒径70μm以下のクロム粉末と粒径40μm以下の
WB粉末と粒径40μm以下の銅粉末を各々所定の
割合で秤量した後2時間混合を行つた。続いて、
この混合粉を所定の形状の金型に充填しプレス成
形を行つた。次に、この成形体を水素雰囲気中銅
の融点直下で2時間焼結を行ない接点材料とし
た。
粒径70μm以下のクロム粉末と粒径40μm以下の
WB粉末と粒径40μm以下の銅粉末を各々所定の
割合で秤量した後2時間混合を行つた。続いて、
この混合粉を所定の形状の金型に充填しプレス成
形を行つた。次に、この成形体を水素雰囲気中銅
の融点直下で2時間焼結を行ない接点材料とし
た。
第2のホツトプレス法による接点材料製造法は
粒径70μm以下のクロム粉末と粒径40μm以下の
WB粉末と粒径40μm以下の銅粉末を各々所定の
割合で秤量した後2時間混合を行つた。つづい
て、この混合粉をカーボン製のダイスに充填し、
真空中銅の融点直下で2時間加熱、この間に100
〜300Kg/cm2この例では200Kg/cm2の荷重を加え、接
点材料の塊を得た。
粒径70μm以下のクロム粉末と粒径40μm以下の
WB粉末と粒径40μm以下の銅粉末を各々所定の
割合で秤量した後2時間混合を行つた。つづい
て、この混合粉をカーボン製のダイスに充填し、
真空中銅の融点直下で2時間加熱、この間に100
〜300Kg/cm2この例では200Kg/cm2の荷重を加え、接
点材料の塊を得た。
第3の溶浸法による接点材料製造法は、粒径
70μm以下のクロム粉末と粒径40μm以下のWB粉
末と粒径40μm以下の銅粉末を各々所定の割合で
秤量した後、2時間混合を行つた。なお、ここで
添加する銅粉末の量は少量でクロム粉末とWB粉
末の合計の約5重量%程度である。続いて、この
混合粉を所定の形状の金型に充填し、プレスし成
形を行つた。次に、この成形体を真空中銅の融点
直下で2時間焼結し仮焼結体を得た。この後、仮
焼結体に無酸素銅の塊をのせて水素雰囲気中銅の
融点以上で1時間保持し、無酸素銅を仮焼結体に
含浸させ接点材料とした。混合粉の成形圧力を変
えることによつて接点材料中の銅量を所望の量に
することができるが、この製法の特徴である気孔
を含んだ成形体を得て後に銅を含浸させるために
は接点材料中の銅の体積が接点材料全体の1/2以
下である必要がある。
70μm以下のクロム粉末と粒径40μm以下のWB粉
末と粒径40μm以下の銅粉末を各々所定の割合で
秤量した後、2時間混合を行つた。なお、ここで
添加する銅粉末の量は少量でクロム粉末とWB粉
末の合計の約5重量%程度である。続いて、この
混合粉を所定の形状の金型に充填し、プレスし成
形を行つた。次に、この成形体を真空中銅の融点
直下で2時間焼結し仮焼結体を得た。この後、仮
焼結体に無酸素銅の塊をのせて水素雰囲気中銅の
融点以上で1時間保持し、無酸素銅を仮焼結体に
含浸させ接点材料とした。混合粉の成形圧力を変
えることによつて接点材料中の銅量を所望の量に
することができるが、この製法の特徴である気孔
を含んだ成形体を得て後に銅を含浸させるために
は接点材料中の銅の体積が接点材料全体の1/2以
下である必要がある。
第1図はこの発明の一実施例によるCu−Cr−
WB合金接点材料の倍率が100の金属組織の顕微
鏡写真を示す。これは粒径70μm以下のクロム粉
末と粒径40μm以下のWB粒末と粒径40μm以下の
銅粉末を各々重量比で25:5:70の割合で秤量し
た後、前記第1の完全粉末焼結法で得られたCu
−Cr−WB合金である。なお、雰囲気は高純度水
素雰囲気で焼結温度は1050〜1080℃であつた。第
1図の合金はCu中にCr、WBが均一微細に分布
していることがわかる。
WB合金接点材料の倍率が100の金属組織の顕微
鏡写真を示す。これは粒径70μm以下のクロム粉
末と粒径40μm以下のWB粒末と粒径40μm以下の
銅粉末を各々重量比で25:5:70の割合で秤量し
た後、前記第1の完全粉末焼結法で得られたCu
−Cr−WB合金である。なお、雰囲気は高純度水
素雰囲気で焼結温度は1050〜1080℃であつた。第
1図の合金はCu中にCr、WBが均一微細に分布
していることがわかる。
第6図は比較例として従来のCu−25重量%Cr
合金接点材料の倍率が100の金属組織の顕微鏡写
真を示す。これは粒径70μm以下のCr粉末と粒径
40μm以下のCu粉末を各々25:75の割合で秤量し
た後、前記第1の完全粉末焼結法で得られたCu
−Cr合金である。なお、雰囲気は高純度水素雰
囲気で焼結温度は1050〜1080℃であつた。
合金接点材料の倍率が100の金属組織の顕微鏡写
真を示す。これは粒径70μm以下のCr粉末と粒径
40μm以下のCu粉末を各々25:75の割合で秤量し
た後、前記第1の完全粉末焼結法で得られたCu
−Cr合金である。なお、雰囲気は高純度水素雰
囲気で焼結温度は1050〜1080℃であつた。
(接点材料の特性、実験)
上記各方法により製造された上記接点材料を直
径20mmφの電極に機械加工した後、真空しや断器
に組込み、電気特性を測定した。第2図と第3図
は共に本発明の一実施例による合金のしや断性能
を示したものであり、従来のCu−25重量%Cr合
金のしや断性能を1としたときの本発明による接
点材料のしや断性能を表わしたものである。第2
図は合金中のCr量(重量%)を10、15、20、25
に固定した場合のWB添加量によるしや断性能の
変化を示し、第3図は合金中のCr量(重量%)
を25、30、35、40に固定した場合のWB添加量に
よるしや断性能の変化を示す。第2図、第3図に
見られるように各Cr量に対してWBを添加するこ
とによつてしや断性能が従来のCu−25重量%Cr
品を上回る領域があり、しや断器用接点材料とし
て大電流用途に適するものが得られることがわか
る。しかし、Cr量によつてはWBの添加による改
良が見られない場合もあり、今回の実験の範囲で
はCr量が10〜40重量%の範囲が非常に有効であ
り、特に25重量%が最も優れている。また、WB
の添加についても最適な範囲があり、0.2〜10重
量%が非常に有効であり、Cr量が25、WB量が5
の合金が従来品の1.35倍に達し、最も優れてい
た。なお、今回の実験では従来品のしや断性能を
上回る合金について詳細に測定したため、従来品
を下回る合金のしや断性能については具体的な比
率では示すことができないので図中に破線で示し
てある。また、第2図、第3図中の本発明の一実
施例による合金及び従来品は完全粉末焼結法、ホ
ツトプレス法の差がほとんど見られなかつたた
め、完全粉末焼結法で得られた合金の値で示し
た。
径20mmφの電極に機械加工した後、真空しや断器
に組込み、電気特性を測定した。第2図と第3図
は共に本発明の一実施例による合金のしや断性能
を示したものであり、従来のCu−25重量%Cr合
金のしや断性能を1としたときの本発明による接
点材料のしや断性能を表わしたものである。第2
図は合金中のCr量(重量%)を10、15、20、25
に固定した場合のWB添加量によるしや断性能の
変化を示し、第3図は合金中のCr量(重量%)
を25、30、35、40に固定した場合のWB添加量に
よるしや断性能の変化を示す。第2図、第3図に
見られるように各Cr量に対してWBを添加するこ
とによつてしや断性能が従来のCu−25重量%Cr
品を上回る領域があり、しや断器用接点材料とし
て大電流用途に適するものが得られることがわか
る。しかし、Cr量によつてはWBの添加による改
良が見られない場合もあり、今回の実験の範囲で
はCr量が10〜40重量%の範囲が非常に有効であ
り、特に25重量%が最も優れている。また、WB
の添加についても最適な範囲があり、0.2〜10重
量%が非常に有効であり、Cr量が25、WB量が5
の合金が従来品の1.35倍に達し、最も優れてい
た。なお、今回の実験では従来品のしや断性能を
上回る合金について詳細に測定したため、従来品
を下回る合金のしや断性能については具体的な比
率では示すことができないので図中に破線で示し
てある。また、第2図、第3図中の本発明の一実
施例による合金及び従来品は完全粉末焼結法、ホ
ツトプレス法の差がほとんど見られなかつたた
め、完全粉末焼結法で得られた合金の値で示し
た。
第4図は合金中のCr量(重量%)を15、20、
25、30、35、40に固定した場合のWB添加量と耐
電圧性能の関係を示したものであり、WB量が0
〜10重量%の範囲を示す。耐電圧性能は従来品
Cu−25重量Cr品の耐電圧性能を1とした場合の
比率で示した。第4図に見られるように、各Cr
量に対して、WBの添加による耐電圧性能の著し
い改善が有り、高電圧用途の接点材料として本発
明合金が非常に優れていることがわかる。
25、30、35、40に固定した場合のWB添加量と耐
電圧性能の関係を示したものであり、WB量が0
〜10重量%の範囲を示す。耐電圧性能は従来品
Cu−25重量Cr品の耐電圧性能を1とした場合の
比率で示した。第4図に見られるように、各Cr
量に対して、WBの添加による耐電圧性能の著し
い改善が有り、高電圧用途の接点材料として本発
明合金が非常に優れていることがわかる。
第5図は合金中のCr量(重量%)を10、15、
20、25、30、35、40に固定した場合のWB添加量
と耐電圧性能の関係を示したものであり、WB量
が0〜75重量%の範囲を示す。第5図からもWB
添加によつて各合金の耐電圧性能が著しく上昇す
ることがわかるが、さらに、各Cr量の合金につ
いてWBの添加量が約20重量%までの範囲では特
に著しい耐電圧性の改良が見られるが、その後、
WB量の増加に比べて耐電圧性能の向上はゆるや
かであり、さらにCr量とWB量の合計が80重量%
程度で耐電圧性能の上昇は止まり、むしろ、下降
する場合もあることがわかる。これは、WBが合
金中に微細に分散してCu素地の強化及びCr粒子
の強化に寄与して、接点表面の部分的な溶着現象
を抑制し、耐電圧性能低下の原因となる突起の発
生を防止するなどの効果が有り、著しく合金の耐
電圧性能を向上させるが、Cr量とWB量が必要以
上に増加してくると合金の製造上も欠陥のない均
一な合金が得られなくなることも有り、また、加
工性が悪くなることなどからも接点表面の突起な
ど耐電圧性能低下の要因が逆に増加するためであ
る。実験の結果から見て合金中のCrとWBの合計
が80重量%以下が望ましいと考えられる。なお、
第4図、第5図中の合金はCr量とWB量の合計が
50wt%以上のものについて溶浸法で得られた合
金の測定値を用いており、50重量%未満のものに
ついては水素雰囲気中の完全粉末焼結法で得られ
た合金の測定値を用いている。Cr量とWB量の合
計が50重量%以上の合金についても完全粉末焼結
法やホツトプレス法でも得られるが、溶浸法によ
つて得られた合金の性能がやや上回つていたため
前記のように合金の組成で2種類の製法による合
金の測定値を図示した。
20、25、30、35、40に固定した場合のWB添加量
と耐電圧性能の関係を示したものであり、WB量
が0〜75重量%の範囲を示す。第5図からもWB
添加によつて各合金の耐電圧性能が著しく上昇す
ることがわかるが、さらに、各Cr量の合金につ
いてWBの添加量が約20重量%までの範囲では特
に著しい耐電圧性の改良が見られるが、その後、
WB量の増加に比べて耐電圧性能の向上はゆるや
かであり、さらにCr量とWB量の合計が80重量%
程度で耐電圧性能の上昇は止まり、むしろ、下降
する場合もあることがわかる。これは、WBが合
金中に微細に分散してCu素地の強化及びCr粒子
の強化に寄与して、接点表面の部分的な溶着現象
を抑制し、耐電圧性能低下の原因となる突起の発
生を防止するなどの効果が有り、著しく合金の耐
電圧性能を向上させるが、Cr量とWB量が必要以
上に増加してくると合金の製造上も欠陥のない均
一な合金が得られなくなることも有り、また、加
工性が悪くなることなどからも接点表面の突起な
ど耐電圧性能低下の要因が逆に増加するためであ
る。実験の結果から見て合金中のCrとWBの合計
が80重量%以下が望ましいと考えられる。なお、
第4図、第5図中の合金はCr量とWB量の合計が
50wt%以上のものについて溶浸法で得られた合
金の測定値を用いており、50重量%未満のものに
ついては水素雰囲気中の完全粉末焼結法で得られ
た合金の測定値を用いている。Cr量とWB量の合
計が50重量%以上の合金についても完全粉末焼結
法やホツトプレス法でも得られるが、溶浸法によ
つて得られた合金の性能がやや上回つていたため
前記のように合金の組成で2種類の製法による合
金の測定値を図示した。
なお、図示しないが、上記合金にBi、Te、
Sb、Tl、Pb、Se、Ce、及びCaの低融点金属、
それらの合金、並びにそれらの金属間化合物のう
ち少なくとも1種以上を20重量%以下添加した低
さい断真空しや断器用接点においても、上記実施
例と同様にしや断性能や耐電圧性能を上昇させる
効果があることを確認している。
Sb、Tl、Pb、Se、Ce、及びCaの低融点金属、
それらの合金、並びにそれらの金属間化合物のう
ち少なくとも1種以上を20重量%以下添加した低
さい断真空しや断器用接点においても、上記実施
例と同様にしや断性能や耐電圧性能を上昇させる
効果があることを確認している。
また、上記実施例では、銅、クロム、及びタン
グステンの硼化物が、各々単体金属、三者もしく
は二者の合金、三者もしくは二者の金属間化合
物、又はそれらの複合体として分布していると考
えられる。
グステンの硼化物が、各々単体金属、三者もしく
は二者の合金、三者もしくは二者の金属間化合
物、又はそれらの複合体として分布していると考
えられる。
さらに、上記実施例ではWの硼化物としてWB
を用いたものについて説明したが、W2B5、
WB2、W2B、WB6など他のW硼化物を用いても
同様の効果があつた。しかし、実験結果からW硼
化物としてWBおよびW2B5のうち少なくとも1
種含有する場合に最も効果的であつた。
を用いたものについて説明したが、W2B5、
WB2、W2B、WB6など他のW硼化物を用いても
同様の効果があつた。しかし、実験結果からW硼
化物としてWBおよびW2B5のうち少なくとも1
種含有する場合に最も効果的であつた。
以上のように、この発明によれば、銅、クロ
ム、及びタングステンの硼化物を含有するので、
しや断性能や耐電圧性能に優れた真空しや断器用
接点材料が得られる効果がある。
ム、及びタングステンの硼化物を含有するので、
しや断性能や耐電圧性能に優れた真空しや断器用
接点材料が得られる効果がある。
第1図は水素雰囲気の完全粉末焼結法により製
造されたこの発明の一実施例によるCu−25重量
%Cr−5重量%WB合金接点材料の倍率が100倍
の金属組織の顕微鏡写真を示す図、第2図はこの
発明の一実施例による接点材料におけるCrの重
量比率を10、15、20、25に固定した場合のWB添
加量としや断性能の関係をそれぞれ示す特性図、
第3図はこの発明の一実施例による接点材料にお
けるCrの重量比率を25、30、35、40に固定した
場合のWB添加量としや断性能の関係をそれぞれ
示す特性図、第4図、第5図は共にこの発明の一
実施例による接点材料におけるCrの重量比率を
15、20、25、30、35、40に固定した場合のWB添
加量と耐電圧性能の関係をそれぞれ示す特性図、
第6図は水素雰囲気の完全粉末焼結法により製造
された従来のCu−25重量%Cr合金接点材料の倍
率が100倍の金属組織の顕微鏡写真を示す図であ
る。
造されたこの発明の一実施例によるCu−25重量
%Cr−5重量%WB合金接点材料の倍率が100倍
の金属組織の顕微鏡写真を示す図、第2図はこの
発明の一実施例による接点材料におけるCrの重
量比率を10、15、20、25に固定した場合のWB添
加量としや断性能の関係をそれぞれ示す特性図、
第3図はこの発明の一実施例による接点材料にお
けるCrの重量比率を25、30、35、40に固定した
場合のWB添加量としや断性能の関係をそれぞれ
示す特性図、第4図、第5図は共にこの発明の一
実施例による接点材料におけるCrの重量比率を
15、20、25、30、35、40に固定した場合のWB添
加量と耐電圧性能の関係をそれぞれ示す特性図、
第6図は水素雰囲気の完全粉末焼結法により製造
された従来のCu−25重量%Cr合金接点材料の倍
率が100倍の金属組織の顕微鏡写真を示す図であ
る。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 銅、クロム、及びタングステンの硼化物を含
有することを特徴とする真空しや断器用接点材
料。 2 銅、クロム、及びタングステンの硼化物が、
各々単体金属、三者もしくは二者の合金、三者も
しくは二者の金属間化合物、又はそれらの複合体
として分布していることを特徴とする特許請求の
範囲第1項記載の真空しや断器用接点材料。 3 クロム、及びタングステンの硼化物の合計が
80重量%以下の範囲含有することを特徴とする特
許請求の範囲第1項または第2項記載の真空しや
断器用接点材料。 4 クロムが10〜40重量%の範囲含有することを
特徴とする特許請求の範囲第1項ないし第3項の
何れかに記載の真空しや断器用接点材料。 5 タングステンの硼化物が0.2〜10重量%の範
囲含有することを特徴とする特許請求の範囲第1
項ないし第4項の何れかに記載の真空しや断器用
接点材料。 6 タングステンの硼化物がWBおよびW2B5の
うちの少なくとも1種であることを特徴とする特
許請求の範囲第1項ないし第5項の何れかに記載
の真空しや断器用接点材料。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27604384A JPS61148728A (ja) | 1984-12-24 | 1984-12-24 | 真空しや断器用接点材料 |
US06/804,616 US4677264A (en) | 1984-12-24 | 1985-12-05 | Contact material for vacuum circuit breaker |
DE19853543586 DE3543586A1 (de) | 1984-12-24 | 1985-12-10 | Kontaktwerkstoff fuer vakuumschalter |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27604384A JPS61148728A (ja) | 1984-12-24 | 1984-12-24 | 真空しや断器用接点材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61148728A JPS61148728A (ja) | 1986-07-07 |
JPH0145171B2 true JPH0145171B2 (ja) | 1989-10-02 |
Family
ID=17563988
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27604384A Granted JPS61148728A (ja) | 1984-12-24 | 1984-12-24 | 真空しや断器用接点材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61148728A (ja) |
-
1984
- 1984-12-24 JP JP27604384A patent/JPS61148728A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61148728A (ja) | 1986-07-07 |
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