JPH0144936B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はシユー形電磁ブレーキに係り、特にブ
レーキが解放されるときに必要なストツパである
調節体の調整を自動化したものに関する。

第１図および第２図は従来のシユー形電磁ブレ
ーキの一例で、第１図はブレーキを掛けた状態、
第２図はブレーキを解放した状態を示す。シユー
形電磁ブレーキはブレーキ台１に枢支された２本
のアーム２ａ，２ｂにそれぞれシユー３ａ，３ｂ
を取付け、一方のアーム２ａに取付けた電磁石４
の励磁によりプランジヤを駆動し、制動ばね５が
介在された駆動棒の移動にてアーム２ａ，２ｂを
離間させ、シユー３ａ，３ｂのライニング６ａ，
６ｂにて制動されていたブレーキドラム７を解放
するものである。

この構成上、アーム２ａのストツパとしてブレ
ーキ台１には調整ボルト８が取付けられており、
また駆動棒の移動距離を調整するため調整ナツト
９が取付けられる。この場合、調整ボルト８の調
整すなわちライニング６ａ，６ｂとブレーキドラ
ム７との調整は据付時およびライニング６ａ，６
ｂの摩耗時しばしば行わなければならず、面倒で
ある。また、調整ボルト８はストツパであるので
このボルト８のねじ部の損傷もある。調整ボルト
８はブレーキ台１に近い下部にあり、かつ周囲に
機械があることが多く調整がやりにくい。さら
に、調整ボルト８はアーム２ａの下端にて行ない
一方シユー３ａ，３ｂの取付け位置はアーム２
ａ，２ｂの中程であるため、シユー３ａ，３ｂの
動きに対し調整ボルト８の調整位置はわずかとな
り、この点調整ボルト８の調整はむつかしい。

そこで、本発明は上述の欠点に鑑みストツパで
ある調節体による調整を自動化して調整の面倒
さ、やりにくさ、難しさを除き、かつ損傷を防止
するようにしたシユー形電磁ブレーキの提供を目
的とする。

かかる目的を達成する本発明としては、ブレー
キ台に枢支された２本のアームにそれぞれシユー
を取付け、一方のアームに備えた電磁石の駆動に
より上記２本のアームを連動させて上記シユーを
ブレーキドラムから離間させ得るものにおいて、
上記一方のアームをＬ字形に形成して上記ブレー
キ台に沿う折曲部の基端を上記ブレーキ台に枢支
し、上記一方のアームにテーパを有する第１調節
体を備え、上記テーパに密に当接し得るテーパを
有する第２調節体を上記折曲部の先端上方に位置
させるとともに上記ブレーキ台に固定した案内板
の長孔を介してこの案内板に上下動可能に取付け
たことを特徴とする。

ここで、本発明の実施例を図を参照して説明す
る。第３図ないし第９図は一実施例を示すもので
ある。第１図と第２図の同一部分には同一符号を
付し説明を省略する。第３図はブレーキを掛けた
制動状態、第４図はブレーキを解放した制動解放
状態を示す。第４図では電磁石４の励磁でアーム
２ａ，２ｂがそれぞれ左右に開きライニング６
ａ，６ｂのすきまが等しく開かれていることを示
す。電磁石４が取付けられたアーム２ａはその下
部がＬ字形に形成されており、折曲部２ｃがブレ
ーキ台１に沿うように折曲部２ｃの基端はブレー
キ台１に枢支されている。折曲部２ｃの先端には
ころ１０が回転自在に取付けてある。また、アー
ム２ａの下部には第１調節体１１が第５図および
第６図にて示すように取付けられている。第１調
節体１１はコ字状枠体１２にピン止めされ、その
一端にはばね１３にて略水平に保持されていると
ともに、他端は下向きのテーパを有している。し
たがつて、第１調節体１１はアーム２ａの動きに
応じて第５図に示す左右に動くことになる。他
方、アーム２ａの折曲部２ｃの先端方向にあつて
ブレーキ台１の端には第７図に示す案内板１４が
第１調節体１１と向き合うように取付けてある。
この案内板１４には上下方向に長穴が設けてあ
る。第１調節体１１と案内板１４との間には第２
調節体１５が存在する。この第２調節体１５の第
１調節体１１と向き合う側には第１調節体１１の
テーパと密に当接し得るテーパが設けられてい
る。第２調節体１５は長穴を貫くボルト１６にて
第８図に示すように外部から固定されている。ボ
ルト１６は座金１７と低摩擦樹脂板１８とを接着
したものおよび皿ばね１９を案内板１４に圧接す
るものである。このうち、案内板１４に当接する
のは低摩擦樹脂板１８であるため、第２調節体１
５は案内板１４に固定されるとともに上下方向に
長穴に沿つて容易に移動し得る。

シユー形電磁ブレーキの据付に当つて、第１調
節体１１と第２調節体１５とのテーパのすきまＳ
は、電磁石のストロークＭに対し最適な位置関係
となるように設定されている。すなわち、電磁石
４を励磁して制動が解除された場合、テーパどう
しが当接しストツパとして働くようにしている。

シユー形電磁ブレーキの稼動によりライニング
６ａ，６ｂが摩耗してくると、その摩耗の分アー
ム２ａがブレーキドラム７側に倒れるため、アー
ム２ａの折曲部２ｃの先端すなわちころ１０がそ
の分上方に上がる。したがつて、ころ１０は第２
調節体１５を上方に押し上げる。第２調節体１５
は案内板１４と低摩擦樹脂板１８との間で抵抗が
少ないため、上下方向には容易に動き得る。こう
して、第２調節体１５はテーパどうしの間隔Ｓを
一定して修正することができる。また、ライニン
グ６ｂの摩耗に関しては、調整ナツト９の操作に
よるストローク調整を行なえば足りる。

第９図はライニング６ａ，６ｂが摩耗してアー
ム２ａの内側に傾く程度が大きくなるとき、ころ
１０により第２調節体１５が一定位置以上に上る
ので、この許容位置にマイクロスイツチ２０を配
置しておけばライニング６ａ，６ｂの摩耗限界を
検出できるという例を示すものである。

以上実施例にて説明したように本発明によれ
ば、ライニングの左右すきまの調整をテーパを有
する調節体とＬ字形のアームとで自動化できて、
ライニングが摩耗しても従来のような調整のやり
にくさ面倒さ、難しさは無く、また平面であるテ
ーパ部どうしの当接にてストツパとして損傷なく
機能する。さらに、微調整も容易にでき、ライニ
ングの摩耗限界も検出できる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来のシユー形電磁ブレ
ーキの一例で、第１図ａは平面図、第１図ｂおよ
び第２図は正面図、第３図ないし第９図は本発明
によるシユー形電磁ブレーキの実施例で第３図お
よび第４図は平面図、第５図は部分構成図、第６
図は調節体の平面図、第７図は案内板の構成図、
第８図は調節体の側面図、第９図はマイクロスイ
ツチを付した場合の構成図である。 図面中、１はブレーキ台、２ａ，２ｂはアー
ム、２ｃは折曲部、３ａ，３ｂはシユー、４は電
磁石、７はブレーキドラム、１１，１５は調節
体、１４は案内板である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ブレーキ台に枢支された２本のアームにそれ
   ぞれシユーを取付け、一方のアームに備えた電磁
   石の駆動により上記２本のアームを連動させて上
   記シユーをブレーキドラムから離間させ得るもの
   において、上記一方のアームをＬ字形に形成して
   上記ブレーキ台に沿う折曲部の基端を上記ブレー
   キ台に枢支し、上記一方のアームにテーパを有す
   る第１調節体を備え、上記テーパに密に当接し得
   るテーパを有する第２調節体を上記折曲部の先端
   上方に位置させるとともに上記ブレーキ台に固定
   した案内板の長孔を介してこの案内板に上下動可
   能に取付けたことを特徴とするシユー形電磁ブレ
   ーキ。