JPH0144765B2 - - Google Patents
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- JPH0144765B2 JPH0144765B2 JP60031636A JP3163685A JPH0144765B2 JP H0144765 B2 JPH0144765 B2 JP H0144765B2 JP 60031636 A JP60031636 A JP 60031636A JP 3163685 A JP3163685 A JP 3163685A JP H0144765 B2 JPH0144765 B2 JP H0144765B2
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Landscapes
- Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は、高耐食性ブリキ鋼板向けの低シリコ
ン且つ低アルミニウムキルド溶鋼の溶製方法に関
するものである。 〔従来の技術〕 従来高耐食性鋼板例えば高耐食性ブリキ板はリ
ムド鋼により溶製し製造されていた。 近時連続鋳造法が普及するに伴い、鋼塊法に比
べて連続鋳造法は工程が省略されるので歩留りが
セミキルド・リムド鋼に比べて数%から約10%程
度向上し、かつ分塊が省略されるので省エネルギ
ー上も10〜30万Kcal/Tの節減が可能となる。 然しながらリムド鋼の場合CO反応が凝固過程
で生じCO気泡が発生する。連続鋳造法の場合、
凝固速度が早くCO気泡が表面に出てスラブ表面
性状を悪くし、また凝固シエルの破断を起させ事
故につながるため連続鋳造法にはリムド鋼を適用
することは出来ない。従つて、高耐食性鋼板の製
造に当つてリムド鋼に代つて連続鋳造法が適用で
きるアルミキルド鋼による製造が要請されてい
た。 一方第2図に示すように、ブリキ板製造するに
当つて、メツキ合金層(g/m2)と耐食性を示す
値としてのATC値(腐食のすすむ速さを決める
ものは主として合金すず層及び露出鋼地金との間
に流れる電流量と考えられる。従つて、ジユース
中で純すず板と合金すず層まで露出させたブリキ
板試片を連結し、この間に流れる微弱な電流を測
定しATC電流として評価を行なう。この値を
ATC値と云い、単位MA/cm2にけ表はす。)との
関係をリムド鋼板()と従来のアルミキルド鋼
板()について求めると、リムド鋼板()に
比較してAlキルド鋼板()は耐食性が悪いこ
とが認められる。 この原因として、アルミキルド鋼板()はリ
ムド鋼板()に比較し、溶鋼中Al濃度が高い。
この高Al濃度溶鋼成分が溶鋼収容器である耐火
物及び溶鋼上面のスラグと平衡する該溶鋼中のSi
濃度は、Al濃度の極めて低いリムド鋼と比較し
て低値となる。このことは主として (SiO2)+Al=Si+(Al2O3) ……(1) K=aSi・a(Al2O3)/a(SiO2)・aAl ……(2) 上記反応式より、高Al濃度溶鋼(アルミキル
ド鋼)の方が低Al濃度溶鋼(リムド鋼)より、
aSiが高値となることが明らかであることから、
sol Si濃度が高くなることになる。 一方、ブリキ用原板(鋼板)のsol Si濃度が高
いと、メツキするに当つて、合金層を形成し難
く、メツキ特性が低下することが考えられる。こ
れが従来Alキルド鋼を高耐食性鋼板のスタート
鋼として採用されない理由である。 ブリキ用高耐食性鋼板としは、特開昭58−
27933号公報、特開昭58−27934号公報、特開昭56
−116855号公報等が知られている。前の二つの公
報は、いずれも連続焼鈍による軟質ぶりき原板の
製造方法に関するものであり、後者は、C:0.05
%以下、Si:0.03%以下、Mn:0.03〜0.15%、
S:0.005〜0.015%を含有し、残部がFeのほか不
可避不純物よりなることを特徴とする連続鋳造に
よる製缶用アルミキルド鋼板である。 〔発明が解決しようとする問題点〕 前述の特開昭58−27933号公報、特開昭58−
27934号公報、特開昭56−116855号公報等に開示
されている鋼板は、いずれも鋼板中のsol Siを低
く確保し得ても、含有するsol Alは、本願発明の
ように0.010%以下というように低値に抑制され
ていない。 また上記3件の公報には、何等本発明のような
溶鋼の溶製方法は開示されていない。そこで本発
明者は研究の結果、前記3件のAl濃度が0.010%
以下に制御されない理由は、本願発明の如く転
炉から未脱酸で出鋼し、出鋼で受鋼した取鍋よ
り実質的に完全に除滓し、しかる後に無酸化雰
囲気にて溶鋼にAlを添加するという工程を経な
い限り困難であることにあることを確認した。 本発明は、従来のリムド鋼によるブリキ用高耐
食性鋼板に比較してメツキ特性の遜色のない、
sol Al及びsol Siのいずれの濃度も低いキルド鋼
による高耐食性ブリキ鋼板向け溶鋼の溶製方法を
提供することを目的とするものである。 〔問題点を解決するための手段〕 一方、本出願人は、先に特願昭55−127103号
(特開昭57−54216号公報)にて“低sol Al鋼の製
造方法”を出願したが、この方法では、高耐食性
ブリキ鋼板向けキルド溶鋼を得るためにはsol Al
及びsol Siの成分の保障が不十分であり、かつ能
率的ではないので、さらに改良を図るため本発明
はなされたものである。 本発明は、アルミキルド鋼の耐食性を上げるた
めに、リムド鋼と同様な成分の鋼特にsol Al及び
sol Siのいずれの含有量も低くする溶製方法とし
て、 (イ) 転炉から溶鋼を取鍋へ未脱酸状態にて出鋼
し、 (ロ) 前記出鋼に当たり、スラグカツトし、溶鋼中
に出来るだけスラグの流入を少なくし、 (ハ) 前記取鍋のメタル上面のスラグを実質的に完
全に真空スラグ吸引機にて減圧除去し、 (ニ) 次いで、AlをRH脱ガス装置の装入口より装
入し無酸化雰囲気にて添加し脱酸する、 上記(イ)〜(ニ)工程からなり、 sol Al:0.001〜0.010wt%、sol Si:<0.01wt
%、Mn:0.10〜0.4wt%、C:<0.06wt%残部
P、S等の不可避不純物及びFeよりなる溶鋼を
溶製することを特徴とする高耐食性ブリキ鋼板向
けキルド溶鋼の溶製方法である。 〔作 用〕 本発明の高耐食性ブリキ鋼板向けキルド溶鋼の
溶製方法の特徴は、スラグが実質的に伴なわない
未脱酸溶鋼を、無酸化雰囲気下にて、制御された
アルミニウム脱酸を施し、製造することを特徴と
しその組成はAl濃度以外は本質的にはリムド鋼
と同様な成分としたものである。 本発明の高耐食性ブリキ鋼板向けキルド溶鋼の
溶製方法は、耐食性、特にメツキ特性の向上を図
るために、先ず鋼中のsol Alを0.001〜0.010%と
低くすると同時に、sol Siを0.010未満とするた
めに、次のような溶製方法を採用していることが
特徴である。 即ち、転炉吹錬を完了してから第3図の溶製方
法の説明図に示す如く、 (イ) まず、溶湯1を転炉2から取鍋3へ未脱酸状
態即ちAlその他の脱酸剤は一切未添加のまま
出鋼する。次に (ロ) 前記(イ)の出鋼に当たつて、スラグ4を例えば
転炉2のスラグカツト手段5によつて、取鍋3
中の溶鋼1の中に出来るだけスラグ4が流入す
るのを阻止する。そして次に (ハ) 取鍋3の未脱酸溶鋼1の上面のスラグ4を例
えば真空スラグ吸引機(VSC)6等を用いて
完全に除く。次に (ニ) Alを例えばRH脱ガス装置7の合金鉄装入口
8より上記未脱酸溶鋼1へ装入し無酸化雰囲気
にて添加し脱酸する。 特に本発明の要点は、上記(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)の
工
程の順番をこの順序で実施することであり、この
順番が極めて重要である。 ブリキ向キルド鋼の溶製では、通常は(イ)の工程
にて、溶鋼にAlを添加し脱酸するが本発明では、
未脱酸状態即ちAl等を未添加とし且つスラグを
完全に除去して、Alによりスラグ中のSiO2が還
元されてSiが溶鋼中へ戻り、Si濃度が上昇するの
を防止するものである。 そして(ロ)及び(ハ)の工程にて、受鋼取鍋からスラ
グを完全に除去し、転炉2から出鋼する際に流出
するスラグ中のSiO2の影響を排除し溶鋼の低Si
化を図る。 次に(ニ)の工程にて、完全にスラグを除去した溶
鋼1に初めて脱酸剤であるAlを無酸化雰囲気例
えばRH脱ガス装置7の合金鉄装入口8より装入
添加し脱酸する。 これにより、前記(1)の (SiO2)+Al=Si+(Al2O3) の反応によりスラグ中のSiO2が、溶鋼に添加さ
れたAlにより還元されて、Siが溶鋼中に戻るの
を防止する。 この結果、溶鋼1中のsol Alは0.001〜0.010%
という低濃度の範囲に正確にコントロール出来る
と同時に、sol Siを0.010%未満という低濃度に
コントロールすることが出来、これら溶鋼を連続
鋳造機にて鋳造し、熱延→冷延→焼鈍→スズメツ
キの工程を経て高耐食性鋼板を製造するものであ
る。 但し本発明の溶製方法は、通常の連鋳法に限定
されずその他の鋳造方法に対しても溶鋼を供給出
来るこは勿論である。 次に本発明の実施例について述べる。 〔実施例〕 転炉(250t)に溶銑を装入し、吹錬を行つた後
次の第1表に示す如き成分の溶鋼を、第3図(イ)〜
(ニ)に示す工程の順番に作業を行なうことにより溶
製した。 (イ) まず、1630℃の溶鋼250tを転炉2から取鍋3
(容量260t)へ未脱酸状態即ちAl等を未添加に
て出鋼する。 (ロ) 前記(イ)の出鋼に当たつてその末期に、スラグ
4を転炉2のスラグカツト手段5によつて、取
鍋3中の未脱酸溶鋼1の中に出来るだけスラグ
4が流入しないようにスラグカツトする。 (ハ) スラグカツト後、取鍋3の未脱酸溶鋼1の上
面のスラグ4を真空スラグ吸引機(VSC、容
量170t−262t、350KW)6を用いて完全に除
く。 (ニ) 次にAl塊0.7KgをRH脱ガス装置(真空度=
1.0torr以下)7の合金鉄装入口8より上記取
鍋内未脱酸溶鋼へ装入し無酸化雰囲気にて添加
し、これを脱酸する。 完全排滓後の溶鋼成分をも第1表に示す。
ン且つ低アルミニウムキルド溶鋼の溶製方法に関
するものである。 〔従来の技術〕 従来高耐食性鋼板例えば高耐食性ブリキ板はリ
ムド鋼により溶製し製造されていた。 近時連続鋳造法が普及するに伴い、鋼塊法に比
べて連続鋳造法は工程が省略されるので歩留りが
セミキルド・リムド鋼に比べて数%から約10%程
度向上し、かつ分塊が省略されるので省エネルギ
ー上も10〜30万Kcal/Tの節減が可能となる。 然しながらリムド鋼の場合CO反応が凝固過程
で生じCO気泡が発生する。連続鋳造法の場合、
凝固速度が早くCO気泡が表面に出てスラブ表面
性状を悪くし、また凝固シエルの破断を起させ事
故につながるため連続鋳造法にはリムド鋼を適用
することは出来ない。従つて、高耐食性鋼板の製
造に当つてリムド鋼に代つて連続鋳造法が適用で
きるアルミキルド鋼による製造が要請されてい
た。 一方第2図に示すように、ブリキ板製造するに
当つて、メツキ合金層(g/m2)と耐食性を示す
値としてのATC値(腐食のすすむ速さを決める
ものは主として合金すず層及び露出鋼地金との間
に流れる電流量と考えられる。従つて、ジユース
中で純すず板と合金すず層まで露出させたブリキ
板試片を連結し、この間に流れる微弱な電流を測
定しATC電流として評価を行なう。この値を
ATC値と云い、単位MA/cm2にけ表はす。)との
関係をリムド鋼板()と従来のアルミキルド鋼
板()について求めると、リムド鋼板()に
比較してAlキルド鋼板()は耐食性が悪いこ
とが認められる。 この原因として、アルミキルド鋼板()はリ
ムド鋼板()に比較し、溶鋼中Al濃度が高い。
この高Al濃度溶鋼成分が溶鋼収容器である耐火
物及び溶鋼上面のスラグと平衡する該溶鋼中のSi
濃度は、Al濃度の極めて低いリムド鋼と比較し
て低値となる。このことは主として (SiO2)+Al=Si+(Al2O3) ……(1) K=aSi・a(Al2O3)/a(SiO2)・aAl ……(2) 上記反応式より、高Al濃度溶鋼(アルミキル
ド鋼)の方が低Al濃度溶鋼(リムド鋼)より、
aSiが高値となることが明らかであることから、
sol Si濃度が高くなることになる。 一方、ブリキ用原板(鋼板)のsol Si濃度が高
いと、メツキするに当つて、合金層を形成し難
く、メツキ特性が低下することが考えられる。こ
れが従来Alキルド鋼を高耐食性鋼板のスタート
鋼として採用されない理由である。 ブリキ用高耐食性鋼板としは、特開昭58−
27933号公報、特開昭58−27934号公報、特開昭56
−116855号公報等が知られている。前の二つの公
報は、いずれも連続焼鈍による軟質ぶりき原板の
製造方法に関するものであり、後者は、C:0.05
%以下、Si:0.03%以下、Mn:0.03〜0.15%、
S:0.005〜0.015%を含有し、残部がFeのほか不
可避不純物よりなることを特徴とする連続鋳造に
よる製缶用アルミキルド鋼板である。 〔発明が解決しようとする問題点〕 前述の特開昭58−27933号公報、特開昭58−
27934号公報、特開昭56−116855号公報等に開示
されている鋼板は、いずれも鋼板中のsol Siを低
く確保し得ても、含有するsol Alは、本願発明の
ように0.010%以下というように低値に抑制され
ていない。 また上記3件の公報には、何等本発明のような
溶鋼の溶製方法は開示されていない。そこで本発
明者は研究の結果、前記3件のAl濃度が0.010%
以下に制御されない理由は、本願発明の如く転
炉から未脱酸で出鋼し、出鋼で受鋼した取鍋よ
り実質的に完全に除滓し、しかる後に無酸化雰
囲気にて溶鋼にAlを添加するという工程を経な
い限り困難であることにあることを確認した。 本発明は、従来のリムド鋼によるブリキ用高耐
食性鋼板に比較してメツキ特性の遜色のない、
sol Al及びsol Siのいずれの濃度も低いキルド鋼
による高耐食性ブリキ鋼板向け溶鋼の溶製方法を
提供することを目的とするものである。 〔問題点を解決するための手段〕 一方、本出願人は、先に特願昭55−127103号
(特開昭57−54216号公報)にて“低sol Al鋼の製
造方法”を出願したが、この方法では、高耐食性
ブリキ鋼板向けキルド溶鋼を得るためにはsol Al
及びsol Siの成分の保障が不十分であり、かつ能
率的ではないので、さらに改良を図るため本発明
はなされたものである。 本発明は、アルミキルド鋼の耐食性を上げるた
めに、リムド鋼と同様な成分の鋼特にsol Al及び
sol Siのいずれの含有量も低くする溶製方法とし
て、 (イ) 転炉から溶鋼を取鍋へ未脱酸状態にて出鋼
し、 (ロ) 前記出鋼に当たり、スラグカツトし、溶鋼中
に出来るだけスラグの流入を少なくし、 (ハ) 前記取鍋のメタル上面のスラグを実質的に完
全に真空スラグ吸引機にて減圧除去し、 (ニ) 次いで、AlをRH脱ガス装置の装入口より装
入し無酸化雰囲気にて添加し脱酸する、 上記(イ)〜(ニ)工程からなり、 sol Al:0.001〜0.010wt%、sol Si:<0.01wt
%、Mn:0.10〜0.4wt%、C:<0.06wt%残部
P、S等の不可避不純物及びFeよりなる溶鋼を
溶製することを特徴とする高耐食性ブリキ鋼板向
けキルド溶鋼の溶製方法である。 〔作 用〕 本発明の高耐食性ブリキ鋼板向けキルド溶鋼の
溶製方法の特徴は、スラグが実質的に伴なわない
未脱酸溶鋼を、無酸化雰囲気下にて、制御された
アルミニウム脱酸を施し、製造することを特徴と
しその組成はAl濃度以外は本質的にはリムド鋼
と同様な成分としたものである。 本発明の高耐食性ブリキ鋼板向けキルド溶鋼の
溶製方法は、耐食性、特にメツキ特性の向上を図
るために、先ず鋼中のsol Alを0.001〜0.010%と
低くすると同時に、sol Siを0.010未満とするた
めに、次のような溶製方法を採用していることが
特徴である。 即ち、転炉吹錬を完了してから第3図の溶製方
法の説明図に示す如く、 (イ) まず、溶湯1を転炉2から取鍋3へ未脱酸状
態即ちAlその他の脱酸剤は一切未添加のまま
出鋼する。次に (ロ) 前記(イ)の出鋼に当たつて、スラグ4を例えば
転炉2のスラグカツト手段5によつて、取鍋3
中の溶鋼1の中に出来るだけスラグ4が流入す
るのを阻止する。そして次に (ハ) 取鍋3の未脱酸溶鋼1の上面のスラグ4を例
えば真空スラグ吸引機(VSC)6等を用いて
完全に除く。次に (ニ) Alを例えばRH脱ガス装置7の合金鉄装入口
8より上記未脱酸溶鋼1へ装入し無酸化雰囲気
にて添加し脱酸する。 特に本発明の要点は、上記(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)の
工
程の順番をこの順序で実施することであり、この
順番が極めて重要である。 ブリキ向キルド鋼の溶製では、通常は(イ)の工程
にて、溶鋼にAlを添加し脱酸するが本発明では、
未脱酸状態即ちAl等を未添加とし且つスラグを
完全に除去して、Alによりスラグ中のSiO2が還
元されてSiが溶鋼中へ戻り、Si濃度が上昇するの
を防止するものである。 そして(ロ)及び(ハ)の工程にて、受鋼取鍋からスラ
グを完全に除去し、転炉2から出鋼する際に流出
するスラグ中のSiO2の影響を排除し溶鋼の低Si
化を図る。 次に(ニ)の工程にて、完全にスラグを除去した溶
鋼1に初めて脱酸剤であるAlを無酸化雰囲気例
えばRH脱ガス装置7の合金鉄装入口8より装入
添加し脱酸する。 これにより、前記(1)の (SiO2)+Al=Si+(Al2O3) の反応によりスラグ中のSiO2が、溶鋼に添加さ
れたAlにより還元されて、Siが溶鋼中に戻るの
を防止する。 この結果、溶鋼1中のsol Alは0.001〜0.010%
という低濃度の範囲に正確にコントロール出来る
と同時に、sol Siを0.010%未満という低濃度に
コントロールすることが出来、これら溶鋼を連続
鋳造機にて鋳造し、熱延→冷延→焼鈍→スズメツ
キの工程を経て高耐食性鋼板を製造するものであ
る。 但し本発明の溶製方法は、通常の連鋳法に限定
されずその他の鋳造方法に対しても溶鋼を供給出
来るこは勿論である。 次に本発明の実施例について述べる。 〔実施例〕 転炉(250t)に溶銑を装入し、吹錬を行つた後
次の第1表に示す如き成分の溶鋼を、第3図(イ)〜
(ニ)に示す工程の順番に作業を行なうことにより溶
製した。 (イ) まず、1630℃の溶鋼250tを転炉2から取鍋3
(容量260t)へ未脱酸状態即ちAl等を未添加に
て出鋼する。 (ロ) 前記(イ)の出鋼に当たつてその末期に、スラグ
4を転炉2のスラグカツト手段5によつて、取
鍋3中の未脱酸溶鋼1の中に出来るだけスラグ
4が流入しないようにスラグカツトする。 (ハ) スラグカツト後、取鍋3の未脱酸溶鋼1の上
面のスラグ4を真空スラグ吸引機(VSC、容
量170t−262t、350KW)6を用いて完全に除
く。 (ニ) 次にAl塊0.7KgをRH脱ガス装置(真空度=
1.0torr以下)7の合金鉄装入口8より上記取
鍋内未脱酸溶鋼へ装入し無酸化雰囲気にて添加
し、これを脱酸する。 完全排滓後の溶鋼成分をも第1表に示す。
【表】
【表】
本発明鋼をブリキ原板にて圧延し熱延→冷延→
焼鈍→スズメツキ後高耐食性鋼板(厚0.2〜0.3mm
巾700〜950mm)を得た。この高耐食性鋼板()
の耐食特性としてのATC値を従来のリムド鋼板
()およびアルミキルド鋼板()と比較し第
1図に示す。 第1図に示す如く、耐食性は従来アルミキルド
鋼板より大巾に改善され、従来リムド鋼のレベル
を充分確保していることは明らかである。 〔発明の効果〕 本発明の高耐食性鋼板は従来のリムド鋼による
耐食性鋼板に比して遜色のない特性を有し、かつ
アルミキルド鋼による溶製を可能とし、連続鋳造
化のメリツトを享受し得て製造コストの低減に資
する有用な物ならびに方法である。
焼鈍→スズメツキ後高耐食性鋼板(厚0.2〜0.3mm
巾700〜950mm)を得た。この高耐食性鋼板()
の耐食特性としてのATC値を従来のリムド鋼板
()およびアルミキルド鋼板()と比較し第
1図に示す。 第1図に示す如く、耐食性は従来アルミキルド
鋼板より大巾に改善され、従来リムド鋼のレベル
を充分確保していることは明らかである。 〔発明の効果〕 本発明の高耐食性鋼板は従来のリムド鋼による
耐食性鋼板に比して遜色のない特性を有し、かつ
アルミキルド鋼による溶製を可能とし、連続鋳造
化のメリツトを享受し得て製造コストの低減に資
する有用な物ならびに方法である。
第1図は本発明鋼板と従来鋼板とのATC値の
比較を示す説明図、第2図は従来鋼のメツキ合金
層重量とATC値との関係を示すグラフ、第3図
は本発明の溶製方法の説明図である。
比較を示す説明図、第2図は従来鋼のメツキ合金
層重量とATC値との関係を示すグラフ、第3図
は本発明の溶製方法の説明図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 (イ) 転炉から溶鋼を取鍋へ未脱酸状態にて出
鋼し、 (ロ) 前記出鋼に当たり、スラグカツトし、溶鋼中
に出来るだけスラグの流入を少なくし、 (ハ) 前記取鍋のメタル上面のスラグを実質的に完
全に真空スラグ吸引機にて減圧除去し、 (ニ) 次いで、AlをRH脱ガス装置の装入口より装
入し無酸化雰囲気にて添加し脱酸する、 上記(イ)〜(ニ)工程からなり、 sol Al:0.001〜0.010wt%、sol Si:<0.01wt
%、Mn:0.10〜0.4wt%、C:<0.06wt%残部
P、S等の不可避不純物及びFeよりなる溶鋼を
溶製することを特徴とする高耐食性ブリキ鋼板向
けキルド溶鋼の溶製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3163685A JPS61194150A (ja) | 1985-02-21 | 1985-02-21 | 高耐食性ブリキ鋼板向けキルド溶鋼の溶製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3163685A JPS61194150A (ja) | 1985-02-21 | 1985-02-21 | 高耐食性ブリキ鋼板向けキルド溶鋼の溶製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61194150A JPS61194150A (ja) | 1986-08-28 |
JPH0144765B2 true JPH0144765B2 (ja) | 1989-09-29 |
Family
ID=12336696
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3163685A Granted JPS61194150A (ja) | 1985-02-21 | 1985-02-21 | 高耐食性ブリキ鋼板向けキルド溶鋼の溶製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61194150A (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS56116855A (en) * | 1980-02-15 | 1981-09-12 | Kawasaki Steel Corp | A -killed steel plate for can by continuous casting |
JPS5754216A (ja) * | 1980-09-16 | 1982-03-31 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | Teisolalkonoseizohoho |
JPS5827934A (ja) * | 1981-08-13 | 1983-02-18 | Kawasaki Steel Corp | 連続焼鈍による耐食性に優れる軟質ぶりき原板の製造方法 |
JPS5827933A (ja) * | 1981-08-13 | 1983-02-18 | Kawasaki Steel Corp | 連続焼鈍による耐食性に優れるt−3軟質ぶりき原板の製造方法 |
-
1985
- 1985-02-21 JP JP3163685A patent/JPS61194150A/ja active Granted
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS56116855A (en) * | 1980-02-15 | 1981-09-12 | Kawasaki Steel Corp | A -killed steel plate for can by continuous casting |
JPS5754216A (ja) * | 1980-09-16 | 1982-03-31 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | Teisolalkonoseizohoho |
JPS5827934A (ja) * | 1981-08-13 | 1983-02-18 | Kawasaki Steel Corp | 連続焼鈍による耐食性に優れる軟質ぶりき原板の製造方法 |
JPS5827933A (ja) * | 1981-08-13 | 1983-02-18 | Kawasaki Steel Corp | 連続焼鈍による耐食性に優れるt−3軟質ぶりき原板の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61194150A (ja) | 1986-08-28 |
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