JPH0144625B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、自動緊締型巻管保持装置であつて、
片持式に支承された軸を有しており、この軸に２
つの締付けリングを介在させて巻管を締め付ける
ようになつており、巻管が巻管保持装置への差し
込みに際しまず機械側に配置された第１の締付け
リングを軸線方向に押して、巻管の作用結合が行
われるようになつている形式のものに関する。

近年、紡ぎ装置の発展は、紡き速度、すなわち
紡がれたばかりの糸のための巻取り速度を著しく
高めた。これに相応して、巻管交換中に必然的に
生じるくず量をできるだけ減少せしめようという
強い要求がある。この場合に主な要求は、いわゆ
る自動緊締型巻管保持装置を改良して、満管をは
ずして空管を差しはめるための時間をできるだけ
短くすることにある。

種々の装置が公知であるが、それぞれ欠点を有
している。

西ドイツ国特許出願公告1038709号明細書に記
載された合成樹脂糸紡糸機用巻管保持装置におい
ては、巻管に対する伝力結合が巻管保持装置の周
囲に配置された２腕の傾倒レバーによつて行わ
れ、この傾倒レバの機械架台に面した端部にそれ
ぞれ圧縮ばねを用いて外側へ拡開可能な単腕のレ
バーが枢着されている。巻管を差しはめる際に、
この巻管が拡開された単腕のレバーを半径方向で
内側へ押圧し、従つて圧縮ばねの作用によつて、
２腕のレバーの前方の端部に設けられた制動面が
巻管の内壁に押し付けられる。巻取り過程中に生
じる遠心力によつて締付け作用を増大しようとし
ている。

前述の装置は著しい欠占を有している。多くの
旋回箇所に基づき、前方に向かつて開いた機構が
よごれによつて故障しやすい。巻管の変形を避け
るために、巻管周囲における実際的に点状の緊締
箇所の圧着力が、特に大きな巻管を確実に緊締す
ることができない値にまで限定されねばならな
い。

西ドイツ国特許出願公告第1061242号明細書に
より公知の撚糸スピンドル用巻管連結装置におい
ては、巻管保持装置と巻管との間の伝力結合のた
めにゴムリングが用いられている。伝力結合は対
応する箇所において巻管の内壁に接触しないゴム
リングの伸張によつて生ぜしめられ、この伸張は
多数の緊締部材を用いて生ぜしめられ、この緊締
部材は連結部材の周囲に対応する溝内に外側へ旋
回可能に取り付けられており、スピンドルの回転
に際してこの回転力によつて遠心力が外方へ生ぜ
しめられ、ゴムリングが伸張せしめられ、ひいて
は締付け位置へもたらされる。

この巻管連結装置の著しい欠点は、巻管の固定
が申し分のない高い回転数においてしか保証され
ないことにあり、従つて巻管は巻始め及び巻終り
時にはスピンドルにルーズにしか結合されない。
さらに緊締が点状にしか行なわれない。

西ドイツ国特許出願公告第1574399号明細書に
より公知の巻管マンドレルにおいては、巻管の固
定が２つのゴムリングを用いて行われる。この巻
管マンドレルは、液力的に若しくは空気力的に作
動せしめられる緊締装置及び制動装置を備えた高
価な構造を成している。満管の解除及び空管の緊
締は満管を駆動軸から持ち上げる際若しくは空管
を旋回させる際に行われる。

構成が極めて煩雑であり、従つて故障しやすい
ことのほかに、巻管を交換する際に新たな巻管の
緊締が作業位置へ旋回させられた後でないと行わ
れないという著しい欠点がある。

従つて本発明の目的は、構造が簡単であり、故
障をおこしにくく、かつわずかな巻管交換時間し
か必要としない自動緊締型巻管保持装置を提供す
ることである。

この目的を達成するために本発明の構成では、
冒頭に述べた形式の自動緊締型巻管保持装置にお
いて、巻管が巻管保持装置への差しはめによつて
機械側に配置された第１の締付けリングをスライ
ド管に設けられた第１のベツドから軸線方向に、
差き込み方向で上向きのころがり面を経てスライ
ド管に設けられた機械側の第２のベツド内へ移動
させるようになつており、スライド管が軸に軸線
方向に移動可能に配置されており、スライド管の
第１のベツドの箇所の直径が第２のベツドの箇所
の直径よりも小さくなつており、スライド管にス
ライドリングを設けてあり、このスライドリング
が第２の締付けリングを軸に対して不動に設けら
れた直径の小さい別の第１のベツドから軸線方向
に、差しはめ方向で上向きのすべり面を経て、同
じく軸に対して不動に設けられた直径の大きな別
の第２のベツド内へ押しずらすようになつてい
る。

本発明による自動緊締装置の実施態様が特許請
求の範囲第２項以下に記載されている。

本発明による自動緊締型巻管保持装置は、スラ
イド管、このスライド管と連結されたスライドリ
ング並びに、巻管を締付け及び解放するために移
動させられるゴムリングのほかには可動部分を有
していない。極めて簡単な構造が実際に故障なし
に確実な機能を保証する。

締付けに役立つ両方のゴムリングが唯一の摩擦
箇所を成しているが、ゴムリングは巻管を取りは
ずした場合には露出しており、従つてゴムリング
の状態がいつでも容易に検査可能であり、ゴムリ
ングが必要に応じて容易に交換可能である。

以下に図面を用いて本発明の実施例を具体的に
説明する。

図面から明らかなように、片持式に支承された
軸１の自由端部１０の近くで成形リング１１が、
軸１に対して軸線方向に移動不能であると共に周
方向に運動不能であるように軸１に結合されてい
る。この結合は、例えば嵌合キー（図示せず）及
び（又は）単数若しくは周囲に分配された複数の
締付けねじ（図示せず）によつて行われる。成形
リング１１は、その外周面に締付けリング（第２
の締付けリング）１２のためのベツド１５として
横断面がほぼ半円形の第１の溝を有しており、こ
の溝の底直径は、この溝内にはめ込まれた締付け
リング１２の外径が差しはめようとする巻管の内
径よりも小さくなるように決められている。締付
けリング１２のための大きい方のベツド１７とし
て、第１のベツド１５に、差しはめ方向で上向き
のころがり面１６を介して第２の溝が接続されて
いる。この第２の溝は、第１の溝、すなわちベツ
ド１５よりも大きな直径を有していて、（第２の）
締付けリング１２をベツド１７内へ押し込んだ場
合に成形リング１１と巻管６とが確実に伝力結合
されるように寸法を決められている。

成形リング１１は切欠き１４を有しており、こ
の切欠きによつて、延長部２０を用いてスライド
管７とスライドリング１３とが堅く結合され得
る。延長部によるスライド管とスライドリングと
の間の結合部の機能は後で説明する。

軸１は機械架台に面した端部にストツパ１８を
有しており、このストツパが軸の自由端部１０に
向いている側に巻管１６を心定めするための付加
部１９を保持している。この付加部の外径は差し
はめようとする巻管６の内径に適合せしめられて
いる。

軸１にはスライド管７が差しはめられており、
このスライド管７の内径はこのスライド管が軸１
上を遊びなく容易に移動させられ得るように決め
られている。スライド管７は機械側の端部９にほ
ぼ横断面半円形の２つの溝３，５を有している。
これらの溝の直径は、異なる大きさであり、この
場合差しはめ方向で見て第１の溝３の直径が第２
の溝５の直径よりも小さくなつているが、第１の
溝の直径はこの第１の溝にはめ込まれた締付けリ
ング２の外径が差しはめようとする巻管６の内径
よりも大きくなるように決られている。第２の溝
５は第１の溝３の直径よりもいくらか大きい直径
を有している。旋削によつて形成された両方の溝
３，５は差しはめ方向で上向きのころがり面４を
介して互いに接続されている。

スライド管７の機械側の端部９と軸１のストツ
パ１８との間に圧縮ばね８が配置されており、こ
の圧縮ばねの機能は自動緊締型巻管保持装置の機
能と一緒に述べる。

すでに述べたように、成形リング１１はその内
周に切欠き１４を有している。成形リング１１ま
で達するスライド管７から、このスライド管７に
結合され切欠き１４を貫く延長部２０が延びてお
り、この延長部はスライド管７をストツパ１８の
方向に移動させる際にスライドリング１３が同じ
くストツパ１８の方向に移動させられ、その際に
（第２の）締付けリング１２を第１のベツド１５
から直径の大きい方の第２のベツド１７へ押しず
らすようにスライドリング１３に堅く結合されて
いる。

次に本発明の自動緊締型巻管保持装置の機能に
ついて述べる。

巻管６が軸１の自由端部１０から自動緊締型巻
管保持装置に差しはめられると、巻管は実際に
（第２の）締付けリング１２に接触することなし
に、この（第２の）締付けリングを越えて（第１
の）締付けリング２に突き当り、この（第１の）
締付けリングをころがり面４に沿つて溝５内へ移
動させる、若しくはころがす。第１の締付けリン
グの移動によつてスライド管７と巻管６との間の
伝力結合は、巻管６をストツパ１８の方向へ引き
続き移動させる際にスライド管７がばね８の作用
に抗して同じくストツパ１８の方向に連行される
程度に強烈に行われる。その際スライドリング１
３も延長部２０によつて同じくストツパ１８の方
向に動かされ、（第２の）締付けリング１２を連
行して、この締付けリングがころがり面１６上を
ころがされ、第２のベツド１７内に係合せしめら
れる。従つて巻管６と巻管保持装置との間の力伝
達可能な確実な結合が行われる。

図示の実施例ではコイルばねから成り蓄力器と
して作用する圧縮ばねは、重要な機能を有してい
る。すでに述べたように巻管６は差しはめの際に
まず締付けリング２に接触してこの締付けリング
をころがり面４に沿つて極度に大きな力なしに溝
５内へ押しずらす、若しくはころがす。従つてス
ライド管７と巻管６との間の力伝達可能な結合が
確実に行われ、巻管６を引き続き移動させる際に
スライド管７が圧縮ばね８の作用に抗して連行さ
れ、その結果スライドリング１３が（第２の）締
付けリング１２を小さい方のベツド１５から大き
い方のベツド１７へ押す。この場合、スライド管
とストツパ１８との間の間隔並びにベツド１５と
１７との間の間隔は、第２の締付けリング１２が
大きい方のベツド１７内にはめ込まれた場合に巻
管がストツパ１８に当接するように決られてい
る。

圧縮ばねは、そのばね力が（第１の）締付けリ
ング２を大きい方の溝５内へ押しずらすために必
要な力を上回つているが、大きい方のベツド１７
内にはめ込まれた（第２の）締付けリング１２を
そのベツド内から再びはずし得る力は有さないよ
うに決られている。

満管を引きはずす際に、両方の締付けリング２
及び１２を直径の大きい方の溝５若しくはベツド
１７から直径の小さい方の溝３若しくはベツド１
５内へ押しずらすためには比較的にわずかな力で
十分である。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明による自動緊締型巻管保持装置の
断面図である。 １…軸、２…締付けリング、３…溝、４…ころ
がり面、５…溝、６…巻管、７…スライド管、８
…圧縮ばね、９…端部、１０…自由端部、１１…
成形リング、１２…締付けリング、１３…スライ
ドリング、１４…切欠き、１５…ベツド、１６…
ころがり面、１７…ベツド、１８…ストツパ、１
９…付加器。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 自動緊締型巻管保持装置であつて、片持式に
   支承された軸を有しており、この軸に２つの締付
   けリングを介在させて巻管を締め付けるようにな
   つており、巻管が巻管保持装置への差しはめに際
   しまず機械側に配置された第１の締付けリングを
   軸線方向に押して、巻管の作用結合が行われるよ
   うになつている形式のものにおいつて、巻管６が
   巻管保持装置への差しはめによつて機械側に配置
   された第１の締付けリング２をスライド管７に設
   けられた第１のベツド３から軸線方向に、差しは
   め方向で上向きのころがり面４を経てスライド管
   ７に設けられた機械側の第２のベツド５内へ移動
   させるようになつており、スライド管が軸１に軸
   線方向に移動可能に配置されており、スライド管
   ７の第１のベツド３の箇所の直径が第２のベツド
   ５の箇所の直径よりも小さくなつており、スライ
   ド管７にスライドリング１３を設けてあり、この
   スライドリングが第２の締付けリング１２を軸１
   に対して不動に設けられた直径の小さい別の第１
   のベツド１５から軸線方向に、差しはめ方向で上
   向きのすべり面１６を経て、同じく軸１に対して
   不動に設けられた直径の大きな別の第２のベツド
   １７内へ押しずらすようになつていることを特徴
   とする自動緊締型巻管保持装置。 ２ スライド管７がストツパ１８から圧縮ばね８
   によつて離されていて、軸１上を軸線方向に運動
   可能にかつ軸１と一緒に回転するようになつてお
   り、別の第１及び第２のベツド１５，１７が軸１
   の自由端部１０の近くに取り付けられた成形リン
   グ１１に形成されており、スライドリング１３が
   成形リング１１の切欠き１４を貫通する延長部２
   ０を介してスライド管７に結合されていて、第１
   の締付けリング２の第２のベツド５内への係合の
   後にスライド管７と一緒の巻管６の引き続く移動
   運動に際し第２の締付けリング１２を第１のベツ
   ド１５から第２のベツド１７内へ押しずらすよう
   になつている特許請求の範囲第１項記載の自動緊
   締型巻管保持装置。 ３ 締付けリング２，１２が円形の横断面を有
   し、軟質ゴム若しくは高弾性の別の材料から成つ
   ている特許請求の範囲第１項又は第２項記載の自
   動緊締型巻管保持装置。 ４ 成形リング１１に形成されたほぼ横断面半円
   形の第１のベツド１５の直径が、第１のベツド内
   に位置する第２の締付けリング１２の外形を巻管
   ６の内径よりも小さくしているように規定されて
   おり、かつ成形リングに形成されたほぼ横断面半
   円形の第２のベツド１７の直径が、第２のベツド
   内に位置する第２の締付けリング１２の外形を巻
   管６の内径よりも大きくするように規定されてい
   る特許請求の範囲第２項又は第３項記載の自動緊
   締型巻管保持装置。 ５ スライド管７が軸１にすきまばめによつて摺
   動可能に差しはめられている特許請求の範囲第１
   項から第４項までのいずれか１項記載の自動緊締
   型巻管保持装置。 ６ ストツパ１８とスライド管７の端部９との間
   に配置された圧縮ばね８がコイルばねから成つて
   いる特許請求の範囲第２項から第５項までのいず
   れか１項記載の自動緊締型巻管保持装置。 ７ 圧縮ばね８の最大ばね行程が３mmから15mmま
   でである特許請求の範囲第２項から第６項までの
   いずれか１項記載の自動緊締型巻管保持装置。 ８ 圧縮ばね８の最大ばね行程が５mmから８mmま
   でである特許請求の範囲第２項から第６項までの
   いずれか１項記載の自動緊締型巻管保持装置。 ９ 圧縮ばね８がストツパ１８とスライド管の機
   械側の端部９との間の周囲に等間隔に設けられた
   少なくとも３つのおう所内にそれぞれ配置されて
   いる特許請求の範囲第２項から第８項までのいず
   れか１項記載の自動緊締型巻管保持装置。 １０ 第１の締付けリング２の第１のベツド３の
   直径が第１のベツド内に位置する第１の締付けリ
   ング２の外形を巻管６の内径よりも大きくするよ
   うに規定されている特許請求の範囲第１項から第
   ９項までのいずれか１項記載の自動緊締型巻管保
   持装置。 １１ 第２の締付けリング１２の第１のベツド１
   ５の直径が第１の締付けリング２の第１のベツド
   ３の直径よりも小さくなつている特許請求の範囲
   第２項から第１０項までのいずれか１項記載の自
   動緊締型巻管保持装置。