JPH0144455Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ 本考案は段ボール等の梱包用板紙と、発泡樹脂
材等により成形される緩衝部材とにより組立てら
れる空気調和機等の梱包箱に係り、特に組立て工
程の作業を簡略化して生産性を高め、また不良品
の生産率を低減して歩留りの向上に寄与し得る空
気調和機等の梱包箱に関するものである。

［考案の技術的背景とその問題点］ 一般に空気調和機等の製品を出荷するに際して
その製品の梱包には、第１図に示す如く段ボール
によつて形成された外箱１と、第２図に示す如く
その内部に収容される製品２のカド部に嵌合し、
製品２を固定すると共に衝撃を吸収して損傷を防
止するための緩衝部材３とから成る梱包箱が用い
られている。

緩衝部材３は発泡樹脂材等によつて成形され、
外箱１の底板４に取り付けられているが、従来で
は第３図に示す如く、二枚に折り重ねられた段ボ
ールによつて底板４を形成し、その上の所定の位
置に緩衝部材３が接着剤等により貼設されてい
る。また、緩衝部材３の所定位置は印刷等によつ
て表示されていた。

ところで、上述のごとき構成に組み立て製作す
るには緩衝部材３を印刷された所定位置に正確に
貼り付ける作業がかなり繁雑な作業となり、生産
性を高めるためにもその作業の簡略化乃至単純化
が望まれていた。また、貼り付ける位置の調整も
目分量作業によつて行なわれるためその正確性を
欠き、不良品の出る率が高くなる要因となつてい
た。

［考案の目的］ 本考案は上述のごとき問題点に鑑み、これらを
有効に解決すべく創案されたものである。

本考案の目的は、組み立て工程の作業を簡略化
して生産性を高め、また不良品の生産率を低減し
て歩留りの向上に寄与し得る空気調和機等の梱包
箱を提供することにある。

［考案の構成と作用］ 上記目的を達成するために本考案は、段ボール
等の梱包用板紙により外箱及び底板を形成し、該
底板上に空気調和機等の被梱包物を発泡樹脂材等
の成形緩衝部材を介して固定するする梱包箱にお
いて、上記底板が外底を形成する矩形の底面部を
有し、該底面部の相対する一対の辺には各辺を底
辺とし、該底辺を折り返し線として底面部上に折
り重ねられる台形の第１折り重ね片が一体形成さ
れ、底面部の他の一対の辺には各辺を底辺とし、
該底辺を折り返し線として底面部上に折り重ねら
れる第２折り重ね片が一体形成され、該第２折り
重ね片には底面部上で互いに突き合わされる上辺
と、底面部上で第１折り重ね片の斜辺と突き合わ
される斜辺と、底面部上で第１折り重ね片の上辺
を一辺とする位置決め穴を形成する切り欠きとが
形成され、上記成形緩衝部材には上記位置決め穴
に嵌合する係合部が形成されている。

従つて、底板が底面部に第１折り重ね片と第２
折り重ね片を有する一枚構造であるため、板紙を
打ち抜くことで一回で底板を製造することがで
き、また底面部上に第１折り重ね片と第２折り重
ね片を折り重ねるだけで組み立てることができ、
この組み立てにより形成される位置決め穴に成形
緩衝部材の係合部を嵌合するだけで迅速に組み立
てが完了する。この組み立てられた底板は底面部
が一枚板の外底を形成し、第１折り重ね片と第２
折り重ね片が内底を形成するようになり、二重構
造になるため、強度が高いものとなる。

［考案の実施例］ 以下に本考案の好適一実施例について添付図面
に従つて説明する。

第４図は本考案に係る梱包箱の底板と成形緩衝
部材とを示すものである。底板４は段ボール等の
梱包用板紙によつて形成され、上下二重に折り重
ねられている。上方の折り重ね片５には、成形緩
衝部材３（以下クツシヨンと呼ぶ）が被梱包物
（例えば空気調和機）を固定するために所定の位
置に係止される位置決め穴６が形成されている。
クツシヨン３は発泡樹脂材等によつて形成され、
被梱包物の外形に沿わせてこれに嵌合するように
窪み部７が成形されている。またその底部には上
記位置決め穴６内に嵌合してクツシヨン３を底板
４に係止する係合部８が突設されている。

上記底板４は第５図に示す展開図のように外底
を形成する矩形の底面部９を有し、この底面部９
の相対する一対の辺には各辺を底辺とし、各底辺
を折り返し線１０ａ，１０ｂとして底面部９上に
折り重ねられる台形の第１折り重ね片５ａ，５ｂ
が一体形成され、底面部９の他の一対の辺には各
辺を底辺とし、各底辺を折り返し線１０ｃ，１０
ｄとして底面部９上に折り重ねられる第２折り重
ね片５ｃ，５ｄが一体形成されている。第２折り
重ね片５ｃ，５ｄには底面部９上で互いに突き合
わされる上辺１２と、底面部９上で第１折り重ね
片５ａ，５ｂの斜辺１３と突き合わされる斜辺１
４と、底面部９上で第１折り重ね片５ａ，５ｂの
上辺１５を一辺とする矩形の位置決め穴６を形成
する切り欠き１６とが形成されている。このよう
に上記上方の折り重ね片５は第１折り重ね片５
ａ，５ｂと第２折り重ね片５ｃ，５ｄとにより構
成されている。

このように底板４が底面部９に第１折り重ね片
５ａ，５ｂと第２折り重ね片５ｃ，５ｄを有する
一枚構造であるため、板紙を打ち抜くことで一回
で底板４を製造することができ、また第６図に示
すように底面部９上に第１折り重ね片５ａ，５ｂ
と第２折り重ね片５ｃ，５ｄを折り重ね、それぞ
れの突き合わせ部分をステープル１１で連結する
だけで迅速に組み立てることができる。この組み
立てにより底板４には位置決め穴６が形成される
ので、この位置決め穴６にクツシヨン３の係合部
８を嵌合すればよい。この組み立てられた底板４
は底面部９が一枚板の外底を形成し、第１折り重
ね辺５ａ，５ｂと第２折り重ね片５ｃ，５ｄが内
底を形成するようになり、二重構造となるため、
強度が高いものとなる。そして、底面部９が位置
決め穴６の下面を覆つているため、クツシヨン３
の係合部８下面の損傷を防止することができる。

［考案の効果］ 以上の説明より明らかなように本考案によれば
次のごとき優れた効果が発揮される。

組立て工程での作業が簡略化され、生産性を
可及的に高めることができる。

不良品の生産率を低減し、歩留りを向上させ
ることができる。

構造が簡単で容易に採用し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案が採用される梱包箱の外観を示
す斜視図、第２図は第１図の内部を示す斜視図、
第３図は従来の底板と成形緩衝部材との組付け状
態を示す側断面図、第４図は本考案に係る底板と
成形緩衝部材との組付け状態の一実施例を示す側
断面図、第５図は本考案に係る底板の板どりの一
実施例を示す展開図、第６図は本考案に係る底板
の一実施例を示す斜視図である。 尚、図中１は外箱、３は成形緩衝部材、４は底
板、５ａ，５ｂは第１折り重ね片、５ｃ，５ｄは
第２折り重ね片、６は位置きめ穴、８は係合部、
９は下面部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 段ボール等の梱包用板紙により外箱及び底板を
   形成し、該底板上に空気調和機等の被梱包物を発
   泡樹脂材等の成形緩衝部材を介して固定するする
   梱包箱において、上記底板が外底を形成する矩形
   の底面部を有し、該底面部の相対する一対の辺に
   は各辺を底辺とし、該底辺を折り返し線として底
   面部上に折り重ねられる台形の第１折り重ね片が
   一体形成され、底面部の他の一対の辺には各辺を
   底辺とし、該底辺を折り返し線として底面部上に
   折り重ねられる第２折り重ね片が一体形成され、
   該第２折り重ね片には底面部上で互いに突き合わ
   される上辺と、底面部上で第１折り重ね片の斜辺
   と突き合わされる斜辺と、底面部上で第１折り重
   ね片の上辺を一辺とする位置決め穴を形成する切
   り欠きとが形成され、上記成形緩衝部材には上記
   位置決め穴に嵌合する係合部が形成されているこ
   とを特徴とする空気調和機等の梱包箱。